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Best of Public Enemy
(DVD-R)
収録時間:約2時間1分 |
ECW存命時に地方でのドサ巡業を含め、その興行の大半をビデオ
収録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『Rf-Video』をご存知か。
その『Rf-Video』が2005年初頭より過去の貴重映像を順次DVD−R
化し、怒涛のリリース・ラッシュでワシらECWマニアの懐を直撃している
んや。さてさて今回皆様にご紹介するのは、初期ECWマットで大人気
であったタッグ・チーム、パブリック・エネミー(ロッコー・ロック&ジョニー
・グランジ)の活動記録を手際よく纏めたブツ(著作権等を根底から無視
し、素材は市販ビデオ等からも抽出?)。ではでは早速本DVD−R、た
っぷりと楽しみましょか。
【注意】最近は一部で姑息にもデジタル・リマスタリングなる売り文句を
使う『Rf-Video』ですが、無論彼等にはそんな高額な編集機材を買う銭
も、コツコツと映像をリマスタリングするような手間隙も絶対におまへん。
過剰な期待はなされず、あくまで海賊商品だと割り切ってご購入される
事をお勧めいたしますワ。
@まずはこの名場面から!
パブリック・エネミーと言ったら、まずは94年8月13日にECWアリー
ナで開催された定期興行『Hardcore Heaven 1994』にて行われたテリ
ー御大とカクタス・ジャックの一騎討ちに無法乱入を仕掛け、テリー御
大&カクタスの煽動によってお客達によりリング上に投げ込まれた無
数のパイプ椅子の下敷きになってしまうってシーン。ここではその名場
面だけを試合映像から抽出してあります。
APublic Enemy Promo
黒人ラップ・クループ(名前が分かりまへん)のプロモを上手く使って
作られております。
BPublic Enemy Promo
パブリック・エネミー、テリー・ファンク御大をアジり倒しておりまっせ。
CBad Company (Pat Tanaka & Paul Diamond)
vs. Jimmy Snuka & Don Muraco
NWA Bloodfest
1993-10-1or 10-2, South Philadelphia, PA - ECW Arena
93年10月1日と2日の両日に渡ってECWアリーナにて開催された
『NWA Bloodfest』からの映像(これが初日なのか2日目なのかは申し
訳ないですが分かりまへんでした)。スヌーカ&ムラコとの一騎討ちへ
と向かうバッド・カンパニーの面々を、パブリック・エネミーがダーティ過
ぎる奇襲攻撃。しかもここにバッド・ブリードまでが絡んで...。
DThree Way Steel Cage Match :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Bad Company (Pat Tanaka & Paul Diamond)
vs. Bad Breed (Ian Rotten & Axl Rotten)
NWA Bloodfest
1993-10-2, South Philadelphia, PA - ECW Arena
Cの騒ぎを引き継ぎ『NWA Bloodfest』の2日目メインで組まれたの
がこの金網戦。正直、ちょっともっさりした内容でして、最後はロッコー
・ロックが金網よりエスケープして勝利。ウーン、米国の金網戦と言え
ばこのエスケープ方式が主流なんやけど、どうも“逃げ足の速い者”が
勝つ様なイメージで、ワシは好きになれまへんな。
Eパブリック・エネミー、逮捕!
控え室でバッド・カンパニーを襲ったパブリック・エネミー、アッサリお
縄となってしまいました。あ、レポーターはジョーイ・スイタルス氏です。
FNo Rules Match :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. The Bruise Brothers (Don Harris & Ron Harris)
The Night The Line Was Crossed
1994-2-5, ECW Arena, South Philadelphia, PA
続いてはパブリック・エネミーとブルース兄弟の一騎討ち。94年2月
5日、ECWアリーナで開催された定期興行『The Night The Line Was
Crossed』より選出された映像のはずや。さてさて試合は“なんでもあ
り戦”でして、巨漢のブルース兄弟が先手先手で客席を舞台に猛攻を
仕掛け、これにパブリック・エネミーが何とか応戦するって内容。実況
席のジョーイ・スタイルス氏も、ブルース兄弟の繰り広げる乱闘に絶叫
気味となり、否が応でも観ているこちらの気分も高揚ですワ。あ、最後
はブルース兄弟に散々ボコボコにされたジョニー・グランジが狙い澄ま
したパウダー攻撃を一閃。死中に活を求めるとは正にこの事で、この
夜はパブリック・エネミー側の姦計がブルース兄弟のバイオレンスを上
回った形となっております。
【追記】ちなみにこの夜のメインはテリーとサブゥとシェーン・ダグラスに
よる、今や伝説の3WAYダンスのファースト・マッチでした。
★★注意★★
次のG〜Iの映像ですが、時系列に沿ってご紹介した方がエエかな
と思いますので、H⇒G⇒Iの順に並べ替えてあります。また当時の
タッグ戦線ですが、94年2月4日のECWアリーナでの定期興行(Fの
前夜。2日間開催であったようです)のメインでは、タッグ王座に就いて
いたケヴィン・サリバン&タズマニアック(現タズ)がブルース兄弟と王
座を懸けて“エニイ・ウェア戦”で激突したものの、ノー・コンテストとなる
って非常に混沌とした状況(ベルトは団体預かり?)でしたんや...。
HPublic Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. The Bruise Brothers (Don Harris & Ron Harris)
1994-3-5, ECW Arena, South Philadelphia, PA
当夜、改めてタッグ王座を巡ってサリバン&タズマニアックと戦う事が
出来る権利が懸かっていたと思われる一戦(間違ってたらゴメンね)。
試合はいきなり場外戦となり、ロッコーの乾坤一擲の機材席からのダ
イヴ特攻もあえなく同士討ち。大事な一戦を落としたパブリック・エネミ
ー、実況席のジョーイ・スタイルス氏を襲って鬱憤晴らしですワ。あ、こ
れでタッグ王座はサリバン&タズマニアックとブルース兄弟との間で争
われる事となるのやけど、パブリック・エネミーはここにも破れかぶれ
で無法介入を仕掛け...。尚、タッグ王座はブルース兄弟を振り切っ
たサリバン&タズマニアックの手にとりあえず収まりました。
GECW World Tag Team Championship :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Kevin Sullivan (w/Woman) & Tazmaniac
1994-3-6, ECW Arena, South Philadelphia, PA
Hの翌日、サリバン&タズマニアックの保持するタッグ王座へ挑んだ
パブリック・エネミー。そやけどサリバンの金槌攻撃やタズマニアックの
パイプ椅子攻撃を喰らいフラフラに。と、ここに前夜の奇襲攻撃のお返
しだとばかりブルース兄弟が無差別テロ(←サリバン&タズマニアック
にもパブリック・エネミーにも恨みあり)を決行!。で、ブルースの片割
れ(ドンなのかロンなのかは不明)がタズマニアックに向けてビッグ・ブ
ーツを一発見舞ったところ、これを受けたタズマニアックは力なくヨロヨ
ロとよろけ、運悪く(苦笑)ロッコーをボディ・スラムに捕らえていたサリ
バンと交錯。これでサリバンはバランスを失ってしまい、あろう事かロッ
コーの下敷きとなってカウント3まで奪われて...。棚ボタ式と言えば
それまでやけど、これがパブリック・エネミーが念願のECW認定のタ
ッグ王座に就いた、記念すべき瞬間ですワ...。
【追記】試合後、タズマニアックを叱責するサリバンとマネージャのウー
マン女史(後のベノワ夫人)。当時2人は正味のご夫婦やったんです。
IPublic Enemy Promo
Gの試合後に収録されたと思われるプロモ。勿論ベルト持参でっせ。
JNo Roped Barbed Wire Match :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Dory Funk Jr & Terry Funk
Heatwave 1994
1994-7-16, ECW Arena, South Philadelphia, PA
6月24日の定期興行『Hostile City Showdown 1994』での激突が無
効試合となり、いよいよ遺恨の深まって来たパブリック・エネミーとドリ
ー&テリーの『荒馬兄弟』。ならばと今宵組まれたのが、実況のジョー
イ・スタイルス氏が解説するところの、『FMWスタイルの有刺鉄線マッ
チ』や!。けど、こうして米国マット界でこんな語句が普通に使われて
いたと知り、改めてあの頃って日本国と米国との間で、健全なキャッチ
・ボールが行われていたんやな、なんて感慨に浸ってしまいましたな。
さて試合ですが、両軍ともTシャツ&長袖シャツの重ね着、Gパン等厚
手のスボン(勿論こちらも重ね穿き)の着用、手袋やバンテージなどで
手を保護と、完全防護での参戦。口汚い日本国のデス・マッチ・マニア
(←誰の事?)なら野次のひとつも飛ばすところでしょうが、それでもド
リーのスープレックスとテリーのパイル・ドライバーの同時共演など、マ
ニア連中の琴線をいちいち刺激する場面が多数あり、テリーに煽られ
たお客達がパイプ椅子をガンガンとリングに投げ込むなんてカオス状
態を経て、最後はゴミ箱を抱かされたままテリーが有刺鉄線でグルグ
ル巻きにされて(←テリーのチャームが大爆発する最大の見せ場でっ
せ!)、ジョニー・グランジ&ロッコー・ロックに2人掛かりで無理やりフ
ォールを奪われて...。いやはやここまでやってくれるなら、もうお腹
は一杯。勝敗なんて、ましてや試合に臨む井出達なんて問題外で満
腹満腹大満足。しかし一度芸人魂に火が点いたテリー御大、こんなも
のでは許してくれまへんデ。ドリーと手を取り怒りの大逆襲でジョニー・
グランジ&ロッコー・ロックを完全KOに追い込み、2度と立ち上がれぬ
ように土葬ならぬパイプ椅子葬にしてしまえと、またまたお客を煽動し
てパイプ椅子をリングの中へ投げ込ませ...。哀れ、ジョニー・グラン
ジ&ロッコー・ロックはテンコ盛りのパイプ椅子の下敷きとなって、静か
に静かに息絶えてしまいました。
KECW World Tag Team Championship :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Bad Breed (Ian Rotten & Axl Rotten)
Hardcore Heaven 1994
1994-8-13, ECW Arena, South Philadelphia, PA
“公衆の敵”パブリック・エネミーと“劣勢遺伝種”バッド・ブリードによ
るタッグ王座戦。共に暴れ出したら手が付けられない無法者コンビの
激突とあって、リング・ベルが鳴る前からリングの周辺は戒厳令が敷
かれておりますが、それでも折角の戒厳令を無視して向こう正面最前
列に鎮座される“麦わら親父”が、パブリック・エネミーの片割れである
ロッコー・ロックを口汚く罵ったものやから、ロッコー・ロックが瞬時にブ
チ切れ。“麦わら親父”からトレード・マークである麦わら帽子を奪い取
り暴行をはたらきました(ウーン、試合を盛り上げんと演者も観客も懸
命ですな)。さてさて本試合なんですが、相手側から10カウントを奪っ
たら(←そこで本来なら試合は決着なんやけど...)公認凶器のバッ
トが使えるってものでして、早々にロッコー・ロックが10カウントを奪わ
れ“劣勢遺伝種”側にバットが渡たり、ここから第2幕(って言うか、ぶ
っちゃけここからが本編)が華々しく開演!。鉄拳とパイプ椅子とバット
が飛び交い、戦場は何時しかリング周辺からカメラ等の設営された機
材席へ移行や。で、最後は連係プレーでは一日の長があった“公衆の
敵”が“劣勢遺伝種”を下してタッグ王座を防衛。ウーン、こんな大荒れ
の試合、現地でライヴで体験出来たなら、さぞや楽しかったでしょうな。
【追記】この夜のメインで行われたテリー御大とカクタス・ジャックの一
騎討ちにパブリック・エネミーは無法乱入を仕掛け、@でご紹介した名
場面へと繋がって行くんです。
Lエクストリームの始まり!
94年8月27日にECWアリーナで開催された、『NWA王座争奪ワ
・ナイト・トーナメント』では、トーナメントを制したシェーン・ダグラスがN
WAのベルトをポイ捨てし、続いて本部席に隠してあったECW認定の
世界王座のベルトを頭上に大きく掲げ、「ECWの時代が到来だ!」と
叫けぶなんて歴史に残る事件があったのやけど、この衝撃の出来事
にパブリック・エネミーもちゃっかり悪ノリ。インタビュー・スペースの壁
に描かれた、ECWのロゴ・マークの下にある“Eastern”の文字を、ジ
ョニー・グランジが缶スプレーを使って“Extreme”に書き変えてしまい
よった!。そう、これぞ“エクストリーム”の始まりなんや。
MECW World Tag Team Championship :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Cactus Jack & Mikey Whipwreck
NWA World Title Tournament
1994-8-27, ECW Arena, South Philadelphia, PA
Lのプロモが収録されたと思われる夜、パブリック・エネミーはカクタ
ス&マイキーの凸凹コンビとのタイトル戦を行っています。あ、当初カク
タスのパートナーはトミー・ドリーマーであったようなんですが、ドリーマ
ーはパブリック・エネミーの襲撃を喰らって轟沈。パートナーを失って困
り果てたカクタスが、控え室から嫌がるマイキーを無理やり引っ張り出
して来たって寸法なんですワ。さてさて@やKでご紹介したように、パ
ブリック・エネミーとカクタスの間にはそれなりの遺恨もあり、これは荒
れた試合になるやろと思ったら、「やっぱりこんな怖い試合には出たく
ない!」といきなりマイキーが試合からエスケープするなんて情けない
場面を演出(苦笑)。それでもカクタスのヘルプやロッコーの珠玉の自
爆芸の甲斐もあり、最後はマイキーがロッコーを逆さ押さえ込みにてフ
ォール!。あれあれ、5ヶ月に渡って防衛し続けて来たタッグ王座が、
スルリとパブリック・エネミーの手から零れ落ちてしまいましたデ。
NPublic Enemy Promo
カクタス&マイキーやテリー御大に力の限り罵声を浴びせて、最後は
「Violent by Design !」の決め台詞。
OPublic Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Chris Canyon & Don E. Allen
1994-10-1, ECW Arena, South Philadelphia, PA
PECW World Tag Team Championship :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Cactus Jack & Mikey Whipwreck
1994-10-1, ECW Arena, South Philadelphia, PA
カクタス&マイキーの保持するタッグ王座へ挑む事の出来る権利が
懸かっていた(?)Oの試合を圧勝で終えたパブリック・エネミー、その
ままリング上から控え室にいるカクタス&マイキーを挑発。すると、また
また「アイツ等、怖いから戦うのは嫌や〜!」と泣き叫ぶチキン・ハート
なマイキーをカクタスが無理やり引っ張り出して来て試合は開始...。
あ、このDVD−Rでは本試合は不透明決着のように観えましたが、ネ
ット上の取り組み結果には、カクタス&マイキーがパブリック・エネミー
を撃破しタイトルを防衛した、と書かれてありました。
QECW World Tag Team Championship :
Public Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
vs. Cactus Jack & Mikey Whipwreck
November to Remember 1994
1994-11-5, ECW Arena, South Philadelphia, PA
またもや対戦を嫌がるマイキー(もう、このネタは飽きたワ)。遂には
さすがのカクタスも呆れてしまったのか、それともカクタス一流の若手
育成手法なのか、はたまた破れかぶれの思い付きなのか、取りあえ
ず軽量のマイキーの身体を“実弾”としてパブリック・エネミーに何度も
何度も投げ付け出します。で、これにはパブリック・エネミー側も防戦
一方となり、タッグ王座返り咲きも夢と終わるかと思いましたが、グラ
ンジのパウダー攻撃がカクタスの視界を一瞬奪い、慌てたカクスタは
マイキーにダブル・アーム・DDTを喰らわしてしまう大失態。サブゥに
よる無法テロを途中受けたものの、最後はグランジがマイキーにバッ
トで特攻を仕掛け、見事にタッグ王座への返り咲きを果たしました。
RSabu & Tazmaniac (w/Paul E. Dangerously & 911)
vs. Joe Malenko & Dean Malenko (w/Jason)
1994-11-19, ECW Arena, South Philadelphia, PA
ジョー&ディーンのマレンコ兄弟とサブゥ&タズマニアックとの対戦に
パブリック・エネミーが乱入。多分、Qの報復やと思いますが、サブゥ
のセコンドに付くポール・Eを、ロッコーが月面水爆でテーブル葬とする
などと大暴走でっせ。
【追記】あ、このDVD−Rでは乱入シーンのみが収録。ジョー&ディー
ンのマレンコ兄弟とサブゥ&タズマニアックとの対戦がご覧になりたい
のなら、『Tag Wars』ってタイトルのDVD−R(レビュー済)でどうぞ。
SECW World Tag Team Championship :
Public Enemy vs. Cactus Jack & Kevin Sullivan
1994-11-19, ECW Arena, South Philadelphia, PA
Rと同様、94年11月19日にECWアリーナで開催された定期興行
から選出された映像。パブリック・エネミーの保持するタッグ王座に、カ
クタス・ジャック&ケヴィン・サリバン(←何気にドリーム・チームやね)
が挑むって構図なんやけど、試合の最中サリバンの持ち出したベルト
(どうやらWCWのもの)にカクタスが唾を吐き掛けた事から両者は仲
間割れを起して自滅となったみたい。で、棚ボタ式でタッグ王座を防衛
したパブリック・エネミーにいきなり襲い掛かったのが、Rで記した様に
パブリック・エネミーから奇襲を受けたサブゥとタズマニアック。さっきの
お返しやと、サブゥはジョニー・グランジをアラビア式のレッグ・ドロップ
にてテーブル葬とし、束の間ですが溜飲を下げた格好となっております。 |
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