ECW WRESTLING TNN #001
 1999-08-27 On Air
 (VHS-Tape)
 収録時間:約58分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょっ
と怪しいプロレス・グッズの通販屋から1本12ドル(今回は国内の某裏
ルートより入手いたしました)で発売されている代物(著作権を無視した
海賊コピー・テープ)です。で、その収録内容はと言うと、ECWの定期
放送番組『Hardcore TV』が、TNN局との契約により装いも新たに(基
本的なフォーマットは変わっていないけど)『ECW WRESTLING TNN』と
して全国放送される事となった際の、記念すべき第1回目の放送分
さぁ、ポール・E御大も喉から手が出るほど渇望したであろう全国放送
(これがECWって団体の寿命を最終的に縮めたって側面もあるけど)、
どんな塩梅であったのか早速テープを再生してみましょ。
※リピート放送やディレイ放送などもあったと想像いたしますが、多分
第1回目放送分の一番最初の放送は、1999年8月27日のはず。
番組後半でジョーイ・スタイルス氏が、8月28日のECWアリーナでの
定期興行を、「明日開催される...」と言っているので間違いはないと
思います(間違っていたらゴメンね)。

【追記】本テープですが、標準スピードで120分録画可能のものに、2
倍速録画って仕組みを使い、60分の定期放送番組を4回分収録した
内容。尚、聞きなれない2倍速録画って奴ですが、日本国内で普通に
流通しているビデオ・デッキでも再生可能(機種によっては、若干トラッ
キングが乱れる事も)。また1回につき60分の番組なんやけど、その
1/4である15分間はCM。実質、約45分間の番組ってとこですワ。

○これがECWや!
  いきなりダッドリーズがマホーニー&スパイクを火炎テーブルにパワ
 ー・ボム葬する場面で番組はキック・オフ。既存のメジャー2団体に向
 けてのポール・E御大の宣戦布告、「This is not WWF ! , This is not
 WCW ! , This is ECW on TNN !」とのシャウトが映像に被さりまっせ。
 あ、この試合映像は、多分99年6月17日開催のイリノイ州はシカゴ
 での定期興行からの選出ではないかと...。
○ジョーイ・スタイルスのご挨拶
  「オハイオ州はトレードから、これまで皆様がご覧になられた事のな
 い、エクストリームなレスリングをお届けいたします」と挨拶。
 【追記−@】この“エクストリーム”なる言葉、ECWって団体を語る時
 には必ず枕詞として用いられますが、安易に“過激”とは訳せまへん。
 いや、別に“過激”と訳してもエエんやけど、そうなると直ぐにデス・マ
 ッチや大流血戦やエロ系女子マネなどを想像してしまうし、実際それ
 らもECWって団体の一面であった事は確か。けどそれだけでECW
 が総括出来るのなら、こんなに楽な事もなく...。さりとて、ではお前
 が思う“エクストリーム”とは何かを説明しろ、なんて言われるとワシも
 困ってしまいます。ま、ECWにおける“エクストリーム”とは、道頓堀
 次郎がライフ・ワークとして一生探求し続けるのであろう命題なんでし
 ょうな(全く説明になってまへんな、すんまへん)。
 【追記−A】ジョーイ・スタイルスの挨拶にもあった様に、99年8月14
 日開催のオハイオ州トレード大会ではTNN局の手による最初のネタ
 収録が行われたようなんやけど、ほとんど『ECW WRESTLING TNN』
 には使われる事がなかったみたい。試合内容のクオリティーにでも問
 題があったのやろか。『Rf-Video』から当日の生録りファン・カム映像
 を入手し、ワシなりにチェックしてみんとアカンなァ...。
○TV王者達の歴史を紹介
  クリス・ジェリコ、ディーン・マレンコ、エディ・ゲレロ、2・コールド・スコ
 ーピオ、バン・バン・ビガロ。過去にECW認定のTV王座に就き、メジ
 ャー団体へと転出して行った選手達を紹介。彼等を引き抜いたメジャ
 ー団体への当てこすりとも取れるし、ECWがそれだけ業界に貢献し
 ているんだとのポール・Eの自信とも取れるな。で、現在TV王座に就
 いているのはRVD。98年4月4日のニュー・ヨークはバッファロー大
 会にてビガロからベルトを引き継ぎ、一年以上に渡る長期政権を敷い
 ておりまっせ。
○ECW World Television Title Match :
 Rob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. Jerry Lynn
  そしてこれが記念すべき第1回目の全国放送のキック・オフに選出
 された試合。99年5月16日にPPV放送された『Hardcore Heaven 1
 999』よりのチョイスで、番組自体が8月27日の放送である事を思うと
 若干時間が経過し過ぎてとるけど、それでも敢てこの試合を持って来
 たのは、まだECWを知らぬお茶の間の“新規顧客”に対し、ポール・
 Eが“所信表明”するためには、これが最適だと判断したのでしょうな。
 RVDも後に、当時のジェリー・リンとの一連の抗争が自身のキャリア
 の頂点であったなどと述べておりましたが、サイド・ストーリー抜きの
 20分以上の試合を、ほぼノー・カットで放映。メジャー団体に向けて
 の挑戦である事は明らかで、これもまた“エクストリーム”な瞬間です。
 以下は、既にワシのHPに掲載中のレビューよりの転載ですワ。
  99年年頭から熱い試合を提供し続けて来た両者。前回3月のPP
 V『Living Dangerously 1999』に引き続きまたも激突や。ま、マンネリ
 やないかって言われればそれまでなんやけど、毎回非常に濃い試合
 を提供し続けて来たのも否定し難い事実。で今夜もワシは大いに期
 待しての観戦となったのですが、序盤ロープ際での攻防からリンがリ
 ング下へ顔面から落下するアクシデントが勃発。これがワシも思わず
 モニター画面の前で「痛い!」って口走ってしまった落ち方で、リンは
 リング下で全く動けなくなってしまう事に。さて、こうなると困るのはR
 VD。多分ECWにとっては生命線となるPPVで、いくらアクシデントと
 は言え与えられた試合時間をまっとう出来ないのは命取りやもんね。
 RVD、この難場をどない乗り切るのやろって少々意地悪な思いで観
 戦を続けましたが、ここはRVDよりもリンの回復力の強さと与えられ
 た仕事を完遂するって芸人根性に驚かされることに。ホンマ、あれだ
 けの落ち方をして頭部に衝撃も受けたやろうに、なんで難易度の高
 いスポットを繰り出しながら20分以上も戦えるんやろか。RVDもリン
 の激闘に応えようとしたか、一撃必殺の5☆スプラッシュを一度は返
 させる粋な計らい。最後はヴァン・ダミネーター(またも顔面攻撃かい
 な)から改めての5☆スプラッシュで幕となった試合ですが、名勝負っ
 て感じではなくってワシはリンのプロ意識に感銘を受けましたな。
○これだけの選手がECWに在籍しておりました
  先の歴代TV王者の紹介に続き、かつてECWに在籍し、現在はメ
 ジャー団体にて活躍している選手達を紹介。順に、ミック・フォーリー、
 コナン、ペリー・サタン、リック・スタイナー、ロン・シモンズ(別名ファル
 ーク)、クリス・ベノワ、スティーヴ・オースチン...。
○“エクストリームの誕生”
  『Birth of Extreme』と名付けられたプロモ。あの1994年8月27日
 開催のECWアリーナにおけるNWA王座争奪トーナメントにて、綿密
 に練り上げ、かつ大胆に実行された業界屈指の名アングル、シェイン
 ・ダグラスによる“NWA王者のベルトのポイ捨て”事件を紹介。ここら
 は詳しく語るといくらキー・ボードを叩いても終わりとならないので、も
 し興味がおありなら、既に当HPに掲載中のレビューを参照してね。
○ECW World Heavyweight Title Match :
 Taz vs. Rhino
  冒頭の試合映像と同じ、多分99年6月17日開催のイリノイ州はシ
 カゴでの定期興行からの選出と思われる一戦。ECW認定の世界王
 者であるタズがライノのチャレンジを受けるって構図の試合で、タズの
 切れ味鋭い各種スープレックスを喰らったライノ、最後はコーナー・ポ
 ストに立て掛けたテーブルへ腕を極めたスープレックスにて叩き込ま
 れ、ジョーイ・スタイルス言うところの「カ・タ・ハ・ジ・メ!」にて絶命や。
○続いてはサブゥのご紹介
  ポール・Eのコメントが入ったプロモにて、サブゥが紹介されました。 
○Spike Dudley vs. Big Sal E. Grizziano
  多分99年7月3日にニュー・ヨークはクィーンズでの定期興行から
 選出されたと思われる一戦。例によって例の如くスパイクが十八番
 のアシッド・ドロップ(←全国放送とするには少々問題がありそうな名
 前の技やね)で巨漢のグラジアーノを轟沈しとります。
○悪党軍もついでに...
  ジャスティン・クレディブル、ランス・ストーム、ダーン・マリー嬢、“惑
 星一セクシーな両刀使い”ジェイソン、サイラス(←この時点では、まだ
 TNN局差し向けの番組検閲員ってギミックはなし?)らから成る小悪
 党軍インパクト・プレイヤーズがカメラを前に怪気炎。全国放送と聞い
 てマリー嬢などは有名になるチャンス到来と、ウキウキ気分でっせ。
○Kid Rockの『Bawitdaba』のプロモを使い...
  現在ECWに在籍する各選手の名場面を随時パンチ・イン。お茶の
 間の“新規顧客”に対し、メジャー団体にいくら選手を引き抜かれ様
 が、まだまだECWにはこれだけの魅力溢れる選手が選手が居てま
 すんや、って選手層の厚さをPRしとります。
○最後はタズの決意表明で...
  「有刺鉄線バットを振り回すヤツが居る。椅子攻撃を得意とする奴
 が居る。火炎テーブルへ対戦相手を投げ込む奴が居る。しかし俺に
 は武器など不要だ。俺にはこの2本の腕が武器だ。クリス・ジェリコ、
 シェイン・ダグラス、バン・バン・ビガロ、2・コールド・スコーピオ、クリ
 ス・キャンディード、ジェリー・“ザ・キング”・ローラー。どいつもこいつ
 もこの腕でチョーク・アウトしてやった。この俺が世界王者だ。殺れる
 ものなら殺ってみろ!」


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