Ultraviolent Freedom Of Expression
 Sep 14th 2002 - Philadelphia, PA
 (DVD-R*2)
 収録時間
 disc-1:約1時間48分 disc-2:約1時間20分
 本作はDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既にお馴染みの米国
独立団体映像通販ショップ『SmartMarkVideo』から、2枚組で送料別20
ドルにて発売されている団体公認の代物です。
で、今回ご紹介するのは、ザンディグ親分率いるCZWが2002年9月1
4日にペンシルベニア州はフィラデルフィアのヴァイキング・ホール(旧E
CWアリーナ』)にて開催した定期興行『Ultraviolent Freedom Of Expre
ssion』の全容を納めたもの。これ、以前からVHSテープ版が『SmartMa
rkVideo』の商品紹介欄に掲載されていたのやけど、今回晴れてDVD−
R化がアナウンス。VHSテープだと画質も悪いし、保管場所にも困るの
で購入には二の足を踏んでいたワシですが、速攻で注文を入れたんや。
さてさて当時のCZWの状況ですが、8月31日に第1回目の『Tournam
ent Of Death』を開催し、全世界のデス・マッチ・マニアの度肝を抜いた
ばかり。その一週間後である9月7日に若手や中堅主体で開催した定
期興行『Jersey Reinvasion』を挟んで、言わば『Tournament Of Death』
の後日談と、新たなネタ展開を模索し始めたってところですワ。

★★DISC-1★★

○あれから一年経ちました...
  2001年9月11日の米国同時多発テロ事件から一年。“911”を意
 識したプロモが収録されております。
○映像は変わって...
  Fearfactoryってバンドの『Timelessness』を仕込んだ、8月10日開
 催の定期興行『No Excuses』の名場面集。
○映像は変わって...
  8月31日開催の第1回目の『Tournament Of Death』の名場面集。
○映像は変わって...
  今夜の定期興行にて組まれたカードの紹介。ここでは第4試合にて
 組まれているラッカスの対戦相手が『NWA-Wildside選出の精鋭』とあ
  って、ほんの少しだけですがこちらの期待を煽りよります(苦笑)。
@Sonjay Dutt & Derek Frazier
 vs. Towel Boy & Hurricane Kid (w/Rick Feinberg)
  細かいミスもなんのその。高難度のハイ・フライ・ムーヴを山積みし、
 ハイ・スピードでブッ飛ばして行くサンジェイ。他の3選手もサンジェイ
 1人に目立たせてはアカンと、突っ走るサンジェイを懸命に追撃や。そ
 して試合の終盤、突如“正義痛”ことジャスティス・ペインがリング上に
 登場。無差別テロを強行し、自身の保持するヘビー級王座を懸けたオ
 ープン・チャレンジ戦を宣告。と、ここにロボ軍団(ロッキン・レベルやZ
 ・バーらが所属)が姿を見せ、“正義痛”を相手に丁々発止のディベー
 ト合戦を仕掛けて...。
ATables & Ladders Match :
 M-Dogg 20 vs. Josh Prohibition
  コーナー頂分より背面一回転飛びしての飛び付きDDT、コーナーか
 らコーナーへ飛ぶ、これまた背面一回転飛びしてのヴァン・ダミネータ
 ー、試合にピリオドを打った、会場内の支柱にスルスルとよじ登って投
 下するエルボー・ドロップと、今夜もMドッグが披露する技の数々には
 唸らされるばかり。けど、プロレスって相手との絡みで客を沸かすのが
 基本なので、これって正直なところどうなんやろか、なんて...。
BNick Berk & Ty Street
 vs. New School (GQ & Chri$ Ca$h)(w/Jimmy Washington)
  2005年8月18日(現地時間)、自宅近くにてオートバイに乗ってお
 り自動車との接触事故を起こして呆気なくあの世へと召されたクリス・
 キャッシュの、駆け出し時代の弾けんばかりのファイトっ振り(ここまで
 元気が良いと、なにか“キメ”てるみたいに見えるな)が涙を誘う一戦。 
 マネージャーのワシントンの介入ミスでキャッシュ側に土が付くんやけ
 ど、勝敗云々やなしに、キャッシュのファンならマストかもね。
CRuckus vs Jimmy Rave (w/Jeff G. Bailey)
  上記した様に、『NWA-Wildside選出の精鋭』とある今宵のラッカスの
 対戦相手。勿論こちらの興味はその一点に集中いたしますが、果たし
 てラッカスをリング上に待たして花道に姿を見せたのは、ジミー・レイヴ
 その人(これがCZWでのデビュー戦?)。しかもレイヴは堂々NWAジ
 ョージアのジュニアのベルト(あのボブ・オートン・ジュニアが初代チャン
 プ??)を手にしてのお出ましでして、ラッカスを相手に随所に“らしい”
 スポットを構築(勿論ラッカスも負けてまへんデ)や。そして試合がいよ
 いよ白熱しだした途端、リング上にはNWA-Wildsideに所属するタッグ・
 チームであるロスト・ボーイズが無法介入し......。
DThe Lost Boys (w/Jeff G. Bailey)
 vs. The H8 Club (Nick Gage & Nate Hatred)(w/Dewey)
  NWA-Wildside側が無法介入するのならと、ゲージ&ヘイトリッドから
 成るヘイト・クラヴも追撃開始。勿論Cの試合は不透明決着となり、場
 内からの割れんばかりの“ヘイト・クラヴ・チャント”を背に、ゲージ&ヘ
 イトリッドはロスト・ボーイズなど役不足と、やけに格の違いを強調した
 戦いを展開。しかしここでまたまたNWA-Wildsideに所属するタッグ・チ
 ームであるT−N−Tが無法介入し......。
EThe Backseat Boyz
 vs. T-N-T (w/Jeff G. Bailey)
  NWA-Wildside側が無法介入するのならと、アシッド&カジミアから成
 るバックシート・ボーイズも追撃開始。勿論Dの試合は不透明決着
 なり、アシッド&カジミアは揃ってまだまだ線は細いものの、長身であ
 るT−N−Tの2人をド突き倒し、場内所狭しと引き擦り回す大活躍!。
 会場奥の機材設置場での高所テーブル葬を経て、最後は少々不完全
 ながらも十八番の合体技バックシート・ドライバーを炸裂させ完勝や。
 以上、CからEの3試合でワン・セットとして組まれたNWA-Wildside軍
 との全面対抗戦は、今宵はCZW軍の勝利となったみたいですワ。

★★DISC-2★★

@The Rachies (Adam Flash & "Doomsday" Danny Rose)
 vs. The Irish Drinking Team
  今宵の定期興行も中盤を過ぎ、第7試合で組まれたのは、フラッシュ
 &ローズから成るラチーズ(ちなみにこの時点で、フラッシュはCZW認
 定のアイアン・マン・チャンプ)と、“アイルランドの酔っ払い達”の対決。
 試合はラチーズ優勢で粛々(苦笑)と進み、そろそろフィニッシュの頃
 合かなと思った途端、ジョン・ダマーが無法乱入を行い(これで今宵は
 何度目やろか)、反目していると思われるラチーズを襲撃。追ってラチ
 ーズを救えと、ロッキン・レベルらロボ軍団の面々も現れて...。
ACZW World Heavyweight Championship Open Challenge Match :
 Justice Pain vs. CM Punk
  上記したセコな前フリを踏まえ、“正義痛”ことジャスティス・ペインが
 虎の子であるCZW認定の世界王座を懸け、オープン・チャレンジ戦
 行うべく、勇躍リング上に登場。で、注目の対戦相手なんやけど、これ
 がロボ軍団の密命を受けたと思われるCM・パンクのお出ましですん
 や。さてさて試合の方なんやけど、“正義痛”もCMも互いに詰めの一
 手をなかなか打てない、良く言うなら一進一退の、悪く言うならどうにも
 緊張感に欠けたロング・マッチ。最後はCMのバック・スライドを切り崩
 した“正義痛”が変形スープレックスで勝利を得たけど...。
BBJW Heavyweight Death Match Championship :
 Necro Butcher vs. The Wifebeater (w/Big Mack Smack)
  今宵のセミ・ファイナルは“妻殴り”ことワイフ・ビーターと、ネクロ・ブ
 ッチャーの一騎討ち。実はこのカード、8月31日開催の第1回目の『T
 ournament Of Death』の予選(この時は“妻殴り”に凱歌)でも組まれ
 ていたものでして、なかなかの熱戦やった為か、開催場所を本拠地C
 ZWアリーナに移して改めてのリ・マッチとなりました。しかもこの試合
 には、なんとなんと“妻殴り”が保持している大日本プロレス認定のデ
 ス・マッチ王座までが懸かっており(当時の大日本とCZWの蜜月振り
 が窺い知れるなァ)、『Tournament Of Death』の単なるリ・マッチだけ
 では終わらせまへんデ、との団体側のサービス精神もチラチラ。
 そして肝心の試合なんやけど、例によって例の如く、今宵もネクロさん
 が過剰な被虐バンプを自ら志願。“妻殴り”によるコンクリート製のフロ
 アーへ向けてのデッドリー・ドライヴを、大きな背中をいっぱいに使って
 受け、釘板でシバき回され、パイプ椅子でド突き倒され、大型工業用
 ホチキス攻撃まで喰らって...。ウンウン、やっぱりネクロさんは今宵
 も目一杯や、なんて感心していると、突如リング上にはトビー・“狂気
 人間”・クレインが姿を見せ...(クソッ、またも乱入スポットかいな)
 【追記】プロレスを“もしも”で語っても仕方のない事やとは百も承知の
 上で書くけど、“もしも”この試合でネクロさんが大日本認定のデス・マ
 ッチ王座を獲得していたなら、堂々新王者として大日本マットに来襲し
 ていたんやなァ。まァ、大日本側もCZW側に王座を“貸し出す”にあた
 って、大日本側の承認なしに王座の変更をしてはいけないと、“一筆”
 書かされていたんやろけど。それにしても当時、ちょっと“アンテナ”の
 高い奴が大日本側に居たのなら、CZWマット上での王座交代劇⇒新
 らたなデス・マッチ王者としてネクロさんが大日本に来襲、なんて失禁
 ものの絵図を描けたのに。ウーン、これはホンマに残念やないの!。
CDeath Match featuring a pane of glass, light tubes,
 barbed wire boards, the wooden strips with nails and more
 "Sick" Nick Mondo & Wifebeater vs.
 Necro Butcher & "Mr. Insanity"Toby Klein
  トビー・“狂気人間”・クレイン(←8月31日開催の第1回目の『Tourn
 ament Of Death』の予選でN・ゲージに撲殺された)がネクロさんに加
 勢し、“妻殴り”を場外の有刺鉄線テーブルへとポイ捨て。すると今度
 は“妻殴り”を救わんと、ニック・モンド(←8月31日開催の第1回目の
 『Tournament Of Death』では“妻殴り”と優勝決定戦で対戦し、惜しく
 も敗退。試合後、両者はシェイク・ハンド)も現れます。あれあれ、これ
 って『Tournament Of Death』の優勝者&準優勝者組と予選敗退者組
 が上手い事に2対2となってますやんか(苦笑)。ならば予定を急遽変
 更して皆さんでタッグ戦でもやって貰いましょか...。なんて乗りで始
 まった、当初予定になかった(苦笑)タッグ戦が火蓋。試合はモンドが
 見せる、乱戦の中でのグッド・センス。ネクロさんの、ちょっとやり過ぎ
 でっせって感じの受けと攻め。勿論“妻殴り”や“狂気人間”も持ち味を
 出し、なかなかの熱戦へと発展。最後は“狂気人間”が場外の有刺鉄
 線テーブルへ沈み、ネクロさんは即席のガラス板トラップにて昇天!。
 乱入スポットばかりであった今宵の興行やったけど、最後の最後はキ
 チンと帳尻も合って、目出度し目出度しってとこやろか。
 などと1人納得していたら、またもここでロボ軍団が乱入。モンド&“妻
 殴り”を集団暴行する悪行三昧や。
 【追記】ネクロさんをフォールしたのが“妻殴り”であったため、場内に
 は“妻殴り”の大日本プロレス認定のデス・マッチ王座防衛がドサクサ
 紛れにアナウンスされました。ウーン、...。
○“救世主”の右手親指に注目!
  ロボ軍団のモンド&“妻殴り”への集団暴行をなす術なく見守る観衆
 達。あぁ、この世には神も仏もないのかと、誰もが己の無力さを呪った
 その時、やっぱり“救世主”は現れました。そう、メサイアですワ。
 果敢に単身リングに乗り込み、ロボ軍団(ちなみにメサイアは8月31
 日開催の第1回目の『Tournament Of Death』にてロボ軍団に足を引
 っ張られて戦線離脱させられたって背景もあり)を完全に排除。
 そして観客からの“ウェルカム・バック”チャントの中、XPW時代に倒し
 て来たサブゥ、バンピーロ、故クリス・キャンディード、ニュー・ジャックら
 の名を挙げて自己アピール。続いてXPWのオーナーであるロブ・ブラ
 ック氏を揶揄する『FUCK ROB BLACK』のプラ・カードを観客から取り
 上げて踏み付けてみせ、遂には正面のビデオ・カメラに向けて欠落し
 た右手の親指(←ロブ・ブラック氏の嫁であり、AV女優でもあるらしい
 リジー・ボーデン嬢にメサイアが手を出したそうで、8月1日、ロブ・ブラ
 ック氏の息が掛かったと噂される暴漢2人組に襲われ、右手親指をみ
 せしめとばかり切断されてしまったんやて)を誇示してアジテーション。
 そこに今宵は試合のなかったザンディグ親分、選手、関係者ら、ロボ
 軍団以外の全ての者が加わり大団円。“武闘派集団”CZWの面目躍
 如ってシーンですな。


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