Revere, MA - Wonderland Greyhound Park
 1997-1-4
 (DVD-R)
 収録時間:約1時間59分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。さてさて今回ご紹介するのは、20
09年6月期に発売された10タイトルの内の1タイトル。マサチューセッ
ツ州はリヴエラにあるワンダーランド・グレイハウンド・パークってところ
で、1997年1月4日に開催された定期興行の模様を収録したものです。

@Little Guido vs. Big Stevie Cool (Steve Richards)
 (w/bWo : Da Blue Guy & Hollywood Nova)
  はい出ました、究極のおちゃらけユニット“bWo”。スティービィ君扮
 するビッグ・スティービィ・クール、ブルー・ミーニー扮するブルー・ガイ、
 スーパー・ノヴァ扮するハリウッド・ノヴァ。bWoが何のパロディで、各
 自がそれぞれ誰のマネをしているのかは、ここで改めて書く必要もお
 まへんやろ(爆笑)。あ、試合の方ですが、スティーヴィ君とFBI(純血
 イタリア人軍)のグイドー相手の一騎討ちでして、客席からの割れんば
 かりのbWoチャントを背に、ビシバシとフィニッシュ級のムーヴを繰り
 出すスティーヴィ君ですが、“負け役”のグイドーが何時になく聞き分け
 ない戦い振りに終始したものやから...
ABubba Ray Dudley & Spike Dudley (w/Sign Guy Dudley)
 vs. Chris Van de Lay & Roadkill
  試合に先立ちリング下の特別席(実態はただのパイプ椅子)に鎮座
 なされたのはキラー・コワルスキー御大。当時御大は当地マサチュー
 セッツ州にてレスリング学校(筆頭卒業生はHHH)を運営されており
 まして、地元の名士&顔役ってところでのお呼ばれってとこやろかね。
 あ、そんな名士&顔役の前での試合を命じられたのは、ECWの選手
 育成機関の卒業生第1号であるクリス・チェッティ(この頃はChris Van
 de Layと名乗っておりました)。力任せの豪快な技を次々と繰り出す
 ババ(それでもチェッティらを持ち上げてやろうとする姿勢も)に真っ正
 面からブチ当たり、相方のロードキルと2人して見事に轟沈ですワ。
BAxl Rotten (w/D-Von Dudley & Balls Mahoney)
 vs. Jimmy Cicero
  一見してヘタレっぽい井出達のシレロを、アクセルがパイプ椅子にて
 ボコボコに殴って撲殺。そんな場面を観客は求めているのに、お客の
 ヒートを買わんと、わざとアクセルは振り上げたパイプ椅子を投げ捨て
 て客席に悪態を。ウーン、ヒールらしい立派な行いやと言って言えん事
 もないのやけど...。
Cワシの自慢の弟子達ですねん!
  Aでも触れましたが、今夜の特別ゲストであるキラー・コワルスキー
 御大が改めてお出まし。で、その両手にはECW認定のタッグ王者が
 腰に巻くベルトが2本。そう、御大のレスリング学校でトレーニングを
 積んだイリミネーターズ(サタン&クローナス)が96年12月20日のニ
 ュー・ヨークでの定期興行において難敵ギャングスターズを下し、見事
 2度目のタッグ王座に就いた事を祝ってやりたかったみたいなんです。
DD−ボンの謝罪会見?
  さてさて今夜の興行会場であるマサチューセッツ州はリヴエラにある
 ワンダーランド・グレイハウンド・パークってところですが、ここでは過去
 にちょっとした“事件”がおましてな。それは前回ECW一座が当地に赴
 いた96年11月23日の事。当初ニュー・ジャックとムスタファのギャン
 グスターズが、D−ボン&アクセルとタッグで戦うはずやったのですが、
 アクセルが急遽欠場したため、彼の代役にと交通整理員ギミックのMa
 ss Transit(本名はEric Kulas:エリック・クラス)って名前の、殆どド素人
 に近い選手を起用したんです。さてさて、このエリック、実は17歳だっ
 たのですが、コワルスキー御大のレスリング学校でトレーニングを積ん
 だ19歳だと身分を偽っておりまして、しかもそんなアホ・ガキをよせば
 エエのにニュー・ジャック親分がとことん血の海に沈めたものやから、
 裁判沙汰に発展。結局ニュー・ジャック親分は無罪になったものの、こ
 れが元凶となってECWは計画中であった初のPPVを中止せざるを得
 なくなってしもたんですワ...。
  尚、この試合ですが、『RF-VIDEO』の撮影したファン・カム映像がYo
 utubeなどにアップされているので、ちょっと探せば現在でも鑑賞可能。
 で、勿論ワシもその映像を観たのですが、確かに巨体を誇るエリック
 が親分の凶刃によって切り刻まれる様は悲惨。しかしそれ以上にワシ
 を驚かせたのは、エリックの相方であるD−ボンの“我関せぬ”って態
 度なんや。そら一度スイッチの入った親分を止める(頭のネジの緩ん
 だムスタファにそれを求めるの酷)のは難儀な話やろし、当日会社か
 らいきなり組めと言われたのであろうエリックを救ってやる義理なんて
 D−ボンにはないのかも知れまへん。それでもワシなんか、直接手を
 下した親分以上にD−ボンは罪深いって思っておりました...。
  ってな下地があって、因縁のリングに1ヶ月半振りにD−ボンが登場
 (ギャングスターズは謹慎中?)。客席からはD−ボンに非難の声(何
 を非難しているのかはワシには聞き取れまへんでした)が飛び交い、
 D−ボンも言われっ放しでは堪らんと、客席にやり返し...。
EGrudge Match :
 The Sandman vs. D-Von Dudley
  そんなD−ボンがサンドマンと“遺恨戦”で激突。ウーン、ここで言う
 “遺恨”の正体が分からんなァ。まさかエリックの無念を晴らさんとサン
 ドマンが決起したの...?。あ、試合の方ですが、サンドマンの怒涛
 の攻撃にD−ボンはなす術もなくフォールを奪われて敗退。けどここで
 ビル・アルフォンソの暗躍(苦笑)によりアクセル・ロットン&ボールズ・
 マホーニーが姿を現し、D−ボンとジョイントしてサンドマンを徹底的に
 蹂躙!。哀れサンドマン、1ヵ月半前のエリック・クラスみたいに救急チ
 ームにより搬送される羽目となってしまいました。あ、サンドマンを葬っ
 て勢い付くアクセルとD−ボン、イリミネーターズの保持するタッグ王座
 への挑戦をブチ上げよりましたデ。
FChris Candido vs. Mikey Whipwreck
  おとそ気分がまだ抜けないのか、“十八番”のミス・ムーヴを正月早
 々ブチかまして観客から野次られたのはマイキー。相手のキャンディ
 ードもやる気のないのが丸出しのファイト振りでして、客席からの“つま
 らん試合やのゥ”チャントさえ何時しか途絶えてしまい...。
GECW World Tag Team Championship :
 The Eliminators (John Kronus & Perry Saturn)
 vs. D-Von Dudley & Axl Rotten (w/Balls Mahoney)
  師匠コワルスキーの見守る中、序盤から対戦相手のアクセルとD−
 ボンにビシバシとコンビネーション・ムーヴを決めるイリミネーターズの
 ご両人。身内の劣勢に飛び出したマホーニーさえ軽く迎撃し、最後は
 アクセルに向けて必殺の“完全殺戮”が火を噴いて...。あ、試合決
 着後に息を吹き返した悪者3人(アクセル、D−ボン、マホーニー)が
 イリミネーターズに仕掛けたところ、さっきの仕返しだとばかり、控え室
 からサンドマンが飛び出して来て...。
HTag Team Grudge Match :
 Winner Of Pinfall To Receive World Title Shot Tonight
 Shane Douglas (w/Francine) & Brian Lee
 vs. Tommy Dreamer (w/Beulah) & PitBull #2
  前年からの遺恨をズルズルと引き摺っている4人によるタッグ戦。勿
 論リング・ベルなどは彼等にはお構いなしで、目が合った途端にド突き
 合いが華々しくキック・オフ!。あ、ちなみにこの試合で相手からピン・
 フォールを奪った者には、直後にレイヴェンの保持する世界王座へ挑
 戦出来るってご褒美(ダグラスが勝った場合は、ダグラスの保持するT
 V王座も掛かってのダブル・タイトル戦に)が用意されているのですが、
 どうやら世界王座は欲しいけど、折角のTV王座を掛けでまでの連戦は
 嫌だとダグラスはちゃっかり損得勘定でもしたのか、やけにあっさりとド
 リーマーにピン・フォールを許してしまい...。
IECW World Heavyweight Championship :
 Raven vs. Tommy Dreamer (w/Beulah)
  ってな事で始まったレイヴェンとドリーマーによる世界王座戦。ただこ
 んなシチュエーションでは気分屋のレイヴェンはやる気を出さんやろな
 ァなんて思っていましたが、連戦となったドリーマーを立ててやらなアカ
 ンとの責任感(←レイヴェンには最も似つかわしくない言葉やね)でも
 突如沸いたのか、テーブル上でのパイル葬をミスって客席から野次ら
 れても、一向に気持ちがプチンと途絶えまへん。おォ、97年のレイヴ
 ェンは一味違うやんか、なんて道頓堀さんもちょっとだけレイヴェンを
 見直したところで、bWo人気を追い風に兄貴分レイヴェンからの独立
 を狙うスティーヴィ・リチャーズが試合に介入。で、これが結局はレイヴ
 ェンの王座防衛の手助けとなってしもて...。ウーン、今夜の興行の
 幕引きは完全に失敗。まだ何か“隠し玉”があるんやろって期待するお
 客達を前に、リング上に1人残されたドリーマーは、一体全体どうした
 ものかと、とことん困り果ててまっせ...。


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