ECW vs. USWA
 Civil War of the 90s
 (VHS-TAPE)
 収録時間:約2時間35分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょっ
と怪しいプロレス・グッズの通販屋から1本12ドル(今回は定例の週末
セールに合わせてオーダーしたので1割5分引の10.2ドルやった)で
発売されている『ECW vs. USWA : Civil War of the 90s』ってタイトルの
ブツ(著作権等を根底から無視した海賊コピー・テープ)ですんや。
で、その収録内容なんですが、我等がトミー・ドリーマーを軍団長とする
ECWと、ジェリー・“キングさん”・ローラー率いるUSWAが、1997年
6月から8月に渡って約2ケ月の間繰り広げた、正に血で血を洗う熾烈
極まりない団体抗争の歴史を手際よく纏めた物。ではでは新日本vs.U
インターの団体抗争アングルをちゃっかり拝借した(団体抗争アングル
自体はその昔よりあったやろけど、日本のマット界にも精通するポール
・Eのこと、当然新日本vs.Uインターの大ヒットは知っていたはず)と推
測されるECWvs.USWAの一大抗争、しかと見届けてみましょう!。

○これが抗争の発端...?
  テネシー州はメンフィスを根拠地に活動するUSWA【United States
 Wrestling Association】の定期放送番組『USWA Championship Wres
 tling』より。お客も入れたスタジオ収録の場のインタビューにて、キング
 さんがECWに挑戦を表明や!。「暴力と騒乱を売りにしているみたい
 やけど、ECWなんて所詮はクズ団体」などとECWを貶し、ショット・ガ
 ンで自らの頭を打ち抜いて自殺したカート・コバーンが在籍していた人
 気ロック・バンド“Nirvana”のヒット曲『Smells Like Teen Sprit』を挿入し
 たECWのプロモを紹介。どうやら“自傷芸”で売るドリーマーと、実際
 に自殺してしまったカート・コバーンとを引っ掛けたと思われる、なんと
 も嫌味ったらしいトーク内容みたいですワ。
 ※ヒアリングに自信がないので、間違っていたらゴメンね。
○Loser Leaves Town Match :
 Tommy Dreamer (w/Beulah)
 vs. Raven (w/Chastity & Lupas)
  ECWアリーナにて97年6月6日に開催されたECWの定期興行『W
 restlepalooza 1997』より。この夜をもってWCWへ転出する事が決ま
 っていたのは人気者のレイヴェン。ドリーマーとの『負けた方が町から
 出て行く』戦で業界のルールに則って見事に散りました。で、人気者レ
 イヴェン離脱のショックを軽々フッ飛ばしてみせたのが、キングさんの
 無法介入。実は当時ECWとWWF(現WWE)は不思議な業務提携
 関係にあって、RVDがキングさんの露払いでWWFの定期放送番組
 『RAW is WAR』に出て、ジェフ・ハーディと一戦交えたって事実も。
 さてRVDやサブゥを手下に収めてECWを急襲したキングさん、「どい
 つもこいつも皆殺しや!」と絶叫して大暴れ。ドリーマーとサンドマンは
 完全にKOされ、ムスタファは自力で立てず、ニュージャック親分に至
 ってはリング下で掛け値なしの血海に沈んでしまいました。
 【追記】WCWによるレイヴェンの引き抜きに、WWFとECWが手を組
 んで対抗措置を取ったとも思える本抗争ですが、とりあえずお客の目
 線をレイヴェンの離脱って一大事から、キングさんの急襲って事象に
 すり変えてみせた手腕は正味特筆もの。所在なさ気にリングを去るレ
 イヴェンの姿はホンマに見物でっせ。
○ドリーマー、怒ってます...。
  キングさん一派にボコボコにされたドリーマー、頭に受けた傷を縫合
 して貰いながら、キングさん達に報復を誓っております。
○一方のキングさんは...。
  してやったりのキングさん、悪辣そうな笑顔で一席。背後に控えるヴ
 ィンス御大の影もちらつかせて、「何時でも何処でも掛かって来い」
 ドリーマーらECW側を挑発ですワ。
○まだまだ喋り足りまへん...。
  キングさん、今度は王冠も被って再度の一席。あ、ここまでの映像は
 多分ECWの定期放送番組『Hardcore TV』からやと思います。
○そこまで言うのなら...。
  「何時でも何処でも掛かって来い」などとまで言われると、さすがにド
 リーマーも黙っておれまへん。キングさんをメンフィスまで追い掛け、U
 SWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』を収録中の
 スタジオを予告なし(苦笑)で急襲。運悪く(運良く?)、リングの上では
 キングさんが覆面レスラーのミスター・レスリング(←あの伝説の選手
 とは別物やと思います)と一戦交えていたところで、一度は関係者総
 出で退場させられたものの、ドリーマーは控え室で大暴れ。そして再
 度スタジオ内のキングさん(キングさんの息子、ブライアンの姿もあり
 まっせ)を襲い、勢い余って様々なセットを破壊する大暴走でっせ。
○Sabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Tommy Dreamer (w/Beulah) & Sandman
  ECWアリーナにて97年6月28日に開催された定期興行『Orgy of
 Violence』より。キングさんらと歩調を合わすサブゥ&RVD(WWF派
 閥)を懲らしめんと、ドリーマー&サンドマンが出陣。けど試合の大詰
 めでまたまたキングさんが出現。しかも今回は盟友のジム・コルネット
 までを注ぎ込み、キングさんらはECWマットを完全に蹂躙や。
 【追記】後にWWEの編集によって発表されたECWのヒストリーものD
 VD『The Rise + Fall of ECW』によると、キングさんの猛攻でドリーマー
 はマジで病院送りとなり、睾丸から溜まった血を抜かないといけないっ
 て羽目になったんやて。やり過ぎたと思たんやろね、あとからキングさ
 んがドリーマーに謝りに来た(苦笑)そうです。ウン、エエ話やね。
○役者が違うんや、役者が...。
  ECWの定期放送番組『Hardcore TV』より、キングさんのプロモを。
○アタシ、ドリーマー“の金玉”が心配やわァ...。
  ECWの定期放送番組『Hardcore TV』より、ビューラ嬢のプロモを。
○お前等、ちょっとはしっかりせんかい!。
  ECWアリーナにて97年6月28日に開催された定期興行『Orgy of 
 Violence』より。キングさんに金玉をブチ壊され、救急車へと運び込ま
 れるドリーマー。一方、リング上ではECWの“武闘派”タズが、WWF
 のTシャツに火を放ち、檄を飛ばしておりまっせ
○潰してやったデ、金玉を...。
  ECWの定期放送番組『Hardcore TV』より、コルネットのプロモを。
○Steel Cage Match :
 Jerry Lawler & Sabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Sandman & Tommy Dreamer (w/Beulah) & Mystery Partner
  いよいよ抜き差しならん状況となって来たECWとUSWA。遂に97
 年7月19日の定期興行『Heat Wave 1997』では金網戦で両軍総出に
 て雌雄をつける事に。けどECW側の隠し玉として投入されたはずの
 “Ravishing”リック・ルードが土壇場でまさかのダブル・クロスを敢行
 ま、リック・ルードの場合、キング一派への寝返りってよりも、ECW内
 で反目し合っていたシェーン・ダグラス率いる極悪ユニット“トリプル・ス
 レット”への合流って意味合いが強かったみたい(ここらの物語って非
 常に複雑なので、間違っていたらゴメンね)。金網の外ではダグラスや
 “トリプル・スレット”の構成員である“イレズミ獣”バン・バン・ビガロ、ク
 リス・キャンディード、彼等と絶賛抗争中のテリー・ファンク爺が絡んで
 大騒動が勃発。そして金網の中ではドリーマーとサンドマンが手錠に
 よって無残にも金網に拘束され、キングさんらから文字通りリンチまが
 いの暴行を受けてしまいます。あ、お家の一大事にタズも駆け付けて
 キングさんを締め落とすのやけど、ここで8月17日放送の次回PPV
 『Hardcore Heaven 1997』にてタズの所持するTV王座に挑戦するキ
 ャンデードが、“トリプル・スレット”の面々のバック・アップを得て、タズ
 をチョーク・アウト!。「“トリプル・スレット”がECWを制圧してしまいま
 した!」と実況のジョーイ・スタイルスが絶叫しております...。
○このクソ団体が!...。
  キングさん、ECWのロゴの入ったTシャツに火を放って一席。これは
 USWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』からです。
○ドリーマー、怒ってます...。
○サンドマン、怒ってます...。
  共にUSWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』より。
 どうやらUSWAマットへの出場が決まったみたいで、両人ともに当日
 にかける思いを画面一杯にブチまけております。
○南部一の仲良し親子?...。
  USWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』より。EC
 W側の挑戦なにするものぞと、キングさんと息子のブライアンが一席。
○タズ、怒ってます...。
  USWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』より。
○よっしゃ、とことんやってやるワ!...。
  USWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』より。大
 勢の身内のレスラーをはべらせ、御大ポール・Eが不退転の決意を吐
 露。けどここでタズとキャンディードが同席している事、加えてUSWA
 所属の人気タッグ・チームPG−13が加わっているのが少々解せん。
 ま、PG−13の場合はUSWA内のベビー側なので、キングさん達と
 反目し合ってECW側に合流ってところでOKなんやろけど...。タズ
 とキャンディードって内輪揉めの真っ最中やなかったの...??。
○Tommy Dreamer & Sandman vs.
 Jerry Lawler & Brian Christopher
  USWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』より。遂
 に敵陣へと正式に乗り込んだドリーマー&サンドマン。キングさん親子
 相手に試合をおっ始めたんやけど、ここにキングさんの命を受けたと
 思われるサブゥ&RVDが介入。遠くメンフィスまでやって来て、またも
 や苦い水を呑まされた格好のドリーマーとサンドマンなのでした。あ、
 ドリーマー&サンドマンに加勢せんと、PG−13も姿を見せた事も書い
 ておきますな。
○そやから言ったやろ、ワシの方が上手やて...。
  USWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』より、キン
 グさんの一席。そして改めて息子のブライアンと一緒に一席。しかしど
 うもキングさん親子にも何やらトラブルの種はあるみたいです。  
○今が出世のチャンスだぜ...。
  USWAの定期放送番組『USWA Championship Wrestling』より、人
 気のタッグ・チームPG−13が一席。2人揃ってECWのロゴが入った
 Tシャツを着用し、身も心もECWにありってところをアピールや。  
○3WAYダンス...?。
  ダッチ・マンテル(←懐かしいなァ)がUSWAの定期放送番組『USWA
 Championship Wrestling』を収録中のスタジオで一席。と、ここにキング
 さん、続いてビューラ嬢を引き連れたドリーマーまでが現れて、スタジオ
 内を上を下にの大騒ぎに...。
○Tommy Dreamer (w/Beulah) vs. Dutch Mantell
  って事で組まれたドリーマーとマンテルの一騎討ち。試合はドリーマ
 ーの勝ちで終わったと思ったら、やっぱりここでキングさんが介入。ドリ
 ーマーの背後から襲い掛かり、マンテルに勝ち星をプレゼントですワ。
○最終決戦に向けて...。
  ECWの定期放送番組『Hardcore TV』より、キングさんとドリーマー
 の最終決戦に向けた決意表明をどうぞ。
○Jerry Lawler vs. Tommy Dreamer (w/Beulah)
  97年8月17日放送の、ECWによる団体史上2回目のPPV『Hardc
 ore Heaven 1997』より。まずドリーマーとの一騎討ちを控えたキングさ
 んがリングに上がり、マイクを握って一席。“本当のPPV”が観たいな
 ら、アンダーテイカー、ブレット、オースチンらが大挙出場する、9月7日
 にWWF(当時)がケンタッキー州はルイズヴィル(USWAのテリトリー
 の一つでもおます)より放送予定の『In Your House XVII - Ground Ze
 ro』を観ろ、と豪語!。返す刀で、「ドリーマー、とっとと出て来い!」
 言い放ちました。さてさて、ここまでキングさんにコケにされてはドリー
 マーも黙っておれまへん。勇躍リングに上がり、鉄拳の雨からキングさ
 んの顔面に金属製の皿で一撃。ジャストのタイミングで解説のジョーイ
 ・スタイルスも、「ようこそECWへ!」とドリーマーに声の援護射撃や。
 で、珠玉のブレードで額を血に染めたキングさん、序盤はドリーマーに
 ハンバーガーで殴られ(キングさんには二重の意味で屈辱ですな)、ス
 タンド席で引き摺り回されるなどと防戦一方。それでもさすがは海千山
 千のキングさん。革ベルトを使ってドリーマーを殴りまくり、ドリーマーが
 着用していたTシャツからECWのロゴ・マークを剥ぎ取り、両脇、お尻
 とご丁寧に拭いてサイコロジカルに反撃開始。で、この暴挙(苦笑)に
 心底怒ったドリーマーに対し、ここからなんとも豪華絢爛なゲスト陣を
 順次投入。そう、都度の場内暗転とともに、順にリック・ルード(ゴミ箱
 でドリーマーをボコボコに)、続いてはジェイク・“ザ・スネーク”・ロバー
 ツ(勿論元祖DDTをドリーマーに、そして何故かキングさんにも一撃)、
 そして最後はキャンディードの奥方であるサニーちゃん(ヘア・スプレー
 攻撃をドリーマーにお見舞い)が乱入でっせ。ウン、ここら辺りは正にキ
 ングさんの“政治力”を見せ付けられる場面ですワ。あ、試合はサニー
 ちゃんの介入に、これは少々遅れをとってしもたとビューラ嬢までもが
 リングへ上がり、待ってましたのエロエロ・キャット・ファイトを展開。最
 後はビューラ嬢がキングさんの股間にロー・ブローを放ち、ここを勝機
 と悟ったドリーマーがDDTを速射。憎きキングさんをPPVの大一番で
 打ち破り、男一匹ドリーマーここにあり、超過激(←書いていて、ちょっ
 と恥ずかしいワ)団体ECWここにあり、を大アピールしとります。
○“終戦宣言”を高らかに...。
  ECWの定期放送番組『Hardcore TV』より、ドリーマーによる長かっ
 USWAとの抗争についての“終戦宣言”を。「これで終わりだ!」とドリ
 ーマーが吠えた途端、ドアーズの名曲『The End』が被さって。ウーン、
 これは非常に格好エエ“終戦宣言”やないの...。


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