State Capital Punishment
 Tallahasse, FL
 2000-2-5
 (DVD-R)
 収録時間:約2時間18分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2006年7月期に発売された6タイトルの内
の1タイトル。フロリダ州のタラハシー(州都なんやて)ってところで、20
00年2月5日に開催された定期興行の模様を収録したものですワ。

@Erik Watts (w/Lou E.Dangerously) vs. Tom Marquez
  今夜のオープニング・マッチにベルト(何処のやろ)を持って出場し
 たエリック・ワッツなんですが、あのレスラーにして旧中南部地区の名
 プロモーターでもあった、“カウ・ボーイ”ビル・ワッツの息子さん。試合
 前にはマイクを握り、ECWとはエリック(自身の名前)・チャンピオンシ
 ップ・レスリングの事だと悪態をついてみせ、試合となってもマルケス
 (後のプロディジー)の鋭いジャーマンを耐え、ルー・Eのセコな介入を
 待って、ちゃっかりと勝ち星だけはゲットしてみせよりましたデ。
ALittle Guido (w/Sal E.Graziano) vs. Chaz Taylor
  バックの取り合いからグラウンドでの展開と、ベーシックな戦いを見
 せてくれた『純血イタリア人軍』のグイドーと、対戦相手のチャズ・テイ
 ラー。最後はグイドーに凱歌が上がるんやけど、なかなか見どころ多
 き試合でしたワ。
BKid Kash vs. Simon Diamond (w/Mitch)
  お抱えリング・アナのミッチを引き連れ、“常に問題を抱える男”サイ
 モン・ダイアモンドがお出まし。試合はキャッシュが果敢に攻め込むの
 やけど、サイモンののらりくらり戦法にどうも決め手に欠いてしまう展
 開に。けどミッチの介入を見逃せぬと、控え室からジャズ姉さんが現
 れて状況は一変。キャッシュとジャズ姉さん、手に手を取ってサイモン
 に2人掛かりの顔面砕きをお見舞いし、してやったりの快勝でっせ。
CDanny Doring & Roadkill vs. Nova & Chris Chetti
  後期ECWの前座戦線における定番タッグ戦が今夜もブック。ロード
 キルの場外テーブル葬が自爆となってピンチに陥ったドーイング&ロ
 ードキル組やけど、それでも最後はドーイングがきっちりと試合に幕を
 下ろしてジ・エンド。で、珍しく両チームが互いに健闘を讃えあっている
 と、2000年1月9日のPPV『Guilty as Charged 2000』において、ドリー
 マー&レイヴェン組を下しタッグ王座に就いたばかりのジャスティン・ク
 レディブル&ランス・ストームが出現。両チームの友情ごっこ(失礼)に
 冷や水を浴びせ掛ける無差別テロをブチかまし怪気炎を上げてます。
○TNN Opening
  ECWの定期放送番組『ECW WRESTLING TNN』のネタ収録のため、
 ジョーイ・スタイルスとジョエル・ガートナーがリングに。と、ここに現れ
 たのは『Dupp Brothers』ってユニットに属す長身のジャック、アホ・キ
 ャラのボー(常に握りっ屁をやっている)を引き連れた、TNN局差し向
 けの番組検閲員ギミックを好演中のサイラス。巨大資本TNNの権力
 をチラつかせて非常に傲慢な態度で振る舞い出しました。で、もうこれ
 以上サイラスを好き勝手に喋らせてはダメだと思ったか、控え室から
 スパイク・ダッドリーが登場。お決まりのアシッド・ドロップにて『Dupp B
 rothers』を轟沈し、サイラスに睨みをきかせて...。どない、TNN局
 のカメラマンの皆さん。定期放送番組の冒頭を飾るに相応しいネタ収
 録はキチンと出来ましたやろか?(苦笑)
 【追記】追って観賞した『ECW WRESTLING TNN』の映像では、しっかり
 ここの場面が番組の冒頭で使われておりましたデ。
DC.W. Anderson (w/Bill Wiles & Lou E.Dangerously)
 vs. Super Crazy
  地力のある者同士の、これはちょっと珍しい顔合わせ。トップ・ロープ
 に立て掛けたテーブルへ向けてクレイジーをスパイン・バスターで叩き
 付けるCWと、この仕返しとばかりスワン・ダイブ式のレッグ・ドロップに
 てCWをテーブル葬に処すクレイジー。なかなかのグッド・マッチとなっ
 た本試合は、ルー・Eとビル・ウィルスの介入を上手く鉢合わせさせた
 クレイジーが、直後にCWに月面水爆テーブル葬を決めて幕引きや。
 あ、テーブルが上手く割れなかった事が面白くなかったか、クレイジー
 は結局2度の月面水爆でCWをフォールしたんやけど、2度目を放った
 際、逆さまになったテーブルの脚がクレイジーの腹にモロに突き刺さる
 って場面があり、これはホンマにヒヤッとさせられましたワ。
ETommy Dreamer (w/Francine)
 vs. Mikey Whipwreck (w/Sinister Minister)
  試合が始まった直後、花道に現れたのはシニスター・ミニスター。マ
 イキーにオカルトチックな激(おまじない?)を飛ばし、これでマイキー
 が覚醒。いきなりドリーマーをマイクで殴り付け出したんやけど、ドリー
 マーも勿論やられているばかりやおまへん。マイキーをスタンド席最後
 列まで引っ張り上げてタコ殴り!。で、シニスターとフランシーン嬢によ
 る白黒ショーもどきの手合わせがあり、続いてレイヴェンが何を思った
 のか突如リング上に登場...。しかも運悪く(?)、マイキーがドリーマ
 ーに投げ付けたパウダーが、ドリーマーではなくレイヴェンを直撃や。
 これで視界を奪われたレイヴェンは冷静さをなくし、一体誰と間違って
 しまったのか(苦笑)、ドリーマーのマネージャーであるフランシーン嬢
 にDDTを決めてしまう大ハプニング。ウーン、試合そのものはドリーマ
 ーの勝利で終了となったけど、これはドリーマー&レイヴェン&フラン
 シーン嬢による『新章』の始まりみたいですな。
FJustin Credible (w/Jason) vs. Raven
  試合に先立って、「フランシーン、さっきはゴメンな」って珍しく殊勝に
 謝ったレイヴェン。やっぱりアクシデントとは言え(苦笑)、パートナーの
 マネージャーを負傷させた事が心の重荷になったみたい。で、上記し
 たように1月9日のPPV『Guilty as Charged 2000』においてドリーマー
 &レイヴェン組からタッグ王座を奪ったばかりのジャスティンは、そん
 な何時になく弱気なレイヴェンを見逃しまへん。勝負なんて度外視して
 パートナーのストームを介入させ、弱ったレイヴェンをパイプ椅子に向
 けて必殺の旋回式墓石パイルにて叩き込みよりました。あ、リング上
 でピクリとも動かなくなったレイヴェンを案じて、控え室からポール・E
 や“アメリカン・ドリーム”ダスティ・ローデスが飛び出して来ましたデ。
○因縁作りの場は、まだまだ続く...
  レイヴェンを案ずるポール・Eとローデスなんやけど、まずはサイラス
 が現れて“口撃”を加え、続いてコリーノ&ヴィクトリー&ライノが現れ
 て“攻撃”を加え、リング周辺は騒然。こうなるともうリングを仕切れる
 のはあの人だけですな。そう、竹刀を手にした『酔いどれ桃太郎侍』サ
 ンドマン(笑)のお出ましでっせ。尚、ローデスとコリーノの因縁は、3月
 12日のPPV『Living Dangerously 2000』にてブル・ロープ・マッチをや
 らんとアカンようになるまで、この後も日を追って拡大して行くんです。
HVic Grimes (w/Angel) vs. Balls Mahoney
  『暴走禿頭軍』のグライムスと、“ECW版の椅子大王”マホーニーの
 激突でして、フォークをガツガツと相手の額に突き刺し、両者が実にエ
 エ感じで顔面を朱に染めていると、珍しくテーマ曲である『ナチュラル・
 ボーン・キラーズ』を流さずニュー・ジャック親分が御出馬。マホーニー
 を指揮し、グライムスを火炎テーブル葬に処す事を好アシストですワ。
GECW World Heavyweight Championship :
 Mike Awesome (w/Judge Jeff Jones)
 vs. Masato Tanaka
  名勝負数え歌状態であった、当時のオーサムと田中によるECW認
 定の世界王座を巡る抗争。ま、高度なスポット回しで観客を魅了する
 のではなく、互いの身体の丈夫さを信じて、遠慮なく相手をブチのめす
 って、ある種愚直なまでの表現方法なんやけど、誰もが一度は生で体
 験したくなる内容である事も確か。さてさて試合なんやけど、非常にガ
 ラの悪い巻き舌の大阪弁(田中の生まれは和歌山なので、和歌山弁
 ?)を口にしながら、田中がオーサムを場外テーブルへと突き落とし、
 続けてパイプ椅子で殴り付けるなど、今夜もリング・ベル早々のヒート
 ・アップ。常に先手先手で仕掛けた田中、オーサムを3カウント寸前ま
 で追い詰める場面も作ったものの、最後はオーサムによってコーナー
 頂部より後ろ飛びのパワー・ボムにてテーブルへとブチ込まれて見事
 に昇天...。勝敗云々、ベルトの行方云々ではなく、今夜も例によっ
 て例の如く、とても熱い試合を披露てしくれた両者なのでした。


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