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Tournament Of Death V
July 29th 2006 Smyrna, DE
(DVD-R*2)
収録時間
disc-1:約1時間40分 disc-2:約1時間27分 |
本作はDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既にお馴染みの米国
独立団体映像通販ショップ『SmartMarkVideo』から2枚組で送料別20ド
ルにて発売されている団体公認の代物です。
さてさて今回ご紹介するのは、全世界のデス・マッチ・マニアが首を長く
して待ち焦がれていた、CZWによる2006年のデス・マッチ・トーナメン
ト、『第5回トーナメント・オブ・デス』でっせ。では早速例年通り阿鼻叫喚
の地獄絵図が展開された、7月29日のデラウェア州はスマーナへとトリ
ップしてみましょ...。
★★DISC-1★★
○試合の前に...
今回の死のトーナメントなんですが、総勢12名の選手がエントリーし
ており、これを3選手づつ4グループに分け、予選で1名脱落方式の3
WAY戦を4試合やって12名から8名に絞り、続く準決勝戦で2名脱落
方式の4WAY戦を2試合やって8名から4名に絞り、最後に優勝決定
戦で4WAY戦をやって勝者を決めるってもの。正直、非常にゲーム性
の高いトーナメントで、1対1の腰の据わった対戦を期待する向きには
肩透かしかも知らんけど、ワン・デイ・トーナメントで細かく試合を組む
と試合数が多くなって選手(特に優勝決定戦まで進む選手)には負担
が掛かるし、観客も長時間の興行に対して緊張感の持続が困難って
面もあり、これはこれで一度は試してみても良かったのでは、なんてワ
シは思っております。
@Tournament Of Death V : Round 1-#1
Barbed Wire Ropes & Ultraviolent Light Tube Match :
Brandon Prophet vs. Andy Sumner vs. Nick Gage
では予選第1試合よりご紹介。まずはUVU(Ultra Violent Undergro
und)のベルトを保持するニック・ゲージに、アンディ・サムナーや、Dee
psouthマット及びMidsouthマットなどで活躍する新進気鋭のプロフ
ェットが絡む構図の一戦から。ここではやはりゲージに一日の長があ
る様で、サムナーやプロフェットを大量の蛍光灯を次々と振りかざして
ボコボコに。あ、色白でちょっと肥満系のプロフェット、本日も受けに対
する思いっ切りの良さを発揮しており、全身を血で染めて試合を俄然
盛り上げてくれよりまっせ。で、最後もプロフェットが手際良くパイプ椅
子を3脚用意し、サムナー(グランド技が得意みたいやけど、この手の
試合ではちょっと不利やね)に顔面砕きの3連発を的確に見舞って勝
利。これでゲージとプロフェットが準決勝へ進出となりました。
ATournament Of Death V : Round 1-#2
Ultraviolent Light Tubes & Spider Web Of Death Match :
Drake Younger vs. JC Bailey vs. Lobo
予選第2試合では、なんとなんとあのロボが登場。初期のCZWマッ
トにおいてザンディグ親分らを相手に幾度となく名勝負を展開し、CZ
W認定の初の『殿堂入りレスラー』となったロボが、5度目の開催にて
初めて『トーナメント・オブ・デス』に参戦や。しかも相手を務めるのが、
ロボがシーンからフェード・アウトするのとは正反対のベクトルを描き、
ステータスをジワジワと上げて来たJC“シンナー中毒の不良中学生”
ベイレイ。残りの1人も、これまた最近頭角を現して来たドレイクや。
ウン、これは俄然注目の一戦やんか。で、その試合内容なんやけど、
正直過剰な被虐スポットは全て若手2人が志願かと思っていたら、ど
うしてどうしてロボも往年(失礼)のクレイジーさを随所に披露。しかし
クレイジー・バンプなら現在ダントツなのはやっぱりJCベイレイ。網目
の非常に粗い有刺鉄線製の蜘蛛の巣トラップに落下し、自重によって
有刺鉄線で自身の背中一面をズタボロに切り裂いて見せよりました。
そして試合の終盤。ロボがベイレイを有刺鉄線&蛍光灯による蜘蛛の
巣トラップ(先のとは別もの)に叩き込み、間髪入れずドレイクをデス・
バレー・ドライバー葬(with蛍光灯の束)し、さてどちらをフォールしたも
のか、となった瞬間ブラックアウト軍のラッカス&メリーノが無法介入。
これにより十中八九手にしていた勝利の二文字が、ポロリとロボの手
の中から零れ落ちてしまいました。
BTournament Of Death V : Round 1-#3
Barbed Wire Ropes & Fans Bring The Weapons Match :
Brain Damage vs. Toby Klein vs. Necro Butcher
予選第3試合には昨年のトーナメント覇者である、我等がネクロ・ブッ
チャーが登場。さてさて最近のネクロなんですが、どうも公認凶器によ
る攻防(って言うより、ほぼ攻撃を受けているだけやけど)ではなく、対
戦相手の手加減抜きの攻撃をどれだけ受けられるのかに御執心の様
に思えます。で、それならと選出されたのが“狂気人間”トビー・クレイ
ンと、今年のMidsouth版のデス・マッチ・トーナメントにて大ブレークし
たばかりの“脳挫傷”ブレイン・ダメージ!。ウーン、誰が組んだのかは
知らんけど、ネクロの意を汲んだとしか思えぬ、このカードをマッチ・メ
イクした奴にまずは感謝感謝や。試合はネクロの登場など待っておれ
ぬと“狂気人間”が“脳挫傷”に襲い掛かり、手術用の小バサミを使っ
て“脳挫傷”の目尻に埋め込まれたリング型のピアスを引き抜くって暴
虐スポットから火蓋。その後ネクロも加わり、場外ところ狭しと乱戦は
続き、ここで“脳挫傷”が“狂気人間”の頭頂部にビール瓶攻撃をガツ
ンとお見舞い(しかも計3発やデ!)。続いて機材搬送用トラックの屋
根からの落下スポットを“狂気人間”が志願し、最後は3人揃ってリン
グの中央に仁王立ちとなりガチ・パンチ合戦(これがまた洒落にならん
ガチ度!)。何時誰がブッ倒れても不思議ではないド突き合いは暫くの
間続き、遂にもうこれが限界やと“狂気人間”が昇天...。ウン、さす
がはかつてネクロの相棒であった“狂気人間”、見事過ぎる散りっ振り
やないの。よっしゃ、これは意地でも名勝負。終盤のガチ・パンチ合戦
だけで、このDVD−R購入のために支払った銭は高利率の利子まで
付いて一気に回収可能でっせ!!。
CTournament Of Death V : Round 1-#4
Barbed Wire Ropes, Barbed Wire Boards
& Panes Of Glass Match :
Special Guest referee : Maven Bentley
DJ Hyde vs. Danny Havoc vs. Zandig
予選第4試合に登場したザンディグ親分の姿を見てビックリ。もとも
と薄かった頭髪に遂に業を煮やしたのか、頭髪をツルツルに剃り上げ
てしまっており、僅かに残したものを一束にして、まるで動物の尻尾の
様に後頭部にブラブラとブラ下げておりますんや。さてさて試合の方な
んやけど、中堅のDJと若手のヘヴォックを相手にしての対戦で、ザン
ディグ親分なら楽勝かと思えたのやけど、コーナーに立て掛けられた
有刺鉄線ボードに投げ込まれ、これで後頭部をザックリと切り裂いてし
まって、ザンディグ親分は見る見る失速。しかもDJとヘヴォックが各々
控え室から携帯型の芝刈り機(←“妻殴り”にキチンと断りを入れたん
やろな?)を持ち出して来よったから、さァ大変。けどここでザンディグ
親分の息子さん(名前は紹介されんかった)が負けてはおれぬとこれ
また携帯型の芝刈り機を持って現れ、ザンディグ親分に手渡すナイス
・アシスト。ウン、これでハンディはなくなった、なんて思っていると、特
別レフェリーとしてこの試合を裁いていたメイヴェン(所謂ヒール・サイ
ドに所属)が突如ハサミを持ち出して、ザンディグ親分の後頭部にブラ
下がっている一束の頭髪を切り落とす大暴走。これで虚を突かれ隙を
作ってしまったザンディグ親分、見事な太鼓っ腹に両サイドから芝刈り
機攻撃を受け轟沈ですワ。あ、ザンディグ親分を出し抜いただけでは
飽き足らぬのか、メイヴェンはDJとヘヴォックを指揮してザンディグ親
分の息子さんに暴行を加えた末に、バリカンを使って息子さんの頭髪
を無残なトラ刈りにしてしまい...。ウーン、目の前で我が息子を好き
放題にされたザンディグ親分。これは次回以降の定期興行で復讐せ
んとあきまへんデ。そうか、どうやらCZW劇場の本年下期のキー・パ
ーソンはザンディグ親分の息子さんみたいやな。
DEradication vs. Dragonfly vs. Blood
ここからの3試合は、トーナメントとは別枠のもの。まずは3名の若手
選手達による3WAY戦なんやけど、これがまた一体全体何をディスプ
レイしたいのか分からぬダメ試合。さっきまであれだけ沸いていた客
席も水を打った様に静まり返り、まるで『ノー・ピープル・マッチ』みたい
なんですワ。最後はエラディケイションが覆面のドラゴンフライをフォー
ルしたけど、どいつもこいつも勉強不足(って言うか、お客を前にして
の実戦不足)も甚だしい内容でした。
EThe Blackout (Ruckus & Robbie Mireno)
vs. Drew Gulak & Jimmy Dream
最近CZWとは疎遠であったワシ。久し振りにブラックアウト軍を観る
事となったんやけど、以前軍団が羽振りの良かった頃の勢いは何処
へやら(“黒い岡村隆志”ことサビアンはどないしたんやろ?)。なんと
当時はしがないマネージャー役でしかなかったメリーノが、ちゃっかり
ラッカスの脇を固めてるやないの。試合はアマレスの下地も窺えるドリ
ームが奮闘するも、どいつもこいつも自身の体躯同様、線の細いプロ
レスをチマチマと披露するだけ。最後はブラックアウト軍の合体技にグ
ラックが沈んだけど、落日のブラックアウト軍を見せられたって感じや。
あ、ラッカスって極端なダイエットをしたみたいやけど、どうも体重と一
緒にプロレス・センスまで絞り落としてしもたみたいや...。
★★DISC-2★★
@Kylie Pierce vs. Chad Austin
ダメ試合の2連発でワシの観戦意欲も大いに萎えてしもたけど、さて
さてお次は、って気持ちを持ち直した途端、今度は女子のピアスと、男
子のオースチンの一騎討ちがブック。何故両者が戦う事になったのか
は知らんけど、オースチンのベタベタなセク・ハラ攻撃を耐え忍んだピ
アスが、オースチンの頭に真っ正面から蛍光灯を振り下ろして逆転勝
利を堂々ゲット...。
ATournament Of Death V : Round 2-#1
Fans Bring The Weapons Match :
Brandon Prophet vs. Nick Gage
vs. Necro Butcher vs. Brain Damage
幕間のコント以下の代物であった、トーナメントとは別枠の計3試合
もつつがなく(?)終わり、ここからが準決勝戦。まずはその第1試合、
待ってましたのネクロのお出ましや。ネクロ、予選道中で激しく殴り合
った“脳挫傷”を直々に指名し、またもやガチ・パンチ合戦を...。
【ネクロ、勝手に旅立ったらアカンよ...】
話はいきなり脱線いたしますが、今回のトーナメントにおけるネクロ
の入場テーマ曲について。ロック・ファンと目されるネクロが今回チョイ
スしたのは、南部ロックの雄レイナード・スキナードってバンドが1973
年に発表した『Free Bird』なんや。これ、プロレス・ファンには、あのフ
ァビュラス・フリーバーズの入場テーマとしてもお馴染みですわな。
さてさて冒頭、「もし僕が明日この場所を旅立ったら、君は僕の事を忘
れずに居てくれるだろうか?」、なんて印象的なフレーズで始まるこの
曲は、もともと1971年にバイク事故により他界した名ギタリストのデ
ュアン・オールマン(オールマン・ブラザーズ・バンド)に捧げられたもの
だそう。けど故人に手向けとして捧げた側のレイナード・スキナードっ
てバンド自体が、今度は飛行機事故に遭遇し主力メンバーを失って、
一度は解散を余儀なくされますんや。またこの曲を使っていたファビュ
ラス・フリーバーズ(って言うか、テリー・ゴディ)にも、何故か災いは降
り掛かって...。そうこの曲って、ロック界〜プロレス界に跨る、ちょっ
とだけ呪われた曲でもあるんですワ。それを何でまたネクロは...。
単にこの曲が好きやとか、あの世に居る先人達へのリスペクトやとか、
そんな気持ちでならエエのかも知らんけど、例によって試合中に頭部
に多大な衝撃を受けて(“脳挫傷”の繰り出すストレート・パンチ×5発
をモロに顔面に被弾!)トーナメントから脱落したネクロを見ていると、
この人って自身の末路ってのをキチンと自覚しているからこそ、ここま
でとことんやって(やられて)しまえるんやろかって思えて。それにしても
『Free Bird』の歌詞やないけど、ワシらはネクロの事をそうそう忘れは
せん(アカン、既に故人みたいな書き方になってしもた)ワ。けど冗談抜
きであれだけ頭部を集中的に攻められて、アンタは今この瞬間の出来
事をキチンと覚えていられるのやろかって...。
頼むワ、ネクロ。アンタの無茶を止めたりはせんけど、どうにも不吉な
予感がするから、 『Free Bird』を使用するのだけは今回限りにしとい
てや。音響担当が気を効かしたのか、再び『Free Bird』が会場内に流
れる中、スタッフの肩を借りてネクロがフラフラと花道から控え室へ姿
を消して行きよった......。
【追記】
いきなりレビューが脱線してしもたけど、試合の結果だけを簡潔に纏
めておきまっさ。まずプロフェットがネクロによって無理やりレスリング・
シューズを脱がされ、そのまま蛍光灯の大束を踏み抜かされてしまい
3カウントを献上。続いて上記した様に、ネクロが“脳挫傷”に殴り倒さ
れて敗退となっております。あ、プロフェットの敗退を知らなかったのか
(そんな事はないやろ?)、試合の権利を失ったプロフェットをしつこく
場外で攻め続けていたゲージは少々お間抜けでしたな。
BTournament Of Death V : Round 2-#2
Light Tubes, Ladders & Lemons Match :
Drake Younger vs. JC Bailey
vs. DJ Hyde vs. Danny Havoc
続いては準決勝戦の第2試合なんやけど、リング・ベル早々チーム・
アップしたベイレイ&ドレイクが、DJの身体を巨大梯子に蛍光灯の束
と共に挟み込む事に成功。すかさずここにベイレイがフット・スタンプを
見舞い、あっと言う間にDJが戦線から姿を消す羽目に。こうなるとリン
グに残ったヘボックは何とも分が悪い。後はドレイクによって腕を極め
られたままスープレックスを喰らい、巨大梯子&蛍光灯による即席トラ
ップの上で悶絶して息絶えるだけですワ...。って事で、先の準決勝
戦第1試合を生き残ったゲージ&“脳挫傷”と、この準決勝戦第2試合
を生き残ったベイレイ&ドレイクが、晴れて優勝決定戦へと駒を進める
事となりました。
CChri$ Ca$h Memorial Scholarship Tryout Match :
George W. Baus vs. Joe Gacy
優勝決定戦に駒を進めた4選手が息を整えるまでの時間を利用して
組まれたのは、故クリス・キャッシュ追悼と銘打たれたトライ・アウト戦。
まだまだ線は細かったものの、CZWの将来を支えるであろうと目され
ていたクリス・キャッシュが、僅か23歳の若さでオートバイの運転中に
自動車との接触事故を起こして、呆気なくあの世へ召されてしもたの
は2005年の8月18日。そうか、もうあれから1年経ったんか。けど彼
の追悼と銘打たれたのやから、いくらトライ・アウト戦とは言え、それな
り以上の奴が出場するのやろな、なんて期待していたけど、これが全
くの期待外れ。素人同然のドタバタ劇を少しの時間披露し、ジョージが
勝利を得ております。それにしてもこんな内容の試合に故人の名を冠
するとは、キャッシュもおちおちあの世で寝ておられんなァ。いっそ、故
人の友人であったズブの素人同士が、故人に捧げるためプロレス・ゴ
ッコをやってみました、なんて方が観ているこっちも救われるデ...。
【道頓堀次郎のボヤキ】
今年はトーナメントとは別枠の試合が全て低調であったな。ま、お客
の目当てはトーナメントなんやからそう目くじらを立てんでも、とも思え
ば思えるんやけど、例えばIWA−Midsouthなどはトーナメントとは別
枠の試合でもストーリー性を持ったものを設定してみたり、クオリティー
の高いタイトル戦を組んでみたりなどと、興行全体をひとつの『商品』と
して手堅く運営しとる(試合数が無闇に多いのだけは困りものやけど)
やんか。それに比べると今年は非常に見劣りする、言葉は悪いけどお
粗末な内容ばかりやったデ。当然トーナメントとは別枠でクオリティー
の高い試合を提供するとなると費用もかさむし、肝心のトーナメント枠
の試合が霞んでしまう事も懸念される。それでもここは次回以降、是
非改善して欲しいな。
DTournament Of Death V : Final
Light Tube Ropes & Fan Bring The Weapons
4 Way Elimination Death Match :
JC Bailey vs. Nick Gage
vs. Brain Damage vs. Drake Younger
いよいよこれがCZWによるデス・マッチ・トーナメント、『第5回トーナ
メント・オブ・デス』の優勝決定戦。再度ファイナリストを整理しておきま
すと、ニック・ゲージ、JC“シンナー中毒の不良中学生”ベイレイ、“脳
挫傷”ブレイン・ダメージ、ドレイク・ヤンガーの4名。過去の4度のトー
ナメントに皆勤で、しかも昨年も優勝決定戦に駒を進めたゲージ以外
は初のファイナリストであるどころか、“脳挫傷”とドレイクに至っては今
回が初のトーナメント参加。それでここまで駒を進めて来たのやから、
米国デス・マッチ業界も勢力分布図が大きく塗り変わる時期だとも言え
まして、その代表格がこの“脳挫傷”とドレイクである、と。
注目の試合はゲージとベイレイ、“脳挫傷”とドレイクのペアで敷地内
全体を使用して繰り広げられ(勿論公認凶器も多数導入)、プラスチッ
ク製のフォークが多数立てられたトラップへ向け“脳挫傷”がドレイクに
よって投げ込まれるスポットや、画鋲の山へ向けベイレイが頭から真っ
逆さまにゲージによって突き落とされるスポットなどが、ポンポンとテン
ポ良く披露され、まずはガラス板ごとベイレイのフット・スタンプを喰らっ
た“脳挫傷”が無念のリタイア。続いてゲージが機材搬送用トラックの
屋根から十八番のセントーンで舞い降り、テーブル上にガラス板と共
に寝かせたベイレイとドレイクを一度に圧殺(ブックを遵守するベイレイ
の献身的な態度にも注目)。念願叶って遂にニック・ゲージが『トーナメ
ント・オブ・デス』を制した瞬間ですワ。
【感想】
過度の暴力表現でワシらデス・マッチ・マニアの度肝を抜いた第1回
トーナメント。ニック・モンドの感動の勝利で幕となった第2回トーナメン
ト。公認凶器の物量を増やし、それに伴って各選手が流す血の量を増
やすって、ある種一番単純で手っ取り早い手法で過去の2度のトーナ
メントを軽々と凌駕してみせた第3回トーナメント。PSAC(ペンシルベ
ニア州の競技委員会)との軋轢の中、『大衆性を兼ね備えたウルトラ・
バイオレンス』を模索してみせた第4回トーナメント。
過去のトーナメントにはそれぞれにテーマがあった様に思えるんやけ
ど、こうして今回のトーナメントを観終えた今、競合他団体や後発団体
が提供してくれるデス・マッチ・トーナメントと比べて、内容でも、選手の
顔触れでも、さすがは盟主CZW、なんて思わせてくれる場面がなかっ
たのは残念な限り。ま、長年淡々と団体の指示するブックを勤め続け
て来たゲージに光が当たっただけでも良かったとしとこか......。
なんて、こんな尻すぼみなレビューは書きたくないんや。ザンディグ親
分、そろそろ本気で巻き返しを頼みまっせ!。 |
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