このDVDはPAL方式で収録されており、通常の国産再生装置では
鑑賞できませんので、ご購入の際はご注意下さい。

 Hardcore Heaven 1997
 Ft. Lauderdale, FL - War Memorial Auditorium
 1997-8-17
 (PAL-DVD)
 収録時間:約2時間30分
 このDVDは1997年8月17日、フロリダ州はフォート・ローダーデル
のウォー・メモリアル・オーディトリアムにおいてECWが華々しく開催し
た、ECWとしては4月13日の初PPV『Barely Legal』引き続き、第2弾
放映となったPPV『Hardcore Heaven 1997』を収録したもの。あ、このP
PVの映像は以前サムライTVの『ECWアワー』にてフミ・サイトー氏の
非常にありがたい解説が付いて、合計3週に渡って放送されたので、
結構皆さんも目にされているのではないでっしゃろか。勿論ワシも当時
の放送をHi8ビデオ(←時代を感じるなァ...)で録画し、何度も何度
も繰り返し鑑賞したクチですワ。
※これ、PAL方式のDVDであるため、購入される際は御自分のPCや
再生機で再生可能なのか、前もって十分にチェックしておいてや。

○まずはジョーイ・スタイルスの前口上
  リングに上がったジョーイ・スタイルスが今夜の見所を列挙している
 と、“Ravishing”・リック・ルードがお出まし。どうやら4月13日の初P
 PV『Barely Legal』から今夜までの間に、リックは極悪ユニットである
 トリプル・スレット(シェーン・ダグラスを主宰者に、構成員はクリス・キ
 ャンディードとバン・バン・ビガロ)とシェイク・ハンドしたらしく、キャンデ
 ィードの事を“次の”TV王者とお客にアナウンス。さぁ、PPV『Hardco
 re Heaven 1997』が始まりまっせ!。
@ECW Television Championship :
 Taz vs. Chris Candido
  リックに“次の”TV王者と紹介された、『僕にはギミックなんて不要
 だもんね』がギミックのキャンデード、『男臭い強さ』がギミックのタズ
 の保持するTVタイトルに挑戦や。で、まずはコーナーで腕を組み不
 動明王の如く佇むタズに張り手を見舞うものの、タズは表情ひとつ変
 えずにこれを受け止めてしまいます。ならばとタズの顔にツバを吐き
 掛け、やっとタズに試合をさせる事を成し遂げたキャンディード、随所
 に小悪党(悪党ではなく、小悪党なのがこの人の味やね)振りを発揮
 しつつ、タズのスープレックス&タズ・ミッション(スタイル曰く、カ・タ・
 ハ・ジ・メ)に見事に散って見せました。
○PPV前のひとこまをプレイ・バック(その1)
  通常PPVってのには、その直前まで無料鑑賞可能な『前振り』の時
 間ってのがあって、ここでガンガンとネタを振り、お茶の間の皆さんの
 有料放送購買意欲を煽るんですワ。で、まずはプロレス好きのラップ・
 チームであるインセイン・クラウン・ポッシーが、サブゥ&RVDにボコら
 れました...
AECW Grudge Match :
 Bam Bam Bigelow vs. Spike Dudley
  本PPVの直前、8月9日にECWアリーナで開催された定期興行『B
 orn To Be Wired』でも組まれていた顔合わせ。ちなみに、その夜はビ
 ガロに土が付いたのやけど、この両者の一騎討ちに勝敗などは関係
 おまへん。そう、巨漢ビガロが小兵スパイクを力任せにリング上から
 客席へと投げ捨ててくれればお客はみんな満足なんやから。で、満場
 の“こっちへ投げてくれ!”チャントを背に、今宵もビガロはスパイクを
 客席へと軽々投棄(その後、月面水爆にてビガロがフォール勝ち)や。
 ウンウン、やる方もやられる方もCS(顧客満足)ってのを十二分に意
 識した試合でしたな。
○PPV前のひとこまをプレイ・バック(その2)
  インセイン・クラウン・ポッシーを救えと、サンドマンがリング・イン。し
 かしサブゥ&RVDの猛攻に、哀れサンドマンは救急車に乗せられて
 病院へと運ばれる羽目に...。  
BRob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. Al Snow
  この後、何度か組まれる事となる両者の一騎討ちの、多分これが
 ファースト・コンタクト(ごめん、自信なし)。ともにプロレス業界には付
 き物であるドロドロとした抗争アングルが似合わぬ者同士。では互い
 の腕前のみで一丁試合を構築してみよか、って感じやろか。ノーザン
 ・ライト・ボム(日本のプロレスが好きなんやろね)を繰り出すなど、何
 度もRVDを追い詰めたアル・スノーですが、最後はRVDのヴァン・ダ
 ミネーターをモロに食らい苦汁を飲まされてしまいました。
○ここで中継映像が入っています!
  コメンテイターのランス・ライトを乗せた『Extreme Chopper』(←その
 実態は単なる中継ヘリコプター)が、サンドマンの乗せられた救急車
 を上空からキャッチ。なにやらサンドマン、救急車の中で蘇生したらし
 く、会場に戻るんだと大暴れをしているそうで...(苦笑)
○キングさんのプロモ
  6月6日にECWアリーナで開催された定期興行『Wrestlepalooza 1
 997』にて突如ECWマットを襲撃した、WWF(当時)の人気コメンテイ
 ターであるジェリー・“ザ・キング”・ローラー。サブゥやRVDらと結託し
 てなんとECW内に『WWF派閥』を立ち上げてしまいよったんですワ。
 って事で、ここではキングさんの脂っこい(苦笑)プロモをどうぞ。テイ
 カー、ブレット、オースチンらの名を上げ、今宵一騎討ちを行うドリー
 マーを憎々しく挑発しとりまっせ。
 【追記】ここら辺りの詳細は『Rf-Video』が編集した『ECW vs. USWA :
 Civil War of the 90s』(既にレビュー済)に詳しいので、是非皆さんも
 一度ご覧いただけたら。本PPVが百倍楽しく鑑賞出来まっせ!。
CECW Tag Team Championship :
 The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
 (Special Guest/Jenna Jameson)
 vs. PG-13 (J.C. Ice & Wolfie D)
  特別ゲストであるポルノ女優のジェナ・ジェイムソンを帯同しリングに
 上がったのはダッドリーズの面々。専属リング・アナであるガートナー
 に長時間ベラベラと喋らせ続け、続いて今宵の対戦相手であるPG−
 13が現れ、やっとこさで試合は開始。さてさて、このPG−13ってコン
 ビなんやけど、USWA(United States Wrestling Association)にて数
 え切れぬほどタッグ王座に就いている人気チームなんや。ま、USWA
 って語句でピンと来られる方も居られると思いますが、多分キングさん
 がECWとの抗争アングルの維持・継続・発展(と、勿論それに便乗し
 て自身が深く関わるUSWAをちゃっかりPRせんと)のために、言葉は
 悪いけど半ば職権乱用気味にネジ込んだんでしょうな(苦笑)。
 あ、試合はPG−13とジェイムソンの絡みやダッドリーズのオトボケ・
 ファイトなどを随所に盛り込み、最後は必殺の3Dがズバリと決まって
 ダッドリーズの勝利となっております。
 【追記】当時ホンマにECWのタッグ王者チームであったのは、ニュー
 ・ジャックとムスタファから成るギャングスターズ。けどどうやらムスタフ
 ァの離脱(なんぞ悪い事でもしでかしたんやろね)でタッグ王座が宙に
 浮き、まずはダッドリーズが暫定王者となり、そこから改めてPG−13
 を打ち破り、正式に3度目の王座返り咲きとなったみたいですワ。
○ここで中継映像が入っています!
  またもや『Extreme Chopper』からのライヴ映像。サンドマン、救急車
 をジャックして夜のフロリダの街を爆走(って程スピードは出ておらず、
 実際はノロノロ運転。あ、加えて飲酒運転かもね)。会場に向かってい
 るみたいでっせ!(苦笑)。
○キングさん、大いに語る!
  ドリーマーとの一騎討ちを控えたキングさんがリングに上がり、マイ
 クを握って一席。“本当のPPV”が観たいなら、テイカー、ブレット、オ
 ースチンらが大挙出場する、9月7日にWWF(当時)がケンタッキー
 州はルイズヴィル(USWAのテリトリーの一つでもおます)より放送す
 る予定の『In Your House XVII - Ground Zero』を観ろ、と豪語!。
 返す刀で、「ドリーマー、とっととここに出て来い!」と言い放ちました。
DJerry "The King" Lawler
 vs. Tommy Dreamer (w/Beulah)
  ここまでキングさんにコケにされてはドリーマーも黙っておれまへん。
 勇躍リングに上がり、鉄拳の雨からキングさんの顔面に金属製の皿
 で一撃。ジャストのタイミングで解説のジョーイ・スタイルスも、「ようこ
 そECWへ!」とドリーマーに声の援護射撃や。で、珠玉のブレードで
 額を血に染めたキングさん、序盤はドリーマーにハンバーガーで殴ら
 れ(キングさんには二重の意味で屈辱ですな)、スタンド席で引き摺り
 回されるなどと防戦一方。それでもさすがは海千山千のキングさん。
 革ベルトを使ってドリーマーを殴りまくり、ドリーマーが着用していたT
 シャツからECWのロゴ・マークを剥ぎ取り、両脇、お尻とご丁寧に拭
 いてサイコロジカルに反撃開始。で、この暴挙(苦笑)に心底怒ったド
 リーマーに対し、ここからなんとも豪華絢爛なゲスト陣を順次投入!
 そう、都度の場内暗転とともに、順にリック・ルード(ゴミ箱でドリーマ
 ーをボコボコに)、続いてはジェイク・“ザ・スネーク”・ロバーツ(勿論
 元祖DDTをドリーマーに、そして何故かキングさんにも一撃)、そして
 最後はキャンディードの奥方であるサニーちゃん(ヘア・スプレー攻撃
 をドリーマーにお見舞い)が乱入でっせ。おぉ、ここら辺りは正にキン
 グさんの“政治力”を見せ付けられる場面ですワ。あ、試合はサニー
 ちゃんの介入に、これは少々遅れをとってしもたとビューラ嬢までもが
 リングへ上がり、待ってましたのエロエロ・キャット・ファイトを展開。最
 後はビューラ嬢がキングさんの股間にロー・ブローを放ち、ここを勝機
 と悟ったドリーマーがDDTを速射。憎きキングさんをPPVの大一番で
 打ち破り、男一匹ドリーマーここにあり、超過激(←書いていて、ちょっ
 と恥ずかしいワ)団体ECWここにあり、を大アピールしとります。
 【追記】しつこいですが、ここら辺りの詳細は『Rf-Video』が編集した『E
 CW vs. USWA : Civil War of the 90s』(既にレビュー済)に詳しいので、
 是非皆さんも一度ご覧いただけたら。本PPVが百万倍楽しく鑑賞出来
 まっせ!。
○3WAYダンスと言えば...
  勿論元祖は94年2月5日の定期興行『The Night The Line Was Cr
 ossed : 一線を越えた夜』で初披露されたテリー御大とサブゥとダグラ
 スによる一戦。そう、今夜はあの伝説の一戦のリ・マッチでっせ!。
○ここで中継映像が入っています!
  遂に会場へと辿り着いたサンドマン、会場外で警備員達を相手にし
 て大立ち回りを演じております(苦笑)。
EThree Way Dance :
 ECW World Heavyweight Championship :
 Sabu (w/Bill Alfonso)
 vs. Terry Funk
 vs. Shane Douglas (w/Francine)
  なにやら会場の外では揉め事が起こっているみたいですが、とりあ
 えず伝説の一戦のリ・マッチがスタート。まず序盤は3WAYダンス特
 有の選手3人による独特のスポットは極力廃し、狡猾なイン・サイド・
 ワークで攻めるダグラス、お馴染みのアラビア殺法を駆使するサブゥ、
 例によって例の如くの“生き仏ファイト”を見せるテリー御大が、常に
 誰かを傍観者にして、まるでシングル戦みたいに1対1で手合わせ。
 そして中盤から試合はシフト・チェンジ。3WAYダンスでしか表現する
 事の出来ない、あの『The Night The Line Was Crossed : 一線を越え
 た夜』でポピュラリティを得たと言える3選手によるチェーン式のチョー
 ク攻撃を枕詞に、アルフォンソとタッド・ゴードン(初代ECWオーナー)
 によるオトコ版のキャット・ファイト(直後、2人揃ってサブゥのテーブル
 直撃式のアラビアン・プレスにて轟沈)を盛り込み、続いてサブゥが控
 え室より大型の梯子をリングへと搬入。と、ここで突如サンドマンが試
 合に乱入し、今宵のPPVの冒頭でボコボコにされた恨みを晴らさん
 とサブゥを急襲!。なんとなんとサブゥを世界王者の座(←本PPVの
 8日前、8月9日にECWアリーナで開催された定期興行『Born To B
 e Wired』にて文字通り史上最狂の有刺鉄線マッチをテリー御大相手
 に敢行し、正味で身を削り切り裂いて手に入れたもの)から引き摺り
 下ろしてしまいました。これによって、3WAYダンスはテリー御大とダ
 グラスとの一騎討ちへと様変わり。そしてここから試合はクラシカル・
 スタイルへと舵を切り、フト気が付けばリング・サイドには若手や中堅
 クラスの選手達が全員集まり、佳境に入った伝説の一戦のリ・マッチ
 を、瞬き一つするのも勿体無いとじっくりと凝視。そろそろワタシの出
 番と介入を強行したフランシーン嬢と、それを阻止せんとお姿を現わ
 されたテリー御大の実兄ドリー師匠(あの独特のフォームで打つ、カ
 チ上げるエルボーを惜しみなく連発!)も控え室へ消え、さぁいよいよ
 これで男と男の激突か、とこっちも固唾を飲んでモニター画面を見入
 ったら、最後はダグラス十八番のベリー・トゥ・ベリー・スープレックス
 から力任せのフォールにて、実に呆気なくテリー御大がフォール負け。
 これがダグラス、自身3度目の世界王座獲得の瞬間ですワ。
○カーテン・コールの時間です
  呆気ない幕切れとなったメイン戦に納得しないお客もチラホラと居る
 中、ダッドリーズの面々がリングに上がって、王座を獲得したばかりの
 ダグラスにいやらしく擦り寄る仕草。するとダグラスの主宰する極悪ユ
 ニットのメンバーであるビガロとキャンディードもこれに反応し、即刻両
 軍入り乱れての乱闘に発展。続いてリング・サイドに居た若手や中堅
 も一斉に目の前の戦闘に加わり、リング上はカオス状態へと突入や。
 で、客席からはニュー・ジャック親分の参戦を期待する声も聞こえるな
 か、DVDの映像はいきなり途切れてしまいました......。
 【追記】映像は途切れてしまいましたが、実はこの直後にお客の待望
 するニュー・ジャック親分のお出ましがあって、不肖の相棒ムスタファ
 の離脱により心ならずも手放したタッグ王座の奪回に向け、今宵新王
 者チームとなったダッドリーズをド突き回す場面を演出したそう。PPV
 の電波借用契約時間が切れたのか、はたまたダッドリーズとニュー・
 ジャック親分による『新たなネタ』は本PPVには無用と判断した映像
 編集者がバッサリ切り捨てたのか、いずれにしてもこれはちょっと残
 念でしたな。


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