Mountain Top Madness
 Jim Thorpe, PA - The Flagstaff 1995-6-30
 (DVD-R)
 収録時間:約1時間59分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2008年の7月期より満を持して開始したのが、過
去米国で正式に流通した53タイトルのECWものVHSテープの無法D
VD−R化。ま、今さら『RF-VIDEO』のやる事に驚く事もおまへんが、ホ
ンマにこいつ等のECWってネタをとことん商いに使い切る姿勢には、あ
きれるやら、ある意味感心するやら(苦笑)。ま、お陰でワシの映像ライ
ブラリーも充実するし、ここは『RF-VIDEO』の仕掛ける悪徳商法(笑)に
まんまと乗せられ、DVD−Rのレビューへと突き進んでみたく思います。
ちなみに今回ご紹介いたしますのはECWが1995年6月30日にペン
シルベニア州はジム・ソープのフラッグ・スタッフにて開催した定期ドサ
興行『Mountain Top Madness』の模様(←客席最前列にはちゃっかりと
“麦わら親父”も...)を収めた代物なんですワ。

【追記】
 本DVD−Rの映像ですが、キチンとデジタル化はされており(ただし
ジタル・リマスタリング云々ってのは十中八九は嘘。『RF-VIDEO』にはそ
んな高額な機材を買う銭も、コツコツと映像をリマスタリングするような手
間隙も絶対にないはず)、これまでの所謂“白箱オリジナル・テープ”や、
それを元ネタとしたコピー・テープに比べると画質は上。また以前英国で
発売されていたPAL方式のDVDに顕著であったテーマ曲の差し替えっ
てのも行われておりまへん(元々のテープを出す時点で、一部に音声処
理が行われたのではと思える箇所もありました)。ただ、確かに一度は
正式に流通した映像なんでしょうが、素材そのものがハンディ・カムを使
って撮影した所謂『ファン・カム映像』(実況や解説もなし)でして、固定カ
メラで撮影した映像に慣れた方にはちょっと違和感があるかも...。

@Pitbulls (w/Raven & Steve Richards & Beulah)
 vs. Don E. Allen & Dino Sendoff
  時折“つまらんのォ”チャントも聞こえる凡戦でして、「こんな試合なん
 かいっそ水洗便所にでも流してやるワ!」と、トイレット・ペーパーまで
 がリングに投げ込まれる始末(試合はピットブルズ十八番のスーパー
 ・ボムであっさりと決着ですワ)。けど、95年6月17日開催のフィラデ
 ルフィアはECWアリーナでの定期興行『Barbed Wire, Hoodies, & Ch
 okeslams』においてデビューを果たしたフランシーン嬢がスティーヴィ
 に黄色い声援を飛ばし、これを快く思わぬビューラ嬢とひと悶着、なん
 て個人的には非常に嬉しい場面もあって...。
AHack Myers vs. 2 Cold Scorpio
  95年6月17日開催のフィラデルフィアはECWアリーナでの定期興
 行『Barbed Wire, Hoodies, & Chokeslams』では、タズと一緒にトリオを
 組むはずだったマイヤーズにスコーピオ(←“特権執行上級審判”のア
 ルフォンソが横槍を入れたためトリオ結成はならず)。それが今宵まで
 の二週間弱の期間に一体何があったのか、マイヤーズとスコーピオは
 一騎討ちを行う関係に。あ、試合ですが、@同様“つまらんのォ”チャン
 トが聞こえ、また必要以上に試合時間も長かったためか、タズのお出
 ましを願う声も多数あって、最後はマイヤーズの攻め疲れたところをス
 コーピオが的確に突いての幕引き(墓石式パイル〜450スプラッシュ)
 ですワ。ウーン、決して悪い内容ではなかったんやけど、願わくばもう
 ちょっとコンパクトに纏まっていたらねェ...
BTaz (w/Paul E.Dangerously) vs. Mikey Whipwreck
CTaz (w/Paul E.Dangerously) vs. Chad Austin
  タズの前に現れたのは右腕を三角巾で吊ったマイキー。ただでさえ
 実力差のある両者やのに、これでホンマに試合をやるんかいな、なん
 て思っていたら、“特権執行上級審判”のアルフォンソが現れ、例によ
 って何やらダミ声で注文を付け、試合はタズ対マイキーからタズ対チャ
 ドへと変更。さてさてタズですが、95年6月17日開催のフィラデルフィ
 アはECWアリーナでの定期興行『Barbed Wire, Hoodies, & Chokesla
 ms』で、原人ギミックのタズマニアックからシュート・ファイター・ギミック
 のタズへと宗旨替えしたばかり。なのにチャドが「タズマニアック!」な
 んて昔の芸名で呼ぶモンやから途端にタズはブチ切れ。切れ味鋭い
 タズプレックス一発でチャドを潰してしまいましたデ。
 【追記】
  Aでもちょこっと触れましたが、95年6月17日開催のフィラデルフィ
 アはECWアリーナでの定期興行『Barbed Wire, Hoodies, & Chokesla
 ms』で、タズはスコーピオやマイヤーズとトリオを組むはずでしたんや。
 で、本試合の終了直後に姿を見せたのは、Aの試合を終えたばかり
 のスコーピオ。はてさて何が両者にあったのか、いきなりスコーピオは
 タズに襲い掛かり、墓石式パイルでタズを轟沈。ウーン、ここまで縺れ
 た両者なら、明日(95年7月1日)ECWアリーナで開催される定期興
 行『Hardcore Heaven 1995』で思う存分戦って貰いましょか。
DBarbed Wire Baseball Bat Match :
 Axl Rotten vs. Ian Rotten
  95年1月7日開催の定期興行にて勃発したアクセルとイアンの骨肉
 の争いは、何度戦ってみても一向に決着されず(ま、そやからプロレス
 って芸事は面白いんやけどね)、遂に明日(95年7月1日)ECWアリ
 ーナで開催される定期興行『Hardcore Heaven 1995』では、両者の一
 騎討ちの集大成となる『タイペイ・デス・マッチ』が行われる事に。で、そ
 んな重大な一戦を控えた前夜、当のアクセルとイアンは一体何をやっ
 ていたかと言うと、これが相も変わらずの“有刺鉄線バット戦”....
 ウーン、ホンマに血生臭い試合がとことん好きなんですなァ。あ、客席
 からの“血を見せてんか!”チャントにイアンが即応してブレード・ジョヴ
 をブチかまし、強欲なお客達の望み通りに試合は朱に染まり、最後は
 イアンの猛攻をしのいだアクセルが逆転勝ち。明日の『タイペイ・デス・
 マッチ』での激突に向け、これでアクセルに勢いが付いたか?。
◎フランチャイズさんのお出ましです...
  ここでWWF(当時)への転出が噂されていた“フランチャイズ”・シェ
 ーン・ダグラス大先生が普段着姿でリングに上がり、得意のマイク芸を
 まずは一席。WWFやWCWやダスティ・ローデスなんてキー・ワードを
 並べつつウニャウニャと喋っていると、更にそこに加わったのがダグラ
 ス大先生とはレスリング・スクールの同級生であったらしいカクタス・ジ
 ャック。こちらもダグラス大先生同様に口は達者で、互いにマイクを交
 代して昔話に花を咲かせとります(何と延々20分以上)。ただ、折角
 の大ディベート合戦も悲しいかなワシには聴き取り不能...。ウーン、
 多分嫌味タップリのエゲつない内容であるはずやのに残念無念や。
 【追記】
  ディベート大会に最後に加わった(あ、マイクは持たなかったけど)の
 はマイキー・ウィップレック。カクタスの掲げる“Shane is Dead !”ってサ
 イン・ボード(カクタスがお客から借用したもの)を背に、ダグラス大先
 生に果敢に食って掛かっておりまっせ。ウーン、もしやマイキーの右手
 の負傷って、ダクラス大先生にやられたものなんやろか...?。   
EECW World Tag Championship :
 Raven & Steve Richards vs. Public Enemy
  パブリック・エネミーの保持するタッグ王座へ挑んだレイヴェンとリチ
 ャーズなんですが、パブリック・エネミー側が試合前からお客達を煽っ
 てリチャーズを小馬鹿にし、試合となっては何処から取り出したのか
 アコースティック・ギターをブンブンと振り回しリチャーズをタコ殴り。確
 かに頼りないパートナーですが、リチャーズがこんな塩梅では勝負は
 見えたと、何とレイヴェンは控え室へと引き上げて...。けどここで
 ングには怪しい影が二つ。これ、ギャングスターズ(95年6月17日開
 催のフィラデルフィアはECWアリーナでの定期興行『Barbed Wire, Ho
 odies, & Chokeslams』で初登場し、パブリック・エネミーを襲撃したば
 かり)でして、パブリック・エネミーを瞬時に粉砕して、あろう事かタッグ
 王座をレイヴェン&リチャーズに移動させてしまいよった!。
 【追記−@】
  ここまでコケにされてはパブリック・エネミーも黙ってられまへん。なの
 で明日(95年7月1日)ECWアリーナで開催される定期興行『Hardcor
 e Heaven 1995』では両チームに思う存分戦って貰いましょか。
 【追記−A】
  タッグ王座が不正に移動したと知った審判団、一度は先程下ったば
 かりの判定を覆そうとするのですが、ここでまたまた現れたのが“特権
 執行上級審判”のアルフォンソ。「アカンアカン、判定を覆すのはこのワ
 シが認めんデ!」と尊大な態度でわめき散らし...。
 【追記−B】
  「何時でも誰とでもやってやる!」、味噌ッカスのくせにベルトを手にし
 た途端、まるで“燃える闘魂”のような妄言を吐いた(苦笑)リチャーズ。
 ポール・Eによって投入された“紛争処理係”の911に、レイヴェンとも
 どもこってりとチョーク・スラム葬されてしもて...(悲惨)。
FECW World Heavyweight Championship :
 Sandman (w/Woman) vs. Tommy Dreamer (w/Luna Vachon)
  入場の際にレイヴェン&リチャーズの不意討ちを喰らったドリーマー
 ですが、余裕でこれを迎撃し、サンドマンの保持する世界王座奪取へ
 と猛攻、なんて書けたら良かったのですが、実際はサンドマンのスエッ
 ト・パンツをズリ降ろす(黒いトランクス一丁でフラフラとするサンドマン
 の姿は余りに馬鹿馬鹿しく...)のが精一杯。タバコを吸いつつ襲い
 来る酩酊気味のサンドマンの前に(互いの女子マネが場外でトラブっ
 ているのに気を取られたって“言い訳”を用意し)、あっさりとカウント3
 を献上や。ま、これぞドサでの省力(決して手抜きとは言いまへん)試
 合ってところでしょうか。


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