|
Road Wars :
Florida : Sunshine State Slaughter
(VHS-TAPE)
収録時間:約3時間45分 |
本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょ
っと怪しいプロレス・グッズの通販屋から1本12ドル(今回は定例の
ECWものなら全て3割引セールに合わせてオーダーしたので、8.4
ドルやった)で発売されている『ECW Road Wars : Florida : Sunshine
State Slaughter』ってタイトルのブツですんや。さてさて、その収録内
容なんですが、タイトルからもお分かりになる様に人情旅劇団ECW
一座がフロリダ州の各地にて繰り広げた名場面&珍場面が、2倍速
なんてワシらに日本人には余り馴染みのないフォーマットを使ってV
HSテープに丸々4時間弱に渡ってランダムに詰め込まれているんで
すワ。ではでは早速、テープを再生してみましょか...。
【お勉強の時間】
フロリダ州 (Florida, FL) は米国東海岸の州。フロリダ半島の全域を
占め、ジョージア州とアラバマ州に接しており、サンベルトと呼ばれる
比較的気候が温暖な州の1つ。州都はタラハシー (Tallahassee)。主
な都市はマイアミ (Miami)、タンパ (Tampa)、ジャクソンビル (Jackson
ville)、オーランド (Orlando)など。またケネディ宇宙センター、スペース
ポート・フロリダ、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート、ユニバーサ
ル・オーランド・リゾート、シー・ワールド・オブ・フロリダなどがあること
で有名で、アメリカでも有数の観光地として知られている(以上、Wiki
pediaより)。ちなみに、温暖な気候で年中Tシャツ一丁で暮らせるた
めか、多分アメリカで一番レスラーが居を構えているのもこのフロリダ
州のはず...(この項の文責は道頓堀次郎)。
○仲良し3人組の前説から...
テープを再生するといきなり画面に現れたのは3人の男。そう、こ
の胡散臭い3人こそが『Rf-Video』の悪の首謀者。向かって右側が
ワシの永遠のライバル、ロブ・“少年の菊門が大好物”・フェインシュ
タインで中央がゲイブ・サポルスキー(現ROHのオーナー&ブッカ
ー)、左側がダグ・ジェントリー(07年1月急逝)。3人して仲良く、本
テープの見どころなどを説明しております。
@Tommy Dreamer vs. Justin Credible
(w/Jason & Chastity)
11/28/98 Expo Park, Tampa, FL
当時のドサ巡業では定番であったドリーマーとジャスティンの絡み
から本VHSテープはキック・オフ。まずはリング・ベル早々、セコな
介入を見咎められてジャスティンのセコンドに付いた“惑星一セクシ
ー”なジェイソンが退場を命じられ、続いてドリーマーが大型梯子を
投入。で、ここからは豪華な客演陣が続々とお出ましや。まずは劣
勢のジャスティンを応援せんとロッド・プライス&ジェイソンが現れ、
今度はドリーマーの劣勢を見捨てておけぬと“路上の王”ニュー・ジ
ャック親分がゴミ箱一杯の凶器と共にリングへ。するとまたまた守
勢に回ったジャスティンの援護のため、ワン・マン・ギャングとサル・
E・グラジアーノの巨漢コンビまでもが乱入。そして大トリは“巨漢
殺しのスペシャリスト”であるスパイク・ダッドリーが...。
【追記】客演陣が引き上げたリングへ歩を進めるのは、テリー・ファ
ンク爺。実は98年11月1日放送のPPV『November to Remembe
r 1998』でも爺はポール・Eやドリーマーを相手に大暴れ(怒りの原
因や如何に?)を繰り広げておりまして、まだその怒りが収まってい
ないのか、愛弟子であるドリーマーにビンタ&鉄拳の雨嵐を...。
ANew Jack vs. Rod Price (w/Sal E, Graziano)
11/29/98 Agricultural Center, Kissimmee, FL
@の翌日の試合。まずはセコンドのサルが入場時の親分の足元
をすくいチャンス・メイクしたものの、これ位でペースを乱していては
“路上の王”とは名乗れません。凶器を使ってプライス&サルをサク
サクッと流血に至らしめた親分、最後は入場ゲート上からの自殺ダ
イヴ⇒パイプ椅子爆撃と、十八番の展開で水も漏らさぬ完勝です。
BECW World Tag Team Championship :
The Dudley Boys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
(w/Big Dick Dudley & Joel Gertner & Sign Guy Dudley)
vs. Masato Tanaka & Balls Mahoney
11/29/98 Agricultural Center, Kissimmee, FL
パイプ椅子を振り上げて武闘派のダッドリーズに立ち向かった田
中とマホーニーですが、最後はダッドリーズのフィニッシュ・ムーヴ
であるダッドリー・デス・ドロップにマホーニーが撃沈。すると相棒の
敵討ちだと思ったか、アクセル・ロットンが有刺鉄線バットを片手に
リング上へ飛び込んで来ます。けど、ダッドリーズ一味はこれさえも
余裕で迎撃完了。ウーン、誰か田中らを救出する骨のある奴は居
ないのかいな、なんて思っていたら、今夜も“巨漢殺しのスペシャリ
スト”であるスパイク・ダッドリーが...。
CTaz vs. Bam Bam Bigelow
4/10/98 Expo Park, Tampa, FL
タズにとってビガロは98年3月1日放送のPPV『Living Dangero
usly 1998』にてTV王座を奪った(その後、TV王座は4月4日をもっ
てRVDへ移動)憎い相手。って事でいきなり場外戦となったこの一
戦なんやけど、フット・ワークの軽さでは定評の(?)『RF-Video』の
カメラ・マンさも両人を追い切れず、画面は大半が真っ暗け...。
しかもやっとこさで両人がリングに戻ったと思ったら、2人してレフェ
リーを2名続けてKOするって大暴走。勿論即時にノー・コンテストの
裁定が下るのですが、これはちょっとガッカリな内容でしたな...。
DBalls Mahoney beat PN News
9/4/99 Peabody Auditorium, Daytona Beach, FL
大リーグの名門フィラデルフィア・フィリーズのユニホームに、マジ
ックで大きく“SUX”と殴り書きして現れたPN・ニュース。けどECW
の本拠地フィラデルフィアでなら、お情けでちょっとはブーイングをし
て貰えるでしょうが、ここはフロリダのデイトン・ビーチでっせ...。
あ、試合はマホーニーの洒落にならん勢いのパイプ椅子攻撃一発
でPNが昇天して幕となっております。
ESabu (w/Bill Alfonso) vs. Justin Credible (w/Jason)
9/4/99 Peabody Auditorium, Daytona Beach, FL
99年9月19日に放映されるPPV『Anarchy Rulz 1999』にて一騎
討ちを行うサブゥとジャスティンの、まァ言葉は悪いけどちょっとした
“舞台稽古”。パイプ椅子を添えたアラビア式の空爆攻撃でジャステ
ィンを振り切ったサブゥやけど、前述の『Anarchy Rulz 1999』でも感
じたのですが、どうにもこの時期の彼って精彩に欠けるんですワ。
FSuper Crazy vs. El Mosco
4/29/99 Civic Center, Palmetto, FL
“キチガイ”ルチャ・ドーラのクレイジーと、“蚊男”エル・モスコの一
騎討ち。試合は源氏名通りに“蚊男”がフラフラとリング周辺を飛び
交って一向にクレイジーにペースを握らせず、そのまま旋回式の空
爆攻撃にてクレイジーをフォール。ウーン、相手の血を吸って、痒く
させるだけではなかったんやね。やるな、“蚊男”(苦笑)。
GTommy Dreamer (w/Francine)
vs. Lance Storm (w/Beulah McGuillislutty)
4/29/99 Civic Center, Palmetto, FL
99年5月16日に放映されるPPV『Hardcore Heaven 1999』にて
一騎討ちを行うドリーマーとストームの、まァ言葉は悪いけどちょっと
した“舞台稽古”。ドリーマー十八番の階段落ちや、女子マネ同士の
キャット・ファイトと、定番のネタも仕込み完了。PPV本番に向けて、
抜かりはないってところでしょうかね。
【追記】さてさて、今宵ストームのセコンドの付いた“Beulah McGuilli
slutty”ですが、これはドリーマーのかつてのセコンド(現在は実生活
上では奥さん)である“Beulah McGillicutty”とは別人(綴りも微妙に
違うでしょ)。で、その正体はと言うと、これがあのダーン・マリー(Da
wn Marie)嬢。そう、この当時マリー嬢はビューラ嬢の偽者を演じて
いたんですな。しかしこのマリー嬢、ある時はタミー・リン・シィッチ(T
ammy Lynn Sytch)嬢の偽者であるタミー・リン・ビッチ(Tammy Lyn
n Bytch)嬢を演じたりと、何かと大変ですな(苦笑)。尚、“slutty”や
“Bytch”とは十八禁の言葉遊び。暇なら辞書でも引いてみてね。
HThree Way Dance :
Axl Rotten vs. Balls Mahoney vs. New Jack
9/3/99 Convention Center, Jacksonville, FL
一応ECWの正規軍に属しているのに、流血が大好きで、加えて
底抜けの暴れん坊であるアクセルとマホーニーとニュー・ジャック親
分。で、何故か今宵はこのお三方が3WAY戦で激突や。さてさて、
注目の本試合なんですが、まずはアクセルとマホーニーが2人揃
って客席に居るロッドマンのTシャツを着たファンを茶化すなどと、ど
うにも緊張感に欠ける滑り出し。それでも会社から定められた仕事
だけはキチンと果たさないとアカンと、アクセルが相棒マホーニーの
額にザクザクとフォークを突き立てていると、ここにゴミ箱一杯の凶
器を持ったニュー・ジャック親分も遅ればせながらの参戦となって。
ウンウン、いくら仲間内であっても、手加減など一切せぬその心意
気に乾杯!ってとこですな。
ISabu (w/Bill Alfonso) vs. Taz
9/3/99 Convention Center, Jacksonville, FL
99年9月上旬のタズって言うと、これは微妙な時期。そう、大メジ
ャーのWWFから“声”が掛かっていたはすで、実際に99年9月19
日に放映されるPPV『Anarchy Rulz 1999』では“退団準備”として
腰に巻いた世界王者の証であるベルトをマイク・オーサムに手渡す
事となります。って事で、そんな身辺の事情が因縁の相手であるサ
ブゥとの一騎討ちである本試合にも色濃く出ており、無駄に長い場
外戦で時間を稼ぎ、リング上に戻った途端にサブゥのアラビア式空
爆攻撃を喰らってタズは実にあっさりとピン・フォールを献上...。
【追記】ネット上の記録によると、本試合は当日の興行(全11試合)
のメイン。で、サブゥは8試合目にも出ており、ジャスティン・クレディ
ブルによって土を付けられておりました。
JJerry Lynn & Masato Tanaka vs.
Justin Credible (w/Jason & Chastity) & Mike Awesome
7/24/98 War Memorial Auditorium, Ft. Lauderdale, FL
98年8月2日に放映されるPPV『Hardcore Heaven 1998』にて一
騎討ちを行うジャスティンとリンの、そしてオーサムと田中の、まァ言
葉は悪いけど、ちょっとした“舞台稽古”。ただしオーサムと田中の
絡みに顕著な様に、一見して“流した”様なところがないのは立派。
尚、試合の方ですが、田中とリンから集中砲火を浴びた事を根に持
ったか、十中八九オーサム組に凱歌が上がっていたのに、ジャステ
ィンがフォール役を譲ってくれとオーサムにお願いしたのが裏目に
出てしまって...。
KGangsta Street Fight Match :
New Jack vs. Mustafa Saed
4/30/99 War Memorial Auditorium, Ft. Lauderdale, FL
99年2月12日のECWアリーナでの定期興行『Crossing the Lin
e 1999』にて勃発したギャングスターズの内乱劇(ムスタファが過去
の因縁を捨てダッドリーズとシェイク・ハンド!)は、99年3月21日
放送のPPV『Living Dangerously 1999』でのニュー・ジャック親分と
ムスタファの一騎討ち(親分の激勝で幕)、99年4月3日のECWア
リーナでの定期興行『Cyberslam 1999』での軍団金網戦(親分には
アクセルとマホーニーが、ムスタファにはダッドリーズが付き、試合
はマホーニーが敗退となったものの、内容では親分サイドのやりた
い放題)でも埒が明かず、4月中も何度かドサ巡業で親分とムスタ
ファは激突。そう、これもそんな定番マッチのひとつ。ムスタファの
仕掛けた先制のフォーク攻撃を耐え、親分がゴミバケツを持っての
特攻空爆で貫録勝ちを収めておりまっせ。
LRob Van Dam (w/Bill Alfonso)
vs. Bam Bam Bigelow
2/7/98 Agricultural Center, Kissimmee, FL
RVDの繰り出す“我侭な膝小僧”(古館さん、無断転用ゴメン)を
2〜3発喰らう覚悟でビガロが距離を詰めて捕まえにかかる。冒頭、
どこかかつての新日対UWFを思わす展開となった本試合は、レフ
ェリーの失神スポットを作ってサブゥが介入し、これにてビガロが残
念無念の敗退って結末に。ウンウン、今宵もまた相変わらずのグッ
ド・ワーカー振りですな、“イレズミ獣”さん。
MStreet Fight Match :
Steve Corino & Jack Victory vs.
Dusty Rhodes & Tommy Dreamer (w/Francine)
2/4/00 Convention Center, Jacksonville, FL
(多分)99年12月2日のジョージア州はアトランタでの定期興行
において勃発した“アメリカン・ドリーム”ダスティ・ローデスと“オー
ルド・スクールの王”スティーヴ・コリーノとの抗争劇は、00年3月1
2日放送のPPV『Living Dangerously 2000』での両者の一騎討ち
(これは掛け値なしで名勝負となります)に向け、各地であれこれと
局地戦(って名のネタ仕込み)が行われる事となるのですが、本試
合もその一環。果てしない場外戦の後、ローン・バトルとなったドリ
ーマーの決死(苦笑)のタッチを受け晴れてリング・インしたローデ
スの神々しい事と言ったら、確かに手垢の付いた手法ではあって
も、なるほどなかなか格好良く...。あ、試合決着(ローデス組の
勝ち)後にはライノが現れて大暴れをかまし、続いてこの無法を見
逃してはおけぬと、“ちょっと酒臭い桃太郎侍”こと我等がサンドマ
ンもヘロヘロとお出ましや...。
NECW World Heavyweight Championship :
Mike Awesome (w/Judge Jeff Jones)
vs. Masato Tanaka
1/27/00 Coliseum, St. Petersburg, FL
名勝負数え歌状態であった、当時のオーサムと田中によるECW
認定の世界王座を巡る抗争。ま、高度なスポット回しで観客を魅了
するのではなく、互いの身体の丈夫さを信じて、遠慮なく相手をブチ
のめすって、ある種愚直なまでの表現方法なんですが、これが観る
者のハートを鷲掴みにして来たってのも嘘偽りのない話。今宵もリ
ング・ベル早々放った、オーサムのトップ・ロープ越えの場外ダイヴ
攻撃こそ失敗(ロープに足が引っ掛かり、そのままゴツン!って大き
な音と共にオーサムは頭頂部から床へ激突。“You Fuck Up !”なん
てふざけた声も客席からは聞こえたけど、お前等はホンマのアホか
!)となってしまいましたが、それ以降はさっきのアクシデントなどは
微塵も感じさせぬド突き合い(最後は田中が轟沈)。ウン、彼等の名
勝負数え歌に駄作は一つとしてあらへんな。 |
|