King Of The Death Matches 2003 2nd Night
 (DVD-R*4)
 収録時間
 disc-1:約1時間44分 disc-2:約1時間36分
 disc-3:約1時間25分 disc-4:約58分
【トーナメント2日目:2003年8月2日】

 トーナメントの初日の模様を収めた前半のタイトルに引き続いて、この
DVD−RもコメンタリーのON/OFFが選択可能な作りとなっており、ご
希望なら“クモ男”ネイト・ウェブやコルト・カバーナ、ボールズ・マホーニ
ーのコメントなども聞く事が出来まっせ。

★★DISC-1★★
@Brad Bradley vs. Matt Striker
  トーナメントの二日目、まずはトーナメントとは別枠の若手同士のシン
 グル戦からのスタートや。カードは3PWなど主に東海岸の独立団体を
 主な活動拠点とするマット・ストライカー【こいつとは微妙に名前の綴り
 が違う、ROHなどを活動拠点とするMatt Strykerってのも居るので注
 意】と、Midsouthなどを活動拠点とするブラッド・ブラッドレーの一戦。
 体格に勝るブラッドレーが短時間で勝利を収めたけど、まァ所謂『前座
 試合』って言葉から連想されるもの以外の何ものでもない内容ですワ。 
ASonjay Dutt & Adam Flash vs. Jimmy Jacobs & Alex Shelley
 vs. M-Dogg 20 & "Spyder" Nate Webb (w/Becky Bayless)
  昨晩勃発した遺恨劇を根底に、Midsouth軍(アレックス&ジェイコブ
 ス)対CZW軍(サンジェイ&アダム)の激突が始まらんとした瞬間、リ
 ング・サイドに姿を見せたのは“クモ男”ネイト・ウェブ。どうもパートナー
 のドッグを連れて来たのでワシらも参加させろと無理やりネジ込んだみ
 たいで、タッグ戦が急遽3チーム参加の3コーナー戦へと変更されてし
 まいました。で、この変更が最終的には大当たり。ワシ、折角それなり
 以上の腕のある軽量級選手を集めたのに、つまらない(失礼)遺恨劇
 が各自の良さを消してしまうんやないか、なんて案じていたのですが、
 どんな過酷な試合でも常に楽しいファイトを心掛けるウェブが一枚噛ん
 だ事で、厳しいスポットが続く中でも楽しさが強調される事となって。
 その最たる場面が、終盤演者全員での競演となった高所ダイヴの連
 発スポット。アダム⇒ジェイコブス⇒サンジェイ⇒ドッグ⇒ベッキー嬢!
 ⇒レフリー氏!!⇒実況者氏!!!⇒ウェブと矢継ぎ早にみんなが
 順に宙を舞い、その直後にはこれまた6選手それぞれのフィニッシュ・
 ムーヴの競演まであって、最後の最後にサンジェイがドッグをピン。
 これ、映像で観てもこれだけ楽しいんやから、さぞや現場で生で体験
 したら盛り上がったやろなァ。ウン、これはグッド・マッチやったワ。
 あ、試合決着後にCZW軍の頭目メサイアと、Midsouth軍のイアン総
 帥が睨み合う場面(ほとんどザンディグの悪口みたい)もあったけど、
 とりあえず本試合とは別ものと考えていただくと宜しいかと思います。 
BBull Pain vs. Jim Fannin (w/"Mean" Mitch Page)
 Special Referee : Mickie Knuckles
  エドワード・ヴァン・ヘイレンの名演『暗闇の爆撃』をテーマに姿を現し
 たのはブル・ペイン。Midsouthを主戦場にするデス・マッチ・ファイター
 で、何故今回のトーナメントにエントリーしなかったのかは不明。ま、舞
 台裏の事情はさておき、初日の予選第2試合にセコく介入し、ペイジに
 勝ち星をプレゼントしていたファニン(如何にも運動不足って感じの、只
 の白人のデブ)との一騎討ちが始まりました。けどレスラーでもないファ
 ニンにペインは非常に重過ぎる相手。しからばとセコンドに付いていた
 ペイジはBJ・ウィットマーやダニー・ダニエルズまで介入させ、4対1で
 ペインをボッコボコに。これ以上は見ておれんとMidsouthの番頭格で
 あるコーポラル・ロビンソンやJC・ベイレイも駆け付け、ここで試合は不
 透明決着...。ま、こんなモンですか......。
CKing of the Death Matches 2003 tournament Quarterfinals #1
 Lighttube Tables Match :
 Mad Man Pondo vs. Axl Rotten
  ここからがトーナメントの準々決勝戦4試合。まずはマッド・マン・ポン
 ドとアクセル・ロットンって、ある意味デス・マッチ・ファンにとっては夢の
 顔合わせからですワ。試合は選手紹介を遮ったアクセルの急襲で始ま
 り、続いてポンドを蛍光灯テーブル葬に処すなど、アクセルのペースで
 進みます。けどコーナーに立て掛けた蛍光灯テーブル×2台でアクセ
 ルをサンドイッチにし、そこへポンドが乾坤一擲のドロップ・キックをお見
 舞い。マッド・マン・ポンド、大逆転の勝利で準決勝戦へいち早く名乗り
 を上げております。あ、試合後のアクセル・ロットンの顔面ですが、正に
 『クリムズン・マスク』って言葉が似つかわしい大流血。他人事みたい
 で(実際、そうやけど)申し訳ないですが、実にエエ表情しとりまっせ。
DKing of the Death Matches 2003 tournament Quarterfinals #2
 Lighttube Coffin Match :
 Necro Butcher vs. JC Bailey
  準々決勝第2試合は、前年度のトーナメント覇者であるネクロ・ブッチ
 ャーと、この時点でMidsouth認定のライト・ヘビー級王者であったJC
 ・“どう見てもシンナー中毒の不良中学生”・ベイレイとの激突。馬鹿で
 っかい棺をリング上に置き、その中に対戦相手を叩き込んで、棺ごと叩
 き壊せば勝ち、ってめちゃくちゃなルールでの対戦ですんや。さて注目
 の試合なんですが、互いの健闘を祈って軽く両者が拳を合わせたとこ
 ろから始まり、ネクロによるパイプ椅子の半ダース攻撃、ガラスの破片
 の上での引き摺り回し、大量の画鋲が付けられた玩具のバット攻撃、
 各種蛍光灯攻撃、ネクロ十八番のゲンコツ合戦、魂の頭突き合戦と、
 高級ホテルのバイキング料理でも決して体験出来ない様なとことん豪
 華過ぎる(そして残酷過ぎる)フル・コース料理を、その貧弱な身体全
 体で味わい尽くしたベイレイが、最後に残った死力を振り絞ってネクロ
 を棺に放り込み、そのまま棺ごとセントーン・ボムにて破壊!!。
 準々決勝で前年度のトーナメント覇者が姿を消すって大番狂わせを、
 それも誰にも文句を言わせぬ試合内容でベイレイがやり遂げました。
 あ、ここまで触れんかったけど、このDVD−Rでは試合後の選手のコ
 メントなども充分時間を割いて収録されとるんですが、肘付近に突き刺
 さった蛍光灯の破片をピンセットで抜いてもらい、そのまま傷口を瞬間
 接着剤で塞いで貰っているネクロの姿には絶句するしかなかったです。
 
★★DISC-2★★
@King of the Death Matches 2003 tournament Quarterfinals #3
 Barbed Wire Canvas & Lighttube Ropes Match :
 Special Referee : Mickie Knuckles
 Nick Gage vs. "Mean" Mitch Page (w/Jim Fannin)
  準々決勝第3試合は、何時も不満気な表情を絶やさぬ(苦笑)ゲージ
 と、昨晩の予選にてジム・ファニン介入のお陰でローリン・ハードを出し
 抜いたペイジとの顔合わせ。試合はまず体格で劣るゲージが、蛍光灯
 で作られた各種のトラップへ向け数度投げ込まれるスポットで幕開け。
 続いて勢い付いたペイジはゲージのツルツルの禿頭に1ドル紙幣を5
 〜6枚、大型ホチキスで打ち付けるなどと絶好調。しかしフィニッシュ寸
 前、昨晩の予選での事をウジウジとまだ根に持ち続ける(苦笑)ローリ
 ン・ハードが乱入を決行しよりますんや。勿論これでペイジは十中八九
 手にした勝ち星をポロリと落としてしまい...。折角CZW軍の参謀格
 であるゲージをトーナメントより抹殺する絶好の機会であったのに、内
 ゲバで足元をすくわれた格好のMidsouth軍なのでした。
AKing of the Death Matches 2003 tournament Quarterfinals #4
 Fans Bring the Weapons Match :
 Special Referee : Mickie Knuckles
 Ian Rotten vs. Balls Mahoney
  準々決勝第4試合は、これまたデス・マッチ・ファンにとっては夢の顔
 合わせ。なんとイアン・ロットン対ボールズ・マホーニーの一騎討ちや。
 しかもここに、両選手とは関係浅からぬアクセル・ロットンが立会い人
 として姿を現し、否が応でも客席の雰囲気は高まる一方。その上、この
 試合はファンが趣向を凝らして作ったお手製の凶器を持ち込んでもOK
 ってルールなので、リングの上は足の踏み場もない程に様々な凶器が
 放り込まれ...(苦笑)。けどここで、予想だにしなかった異常事態が
 発生します。なんと、リング上の凶器をひとしきり眺めていたイアン総
 帥とマホーニー、突然この試合を「レスリング・マッチに変更するデ!」
 と一方的に宣言!。2人して凶器をさっさと撤去し、ガチガチのグランド
 ・レスリングをオッ初めてしまいますんや...。けど、ご心配なかれ。
 『レスリング・マッチ』と言った舌の根も乾かぬイアン総帥、生まれの悪
 さからか、はたまた育ちの悪さからか、思わずマホーニーの腕に藤原
 式アーム・バー(with有刺鉄線付着2×4木材)を仕掛けてしまい、い
 きなりリング上は血塗られた地獄絵図へと急展開!(苦笑)
 最後は特大蛍光灯の大束攻撃を受け切ったイアン総帥、マホーニーの
 腕をガッチリと極めたまま丸め込み大勝利でっせ。ウーン、ネタ振りか
 らネタの展開、オチの付け方まで、イアン総帥のトンチが利きまくった、
 これはMidsouthならではの名勝負でしたな。
BNigel McGuinness vs. Colt Cabana
  ユニオン・ジャックが描かれたTシャツを着用し、クラッシュの“I Fough
 t The Law”に乗ってリングに現れたのはHWA(Heartland Wrestling A
 ssociation)などを主戦場にするナイゲル。ROH(Ring Of Honor)など
 を主戦場に、後に日本国への来日も果たす事となるカバーナとの一戦
 が始まりました。さてワシはこのカバーナってヤツの試合振りを観た事
 がなかったので、事前ではちょっと期待していたんや。けどここに収め
 られたのは、手が合うのか合わぬのか、スゥイングしたのかしなかった
 のか、どうにもこうにも中途半端な印象の試合。カバーナの仕掛けた
 押さえ込みを咄嗟に潰してナイゲルが勝利となっております。 
CHomicide vs. BJ Whitmer (w/Jim Fannin)
  これも昨晩の興行で『下地』が作られた顔合わせ。それでもハード・ヒ
 ッテングな攻防をベースに、現代的な高難度のスポットと、何処かしら
 牧歌的とも思えるスポットが不思議な感じでブレンドされ、なかなかの
 好試合へと昇華させたのは、ハマサイドとウィットマーの『腕』にあるの
 でしょうな。最後はウットマーの原爆固め〜飛龍式原爆固めを耐え切っ
 たハマサイドが、必殺のコップ・キラーをウィットマーに決めて勝利。
 随所に新日本式ジュニアやUWFなども想起させられ、ワシとしては意
 地でも手放しで褒めたくない(捻くれモンやなァ)んやけど、一時流行ま
 したやんか、ハイブリッド・レスリングなんて言葉が。ならばこの試合な
 んかは、ハイブリッド・“プロレス”ってところやろかね。

★★DISC-3★★
@CZW Heavyweight Championship :
 Special Referee : Mickie Knuckles
 The Messiah vs. Corporal Robinson
  またまた昨晩の『遺恨劇』が発端となった一戦。CZW軍の頭目(CZ
 Wに戻れば、反逆軍のリーダーって複雑な立場)メサイアが、Midsou
 thのマットで虎の子のCZW認定ヘビー級王座を懸け、Midsouth軍の
 番頭格にあるコーポとの一騎討ちに乗り出しましたんや。ま、ぶっちゃ
 けた話、120%王座の移動なんて期待出来ない、ある意味とことんま
 で『ケツの決まった』試合ですワ。只、XPW時代のメサイアの勇姿が
 脳裏に染み込んでいるので、ワシとしてはタイトル云々やなしに、メサ
 イアのふっ切れた闘い振りが蘇れば、の一点に注目しての観戦となっ
 たんです。で、肝心の試合内容なんやけど、序盤に画鋲が付けられた
 玩具のバットによるスポットを配置し、そこから自ら持ち込んだ梯子に
 よってコーポから攻撃を受ける役回りをメサイアが志願。
 その後、会場奥に設営されたセット・バック(雛壇席)へ戦場が移行し、
 セット・バックの脇に置かれたパイプ椅子&蛍光灯トラップへコーポに
 よってメサイアが叩き込まれそうになった瞬間、頭目を救えとニック・ゲ
 ージが無法介入を強行や...。当然これでメサイアはベルトの防衛を
 果たすのやけど、それでもコーポだけをトラップへと叩き込むのではな
 く、心中ダイヴをチョイスしたところに、メサイアのデス・マッチ魂の残り
 火を僅かながらも確認したワシ。ま、今晩はこんなモンで堪忍してやろ
 か、なんて思った次第なんです。 
ATexas Death Match :
 Chris Hero vs. Danny Daniels (w/Jim Fannin)
  またまた、またまた昨晩の『遺恨劇』が発端となった一戦。クリス・ヒ
 ーローが、末期のECWマットでは悪のレフリーって役どころを演じてい
 たダニエルズとテキサス式のデス・マッチ(3カウントを奪われた後、1
 0カウント以内に立ち上がれないと負けになる完全決着ルール)で雌
 雄を決するって図式なんや。ま、急ごしらえの『遺恨劇』がテキサス式
 のデス・マッチへと発展するとは何とも力技(苦笑)ですが、上背のあ
 るヒーローの繰り出す大向こう受けする大技の数々と、ダニエルズ&
 マネージャのファニンが繰り出すセコな小悪ファイトが絶妙のさじ加減
 でブレンドされ、なかなか見応えのある内容となったのだけは確か。
 最後は相手側の姦計に力尽きたヒーローですが、ヒーローの保持する
 Midsouth認定のヘビー級王座って、本興行の僅か3週間前にダニエ
 ルズから奪ったものみたいで、多分このベルトを巡ってヒーローとダニ
 エルズの新たな『後日談』が用意される事やと想像いたします。
BKing of the Death Matches 2003 tournament Semifinals #1
 Fans Bring the Weapons Match :
 Special Referee : Mickie Knuckles
 Ian Rotten vs. JC Bailey
  熾烈を極めた準々決勝でネクロを撃破したベイレイ、マホーニーを撃
 破したイアン総帥。両者共に身体に受けたダメージは浅かろうはずも
 ないのやけど、それでも準決勝第1試合のリング・ベルは無情にも鳴り
 響いてしまいます。さぁ、いよいよMidsouthによる2003年度のデス・
 マッチ・トーナメント『King of the Death Matches 2003』も佳境に入って
 来ましたデ。で、注目の本試合なんですが、これまでイアン総帥からの
 過剰なる暴力的寵愛を受け続けて成長して来たと評しても間違いでは
 ないベイレイに対し、またもイアン総帥は親獅子が子獅子を千尋の谷
 に突き落とすが如くの試練を与えましたんや...
 いやいや、我が家のモニター画面の中で再生されたのは、こんな小奇
 麗な字句で書き散らす事など不謹慎に思える、『異形の愛』でした。
 序盤からイアン総帥による有刺鉄線式の頭突き攻撃、大量に画鋲が
 付けられた玩具のバット攻撃(背中に画鋲が30個程突き刺さったベイ
 レイの姿は直視出来んデ)、電動肉切り包丁による胸部や額への情け
 無用の攻撃、プラスチック製のフォークが多数差し込まれたトラップへ
 向けてのパワー・ボム攻撃など、桁外れの暴力行為を一身に受け続
 けたベイレイが、それでも土壇場で特大蛍光灯の大束攻撃×3発(衝
 撃の場面やったワ)をイアン総帥に見舞ってピン・フォール!!
 プロレスって芸に『事前の決まり事』があるのは皆さんも先刻ご存知で
 しょうが、それでもイアン総帥は『全ての攻撃を真っ正面から身体を張
 って受け切る事』をベイレイが了承したからこそ、このフィニッシュを用
 意したはず。子獅子の秘めたる覚悟を、過剰な暴力行為で確認する
 しか術のなかった親獅子の思い。親獅子の思いを痛いまでに理解し
 ているからこそ、親獅子の暴力行為を全て受け切った子獅子の思い。
 プロレスってフィールドだからこそ、『暴力のミューズ』を脳内に宿すイ
 アン総帥が統治するMidsouthマットだからこそ、イアン総帥とベイレ
 イだからこそ成し得た、崇高(←この試合に比べ、なんと陳腐な形容
 詞や)なる一戦やったな。これ、全プロレス・ファン必見の試合でっせ。

★★DISC-4★★
@King of the Death Matches 2003 tournament Semifinals #2
 Bed of Nails & Caribbean Spider Web Match :
 Nick Gage vs. Mad Man Pondo
  準決勝第2試合はゲージとポンドの顔合わせ。過去、W★INGマット
 にて名(迷?)勝負を繰り広げた松永光弘対レザー・フェイスによる釘
 板マッチの再現がテーマなのか、まるで剣山の様にビッシリと隙間なく
 板に打ち込まれた無数の釘(ちょっと短い感じなので、三寸または四
 寸釘やろか)が不気味に黒光りしつつ、両選手の入場を待っとります。
 さて試合はポンドのチョイスしたショッピング・カートによる、激しい中に
 もちょっとほのぼのしたイメージのスポットから始まり、ゲージの十八番
 である顔面ウォッシュ・キックの3連発を受け切ったポンドが、満を持し
 てゲージを釘板に向けパワー・ボムでブチ込みます。ま、前述した様に
 隙間なく釘が打ち込まれているため、投げ込まれた際の勢いが上手く
 背中一面に拡散し、釘板が身体を貫くなんて最悪の状態には至らなか
 ったものの、ああも簡単に対戦相手を釘板に向けて投げ込む事の出
 来るポンド、さすがに“マッド・マン”を名乗る資格はありますな。
 で、この後にはテーブル&パイプ椅子&蛍光灯で2m近く組上げられ
 たトラップへの心中ダイブ・スポットがあり、最後は有刺鉄線にて作ら
 れた蜘蛛の巣トラップへゲージが沈み、遂に死闘にピリオドが。
 これでMidsouthによる2003年度のデス・マッチ・トーナメント『King o
 f the Death Matches 2003』の決勝戦は、JC・ベイレイ対マッド・マン・
 ポンドの顔合わせに。さぁ、いよいよ決勝戦でっせ。
AKing of the Death Matches 2003 tournament Final
 Barbed Wire Ropes, House of Horrors Steel Cage Match :
 JC Bailey vs. Mad Man Pondo
  決勝戦に相応しくとの思い(当然、舞台設営の時間に、少しでも両選
 手には体力の回復をして貰おうとの願いもあったやろ)から無数の蛍
 光灯が吊るされた金網が設営され、いよいよポンドとベイレイによる決
 勝戦の開始となりました。只、イアン総帥、アクセル、ウェブらが見守る
 中で行われた決勝戦ですが、準々決勝でネクロ・ブッチャーを、準決勝
 でイアン総帥を、各々文字通り身体を磨り減らせて撃破して来たベイレ
 イには殆ど闘うべき体力が残っていなかったみたいなんや。それが証
 拠に、試合開始早々、金網頂部からポンドをウラ・カンに捕らえようとし
 た際も、両足でポンドをしっかりホールド出来ないためやろね、両足が
 スッポ抜けてしまい、自分1人が真っ逆さまにマットへと落下していた
 し...。「これは早く切り上げんとアカン」とポンドも察したか、ベイレイ
 を再度金網頂部に登らせ、何処かからか取り出したスタン・ガンにて
 金網に非情の放電攻撃。これで金網を媒体に、感電状態となったベイ
 レイが蛍光灯の山へと落下し力尽きるって、少々強引にも思える絵図
 にて幕引きですワ。何はともあれ、Midsouthによる2003年度のデス
 ・マッチ・トーナメント『King of the Death Matches 2003』の覇者はマッ
 ド・マン・ポンドに決定。血と公認凶器の破片で足の踏み場もない金網
 内にMidsouth側の大半の選手が一斉に入り、イアン総帥の音頭取り
 にて大団円となっとります。
○Music Video
  トーナメント2日目の様子を再編集したものです。
 
【総評】
  デス・マッチ・トーナメントと銘打ったのだから、勿論お客さん(そして、
 後日こうして映像観賞するファン)の目がトーナメントの各試合へ向くの
 は当然なんやけど、今回のトーナメントについてはトーナメントとは別
 枠の試合に多数好勝負があったのは特筆すべき点やし、これらをキチ
 ンとプロデュースした団体の手腕も評価しておきたいワ
  でも最後はやっぱりトーナメントに触れんとな。さて、トーナメントの初
 日の模様を紹介したレビューにも書いたけど、本トーナメントが開催さ
 れたちょうど一週間前、2003年7月26日には日頃『ウルトラ・バイオ
 レンス』を標榜しているCZWが主催で、これまたデス・マッチ・トーナメ
 ントの『トーナメント・オブ・デス・2』が開催されたんや。こちらの詳細は
 既にワシとこのHPの旧館にアップ済なんやけど、そこではCZWの親
 分であるザンディグと、ザンディグの愛弟子的なポジションにあるニック
 ・モンドによる正に命懸けの高所落下スポットがあったんですワ。
 DISC-3のBの試合について、イアン総帥とベイレイによる『異形の愛』
 と形容したけど、実はその一週間前にはCZWマットにおいてもザンデ
 ィグ親分とモンドによって、これまた『異形の愛』が表現されていたんで
 すな。で、ワシは両団体が僅か1週間のタイム・ラグで開催した2つの
 トーナメントを観終えて、2つの『異形の愛』を確認して、2003年の真
 夏のこの一週間こそ、デス・マッチって表現方法が辿り着いたひとつの
 頂点やったのではないか、と本気で思います。他にもCZWとMidsou
 thの表現方法の差異なんてのにもウダウダと触れたいのやけど、キリ
 がないので今回はここまで。いやー、デス・マッチって本当に素晴らし
 いものですね。それではまたお会いしましょう。サヨナラ、サヨナラ、サ
 ヨナラ...。


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