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Big Ass Extreme Bash
Queens, NY - Lost Batallion Hall 1996-3-8
South Philadelphia, PA - ECW Arena 1996-3-9
(DVD-R*2) 収録時間
disc-1:約1時間27分
disc-2:約1時間17分 |
ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2008年の7月期より満を持して開始したのが、過
去米国で正式に流通した53タイトルのECWものVHSテープの無法D
VD−R化。ま、今さら『RF-VIDEO』のやる事に驚く事もおまへんが、ホ
ンマにこいつ等のECWってネタをとことん商いに使い切る姿勢には、あ
きれるやら、ある意味感心するやら(苦笑)。ま、お陰でワシの映像ライ
ブラリーも充実するし、ここは『RF-VIDEO』の仕掛ける悪徳商法(笑)に
まんまと乗せられ、DVD−Rのレビューへと突き進んでみたく思います。
ちなみに今回ご紹介いたしますのはECWが1996月3月8日にニュー
・ヨークはクィーンズのロスト・バタリアン・ホール(戦没者記念公会堂)、
翌3月9日にフィラデルフィアはECWアリーナと、2日間に渡ってブッ放
した定期興行『Big Ass Extreme Bash』の模様を収めた代物なんです。
【追記】
本DVD−Rの映像ですが、キチンとデジタル化はされており(ただしデ
ジタル・リマスタリング云々ってのは十中八九は嘘。『RF-VIDEO』にはそ
んな高額な機材を買う銭も、コツコツと映像をリマスタリングするような手
間隙も絶対にないはず)、これまでの所謂“白箱オリジナル・テープ”や、
それを元ネタとしたコピー・テープに比べると画質は上。また以前英国で
発売されていたPAL方式のDVDに顕著であったテーマ曲の差し替えっ
てのも行われておりまへん。あ、それと上でも触れたように『Big Ass Ex
treme Bash』は2日間に渡る興行なんですが、初日のロスト・バタリアン
・ホール大会は残念ながらダイジェスト収録、2日目のECWアリーナ大
会も中盤までの各試合は一部カットがありました。ただ、この2日間を完
全収録(何時の日か、そんなブツがリリースされんやろか)するとなると、
多分DVD−Rが4枚でも足らないはずで...。
★★Disc-1★★
1996-3-8 / Queens, NY - Lost Battalion Hall
@Kendo Nagasaki & Chris Michaels vs.
Damien Stone & Joel Hartgood
DVD−Rを再生した途端、サンドマンがリングに乱入して雑魚どもを
竹刀で滅多打ちするシーンが映し出されされます。けどワシの(そして
多分、大多数の日本のファンの)お目当てであるケンドー・ナガサキの
姿はそこにはなし。ウーン、サンドマンとの竹刀でのチャンバラが見た
かったんやけどなァ。って言うか、ホンマにナガサキが出ていたの?。
【追記】サンドマンにド突かれた中の一人である小柄なダミアン・ストー
ンって選手。誰あろう、この人こそが4月13日にニュー・ヨークはクィ
ーンズにおいて開催される定期興行『Massacre on Queens Boulevar
d』にて、“イタリアの種馬”JTスミスによって“リトル・グイドー”って名を
授かり、その後長きに渡ってあの“純血イタリア人軍”を率いる事とな
る人物なんでっせ。ウーン、多分これが“彼”のECWデビューの瞬間
なんでしょうが、これは“純血イタリア人軍”マニアのワシには嬉しい限
りの映像でしたワ。
Aまたまたやって来ましたデ、あの超問題児が...
“フランチャイズ”シェーン・ダグラス先生がリングにお出まし。と、リ
ング最前列から何やら野次を飛ばすのはブライアン・ピルマン。2月1
6日にECWアリーナで行われた定期興行『Cyberslam 1996』にてEC
Wマットを急襲、ダグラス先生との抗争劇をおっ始めた超問題児の一
挙手一投足に、お客達も注目するのやけど、ピルマンははやるダグラ
スやお客達をスカすように、「おいおい、ワシはチケットを持って入った
ただのお客さんやんけ」とおとぼけ。勿論こんな台詞に騙されるダグラ
ス先生ではなく、途端にピルマンとのつかみ合いが始まって...。
【追記】お約束通りセキュリティによって摘み出された(苦笑)ピルマン
でしたが、この緊急事態にリングに上がっていたタッド・ゴードン(初代
ECWオーナー)にビル・アルフォンソが難癖を付け、これまたお約束
の“オトコ版”キャット・ファイトが勃発。しかも双方の後ろ盾であるバン
・バン・ビガロとダスまでが激しい視線を互いに飛ばし合って...。
BCactus Jack (w/Stevie Richards & Blue Meanie)
vs. Chris Jericho
ECWからの退団マッチを明日に控えたカクタス・ジャック、クリス・ジ
ェリコの原爆固めにてクリーン・フォールされとります。
CTaz (w/Bill Alfonso) vs. Mikey Whipwreck
脳天から落とすタズプレックス〜タズミッション(カ・タ・ハ・ジ・メ)にて
楽々マイキーを下したタズの前に現れたのはビガロ。しかしタズはビガ
ロに逆に襲い掛かり、あの巨体にガッチリとタズミッションを...。
DBuh Buh Ray Dudley & Dances With Dudley
(w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Chubby Dudley)
vs. The Headhunters (w/Damien Kane & Lady Alexander)
試合はババがハンターBを押さえ込んでジ・エンド。けど試合後には
ハンターAの重量感溢れる月面水爆がDWD(Dances With Dudley)に
降り注ぎ、試合に負けたはずのハンターズのマネであるダミアン・ケイ
ンがマイクを握って怖い物知らずの妄言(苦笑)を。すると、何を調子
に乗っているのやと、ギャングスターズのおふた方が出て来られ...。
EJuventud Guerrera vs. Rey Misterio, Jr.
ポール・Eが自信を持ってプロデュースした“エクストリーム・ルチャ・
リブレ”。3本勝負で行われた本試合、1本目を先取したミステリオ・ジ
ュニア(現ミステリオ)が有利かと思われましたが...。
FECW World Heavyweight Championship :
Sandman (w/Missy Hyatt) vs. Raven (w/Kimona Wanalaya &
Stevie Richards & The Blue Meanie)
2月23日のグレンオールデン大会にて結成されたサンドマンとダグ
ラスによるレイヴェン包囲網。まずは一番手としてサンドマンがレイヴ
ェンの世界王座に挑んだのやけど、レイヴェンもそう易々とベルトを手
放してなるものかと、手下どもを全て試合に介入させ必死に防戦。また
ここに、同じく2月23日のグレンオールデン大会にて晴れてリチャーズ
&ミーニーの"The Fabulous Ones"に仲間入りいたカクタス・ジャックま
でが加わり、そっちがその気ならとサンドマンにはダグラスも加勢。最
後はグダグダ状態の中、なんとかレイヴェンがベルトを守り抜き、お話
は明日のECWアリーナでのレイヴェン対ダグラスへと...。
【追記】このクィーンズでの興行、DVD−Rにダイジェスト収録された試
合の他にも、どうやら下記のような試合が組まれていたみたいです。
※ECW World Tag Team Championship :
The Eliminators vs. The Pitbulls (w/Francine)
※Big Titan vs. Judge Dredd
※ECW World Television Championship :
2 Cold Scorpio vs. Sabu
1996-3-9 / South Philadelphia, PA - ECW Arena
@よっ、この色男!
今宵も超満員のお客を飲み込んだECWアリーナ。まずは私服姿で
ギャングスターズの面々がリングに上がったところ、いきなり黒人のお
姉ちゃんがリングに駆け上がってニュー・ジャック親分に抱き付くなん
てハプニングが発生!。あの強面の親分が一瞬戸惑って(結構、初心
なんやね)おりましたが、親分はニヤけた顔を引き締め直し、WCWや
WWFを揶揄。その後はリングに出て来たダミアン・ケイン(ヘッドハン
ターズのマネージャ)に一発喰らわし、返す刀で今度は控え室に居る
サンドマン&スコーピオを挑発や。お、これで一気にメインのタッグ式
3WAYダンスの注目度がアップしましたな。
AJT Smith vs. Axl Rotten
ロー・ブローからロープ悪用のフォールでJTがアクセルをズル賢くフ
ォール。しかし高笑いするJTの、この上ない間抜け面...。ある意味、
ホンマに見物でっせ(失礼)。
BEl Puerto Ricano & Damien Stone vs. The Bad Crew
上記したように、前夜ECWにデビューしたばかりのダミアン・ストーン
(後のリトル・グイドー)が遂に本丸ECWアリーナにも初登場!(ここま
で拘るのはワシだけやろか)。そやけど試合が始まった途端、前夜同
様またまた超問題児のブライアン・ピルマンが現れ、あっと言う間に試
合は無効扱いに。で、早速マイクを握ったピルマンはシェーン・ダグラ
ス(ピルマンの策略により、2月23日のグレンオールデン大会では王
座奪取に失敗)を挑発し始め、ダグラスも会場奥の機材置き場から堂
々ピルマンと対峙。「よっしゃ分かった、こうなったらWCW対ECWじゃ
!。とことんやったろ!」とダグラスも吠えておりますが、よくよく考えれ
ばダグラス自身がWCWから解雇され、1月27日の定期興行にてEC
Wに舞い戻ったばかり。WCWとトラブったって点で言うなら、ピルマン
もダグラスも同じ穴のムジナなんやけどね...(苦笑)。
CECW World Tag Team Championship :
The Eliminators vs. Hack Myers & Buh Buh Ray Dudley
(w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Dances With
Dudley & Chubby Dudley)
ロード・ウォリアーズ風のプロテクターを着用して(正直、似合ってま
へんな)現れたイリミネーターズ。必殺のトータル・イリミネーション(完
全殺戮)にて楽々ハック・マイヤーズを撃沈ですワ。ウーン、暫くはタッ
グ王座は安泰ってとこやろかね。
DTaz (w/Bill Alfonso) vs. Chris Jericho
客席をギッシリと埋めた観客達からの“ライオン・ハート”チャントを全
身に浴び、クリス・ジェリコがタズと一騎討ち。十八番の“ライオン・サル
ト”(by ジョーイ・スタイルス)などで果敢に強敵タズに立ち向かうのやけ
ど、Tボン・タズプレックスがデンジャラスな角度で決まってジェリコは一
気に戦意喪失。続くジャーマン・タズプレックス⇒タズ・ミッションで完璧
にチョーク・アウトされてしまいました。あ、試合後にはまたもやブライア
ン・ピルマンが登場。一瞬、タズと睨み合う場面もあったものの、ここに
ピルマンを追ってシェーン・ダグラスまでが姿を現して...。
EJuventud Guerrera vs. Rey Misterio, Jr.
前夜同様、今宵も3本勝負で行われたフベントゥとミステリオ・ジュニ
ア(現ミステリオ)の一騎討ち。今宵は狭いリングでは戦い飽きたと、E
CWアリーナから飛び出し、“路上ルチャ・リブレ”まで敢行でっせ。ウー
ン、約半年を費やしてポール・Eが熱心にプロデュースし続けて来た“エ
クストリーム・ルチャ・リブレ”の最終形がこれってとこでしょうか。とりあ
えずお客の沸き様が尋常やないし、ミステリオらがどうして米国でオー
バー(人気が出た)したのかが手に取る様に分かる内容。某WWEでこ
じんまりとまとまってしもた今のミステリオしか知らない方にはショックや
と思いますな。
★★Disc-2★★
@Cactus Jack vs. Mikey Whipwreck
はいはい、これがカクタス・ジャックのECWでのラスト・マッチ。この
日を持ってカクタスは大メジャーWWFへと栄転(その後の輝かしい経
歴は皆さんもご存知でしょ?)するのですが、ラスト・マッチの相手とし
て選ばれたのが不肖の弟子のマイキーや。ちなみにこの直前にカクタ
スはIWAジャパンの興行に参加し、ワシら日本のファンにもケジメを付
けていて、3月3日の後楽園ホール大会では顔面を有刺鉄線で切り裂
く負傷を負っており、当然この傷がまだ癒えていなく、大きな絆創膏を
貼っての試合となっております。尚、IWAジャパンでの最後の試合は3
月6日開催の埼玉大会でした。
【追記−@】マイキーを力の限り叩きのめしたカクタス。マイクを握って
退団にあたってのスピーチが始まりました。以下過去に週プロ絡みで
出たビデオ・テープに和訳があったので、ちょこっと引用してみますワ。
みんなとはお別れだけど、悲しくもなんともねえや。(観客の声援)
いくらワルの振りをしてもお見通しって訳か。やさしいじゃねえか。
涙ぐんじゃうぜ。正直な話、このリングで戦うのが怖いこともあった。
4時間のライブ・ショーだぜ。バックステージでのんびりと試合を見て
いる3時間45分はいいんだ。出番が怖いんだ。
流れモノの血が教えてくれる。オレはこのECWアリーナで素晴らしい
奴らに出逢えたと。プロレスが本当に好きな男たちだ。
友達は裏切らない。テリーが居なくなっても大丈夫なんだ。
カクタスが居なくなっても大丈夫さ。
ホントだよ。いいレスラーがたくさん居るぜ。みんな明日のスターだ。
ニュー・ヨーク(←WWFの事です、念のため)なんてクソくらえだ。
【追記−A】スピーチを終え、何時も最前列で観戦している身体にハン
ディを持った青年に着用していたTシャツを差し出し、固く固く抱きしめ
てやるカクタス...。で、ここまでは過去にリリースされたDVD『The B
est Of Cactus Jack』(レビューもアップ済)や、サムライTVの『ECWア
ワー』でも観る事が出来たはずで、ワシ自身はこれまでずっと感傷的
な退団やったんやな、なんて思っておりました。ただ今回のDVD−Rを
観てビックリ。なんとカクタスは控え室にいる、"The Fabulous Ones"の
面々(リチャーズとミーニー)を呼び、3人並んでリング上でライン・ダン
スを決めてしまいます。ウーン、辛い別れの涙を道化の面で隠す、か。
これこそがカクタスらしい身の退き方やないの。ウン、この映像を観れ
たって事に心底感謝いたします!。
【追記−B】"The Fabulous Ones"とは、かつてスティーヴ・カーン&ス
タン・レーンが組んでいたユニット名なんですが、どうやらリチャーズと
ミーニーもこの時期、"The Fabulous Ones"を名乗ってお茶らけていた
みたい。で、2月23日に開催されたグレンオールデンってところでのド
サ興行『Just Another Night』にてカクタスがこれに合流したんですワ。
ちなみにこの"The Fabulous Ones"が、後のbWoへと発展して行くん
やと思います。
AThe Bruise Brothers vs. The PitBulls (w/Francine)
大型コンビ同士の激突でして、ブルース兄弟を援護せんとリチャーズ
&ミーニーが無法介入を仕掛け、これを黙って見過ごしてはおけぬと、
左腕をギブスで固めた(えらくあっさりとギブスを外したけど、ホンマに
腕が痛かったのやろか?)トミー・ドリーマーもスクランブル発進...。
BSabu vs. Big Titan
実況のジョーイ・スタイルス氏が、「日本のFMWプロモーションからの
デリバリーです」って述べている様に、非常にFMW臭の漂う一騎討ち。
ただ、FMWではサブゥよりタイトンの方が実力的には上であると認知
されていたように記憶しますが、このECWアリーナではやっぱりカナダ
からの出稼ぎ野郎のタイトンは肩身が狭いと見え、サブゥのアラビア殺
法を喰らってやけにあっさりと敗退するって役回りを演じております。
CECW World Heavyweight Championship :
Shane Douglas vs. Raven (w/Kimona Wanalaya &
Stevie Richards & The Blue Meanie)
2月23日のグレンオールデン大会にて結成されたサンドマンとダグ
ラスによるレイヴェン包囲網。で、昨夜のサンドマンに続いて今宵はダ
グラスがレイヴェンの世界王座へ挑む事に。けど、レイヴェンが松葉
杖を突いてリングに現れ、「昨夜のサンドマンとの試合で足を怪我した
んや。これでは試合なんてとても無理でっせ...」、と非常に田舎臭い
芝居を展開。しかしダグラスはこれを一向に意に介さず、マイクで一発
レイヴェンの顔面にキツーいのを見舞い、これをリング・ベル代わりと、
無理やり試合を開始や。で、こうなるとレイヴェンもさすがに腹を括った
みたいで、カモナ嬢の身体を張ったエロエロ特攻、リチャーズ&ミーニ
ーのセコな手出し、頼りになる雇われ用心棒のブルース兄弟と、次か
ら次に手下どもを試合に介入させ、恥も外聞も投げ捨てて王座防衛。
しかし調子に乗って試合決着後もダグラスを蹂躙していると、サンドマ
ン&ドリーマーが現れて...。
D3 Way Dance :
Sandman (w/Missy Hyatt) & 2 Cold Scorpio vs. The Headhunters
(w/Damien Kane & Lady Alexander) vs. The Gangstas
大きな事件が多数巻き起こった今宵のECWアリーナ。締めはギャン
グスターズの絡むタッグ式の3WAY戦なんですが、“ショー・ストッパー”
を気どったのかギャングスターズはなかなか姿を現さず、まずはサンド
マン&スコーピオとハンターズとの一騎討ち(ちなみにリング下ではミッ
シー嬢がアレキサンドラ嬢を相手に大立ち回り)から。で、試合が十分
に温まった頃、やっとこさでニュー・ジャック親分&ムスタファがお出ま
しって寸法や。試合は勿論荒れた内容でして、最後は親分の高笑いが
ECWアリーナに鳴り響きました。 |
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