After The Fall (disc-1) 　(DVD) 　収録時間：約2時間38分 　２００６年１月７日現在、ネット上の百科事典と言われる『wikipedia』を 見るとＸＰＷ【Xtreame Pro Wrestling】なる団体について、以下の様な 説明があるんや。拙いワシの英語読解力やけど、一部を訳してみるワ。 ○ＸＰＷは１９９９年の夏に、カリフォルニア州のロスアンジェルスを根城 　として立ち上げられた。 ○設立者はロスアンジェルスでポルノ関連の仕事に携わっていたRob Z 　icariという男で、彼はロブ・ブラック（Rob Black）の名でＸＰＷマットにて 　ヒール軍団のブラック・アーミーを指揮する役割を演じる。 ○ＸＰＷは日本式のデス・マッチに影響を受けており、そのストーリー・ラ 　インはサディスティックなメロドラマの様なものであった。 ○ＸＰＷの実況はクリス・クロス（Kris Kloss）、解説はブラック・アーミー 　軍団の息が掛かっているとの設定のラリー・リベラ（Larry Rivera）。ク 　ロスは試合の山場となる場面で絶叫するのが売りで、リベラは「chico」 　（←スパニッシュ系の人達への蔑称）が口癖。 ○２０００年から２００２年にかけて、ＸＰＷは日本のプロレス団体ＩＷＡジ 　ャパンがかつて行っていた『キング・オブ・デス・マッチ・トーナメント』と 　同様のものを開催していた。 ○２００１年の主たるストーリー・ラインは、ブラック・アーミーとサブゥとの 　抗争劇。２００１年の末からは、ブラック・アーミーより分派したエンター 　プライズ軍との抗争劇に移行した。 ○２０００年、ロブ・ブラックはＥＣＷのＰＰＶ『Heat Wave』の最前列のチ 　ケット６枚を購入し、スプリーム、スプリームのマネージャーであるクリ 　スティ・ミスト嬢、クリス・クロス、メサイア、キッド・ケオスらを現地に赴 　かせ、ＰＰＶの生放送中にＥＣＷの面々とトラブルを起こす事に成功。 　※６日後に迫った、場所も当夜と同じロスのオリンピック・オーディトリ 　アムにおいて、ＥＣＷとは因縁のあるテリー・ファンク対サブゥをメイン 　に『Go Funk Yourself』を開催予定であったので、ＸＰＷとすると多分 　都合のエエ前宣伝だったのでしょうな．．．。　 ○シェーン・ダグラスを獲得したＸＰＷは、東海岸に活動拠点を移転。 　一時だけであるが、、ＥＣＷで実況を勤めたジョーイ・スタイルス（Joe 　y Styles）を獲得した事もあった。 ○ロブ・ブラックと妻のリジー・ボーデン（Lizzy Borden : 本名Janet Ro 　mano）はＸＰＷの関連会社（親会社？）である『Extreme Associates』 　社が製作したポルノ関連のマテリアル（←単に素材と訳したらエエん 　やろか？）のために起訴された。※どうやら嫁のボーデンを使って強 　姦等を思わせる映画を撮影したみたいや。 ○２００５年１月、刑は確定しなかった（？）が、２００５年１２月８日、最 　高裁判所は刑を確定させた（？？）。 ○ＸＰＷの映像の権利は、２００４年に『Xtreme Entertainment』社がロ 　ブ・ブラックから買い取った。※ちなみにこの『Xtreme Entertainment』 　社は、ＥＣＷの復興ブームに便乗してシェーン・ダグラスが行った『Ha 　rdcore Homecoming』の映像も取り扱っている。 　ってな感じなのですが、これではちっともＸＰＷって団体の実体が掴め まへんな。そこで取り出しましたのが本ＤＶＤ。上記しました様に、シェ ーン・ダグラスが行った『Hardcore Homecoming』の映像も取り扱ってい る『Xtreme Entertainment』社から２枚組で２０ドル、日本のアマゾンで ならば、送料無料で２，５００円程度で簡単に購入可能なブツなんです。 ではこの『After The Fall : （没落、その後）』となんとも意味深なタイトル を冠されたＤＶＤをテキストに、ＸＰＷの足かけ３年半程度の、暴力と裏 切りとエロスに彩られた、ドス黒い世界を振り返ってみましょか．．．。　 ★★DISC-1★★ �@Steve Rizzono & Kid Kaos vs. The West Side NGZ 　　２０００年４月２８日開催の定期興行より。中堅どころによるタッグ戦 　に突如介入して来たのはパブリック・エネミー！。ただし著作権の関 　係なんやろね、会場で録音された音声はバッサリと切られ、無粋なＢ 　ＧＭが被されておりました。 �ATag-Team 3 Way Dance : 　Public Enemy vs. The West Side NGZ 　vs. Steve Rizzono & Kid Kaos 　　�@の翌日、２０００年４月２９日開催の定期興行より。�@での介入劇 　を発端にしたタッグ版の３ＷＡＹダンスですワ。試合は途中からピット 　ブルズまでもが勝手に参戦してしまい、混乱を極める事に。テーブル 　貫通式の大技を喰らったハブリック・エネミーの片割れ、ロッコー・ロッ 　ク（今は鬼籍に入られております）が轟沈や。 �BXPW World Title History 　　１９９９年１０月２９日開催の定期興行にてバトル・ロイヤルを制して、 　見事に初代ＸＰＷ認定の世界王者となったダミアン・スティール。ここ 　から暴虐と混乱と裏切りに彩られたベルト争奪戦線が開始されるん 　やね。クローナス、ビッグ・ディック・ダッドリー、ジェイク・ローレス、クリ 　ス・キャンディードらが絡んだベルト争奪戦線の模様をコンパクトに纏 　めたプロモをどうぞ。 �CXPW World Heavyweight Title Match : 　Chris Candido (w/Tammy Sytch) vs. Damien Steele 　　ＸＰＷで１番のヒット企画となった『King Of The Death Match Tourn 　ament』。その記念すべき第１回大会が開催された、２０００年２月２６ 　日の『My Bloody Valentine 2000』より。試合の構図としては、世界王 　座に再び就いたダミアン・スティールにキャンディードが挑むってもの 　なんやけど、今宵のお客さんのお目当ては『KOTDM』やろから、いくら 　世界王座戦と言っても食指が動かんか。その上キャンディードの梯子 　からのダイブが赤っ恥の大失敗。一気に、緊張感までそがれてしまい 　ましたワ。それでも最後はベルトはキャンディードへ渡るんですが、ホ 　ンマのお楽しみはここから。なんとＷＣＷをリタイアしたシェ−ン・ダグ 　ラスがＸＰＷマットへ登場や。ま、手駒だけは揃えたＸＰＷなので、更 　なるステップ・アップを目指し、キャンディードとはＥＣＷ時代にユニット 　を組んでいた繋がりもあって、ダグラスさんの持つ優秀なる“プロレス 　頭脳”獲得に乗り出したってところなんやろね。それにしてもダグラス 　さん、チンピラばかりが集まるリングに上ると、さすがに風格ある神々 　しいお姿が際立ちますな。その上ＷＣＷのブッカーであるケビン・サリ 　バンに悪態の数々を浴びせ、携帯電話を取り出してＷＣＷの事務所 　に直電を入れて大暴言（←ホンマに繋がっていたんやろか？）でっせ。 　痺れる程に、とことんインテリ・ヒールの味を出しまくりでしたワ。 �DThe Pitbulls vs. The West Side NGZ 　　収録日時不明（同一カードが何度かあり、何時の試合なのか特定し 　切れなかったです．．．）の金網戦。一方的展開でピットブルズが攻め 　込むも、最後は相手側チームに助っ人が加勢して．．．。 �EXPW World Heavyweight Title Match : 　Sabu (w/Josh Lazie) vs. Terry Funk (w/Rob Black) 　　２０００年７月２２日開催の『Go Funk Yourself』より。シーク爺との抗 　争の時代から連綿と続く遺恨戦が、今宵シーク爺からサブゥにバトン 　が引き継がれ、ＸＰＷ編としてロスの殿堂オリンピック・オーディトリア 　ムで再現や。どない？、マニアの皆様の涙腺は緩みっぱなしやないで 　っか。試合は例によって御大テリーの正気とも狂気ともとれぬ魅力が 　大爆発。試合開始直後こそリングで闘っていたものの、すぐに戦場を 　客席へと移行し、ＸＰＷのロゴを模ったハリボテの入場ゲートを破壊し、 　機材フロアーからサブゥを客席へ突き落とすなどと大暴れや。しかもロ 　ブ・ブラック氏の介添えもあって火炎攻撃までサブゥにお見舞い。けど 　さすがにサブゥもシーク爺の甥、御大の火炎攻撃をシーク直伝のファ 　イアー・ボールで迎撃すると、御大からの３カウント奪取。両者の激闘 　はＥＣＷもののＤＶＤに決定稿が収められており、それと比較すると薄 　味なのは否定出来んけど、でも充分平均点はクリアしてる試合やと思 　いますワ。　　 �F"Loser leaves XPW" Match :　 　Kid Kaos vs. Tracy Smothers 　　２０００年７月２２日開催の『Go Funk Yourself』より。当夜の前座戦 　にて発生したイザコザにロブ・ブラック氏が介入。急遽本試合を『敗者 　ＸＰＷ離脱戦』に変更してしまいました。で、負けたのは“南部の仕事 　人”トレイシー・スマザーズさん、ってとこです。　　 �GXPW King Of The Death Match Championship : 　Axl Rotten vs. Supreme 　　２０００年４月１６日（または３月２４日）開催の定期興行より。金網戦 　にて行われた、スプリームの保持するデス・マッチ王座を巡る一戦でし 　て、ＸＰＷにおけるデス・マッチ部門の“顔”であると自他共に認めるス 　プリームが、“客人”アクセルを相手に切った張ったの大活躍。試合は 　当然大流血戦となって、それでも最後はアクセルがキチンと画鋲トラッ 　プの上で“寝て”、幕が降ろされました。 �HXPW World Heavyweight Title Match : 　Sabu (w/Josh Lazie) vs. 　Chris Candido (w/Sunny & Rob Black & Lizzy Borden) 　　２０００年５月２６日から２８日の３日間に渡って、地元カリフォルニア 　州を絨毯爆撃する様に行われた定期興行よりチョイスされた、これは 　初日収録分の試合。ＸＰＷ認定の世界王座に就く憎きサブゥを蹴落と 　せと、ロブ・ブラック氏が送り込んだ刺客がキャンディードって具合や。 　試合はブラック氏の介入に、テーブル葬の自爆と、サブゥの王座防衛 　に赤ランプが灯る場面もあったものの、なんとかキャンディードを振り 　切る薄氷防衛。と、ブラック氏はキャンディードの敗退を予想していた 　のか（←そら、知らん訳はないわな．．．）、早くも次なるサブゥ殺しの 　刺客をリングに招き入れます。そう、“黒い呪術師”アブドーラ・ザ・ブ 　ッチャーですワ！。 　【追記】サブゥとブッチャーの一騎討ちは、どうやら６月１７日の定期興 　行にて実現したみたいなんやけど、なんでこのＤＶＤに収録してくれへ 　んかったんやろか。出し惜しみなんてせんといて欲しいなァ．．．。 �IAxl Rotten vs. Abdullah The Butcher 　　２０００年５月２６日から２８日の３日間に渡って、地元カリフォルニア 　州を絨毯爆撃する様に行われた定期興行よりチョイスされた、これは 　３日目収録分の試合。�HでＸＰＷマットに現れたブッチャー相手に、ア 　クセルが一騎討ちを決意。ブッチャーのフォーク攻撃、アクセルの大型 　ホチキス攻撃と、両者一歩も退かぬ大流血戦に試合は発展して、もう 　これ以上は裁けんと、弱腰のレフェリーが試合の中止を宣告．．．。 �JSabu (w/Josh Lazie) & Homeless Jimmy 　vs. The Messiah (w/Rob Black & Lizzy Borden) 　& "Vicious"Vic Grimes 　　サブゥ憎しと今宵ブラック氏が組んだのは、メサイア＆グライムスと 　のハンディ戦。けどサブゥを救えと、試合の途中からホームレス・ジミ 　ーが試合に参加。小柄ながらも、攻めても受けても小気味良い動きを 　見せるジミーと、少々無茶な事をされても潰れぬタフな巨体を誇るグラ 　イムスのお陰で、試合は長時間に渡る大熱戦に（拍手）。最後はサブ 　ゥ組が勝ち星を拾って幕となるんやけど、サブゥらと入れ替わりにリン 　グに現れたのは“路上の王”ニュー・ジャック親分！。ＥＣＷ時代から 　揉めていた（←あくまでネタね）グライムスに狙いを付け、自ら持ち込 　んだ各種凶器を駆使し、グライムスをボコボコにしてしまいました。 　【追記】ネットでアチコチいろいろと調べたんやけど、この様なタッグ戦 　が組まれたって記録が何処にも見当たらんのや。これって、公式には 　サブゥとメサイアの２人による世界王座戦（特別ルールでハンディ戦が 　導入）として記録されとるんやろか。どちら様か詳しい方は居られまへ 　んやろか？。 �KXPW World Heavyweight Title Match : 　Sabu (w/Josh Lazie) 　vs. The Messiah (w/Rob Black & Lizzy Borden) 　　これまた収録日時不明（同一カードが何度かあり、何時の試合なの 　か特定し切れなかったです．．．）の世界王座戦。今宵もブラック氏は 　全力でサブゥの足を引っ張り（苦笑）、遂にはサブゥの腰から世界王者 　のベルトを引っ剥がす事に成功。けど、元々本試合を仕切ったレフェリ 　ーにはブラック氏の息が掛かっていた様で、これを良しとしない上級レ 　フェリーが現れ、メサイア＆ブラック氏からベルトを取り上げ、改めて試 　合続行を指示。こうなると流れは当然サブゥに傾きますわな．．．。 　あ、ベルトの防衛を果たしたサブゥですが、ブラック氏が手下の者達を 　総動員して襲撃して来たため、ベルトどころか大切な命までが風前の 　灯火（←少々大袈裟でんな）。と、今宵も現れましたデ、“路上の王” 　ニュー・ジャック親分！が。ただ残念ながら�Jと同様、ここでも著作権 　の関係なんやろね、会場で録音された音声はバッサリと切られ、無粋 　なＢＧＭが被されておりました。 　【追記】ワシとこのＨＰによく遊びに来ていただいている『ｎｏｔさん』によ 　ると、�Jは２００１年２月３日の『Paybacks A Bitch』、続く�Kは２００１年 　１月１７日の『New Year's Revolution 2001』ではないかとの事です。 　ただ、ワシの調べた海外のサイトによると、『Paybacks A Bitch』で行 　われたのはサブゥとスプリームとグライムスの３ＷＡＹ戦となっており、 　『New Year's Revolution 2001』が開催されたのは２００１年の１月１３ 　日となっておりますんや．．．。ウーン、まだまだつい最近の事のはず 　やのに、興行日時や試合結果が混沌としてしまうってのも、ある意味 　ＸＰＷらしいですなァ（苦笑）。　※『ｎｏｔさん』、いつもありがとう！。 　DISC-２へ