Best of Sabu & Rob Van Dam : Rolling Thunder Tour
 (DVD-R)
 収録時間:約2時間5分
 ECW存命時に地方でのドサ巡業を含め、その興行の大半をビデオ
収録したと伝えられる、米国のプロレス・グッズ屋『Rf-Video』をご存知
か。その『Rf-Video』が2005年初頭より過去の貴重映像を順次DVD
−R化し、怒涛のリリース・ラッシュでワシらECWマニアの懐を直撃し
ているんや。さてさて今回皆様にご紹介するのはサブゥとRVDの凸凹
コンビによる(主にドサ巡業での)名場面集『Best of Sabu & Rob Van
Dam : Rolling Thunder Tour』。何やらタイトルがポブ・ディランが75年
より始めた北米大陸巡業のツアー名に似ておりますが、まずはDVD
−Rを再生装置にブチ込み、サブゥとRVDの奮闘具合を堪能しようで
はおまへんか。あ、本DVD−Rですが、試合の収録順が時間軸に沿
っていないとか、試合の収録日時がクレジットされていない(ネット等を
使って可能な限り調べて記してみました。ただ、間違っていたらゴメン
ね)とか、相変わらず『Rf-Video』らしく仕事の粗さが全開ですワ。

【注意】最近は一部で姑息にもデジタル・リマスタリングなる売り文句を
使う『Rf-Video』ですが、無論彼等にはそんな高額な編集機材を買う銭
も、コツコツと過去の映像をリマスタリングするような手間隙も絶対にお
まへん。ま、過剰な期待はなされず、あくまで海賊商品だと割り切って
ご購入される事をお勧めいたしますワ。

@Sabu & RVD (w/Bill Alfonso)
 vs. Taz & Shane Douglas (w/Francine)
 1998-11-21 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  FTW(Fuck The World : この世は全て糞っ垂れの意)王座のベル
 ト)を腰に巻くタズを楯に、花道に居るサブゥとRVDを憎々しく挑発す
 るECW認定のヘビー級世界王者であるダグラス。さてさてなんでこ
 んな変な構図になったのかですが、実はこの夜から遡る事約3週間。
 11月1日に放映されたPPV『Norvember to Remember 1998』におい
 てタズはトリプル・スレット(ダグラス&ビガロ&キャンディード)征伐の
 ために犬猿の仲であったサブゥやRVDと手を組み、新たにニュー・ト
 リプル・スレット(サブゥ&RVD&タズ)を結成したんです。けどやはり
 タズとサブゥらはあっさり空中分解。またトリプル・スレット側もダグラ
 スの用心棒であったビガロがPPV直後にWCWへと転出。これでは
 リング上の大河物語りも一度リセットすべきとプロデューサーのポー
 ル・Eも判断したんやと思いますが、11月6日のクイーンズでの定期
 興行ではタズとダグラスがまさかのシェイク・ハンド...。この一連の
 動きがこの夜の一戦へ至る下地って奴ですワ。あ、肝心の試合の方
 ですが、タズがサブゥの空爆を喰らって客席であえなく昇天。ローン・
 バトルを強いられる形となったダグラスには、サブゥの五寸釘攻撃と
 シーク爺直伝のキャメル・クラッチ(←相手の片手だけを極めるのが
 特徴)がガッチリと決まって...。
 【追記】試合決着後に蘇生したタズがサブゥにスープレックスを見舞
 い、これにてサブゥが首を負傷。ポール・Eや若手連中が慌ててリン
 グに飛び込んで来る中、「しもた、やってしもたデ」って表情を浮かべ
 るタズにはちょっと注目やね。
ASabu & RVD (w/Bill Alfonso)
 vs. Bam Bam Bigelow & Sandman
 1998-01-24 Revere, MA - Wonderland Greyhound Park
  97年10月16日のクイーンズでの定期興行において、雇い主であ
 るダグラスに反旗を掲げ世界王者のベルトを強奪したビガロ。11月
 30日放送のPPV『Norvember to Remember 1997』では、虎の子の
 ベルトこそ元の持ち主であるダグラスへ返したけど、またまだ両者は
 反目し合っております。またキャンディートと共にタッグ王者に就くラン
 ス・ストームにしてもキャンディードが属するトリプル・スレット軍(ダグ
 ラスが主宰)とはいまいち折り合いが悪く...。ってな下地があり、9
 8年1月31日のECWアリーナでの定期興行『Hostile City Showdow
 n 1998』ではダグラス&キャンディード&ストーム対タズ&ビガロなん
 て試合も組まれるのですが、ここではその一週間前のドサ巡業での
 映像をチョイス。イレズミ獣&酔っ払い組の猛攻に青息吐息状態の
 サブゥとRVDを(少なくとも形式上)救ったのは、ビガロ憎しで無法介
 入を仕掛けたキャンディードとストーム、そして2人を指揮したダグラ
 スなのでした...。
BECW World Tag Team Championship :
 Sabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 The Dudley Boys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
  リング・ベル早々ダッドリー・デス・ドロップの餌食となったRVD。相
 棒のサブゥもババの放った急所直撃のダイヴィング・ヘッドにて昇天
 寸前。頼みの綱(?)のアルフォンソさえセコンド陣に捕まって(介入
 時に腕を痛めたみたい)、これはタッグ王座の移動もあるかと思った
 のやけど、ここで自身のテーマを高らかに鳴らせてタズがお出まし。
 ババとD-ボンを楽々切って捨て、サブゥ&RVDのベルト防衛を演出
 してしまいましたとさ。
 【追記】本試合、収録日時が分かりませんが、タズの行動から判断す
 ると、98年11月1日に放映されるPPV『Norvember to Remember 1
 998』へ向け、ニュー・トリプル・スレット(サブゥ&RVD&タズ)を結成
 しようとしていた時期かと考えます。ただ、98年10月24日のオハイ
 オ州はクリーヴランドでの興行において、ダッドリーズがサブゥ&RV
 Dを破って新王者コンビとなっているため、サブゥ&RVDのベルト防
 衛で幕となった本試合は、少なくとも10月24日よりは前かと...。
 ※この顔合わせのタッグ王座戦、当時のドサでの定番試合であった
 ため、どうしても収録日時が特定が出来ませんでした。堪忍してや。
CECW World Tag Team Championship :
 Sabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Shane Douglas (w/Francine) & Bam Bam Bigelow
  (多分)タズにやられたのであろう左腕の負傷が癒えぬダグラス。
 勿論RVDもそこらは先刻承知のようで、得意のレッグ・ドロップなど
 をビシバシとダグラスの左腕に降らせ、これ以上は見て居れぬとダ
 グラスの援護にキャンディードがスクランブル発進してみるものの、
 今度はタズが現れてダグラスをいとも簡単にチョーク・アウト...。
 【追記】これもB同様、収録日時がどうにも特定出来ませんでした。
 ただ“ダグラスの左腕イジメ”がネタとなっている事から、98年の春
 から初夏にかけての時期かと考えます。
DSabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Tommy Dreamer (w/Beulah) & Taz
 1997-07-26 Buffalo, NY - Burt Flickenger Athletic Center
  今度は97年7月26日にニュー・ヨークはバッファローにて収録され
 たファン・カム映像。さてさてこの当時、我等がECWマットにはジェリ
 ー・“キングさん”・ローラーが統率するUSWA軍が巨大資本WWFを
 後ろ盾に団体抗争を仕掛けて来ており、そのUSWA軍団にサブゥと
 RVDも合流し一大勢力WWF派閥を組織。連日連夜、ECW正規軍
 との間で、それはそれは熾烈な抗争劇が繰り広げられていたんです
 ワ(詳細は『ECW vs. USWA Civil War of the 90s』で確認して)。って
 事で、余所者に舐められては堪らんと、今夜はECW正規軍の団長
 トミー・ドリーマー(タズ・ブランドのTシャツ着用)にタズが助っ人として
 付き、WWF派閥のサブゥ&RVDとの激突となりました。ただ試合の
 途中で、第三勢力のトリプル・スレット軍(ダグラス、ビガロ、キャンデ
 ィード)がタズを狙って無法乱入を行い、これに応戦したタズはトリプ
 ル・スレット軍と縺れ合ってリング上からフェード・アウト。哀れ、独り
 リングに残ったドリーマーは、WWF派閥から蹂躙されるだけかと、さ
 すがのワシも目を瞑りました(苦笑)が、RVDの投げ付けたパイプ椅
 子がドリーマーを飛び越し、サブゥの頭部をモロに直撃。これは千載
 一遇の好機到来と、すかさずドリーマーが十八番芸のDDTをサブゥ
 に浴びせて...。
ETables & Ladders Match :
 Sabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs. The Eliminators
 1997-03-29 New Kensington, PA - Valley High School
  ECW初のPPV放送(97年4月13日放送の『Barely Regal』)を目
 前にしたドサ巡業での試合。さてさて、当時タッグ王座に就いていた
 イリミネーターズを虎視眈々と付け狙っていたのが、ババとD−ボン
 のダッドリーズ。『Barely Regal』での直接対決を見据え、事前に少し
 でも相手チームにダメージを与えてやらんと思ったか(苦笑)、一進
 一退で白熱するテーブル&梯子戦に乱入を仕掛け、イリミネーター
 ズの片割れクローナスを集中攻撃や...。
FSabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Tommy Dreamer (w/Beulah) & Sandman
 1998-01-17 Monaca, PA - Golden Dome
  試合開始早々、サブゥの五寸釘攻撃がサンドマンにモロに決まり、
 サンドマンは文字通りの大流血で試合続行不能となって若手連中の
 肩を借りて控え室へ...。しかしこんな塩梅では今夜のメインとして
 は不適格。って事で急遽アル・スノー(記録によると第2試合でポー
 ル・ダイアモンドを撃破)がドリーマーのパートナーとして呼び出しを
 受けて...。ただ、多分アルも第2試合終了後にお客と一緒になっ
 て“ヘッドの儀式”(←マネキンの首を持って踊るってもの)をたっぷり
 とやったと見え、サンドマンの“代打ち”には乗り気薄。で、ならばとこ
 こで奮闘したのがアルフォンソとビューラ嬢。ウーン、この両人、やは
 り伊達にマネージャ業をやっているんやないようですな。天晴!。
GSabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs. The Pitbulls
  またまた収録日時を調べ切れなかった試合。サブゥとRVD、暴れ
 者(でもレスリング・テクは...?)のピットブルズに適当に攻め込ま
 せ、ここらで十分規定時間を勤め上げたと判断したか、連携プレー
 を駆使してあっさりとフォール。ま、いかにもドサでの試合ってところ
 やろかね。
HSabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Jerry Lynn & Spike Dudley
 1998-04-25 Trenton, NJ - CYO Center
  本DVD−Rは一応サブゥとRVDのコンビによる名場面集って趣旨
 で編集されておりますが、実はこの2人って結構内紛劇も演じている
 んよね。で、ここに収められたのは98年5月3日放送のPPV『Wrest
 lepalooza 1998』にて直接対決する2人(結果は30分超えのドロー)
 の、その直前の様子。とりあえず形式上はキチンとチーム・アップし
 て、曲者のリン&スパイクを相手にメリハリの利いた試合をやっては
 おりますが、ヴァン・ダミネーターによってRVDがスパイクをフォール
 しようとしたところ、「出しゃばったらアカン、フォールをするのはワシ
 の役目やから」、とサブゥが注文を付けて...。
ISabu & Chris Candido vs. RVD & Lance Storm
 "A Matter of Respect 1998"
 1998-05-16 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  Hにて触れた、98年5月3日放送のPPV『Wrestlepalooza 1998』の
 後日談的な試合。ちなみにこの試合の2日前、5月14日のクイーン
 ズでの定期興行『It Ain't Seinfeld 1998』でRVDはマイキー・ウィップ
 レックを相手にTV王座の防衛戦をやる(結果はRVDのベルト防衛)
 んやけど、ここにサブゥが無差別テロを仕掛け、これをクリス・キャン
 ディードが援護。しかもキャンディードと一緒にタッグ王座に就いてい
 るランス・ストームが遅れて現れたのですが、何とストームはパートナ
 ーのキャンディードや、キャンディードが援護するサブゥに付くのでは
 なく、RVDのバックアップに回ってしまうって大混乱。実は5月3日放
 送のPPV『Wrestlepalooza 1998』ではタッグ王座戦の土壇場でキャン
 ディードがパートナーのストームに椅子を振り下ろし、無理やりフォー
 ル役を強奪するって場面(何やらHのサブゥとRVDの関係に酷似し
 とるなァ...笑)があり、続く5月9日のニュー・ヨークはバッファロー
 での定期興行ではお返しとばかりストームがキャンディードに一発見
 舞い(これでストームのトリプル・スレット離脱が決定的に)、サブゥは
 サブゥでRVDとダグ・ファーナスの試合に介入してRVDを襲う、なん
 て場面があったんや。って事で、ここらでちょっと交通整理でもしよか
 と組まれたのが、このサブゥ&キャンディード対RVD&ストームって
 訳ですんや。ただし、肝心の試合はやはりと言うか、キャンディードに
 よるサブゥへのダブル・クロス劇を引き金に、相手チームのRVDとス
 トームも仲間割れ。最後はサブゥがシーク爺直伝のらくだ固めでキャ
 ンディードをガッチリと捕らえ、そこにRVDが狙い澄ましたヴァン・ダ
 ミネーターをお見舞い...。短期間にいろいろとあったけど、サブゥ
 とRVD、晴れて元の鞘に納まったみたいやね。良かった良かった。
JStretcher Match : Sabu vs. RVD
 "The Doctor is In"
 1996-08-03 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  時間は一気に遡り、今度は96年8月3日にECWアリーナで開催さ
 れた定期興行『The Doctor is In』でのサブゥとRVDの一騎討ち。さて
 さて両者は当時激しく抗争を繰り広げておりまして、4月20日の定期
 興行『Hostile City Showdown 1996』ではサブゥが勝ち、5月11日の
 定期興行『A Matter of Respect』ではRVDが勝ち、6月22日の定期
 興行『Hardcore Heaven 1996』ではRVDが再び勝ち、って一進一退
 の鍔迫り合い状態。また『Hardcore Heaven 1996』ではRVDの放った
 雪崩式のフィッシャー・マン・バスターでサブゥが首を負傷して担架で
 運び出されるってアクシデントがあり、何とそのアクシデントを逆手に
 取ったのか、今夜は相手が担架で運び出されるまでとことんやり合う
 ってルールの“担架戦”を導入。尚、試合の方ですが、サブゥとRVD
 の一騎討ちらしく、トリッキーなムーブが絶え間無く続くのはお見事の
 一言ですが、いくらルールとは言え、いちいち選手がダメージを受け
 る度に担架に乗せられてしまうので、せっかく盛り上がったリズムが
 ブチ切れになってしまい、ワシはどうも感心できませんでしたワ。
 【追記】この試合ですが、現在絶賛廃盤中の米国製DVD『Hardcore
 History』にも収録されておりまっせ。

【ボヤキ】全編に渡ってサブゥとRVDのチームとしての魅力が上手く捉
 えられており、彼等のファンなら楽しめることは請け合いの本DVD−
 R。ただ、最初にも書いたけど、なんで時間軸に沿って試合を収録せ
 んのやろ。既に紹介済の『Best of Taz : FTW, F*ck The World』や『B
 est of Taz : Survive If He Let's You !』と言い、このDVD−Rと言い、
 言葉は悪いけど、適当に手元にあった好試合の映像をブチ込んだだ
 けやんか。いくらブートものでも、もうちょっと資料性を高める事を『Rf
 -Video』には望みたいですな。いや、ホンマに。


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