 |
The Beast Invades Buffalo
Buffalo, NY 1998-5-9
(DVD-R)
収録時間:約2時間42分 |
ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2007年4月期に発売された3タイトルの内
の1タイトル。ニュー・ヨーク州のバッファローにあるバート・フリッキンジ
ャー・アスレチック・センターってところで、1998年5月9日に開催され
た定期興行の模様を収録したものですワ。
○会場の外では...
長蛇の列を作って観客が続々と入場中。『RF-VIDEO』のカメラが回
っているのを見つけた途端、ECWチャントまで始まって...。
@The FBI (Little Guido & Tracey Smothers)(w/Tommy Rich)
vs. Blue Meanie & Super Nova
6日前に開催されたPPV『Wrestlepalooza '98』でもオープニングを
飾っていたタッグ戦。ノヴァ&ミーニーの入場を待って『純血イタリア人
軍』が急襲を仕掛け、後見人であるトミー・リッチを含めて3人で寄って
集ってノヴァ&ミーニーをパイプ椅子でボコボコに...。
AThe FBI (Little Guido & Tracey Smothers)(w/Tommy Rich)
vs. Balls Mahoney & Axl Rotten
戦意喪失となったノヴァ&ミーニー(これ、正式な試合やったの?)を
憎々しげに見下ろす『純血イタリア人軍』。と、突如会場には聞き慣れ
たテーマ曲が。そう、パイプ椅子攻撃ならこっちが元祖&本家であると
マホーニーとアクセルがお出ましや。で、勿論『純血イタリア人軍』相手
に一戦交える展開に。試合は随所に『純血イタリア人軍』らしいベタな
小ネタが散りばめた内容で、最後はやっぱりマホーニーとアクセルが
振り下ろすパイプ椅子にて『純血イタリア人軍』が見事に昇天ですワ。
BDanny Doring (w/Lance Wright) vs. Chris Chetti
ECWの道場『House of Hardcore』(師範はタズ)出身と満場のお客
にアナウンスされたのはクリス・チェッティ。嫌われ者であるランス・ラ
イトによって紹介されたダニー・ドーイング相手の一騎討ちが始まった
のやけど、まだ試合が温まりもしない内から鬼教官のタズが突如飛び
入り。「お前等、何をチンタラとやっとるんじゃ!」とでも言っているのや
ろか、チェッティ、ドーイング、レフェリー氏を徹底的に粉砕や。特に教
え子であるはずのチェッティなどは左肘をガッチリと極められて...。
CChris Chetti vs. Sabu (w/Bill Alfonso)
鬼教官タズのお叱り(手荒な激励?)を受けて左肘に違和感を覚え
ている雰囲気のチェッティ。しかし今宵のお仕事はまだまだ続きます。
そう、今度はなんとサブゥとの一騎討ちですんや。けどチェッティに対
してタズ同様厳しいプロの世界ってのを叩き込まないとアカンはずの
サブゥに、どうも今宵は覇気ってのが感じられません。ロープ・ワーク
をミスってお客に「You Fuck Up !」なんて野次られ、予想外の粘りを
見せるチェッティを得意のアラビア殺法で始末するのが精一杯...。
ウーン、これではチェッティの教育どころではおまへんな。
DJerry Lynn vs. Justin Credible (w/Jason & Chastity)
ちょうど1週間後のECWアリーナでの定期戦『A Matter of Respec
t '98』で行われる3本勝負に向けて、各地で局地戦を繰り広げていた
リンとジャスティン。今宵も両者の定番試合がブックされましたデ。試
合はリンによるコーナー上からのパワー・ボムを受け、したたか後頭
部をマットにぶつけたのか、ジャスティンが半失神状態となる場面も。
ま、ジャスティンも死力を振り絞ってレフェリー誤爆スポットを作り、リ
ンやセコンド陣のジェイソン&チャスティティの献身的な協力で何とか
試合を当初の予定通りに(?)自身の勝ちで幕引きとしたのは立派。
あ、途中ジャスティンによって負傷欠場させられていたマイキー・ウィ
ップレックが憤怒の介入を強行するって場面もありましたデ。
ELance Storm vs. Jamie Dundee (aka JC Ice : PG-13)
ジェリー・“キングさん”・ローラーの取り仕切るUSWAではJC・アイ
スを名乗って、相方のウルフィ・Dと共に人気コンビのPG−13を結成
していたジェミー・ダンディ。クリス・キャンディードと共にタッグ王座に
就いてはいるものの、どうも相方との意思疎通が上手く行かぬランス・
ストーム。共にタッグ・パートナーとは色々とある(あった)様子の2人
が今宵はシングル戦で激突なんですが、いよいよ試合開始となったそ
の瞬間、控え室から出て来たのはダグラス&フランシーン嬢&ビガロ
の強力無比なる後ろ盾に守られたキャンディード。これで俄然リングの
上はキナ臭くなり(注:JC・アイスは即刻遁走...)、キャンディードが
ストームに何やら詰め寄ったところ、ストームはいきなり手にしたタッグ
王座のベルトでキャンディードに一発お見舞い。で、これを目の当たり
にしたビガロ、「お前がそんな態度ならば」と...。
FLance Storm vs. Bam Bam Bigelow
(w/Shane Douglas & Francine & Chris Candido)
って事で始まったのが、ストームとビガロの一騎討ち。試合は決して
小柄ではないストームを、丸でビガロが子ども扱い。客席のアチコチか
らは、『(スパイク・ダッドリーみたいに)そいつをこっちへ投げ込んでく
れ!』なんて冷酷なチャントまでが沸き起こり、スワン・ダイブ式のドロ
ップ・キックをミスって意気消沈気味のストームは凹む一方。結局ビガ
ロの一方的な攻撃を受けて短時間で敗退となったストーム、一度はキ
ャンディードと仲直りする素振りも見せたのやけど、やっぱり最後は2
人ともギクシャクしたまま。現行タッグ王者コンビのストームとキャンデ
ィード、最早空中分解寸前ってところでしょうか。
【追記】この当時のサブゥとRVDとキャンディードとストームの複雑怪
奇なる関係について、サブゥとRVDのベストものDVD−Rである『Be
st of Sabu & Rob Van Dam : Rolling Thunder Tour』のレビューに纏め
てみました。良かったらこちらもご参照下さいな。
GECW World Television Championship :
Rob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. Doug Furnas
全日本マット等で皆様お馴染み、カンナム特急の片割れダグ・ファ
ーナスがRVDの持つTV王座へ挑戦。試合は序盤、両者のスキルの
高さを見せ付けつつリング内で粛々と進行し、中盤ではリング下へ戦
いの場を求め、場外フェンスの使用方法に両者共に知恵を巡らせなが
らの大乱戦。で、終盤、再度両者はリング内に戻り、ファーナスの渾身
のパイプ椅子攻撃を何とかしのぎ、RVDが5★スプラッシュにてフィニ
ッシュを狙ったところ、突如RVDの相棒サブゥが乱入。さてさてFのス
トーム&キャンディード同様、当時この2人も互いに腹に一物持ってい
る状態でして、サブゥはファーナスではなくRVDに襲い掛かる始末。
RVDも最終的にベルトだけは辛うじて死守したけど、サブゥとのコンビ
はこの先どうなるのやら...。
【追記】FとGの結果を受け、ちょうど1週間後のECWアリーナでの定
期戦『A Matter of Respect '98』ではサブゥとキャンディード、RVDとス
トームが越境タッグを結成して対戦する事となりますんや。
【追記】この当時のサブゥとRVDとキャンディードとストームの複雑怪
奇なる関係について、サブゥとRVDのベストものDVD−Rである『Be
st of Sabu & Rob Van Dam : Rolling Thunder Tour』のレビューに纏め
てみました。良かったらこちらもご参照下さいな。
HKronus vs. Al Snow (w/Head)
お、クローナスとアル・スノーの一騎討ちか。これはちょっと気になる
顔合わせやないの、なんてモニター画面を注視したワシなんですが、
こっちの期待とは裏腹に僅かな時間でアルのデス・バレー・ドライバー
によってクローナスがいやにあっさりと敗退。苦笑いを浮かべて控え室
に戻るクローナスを尻目に、アルはスタンド席を縦横無尽に練り歩いて
マネキンの首『ヘッド』を振り回し、お客さんにファン・サービスの真っ最
中や。ウーン、人気面で上昇傾向にある者と下降傾向にある者の差と
言ったら実に簡単やけど、実力面ではなんら遜色ない両者だけに、な
んとも残酷な試合内容ではありましたな。
IThe Dudley Boys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley
& Big Dick Dudley) (w/Joel Gertner & Sign Guy Dudley)
vs. Tommy Dreamer (w/Beulah McGillicutty)
& The Sandman & Spike Dudley
マイクを握ってある事ない事グチャグチャと並び立て、延々お客を煽
り続けるダッドリーズ。『エンター・サンドマン』をフル・コーラス使って入
場して来るサンドマンとドリーマー(勿論ビューラも一緒)。加えて両軍
出揃ったのやからとっとと試合を始めたらエエのに、ここから両軍交互
にマイクを用いての中傷合戦。ホンマ、毎度の事ながら試合が始まる
までが長い長い...(苦笑)。で、やっと始まった試合は、序盤が場外
戦、中盤ではビューラとガートナーの白黒ショーもどきもあって、最後は
スパイクが“デカチン”ダッドリーに豪快に沈められてジ・エンド。あ、勿
論ダッドリーズ側の余裕の祝杯など見過ごしてはおけぬと、ニュー・ジ
ャック親分が現れ出て、待ってましたの番外戦(←予定調和の世界や
から、最早“番外戦”なんて字句は似つかわしくないか)なんてのも。
【追記】ここだけ読まれると、ワシの文章能力の低さから、つまらない
試合だったかの様に感じられるかも知れまへんが、これが全くそうや
おまへん。いやむしろ、ひとつのパッケージ・ショーとして、ここまでキ
チンと細部に渡って練り上げられているのは、大仁田時代の後期FM
Wマットで連日連夜日本各地で繰り広げられていた6人(もしくは8人)
タッグ戦以外にないんやないか、なんて完成度の高さなんです...。
エ、嘘臭く聞こえますか?。ま、そんな細かい事なんて言わんと...。 |
|