History of SMW Vol. 2
 (VHS-Tape)
 収録時間:約2時間1分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょっ
と怪しいプロレス・グッズの通販屋から、1本12ドル(今回は定期特売
セールに合わせてオーダーしたので3割分引の8.4ドルやった)で発
売されている代物(著作権を無視し、TV放送や市販ビデオ等を素材に
編集した海賊テープ)です。で、その収録内容なんやけど、策士ジム・
コルネットがテネシー州はノックスヴィルを根拠地に、1991年の10月
から1995年の12月まで切り盛りしていたSMW【Smoky Mountain W
restling】の名場面集の第2弾。では当時“米国のFMW”とも称された
同団体の名場面、じっくりと楽しませていただきましょか!。

@The Heavenly Bodies ("Dr,"Tom Pritchard &
 "Jiggolo"Jimmy Del Rey) (w/Jim Cornette)
 vs. The Bruise Brothers (Ron Harris & Don Harris)
 1993-11-08 Community Center, Newton, NC
  超巨漢の双子コンビであるブルース兄弟と、悪徳マネ(苦笑)コルネ
 ットさんに操られるボディーズ(トム・プリチャードとスタン・レーンの第
 1期ではなく、トム・プリチャードとジミー・デル・レイによる第2期ボディ
 ーズ。ちなみにデル・レイは“青い目の大仁田”として初期FMWで人
 気を博したジミー・バックランド)の激突。試合はコルネットさんの十八
 番のテニス・ラケット攻撃(セコやけど、妙に観る者の郷愁に触れて来
 ます)や放送用コードでの拘束プレイ(苦笑)などでボディーズ側が優
 勢に進め、「これではまるで2対3のハンディ戦だ!」と実況者も憤り
 を隠せまへん(苦笑)。で、このフラストレーションを晴らさんとブルー
 ス兄弟の片割れ(瓜二つの双子なのでロンなのかドンなのかが分か
 りませんでした)が木材を振り上げたところ、レフェリーが無情にも即
 刻反則裁定を下してしまって...。
AGang Fight Match :
 The Heavenly Bodies ("Dr,"Tom Pritchard &
 "Jiggolo"Jimmy Del Rey) (w/Jim Cornette)
 vs. The Bruise Brothers (Ron Harris & Don Harris)
 "Thanksgiving Thunder 1993"
 1993-11-28 Freedom Hall, Johnson City, TN
  @での借りを倍にして返さんと、太いチェーンで武装し、テーブルま
 でリングに持ち込んだ今宵のブルース兄弟。これに対してコルネット
 さんの無法乱入攻撃はジミーに誤爆するわ、起死回生とばかりに繰
 り出したタオル攻撃(どうやら昏睡性の液体が染み込ませてあるみた
 いや...)も、肝心のタオルがブルース兄弟側へと渡ってしまうわと、
 どうにもこうにもやる事なす事が全てダダ滑り。挙句の果てにはブル
 ース兄弟の怒りの鉄槌がコルネットさんに下って...。ただ、やられ
 てばかりでは済まぬのもコルネットさんの真骨頂。新たな刺客である
 ムーンドッグスを投入し、最後はブルース兄弟を徹底的に蹂躙や!。
BThe Moondogs (Moondog Rex & Monndog Spot)
 vs. The Bruise Brothers (Ron Harris & Don Harris)
  収録日時が定かではおまへんが、多分Aの流れを受けてのマッチ
 ・メイクであると思われる一戦。尚、本試合については大半がバッサ
 リとカットされ、唯一収録されているのはブルース兄弟の敗退のシー
 ンと、そこから両チーム入り乱れてバック・ステージへ雪崩れ込み繰
 り広げた乱闘シーンだけですワ。
CLadder Match :
 "Wild Eyed Southern Boy"Tracy Smothers
 vs. "Suicide Blond"Chris Candido
 1994-03-06 Raleigh County Armory, Beckley, WV
 or 1994-03-07 Dungannon, VA (TV Taping)
 or 1994-03-11 Paintsville High School, Paintsville, KY
 or 1994-03-12 Freedom Hall, Johnson City, TN
 or 1994-03-13 City Coliseum, Knoxville, TN
 or 1994-03-15 Albany, KY
 or 1994-03-17 Hyden, KY
 or 1994-03-18 Knox County High School, Barbourville, KY
 or 1994-03-19 Cawood High School Gym, Harlan, KY
  派手な高所落下スポットがある訳でもなく、梯子を使った複雑怪奇
 なスポット回しがある訳でもない、キャンディードとスマザーズ(カント
 リー・ミュージックをBGMに乗り乗りで入場。会場人気高し)による梯
 子戦なんですが、では面白くないのかと問われると、いやいやこれが
 また何とも“エエ感じ”なんですワ。決して皮肉っている訳ではなく、2
 人による梯子戦がSMWってリングの雰囲気にピタリと合っているっ
 て言うか...(あ、試合の方はリング上に吊られた、小切手と思われ
 る紙切れをスマザーズが獲得して幕)。尚、本試合の収録日を調べよ
 うとネット検索してビックリ。94年の3月の中旬、2週間弱の間に2人
 は合計9回も梯子戦を行っておりますんや(しかも全部スマザーズの
 勝ち)。ウーン、やっぱり当時もSMWの定番マッチとして認められ、
 南部諸州のプロレス・ファンに笑顔をお届けしていたんでしょうな。
 【追記】3月7日の興行についてはTV用の収録が行われたとの記録
 があり、多分本映像もそこで収録されたものと考えます。
DSMW Tag Team Championship :
 Loser Leaves Town Steel Cage Match :
 The Heavenly Bodies ("Dr,"Tom Pritchard &
 "Jiggolo"Jimmy Del Rey) (w/Jim Cornette) vs.
 The Rock'n' Roll Express (Ricky Morton & Robert Gibson)
 "Blue Grass Brawl II"
 1994-04-01 Pikesville College Gym, Pikeville, KY
  金網の中で躍動するR&R超特急、徹底して受けに回ったボディー
 ズ、金網の外でずっとお客達をアジり倒しているコルネットさん、20分
 にも渡るロング・マッチとなった本試合の最初っから最後まで鳴り止む
 事のなかった女性ファン達による“R&R”チャント、レフェリーの失神
 スポットやボディーズによるギブソンへの手錠拘束スポットなど数々の
 ベタ過ぎるネタ、山あり谷ありの展開の末に待っていたR&R超特急
 によるタッグ王座奪取(及び負けたボディーズのSMWからの追放)
 ウン、これまた楽しめる試合でしたワ。
EStreet Fight Match :
 The Thrill Seekers (Chris Jericho & Lance Storm) vs.
 The Heavenly Bodies ("Dr,"Tom Pritchard &
 "Jiggolo"Jimmy Del Rey) (w/Jim Cornette)
 "Night of Legends"
 1994-08-05 Civic Coliseum, Knoxville, TN
  スリル・シーカーズ、敢て直訳するなら“危険な事を探す、怖い物知
 らずな奴等”とでもなるんやろか。で、このコンビ名を名乗る2人こそ、
 後に各メジャー団体で活躍する事となるクリス・ジェリコとランス・スト
 ーム。そう、当時彼等はちょっと恥ずかしい、こんなチーム名を名乗
 ってたんです(ちなみにその前には、“サドン・インパクト”を名乗って
 初期FMWに来日した事も。勿論ワシも生観戦したデ)。さて、コルネ
 ットさんを含め3人お揃いのコスチュームで正装したボディーズと、レ
 ース仕様の改造車で乗り付けたシーカーズ(尚、ジェリコは右腕を負
 傷中)の激突ですが、中盤ジェリコが受けた鉄柵攻撃が予想以上に
 効いたのか、ジェリコは掛け値なしの大流血状態へ。おぉ、なるほど
 これこそ“危険な事を探す、怖い物知らずな奴等”の面目躍如やない
 のなんて思っていると、何とレフェリーはマット上を文字通り血の海と
 したジェリコの身を案じて試合中止のアピールを。しかし、エッ、ホン
 マかいなと文句を垂れる暇もなく、ジェリコの懸命のアピールにより試
 合は再開され、ストームのスーパー・キックがジミーにズバリと決まっ
 た瞬間、ジェリコの逆さ押さえ込みが火を吹いて...。いやはやジミ
 ーさん、ホンマに“エエ仕事”をされましたな。ホラ、拍手拍手!!。
FCoward Waves The Flag Match :
 Road Warrior Hawk & Bullet Bob Armstrong
 & Tracy Smothers (w/Ron Wright)
 vs. Terry Funk & Dory Funk Jr. & Bruiser Bedlam
 (w/Jim Cornette)
 "Night of Legends"
 1994-08-05 Civic Coliseum, Knoxville, TN
  これもEと同日収録。94年8月5日開催のビッグ・ショー『Night of 
 Legends』のメインでして、コルネットさんと“南部マットの良心”アーム
 ストロング親父の対立構図を軸に、荒馬兄弟(ヒール版)、暴走(鷹)
 戦士、“南部の仕事師”スマザーズと豪華な客演陣が参戦しとります。
 さてさて97年にぶんか社から刊行されたテリー御大の自伝“テキサ
 スブロンコ半生記”において、御大はSMWを「プロレスの魅力を知り
 尽くしたコルネットが集めてくるメンバーと、彼が工夫を凝らしたマッチ
 ・メイクはとても優れていた」って評してます。なるほど、そう言われる
 と確かにヒール役を楽しそうにこなす御大は注目やし、さてはしかめ
 っ面(毎度の事やけど)のドリー兄さんも、実は内心結構楽しいんや
 ないんかいなって突っ込みの一つも入れたくなりますな(笑)。またス
 マザーズもいぶし銀の職人芸で脇を固めて、隙のない6人タッグ戦を
 演出ですワ。尚、この試合は反則お構いなしでして、唯一リング下の
 両軍の立会人が降参って白旗を上げた時点で幕となるんですが、悪
 者チーム側の立会人であるコルネットさんが、良い者チーム側の立
 会人であるライト氏を相手に、手にする白旗を凶器として振り下ろそ
 うとしたところを運良く(運悪く?)レフェリーが目撃。なんとこれが降
 参の意思表示と誤解され、哀れ悪者チームは負けって事になってし
 まいました...(苦笑)。
 【追記】EとFの試合については、『Night of Legends』のタイトルで
 当日のビッグ・ショーの全貌を収めてリリースされたDVDにも収録さ
 れており、当HPでもレビューを掲載しておりまっせ(ここを参照)。
GCactus Jack vs. Chris Candito
 (w/Tammy Fytch & Boo Bradley)
  @からFの試合を120分テープに順番に収録してみたところ、まだ
 テープには10分程の“余り”が。で、多分編集者が「邪魔臭いなァ。よ
 っしゃ、とりあえずこれでも入れておこか」、なんて埋め草(失礼)に収
 録したと思われるのが、このカクタスとキャンディードによる一騎討ち。
 ま、ここではショッキング・レッドのスーツに身を包んだタミー嬢(キャン
 ディードの細君)のちょっとした“痛さ”でも楽しんで貰えたら...。
 【追記】試合の最後に現れた"Boo Bradley"って垢抜けない選手です
 が、これは後のボールズ・“デッカイ金玉”・マホーニー。え、そんな事
 なんてどうでもエエわ、でっか。これはまた失礼いたしました。


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