ECW Year in Review 1997 Vol. 2
 (DVD-R*2) 
 収録時間
 disc-1:約2時間
 disc-2:約2時間3分
 ECW存命時に地方でのドサ巡業を含め、その興行の大半をビデオ
収録したと伝えられる、米国のプロレス・グッズ屋『Rf-Video』をご存知
か。その『Rf-Video』が2005年初頭より過去の貴重映像を順次DVD
−R化し、怒涛のリリース・ラッシュでワシらECWマニアの懐を直撃し
ているんや。さてさて今回皆様にご紹介するのは、1997年のECWマ
ット上における名場面や各種アングルの起承転結を手堅く纏めた『Ye
ar in Review』シリーズの中の1タイトル(1997年の下期分)。では、本
DVD−Rをテキストに、策士ポール・Eと名優&迷優が織り成した夢舞
台を今一度振り返ってみましょ。

【注意】最近は一部で姑息にもデジタル・リマスタリングなる売り文句を
使う『Rf-Video』ですが、無論彼等にはそんな高額な編集機材を買う銭
も、コツコツと過去の映像をリマスタリングするような手間隙も絶対にお
まへん。ま、元ネタとなっているのが当時の市販ビデオやTV放送なの
で、そこそこ映像自体は綺麗。それでも過剰な期待はなされず、あくま
でも海賊商品だと割り切ってご購入される事をお勧めいたしますワ。

★★Disc-1★★

@ECW World Heavyweight Championship :
 4 Way Dance
 Raven (w/Chastity & Lupus) vs. Stevie Richards
 vs. Sandman vs. Terry Funk
 1997-05-17 Buffalo, NY - Burt Flickenger Athletic Center
  テリー御大の保持する世界王座を巡る4WAY戦で、ここではレイ
 ヴェンと袂を分かって一本立ちせんとするリチャーズを他の選手が
 一丸となって盛り立ててやっております。
 【追記】試合はテリー御大が王座を防衛して終わるのやけど、テリー
 御大が投げ付けた鉄柵を首に食らったリチャーズはこれで首を負傷。
 リチャーズは当時ポール・Eとの折り合いも悪かったらしく、7月には
 WCWへ転出してしまいますんや。
Aドリーマーとレイヴェンの抗争史
  95年4月8日の定期興行『Three Way Dance 1995』以降の両者の
 憎しみ合いの模様を手堅く纏めてみました。
BRaven (w/Chastity & Lupus) vs.
 Tommy Dreamer (w/Beulah)
 "Wrestlepalooza 1997"
 1997-06-07 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  で、これが長らくドリーマーやサンドマンと抗争劇を続けて来たレイ
 ヴェンの、ECWでの(一度目の)ラスト・マッチ。多分、WCWにドカン
 と移籍金でも積まれたのでしょうが、それにしてもレイヴェンの紹介の
 際に客席から沸き起こった“お前なんか叩き売りじゃ!”チャントのす
 さまじい事、すさまじい事。尚、試合の方ですが、レイヴェンとの抗争
 劇の中では只の一度も一騎討ちで勝てなかったドリーマーが、遂にレ
 イヴェンを打ち破るって感動的な幕引き。エッ、誰でっか。WCWへ出
 て行くんやから、今さらドリーマーに勝ち星を与える事をレイヴェンが
 断る理由なんてないし、そもそもそれが業界の“不文律”やんか、なん
 てしたり顔でおっしゃっているのは?。それを言ってしもてはお終いっ
 てモンでっせ...。
 【追記】いくらお客にはバレバレと言っても、レイヴェンの離脱はECW
 には一大事。そやけど気持ちの離れたレイヴェンを何時までも追っ掛
 けても仕方ない。ならば瞬時にレイヴェンの存在をECWから抹消して
 しまえと、プロデューサーのポール・Eは妙案をジャストのタイミングで
 実行します。そう、ジェリー・“キングさん”・ローラー率いるUSWAとの
 団体抗争がそれでして、ここにキングさんの無法介入をディスプレイ。
 あ、実は当時ECWとWWF(現WWE)は不思議な業務提携関係にあ
 りまして、RVDがキングさんの露払いでWWFの定期放送番組『RAW
 is WAR』に出て、ジェフ・ハーディと一戦交えたって事実も。さてさて、R
 VDやサブゥを手下に収めてECWを急襲したキングさん、「どいつもこ
 いつも皆殺しや!」と絶叫し期待以上の大暴れ。ドリーマーとサンドマ
 ンは完全にKOされ、ムスタファは自力で立てず、ニュー・ジャック親分
 に至ってはリング下で掛け値なしの血海に沈んでしまいました。それ
 と、いくら己の決断の結果とは言え、目の前で始まった“新章”に加わ
 る事が出来ず、所在なさ気に今の今まで主役を張っていたリングを降
 りて行くレイヴェンの姿には、ホンマに堪らんものがおましたな。
CTaz vs. Sabu (w/Bill Alfonso)
 "Wrestlepalooza 1997"
 1997-06-07 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  キングさんらの傍若無人の振る舞いにタズが決起。キングさんらと
 歩調を合わせるサブゥを捕まえ、ECWにとって初となったPPV『Bare
 ly Legal』(97年4月13日放送)でも堂々メインの一端を張ったサブゥ
 との“世紀の遺恨戦”のリ・マッチを敢行や。で、サブゥによる足首へ
 の低空ドロップ・キックなんて厳しい攻めをしのぎ、サブゥを片羽締め
 で完全に捕獲したタズやったんですが、サブゥが苦し紛れに体を起こ
 したものやから、なんとタズはサブゥをチョーク・アウトしたままの体勢
 で3カウントのフォールを取られてしまって...。
DECW World Television Championship :
 Taz vs. Shane Douglas (w/Francine)
 "Wrestlepalooza 1997"
 1997-06-07 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  思わぬ敗戦に怒り心頭のタズがレフェリーやアルフォンソをチョー
 ク・アウトしたところで、本部席に居たダグラスとの舌戦が開始。タズ
 が3分以内でお前をタップ・アウトさせたるって挑発すれば、ダグラス
 もそこまで言うなら負けたら60日間休場しろと逆要求。で、ここに
 グラスの保持するTV王座と、タズの60日間欠場を懸けた番外戦
 火蓋が切って落とされましたんや。あ、試合自体はいたってシンプル。
 タズの繰り出す片羽締めをダグラスが3分間凌げるかどうかって内
 容で、キングさんらの急襲によりECW正規軍の大黒柱となったタズ
 が、リミットのギリギリでダグラスからタップとベルトを奪いました。
ESabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Tommy Dreamer (w/Beulah) & Sandman
 "Orgy of Violence 1997"
 1997-06-28 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  ECWアリーナにて97年6月28日に開催された定期興行『Orgy of 
 Violence』より。キングさんらと歩調を合わすサブゥ&RVD(WWF派
 閥)を懲らしめんと、ドリーマー&サンドマンが出陣。けど試合の大詰
 めでまたまたキングさんが出現。しかも今回は盟友のジム・コルネッ
 トまでを注ぎ込み、キングさんらはECWマットを完全に蹂躙や
 【追記】後にWWEの編集によって発表されたECWのヒストリーもの
 DVD『The Rise + Fall of ECW』によると、キングさんの猛攻でドリー
 マーはマジで病院送り。それどころか睾丸から溜まった血を抜かな
 いといけないって羽目になったんやて。やり過ぎたと思たんやろね、
 あとからキングさんがドリーマーに謝りに来た(苦笑)そうですワ。
FECW World Tag Team Championship :
 Cage Match :
 The Gangstas vs. Big Dick Dudley & D-Von Dudley
 (w/Buh Buh Ray Dudley & Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
 "Heat Wave 1997"
 1997-07-19 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  6月20日のマサチューセッツ州はワルスハムにて行われたドサ興
 行においてイリミネーターズを下し、2度目のタッグ王座を獲得したダ
 ッドリーズ。今宵は金網戦にてギャングスターズを迎え撃ったのやけ
 ど、ニュー・ジャック親分の自殺ダイヴこそ何とか受け切ったものの、
 終盤ババが少々アクシデント気味に左膝を負傷し、そこを目ざとくム
 スタファが丸め込んだものやから...。
GECW World Heavyweight Championship :
 Terry Funk vs. Shane Douglas (w/Francine)
 "Heat Wave 1997"
 1997-07-19 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  テリー御大(イーグルスの珠玉のバラード"ならず者"での入場シー
 ンに泣けん奴とは友達になれんな)の保持する世界王座へダグラス
 が挑戦。試合は序盤、絶好調と見える御大がダグラスをECWアリー
 ナの外まで連れ出しての鉄拳攻撃。中盤ではダグラスが御大の左足
 にピン・ポイントで攻め入り形勢逆転。で、終盤にはフランシーン嬢や
 キャンディードの介入があり、これでカチンと来たのか、御大はレフェ
 リーに手を出しての反則負け...(ベルトは移動せず)。
Hタッド・ゴードンのコメント
  さてさてGの試合についてですが、捨て身で介入したフランシーン
 嬢は、何とテリー御大の背中に飛び付き、御大の左耳に噛み付くな
 んてブチ切れっ振り。で、この行為を見咎めたのか、ECWのコミッシ
 ョナーであられるタッド・ゴードン氏がコメントを...。
 【追記】耳への噛み付き攻撃って言ったら、勘の良い人ならピンと来
 るんやないですか。そう、これは97年6月28日のタイソン対ホリフィ
 ールド戦で起こった、タイソンによるホリフィールドの耳への噛み付き
 事件をパロディにしておりますんや。ウン、これはナイスなネタやね。
ISteel Cage Match :
 Jerry Lawler & Sabu & RVD (w/Bill Alfonso) vs.
 Sandman & Tommy Dreamer (w/Beulah) & Mystery Partner
 "Heat Wave 1997"
 1997-07-19 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  いよいよ抜き差しならん状況となって来たECWとUSWA。遂に97
 年7月19日の定期興行『Heat Wave 1997』では金網戦で両軍総出に
 て雌雄をつける事に。けどECW側の隠し玉として投入されたはずの
 “Ravishing”リック・ルードが土壇場でまさかのダブル・クロスを敢行
 ま、リック・ルードの場合、キング一派への寝返りってよりも、ECW内
 で反目し合っていたシェーン・ダグラス率いる極悪ユニット“トリプル・ス
 レット”への合流って意味合いが強かったみたい(ここらの物語って非
 常に複雑なので、間違っていたらゴメンね)。金網の外ではダグラスや
 “トリプル・スレット”の構成員である“イレズミ獣”バン・バン・ビガロ、ク
 リス・キャンディード、彼等と絶賛抗争中のテリー・ファンク爺が絡んで
 大騒動が勃発。そして金網の中ではドリーマーとサンドマンが手錠に
 よって無残にも金網に拘束され、キングさんらから文字通りリンチまが
 いの暴行を受けてしまいます。あ、お家の一大事にタズも駆け付けて
 キングさんを締め落とすのやけど、ここで8月17日放送の次回PPV
 『Hardcore Heaven 1997』にてタズの所持するTV王座に挑戦するキ
 ャンデードが、“トリプル・スレット”の面々のバック・アップを得て、タズ
 をチョーク・アウト!。「“トリプル・スレット”がECWを制圧してしまいま
 した!」と実況のジョーイ・スタイルスが絶叫しております...

★★Disc-2★★

@自信満々でっせ
  テリー御大との有刺鉄線マッチに向け、サブゥ陣営は自信満々。
AECWにおける有刺鉄線マッチの歴史
  過去の多数の熱戦を振り返ってみましょうって趣旨のプロモです。
BECW World Heavyweight Championship :
 Barbed Wire Match :
 Sabu (w/Bill Alfonso) vs. Terry Funk
 "Born To Be Wired"
 1997-08-09 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  4月13日に放送されたECW初のPPV『Barely Legal』において世
 界王座に就いたテリー御大。で、今宵はその世界王座を懸け、サブ
 ゥを相手の有刺鉄線戦となりました。ただし本試合の結果には関係
 なく、直後の8月17日に放送されるPPV『Hardcore Heaven 1997』で
 はダグラスの発案によって伝説の3WAYダンスのリ・マッチも決定し
 ています。けど、そんな事より何より、本試合の凄惨さにはただただ
 絶句。ホンマに両者とも体を張っております。まだまだ世間にはプロ
 レスなんてインチキの出来レースやなんて、己の頭の悪さ加減も認
 知せずに声高に話すアホが居てますが、そんな奴らにこそ観せてや
 るべき代物。途中、アクシデントにより有刺鉄線で腕をザックリとやっ
 たサブゥ(この試合において世界王座を獲得する事に)が、試合をこ
 なしながら自ら腕にテーピングを施す場面なんて堪りませんデ...。
 【追記】なんて書いたけど、本DVD−Rに納められているのは短縮バ
 ージョンで、サブゥが自らテーピングを施す場面などはカットされてお
 りました。ま、本試合の映像は米版DVD『Deep Inpact』(現在、絶賛
 廃盤中)や当日の興行全体を収録したVHSテープなどでも確認可能
 なので、どうしても気になる方はそれらをどうぞ。
Cサブゥ、腕を縫って貰っております...
  控え室にて。多分Bの試合の直後なんやと思いますワ。
Dプロモの時間だよ、全員集合!
 "Born To Be Wired"
 1997-08-09 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  来る8月17日放送のPPV『Hardcore Heaven 1997』ではドリーマー
 とキングさんとの大将同士の一騎討ちがアナウンスされておりまして、
 今宵は言わばそのプロモの場。ドリーマー率いる正規軍、USWA軍
 と歩調を合わすサブゥ&RVDの“WWF派閥”、ダグラス師匠&ビガ
 ロ&キャンディードによる極悪ユニットの“トリプル・スレット”、その他
 PPVへの出演がアナウンスされている選手達が思い思いにリングに
 上がっては、各自自己アピールを好き勝手に展開!。
EPPV『Hardcore Heaven 1997』を振り返る
  名場面をパラパラ漫画風に編集したハイライト集。PPVの内容を詳
 しくお知りになられたいのでしたら、既に本HPにもレビューはアップし
 てありますので、そちらをご覧になっていただけたらと思います。
FSabu & Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
 vs. Tommy Dreamer & Sandman
 1997-08-22 Downington, MA - Farmers Market
 or 1997-08-23 Trenton, NJ - CYO Center
  PPV『Hardcore Heaven 1997』にてキングさんを倒し、USWA軍を
 ECWから追い払う事には成功したドリーマー。そやけどUSWA軍と
 結託していたサブゥ&RVDによる“WWF派閥”までは追放出来てお
 りまへんでしたんや。で、はぐれUSWA軍(何やら新日プロみたい)
 となり、その攻撃性を先鋭化させたサブゥはこの夜、サンドマンの入
 場を急襲。なんとビール瓶で力の限りサンドマンの頭部を殴り、これ
 によってサンドマンは試合もせず大流血のまま退場(←新日プロに
 おける雪の札幌事件のパロディやろか?)。1人残ったドリーマーも
 サブゥ&RVDに蹂躙され、勢い付いたサブゥとRVDはあろう事かW
 WFの社旗を取り出して...。さあ、ここまでECWをコケにされたと
 なると、ECW正規軍の守護神タズも黙っておれまへんデ!。  
G当時、流行ってました...
  巨漢のビガロが小柄なスパイク・ダッドリーを力任せに客席の中に
 まで投げ込むってネタが大ヒット。ECWならではのスポットですな。
Hシーク爺直伝でっせ!
 "As Good As It Gets"
 1997-09-20 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  Fの恨みを晴らさんと襲い来るサンドマンに対しサブゥが繰り出し
 たのは、シーク爺直伝の火炎攻撃!!
ITommy Dreamer & Beulah vs.
 Rob Van Dam & Bill Alfonso
 "As Good As It Gets"
 1997-09-20 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  はぐれUSWA軍“WWF派閥”のRVD&アルフォンソと、ECW正
 規軍代表のドリーマー&ビューラ嬢がチーム・アップしての激突!。
 そやけど試合開始早々サブゥが現れてRVDをヘルプし、二人掛りで
 ドリーマーをテーブル葬に沈め、試合はあっさりジ・エンドです(ここま
 での模様はカットされております)。でも今夜のホンマのお楽しみはこ
 こから。ドリーマー、RVD、サブゥが去ったリング上に残ったビューラ
 嬢と、“オトコ芸者”アルフォンソが番外戦を始めよりましたんや。しか
 もビューラ嬢が振り上げたステンレス製の皿がアルフォンソの額をジ
 ャスト・ミート。で、ここで止めとけばエエのに、アルフォンソが“流血ジ
 ョブ”に突入。けどサービス精神が旺盛なのか、はたまた剃刀の刃が
 少々出過ぎていたのか、アルフォンソは文字通り大流血状態(苦笑)。
 また、対するビューラ嬢も普通の神経の持ち主なら、あれだけ血だら
 けの小汚いオッサン(失礼)に身体を触られるだけでも失神ものやろ
 に、立派にプロレス技でアルフォンソに応戦したんやからこれまた拍
 手喝采もの。あ、本試合(←これって試合やったんか?)の結果です
 が、ビューラ嬢のウラカンが決まってアルフォンソに土が付いており
 ます。ウン、これは意地でも名勝負や。
JECW World Tag Team Championship :
 The Gangstanators (New Jack & John Kronus)
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Big Dick Dudley & Joel Gertner & Sign Guy Dudley)
 "As Good As It Gets"
 1997-09-20 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  9月20日にECWアリーナで開催された定期興行『As Good As It 
 Gets』よりのチョイス。実は8月17日放送のPPV『Hardcore Heaven 
 1997』では、ムスタファの離脱(私生活でなんぞ悪い事でもしでかした
 んやろね)にてタッグ王座からギャングスターズが滑り落ち、彼等に
 変わって新王者組となったダッドリーズと、フラストレーションの塊とな
 ったニュー・ジャックとの間で一悶着があったんです。で、相棒を失っ
 たニュー・ジャックは、これまで犬猿の仲であったはずのイリミネータ
 ーズ所属のクローナス(←偶然、こっちも相棒のサタンを失って一人
 ぼっちになったばかり)と過去の恩讐を越えて結託(ユニット名は“ギ
 ャングスタネーターズ”)し、心機一転ダッドリーズの王座へと挑戦や。
 試合では会場奥の機材置き場からダイヴ特攻を仕掛けるなどと、ニ
 ュー・ジャックが率先して見せ場を作り、最後は勿論“ギャングスタネ
 ーターズ”が新王者チームになっとりまっせ。
K哀悼、“ルース・キャノン”
  1997年10月5日、正にニック・ネームのごとく呆気なくあの世へと
 召されてしまったブライアン“ルース・キャノン”ピルマン。今更ここでピ
 ルマンのECW時代の所業を書き連ねても空しいだけやけど、もしも
 ピルマンってレスラーに興味を持たれたのなら、是非他のDVDレビュ
 ーに書き散らかした彼の生き様ってのを確認して欲しいな。
Lトリプル・スレット崩壊!
 1997-10-16 Queens, NY - Elk's Lodge 
  『Hardcore TV』用のネタ収録に向けリングに上がったのは、極悪ユ
 ニットであるトリプル・スレット(構成員はクリス・キャンディードとバン・
 バン・ビガロ)の主宰者であり、ECW認定の世界王者のベルトを手に
 する“フランチャイズ”シェーン・ダグラスと、マネージャー役のフランシ
 ーン嬢。と、ここにダグラスとはこれまでいろいろとあった(勿論ネタの
 上の話やデ)リック・ルードがお出まし。すると、なんとモニター画面の
 中ではお客達がリック・ルードに向け一斉に、“お前、チャイナと一発
 やったやろ!”チャントを...。いやはや、確かにリック・ルードとチャ
 イナ(←宝寿司の寿司職人である梅さんにそっくりの女子レスラー。あ
 のHHHと親密であった時期も)が云々なんてのを聞いた(当然後年や
 けど)事もあったけど、それが当時、現地ではこうして大合唱となって
 いたとはね。あの頃のアメ・プロ業界ではダイヤルQ2商法が花盛り
 で、有料でレスラー達のある事ない事の裏(怪)情報を好きなだけ聞
 けたそうやけど、ホンマにNYの客は嫌な奴揃いやったんですなァ。
 さてさて、“お前、チャイナと一発やったやろ!”チャントには多少面食
 らったみたいなリック・ルードですが、これ位程度でヘコんでいる様で
 はあのチャイナとは一発やれまへん(苦笑)。適当にチャントをやり過
 ごし、続いてダグラスの保持する世界王座のベルトに対して刺客を放
 ちますんや。で、リック・ルードの紹介によりガンズの名曲『Welcome t
 o the Jungle』をガンガン鳴らし、その雄姿を花道に現したのは、ダグ
 ラスの用心棒的ポジションにドカンと座り、極悪ユニットのトリプル・ス
 レットをずっと支え続けて来たはずの“イレズミ獣”バン・バン・ビガロ
 この突然の裏切りにダグラスやフランシーン嬢、指を3本立て(←トリ
 プル・スレットを意味しております)、頼むから考え直してくれと懇願し
 ておりますが....(よっ、役者やのゥ)。
MECW World Heavyweight Championship :
 Bam Bam Bigelow (w/Rick Rude)
 vs. Shane Douglas (w/Francine & Chris Candido)
 1997-10-16 Queens, NY - Elk's Lodge
  ビガロの翻意が叶わぬと悟ったダグラス、キャンディードとハイ・タッ
 チを行い、ベルトをリング中央に置いてビガロとのタイトル戦を承諾
 ました。けどこの直後ダグラスの顔面に降り注いだのは、ビガロの鉄
 拳。序盤ダグラスはビガロの巨体と溢れんばかりのパワーの前に防
 戦一方(よっ、ホンマに役者やのゥ)で、中盤ダーティなインサイド・ワ
 ークを披露して形勢逆転を狙うも、最後はビガロのDDT〜パワー・ボ
 ムによって完璧な形で3カウントを献上。これまでビガロの助力で守り
 続けて来た世界王者のベルトが、何の因果かビガロの手へと渡って
 しまいました。尚、この試合は11月30日に開催されるPPV『Novemb
 er to Remember 1997』での両者の再戦(結果はダグラスのベルト奪
 回)に向けた壮大な前振りってところで、試合時間こそ定期番組『Har
 dcore TV』での放送に合わせて短時間ではあったけど、リック・ルード
 の登場⇒トリプル・スレットの崩壊⇒ダグラスの王座陥落と、実に上手
 く細部まで練り込まれた構成やったワ。でも、“お前、チャイナと一発
 やったやろ!”チャント、『Hardcore TV』では編集せずに放送出来た
 のやろかねェ...(苦笑)。
NGreat Sasuke vs. Justin Credible (w/Jason)
 1997-10-16 Queens, NY - Elk's Lodge
  五色の紙テープが宙を舞う、言わば日本式の敬意の表し方によっ
 て熱狂的に迎えられたのは、“東北の守銭奴”グレート・サスケ。どう
 やらサスケはこの夜から連続3夜のみの特別参戦みたい。さてさて、
 これまでECWマットではみち・プロ勢のみでの6人タッグばかりを行
 って来たサスケですが、今夜は堂々シングル戦でのデビュー。対戦
 相手も曲者のジャスティンで、これはなかなか考えられたマッチ・メイ
 ク、と当初はワシも思ったものの、どうにも試合自体が煮詰まり気味。
 最後はジェイソンの介入を契機に、ジャスティン必殺の変形パイルが
 火を噴いて、“東北の守銭奴”の背中にベッタリと土が...。
 【補足】サスケですが、翌日はペンシルバニア州ダウニントン大会に
 てランス・ストームと対戦。翌々日はペンシルバニア州フィラデルフィ
 アのECWアリーナにてアル・スノーと対戦、との記録がありました。
Oプロモを2本、続けてどうぞ...
  FBI(純血イタリア人軍)のグイドー、トレーシー・スマザーズ、トミー
 ・リッチがピザ屋さんの調理場でボケ倒し...(苦笑)。続いてはラッ
 パーのLLクールJのプロモ(Phenomenon)を上手く使ったミュージッ
 ク・プロモでっせ。
PECW World Tag Team Championship :
 The Gangstanators (New Jack & John Kronus)
 vs. The FBI (Little Guido & Tracey Smothers)(w/Tommy Rich)
 1997-09-20 South Philadelphia, PA - ECW Arena
  ピザ屋でボケ倒しているばかりではアカンと思ったか、FBI(純血イ
 タリア人軍)のグイドーとトレーシー・スマザーズがギャングスタネータ
 ーズの保持するタッグ王座へチャレンジ!。そやけど例によって例の
 如く凶器が満載のゴミ箱を抱えて現れたギャングスタネーターズの2
 人に好き放題ド突かれてしまい、後ろ盾であり、頼みの綱であるトミ
 ー・リッチさえもニュー・ジャックのギター・ショットの餌食に...。なん
 て思ったら、トミー・リッチが寸でのところでこれを回避したものやか
 ら、ギターは不幸にも(苦笑)レフェリーの頭部を直撃。で、レフェリー
 不在となったリングにダッドリーズが乱入し、あろう事かFBI(純血イ
 タリア人軍)のタッグ王座奪取を演出してしまいよった!。
QPPV『November to Remember 1997』に向けて
  来る11月30日に放送される『November to Remember 1997』に向
 けて、はぐれUSWA軍“WWF派閥”のサブゥとRVDがプロモを敢行。
 なんとECWの社旗にオシッコを引っ掛け、続いて油を撒いて、火を放
 ってしまいよったデ。あ、映像はここからガンズの『November Rain』を
 効果的に使った抗争ミュージック・プロモへと引き継がれて行きます。
RPPV『November to Remember 1997』を振り返る
  名場面をパラパラ漫画風に編集したハイライト集。PPVの内容を詳
 しくお知りになられたいのでしたら、既に本HPにもレビューはアップし
 てありますので、そちらをご覧になっていただけたらと思います。
S“スーパー・スター”ステーィヴ・リチャーズのご帰還
  Disc−1の@でも触れましたが、首の負傷とポール・Eとの不仲か
 ら一度はWCWへと転出したリチャーズ。そやけどメジャーの水は思
 った以上に苦く、加えて一緒に転出したレイヴェンからも、「お前はワ
 シの負け役で入団したんやデ」とバッサリと切り捨てられ、傷心のま
 ま古巣ECWへと逆戻り...。ま、ヒアリングが苦手なのでリチャー
 ズが何を言っているのか詳しくは分かりまへんが、多分数ヶ月間だ
 けやけど味わったメジャー団体WCWの雰囲気ってのを過剰に吹聴
 しつつのプロモなんやと思います。


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