Double Tables 1995
 South Philadelphia, PA - ECW Arena 1995-2-4
 (VHS-Tape)
 収録時間:約1時間55分
 本作はDVDではなくってVHSテープ。米国の『Rf-Video』って少々怪
しいプロレス・グッズの通販屋から1本12ドル(今回は定例の週末セー
ルに合わせてオーダーしたので3割引の8.4ドルやった)で発売されて
いる代物(著作権を無視した海賊コピー・テープ)です。で、その収録内
容はと言うとECWが1995年2月4日にフィラデルフィアのECWアリー
ナにて開催した定期興行『Double Tables 1995』の全容を納めたもの
んですワ。

@The Pitbulls (w/Jason Knight) & Jason (from W★ing)
 vs. The Young Dragons & Hack Myers
  一見するとぶっちゃけ前座の捨て試合って感じの6人タッグ。けど簡
 単に見捨ててはあきまへんデ。ここには日本のインディを代表してW
 ★INGから選抜されたジェイソンが一枚噛んでますんや。で、ECWと
 W★INGの繋がりというと、やはり茨城“Born To Loose”清志W★IN
 G社長となるんでしょうな。当時銭はないものの独特の嗅覚で単価が
 安くて面白い外人選手をブッキングしていた茨城社長率いるW★ING
 にECWの選手が大挙来日したことがあって、ここでの出会いがジェイ
 ソンのECW参戦を実現させたんやと推測します。あ、若きプロレス・フ
 ァンの皆様にはジェイソンなんて知らない名前でしょうから少々説明い
 たしますと、ホラー映画『十三日の金曜日』シリーズに出て来たホッケ
 ー・マスクを被った殺人鬼のパロディ・レスラーで、『中身』をコロコロと
 変えながらも21世紀の今日まで細々と続いてきた伝統あるギミック。
 あのトレイシー“南部の仕事師”スマザーズが『悪』のジェイソンに扮し
 た事もおましたが、今夜登場しているのは『善』のオリジナル・ジェイソ
 ン(本名はラファエル・ロドリゲス)みたいですワ。で、対戦チームには
 怪しい覆面と空手着を着用したヤング・ドラゴンズなる2人組と、今夜
 も会場内の悪質ファンの声援を一身に集める“シャー!”ハック・マイ
 ヤーズを配置し、ジェイソンにピット・ブルズをくっつけたマッチ・メイク。
 ECWアリーナのマニア連が過剰に抱くジェイソンへの思い込みがもろ
 くも崩れ去る(←実際、正味で使えん奴なんです)前に、さっさとジェイ
 ソンに花を持たせる展開で試合は幕となりました。また試合後、ジェイ
 ソンに負けず劣らず使えんかったドラゴンズにマイヤーズの怒りの鉄
 拳が降り注ぎ、ピット・ブルズのマネージャーのジェイソン(←W★ING
 からの派遣選手とは同名別人)までがとばっちりを受けとります...。
 けど、それでも怒りの収まらないマイヤーズの前に、今度は純白のウ
 エディング・ドレスを着た“堕王妃”エンジェルまでが現れてマイヤーズ
 に口付け。しかしマイヤーズ、これにパイルドライバーで応えて...。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『EC DUB !』に
 も収録されております。
ATommy Dreamer vs. Stevie Richards (with Raven)
  親分格のレイヴェンがリング下で見守る中、リチャーズ君とドリーマ
 ーの一戦はリング・ベルを迎えます。しかしリチャーズ君の蛍光ピンク
 色のコスチュームといい、ドリーマーの黒の中途半端なサイズのトラ
 ンクスといい、プロレスよりも互いに己のダサさを競い合っているよう
 ですな(苦笑)。試合はレイヴェンが介入するも、リチャーズ君のスー
 パー・キックをかわしたドリーマーが絶妙の急所パンチをお見舞い。レ
 イヴェンとの直接対決に向けて気勢を上げる格好となっとります。  
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『PHILLY STA
 KE !』にも収録されております。
BMikey Whipwreck vs. Paul Lauria (w/Jason Knight)
  ダラダラと続く2人の遺恨、ちょっとしつこいワ。よく子供同士の喧嘩
 で勝つまで止めんって、どうにも始末におえぬ子が居るけど、まさにマ
 イキー君がそれ。で、試合はローリアのマネであるジェイソンの介入を
 受けながらも、やっとの思いでマイキー君が逆さ押さえ込みで勝利。
 良かった良かった、これでこの両者の絡みを見なくて済むな。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『PHILLY STA
 KE !』にも収録されております。
CBad Breed Death Match :
 Ian Rotten vs. Axl Rotten
  初期ECWマットを鮮血で真っ赤に染め上げた名ユニットの“バッド・
 ブリード”(直訳すると劣性品種交配)。イアン・ロットンとアクセル・ロッ
 トンの2人で成り立っていたのやけど、95年1月7日のECWアリーナ
 での定期興行において、宿敵ピットブルズを相手に“負けたチームが
 解散”ルールで試合を行い、アクセルが最後の詰めを誤って呆気なく
 敗退。試合後にはイアンがアクセルに対して惜別(&遺恨劇勃発)の
 パイプ椅子攻撃を見舞うってネタがあって、晴れて両者は抗争開始。
 で、これがその記念すべき第1戦ですんや。試合はアクセルの素早い
 仕掛けに、イアンも素早い仕掛け(この場合、ブレード・ジョヴを意味し
 ます)で呼応し、早速の流血模様。展開的には1−9でアクセルが押
 しまくり、これは短期決着かと思わせた途端、イアンのロープ悪用フォ
 ール(ちょっと下手くそでしたな)が大爆発!!。当然イアンのズル勝
 ちで、両者の遺恨は更に根深いものとなり、次回対決へと......。
 【追記】1月7日のバッド・ブリード対ピットブルズの一戦は、英国で発
 売されたPAL方式のDVD『EC DUB !』に収録されております。
DAl Snow vs. Osamu Nishimoura
  これはちょっと貴重な映像でっせ。なんと皆さん、若きアル“雪男”ス
 ノーと西村“無我”修の一戦ですワ。本試合、解説のジョーイ・スタイル
 ス氏が語る様に、イギリス伝統の『キャッチ』をECWマットで再現って
 のがテーマみたいやね。エッ、内容?。勿論悪い訳がおまへんがな。
 ECWアリーナのマニア連も納得の好試合でしたワ。尚、本試合の約
 一年後(間違っていたらゴメンな)である95年12月13日、アルは『無
 我』の第2弾興行に参戦するんです。ただここで再び西村と手合わせ
 したのかは不明(←ワシ、新日系って嫌いやから)。蛇足ながら、ワシ
 はこれが西村の試合の初観戦でした(←ワシ、ホンマに新日系って大
 嫌いやから...)。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『EC DUB !』に
 も収録されております。
EECW World Heavyweight Championship :
 Shane Douglas vs. Tully Blanchard
  ECWでトリプル・スレットなるユニット(オリジナル・メンバーはダグラ
 ス、ベノワ、マレンコ)を統括するダグラスの保持する世界王座のベル
 トに、WCWではフレアーの統括するフォー・フォース・メンなるユニット
 (オリジナル・メンバーはフレアー、ブランチャード、オレイ&アーン)の
 メンバーであったブランチャードが挑むって構図の試合。実は当夜に
 先立つフロリダ巡業にてブランチャードの急襲を受けたダグラスが、な
 らばと正式にブランチャードの挑戦を受けたって下地がありますんや。
 で、注目の試合ですが、フロリダ巡業での揉め事もあり荒れた展開に
 なるんやないかって思ったけど、そこはやはり職人肌のお2人さん、な
 かなか渋い展開を披露してくれましたデ。両者、幻のフォールを一度ず
 つ取った後、最後はブランチャードのロープ越のブレン・バスターを切り
 返したダグラスが電光石火の3カウント。ウン、グッド・マッチでしたな。
  【追記】フロリダ巡業での揉め事については、英国で発売されたPAL
 方式のDVD『EC DUB !』に収録されております。
FTexas Death Match :
 Cactus Jack vs. Sandman (w/Woman)
  当時血で血を洗う熾烈な抗争を続けていたカクタスとサンドマン。当
 夜に先立つフロリダ巡業でも連日連夜激突していた(詳しくは英国で
 発売されたPAL方式のDVD『EC DUB !』、『PHILLY STAKE !』、『ME
 NTAL !』などを参照下さい)らしく、遂に遺恨精算戦としてカクタスの提
 案が通りECWアリーナにてテキサス式デス・マッチが組まれました。
 試合は花道で歌舞伎役者のように見得を切るサンドマン&ウーマン
 をカクタスが背後から急襲してキック・オフ。序盤乱戦によってカクタス
 が左ひざを負傷するってアクシデントもあったものの、最後はカクタス
 が死力を振り絞ってDDTを3発連続で見舞い、これを被弾したサンド
 マンが息絶えるって激し過ぎる内容でしたワ。
 【追記】この試合はWWF(当時)が編集したミック・フォーリー(カクタ
 ス・ジャックのベスト版DVD『MICK FOLEY : GREATEST HITS & MIS
 SES』にも収録されております。
GDouble Tables Match :
 ECW World Tag Team Championship :
 Tazmaniac & Sabu (w/Paul E.Dangerously & 911)
 vs. Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
  今夜のメインは、相手側チームを2人ともテーブルに沈めたら勝ち
 てルールで行なわれたタッグ・マッチ。“公衆の敵”パブリック・エネミ
 ーの保持する世界タッグ王座にタズマニアック&サブゥが挑むって構
 図でして、まずはグランジとタズマニアックが同時にテーブルへ落っこ
 ちて失格。で、これで頭に血が上った(いや、あくまで冷静にか?)グ
 ランジはタズマニアックにパウダー攻撃を敢行!。けどタズマニアック
 を心配したレフェリーが、あろう事かロッコーがサブゥをテーブルに落っ
 ことしたのを痛恨の見逃し(よっ、どちらさんも名優や!)。さあさあこう
 なると、もう試合のケツは丸見え。そう、レフェリーが見ているのをしっ
 かり確認して、サブゥがロッコーをテーブルへと突き落とし、これでタズ
 マニアック&サブゥが新たなタッグ王座へと就くんです。
 【新たな抗争勃発!】
  新タッグ王者となったタズマニアック&サブゥやけど、勝利の美酒に
 酔う暇もなく、クリス・ベノワの無法乱入を受けてだらしなく轟沈...。
 どうやら新たな抗争劇が勃発となったようでっせ!。
○場面は変わって...
  タズマニアック&サブゥのタッグ王座に照準を絞ったクリス・ベノワの
 プロモ。どうやらベノワの相方はディーン・“ザ・シューター”・マレンコ
 みたいですワ。


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