Tag Wars
 (DVD-R)
 収録時間:約1時間9分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2008年の7月期より満を持して開始したのが、過
去米国で正式に流通した53タイトルのECWものVHSテープの無法D
VD−R化。ま、今さら『RF-VIDEO』のやる事に驚く事もおまへんが、ホ
ンマにこいつ等のECWってネタをとことん商いに使い切る姿勢には、あ
きれるやら、ある意味感心するやら(苦笑)。ま、お陰でワシの映像ライ
ブラリーも充実するし、ここは『RF-VIDEO』の仕掛ける悪徳商法(笑)に
まんまと乗せられ、DVD−Rのレビューへと突き進んでみたく思います。
ちなみに今回ご紹介いたしますのは、“タッグ戦争”って切り口で全6試
合を選出〜編集した『Tag Wars』ってブツです。

【追記】
 本DVD−Rの映像ですが、キチンとデジタル化はされており(ただし
ジタル・リマスタリング云々ってのは十中八九は嘘。『RF-VIDEO』にはそ
んな高額な機材を買う銭も、コツコツと映像をリマスタリングするような手
間隙も絶対にないはず)、これまでの所謂“白箱オリジナル・テープ”や、
それを元ネタとしたコピー・テープに比べると画質は上。また以前英国で
発売されていたPAL方式のDVDに顕著であったテーマ曲の差し替えっ
てのも、本DVD−Rについては特に気にはならなかったです。

@No Rules Match :
 Public Enemy vs. The Bruise Brothers
 "The Night The Line Was Crossed"
 1994-02-05, ECW Arena, South Philadelphia, PA
  まずはパブリック・エネミーとブルース兄弟の一騎討ちから。多分EC
 Wがまだ【Extreme Championship Wrestling】ではなく、【Eastern Cha
 mpionship Wrestling】の略であった94年2月5日、ECWアリーナで開
 催された定期興行『The Night The Line Was Crossed』より選出された
 映像のはずですワ。さてさて試合は“なんでもあり戦”でして、巨漢のブ
 ルース兄弟が先手先手で客席を舞台に猛攻を仕掛け、これにパブリッ
 ク・エネミーが何とか応戦するって内容。実況席のジョーイ・スタイルス
 氏もブルース兄弟の繰り広げる乱闘に絶叫気味となり、否が応でも観
 ているこちらの気分も高揚や。最後はブルース兄弟に散々ボコボコに
 されたジョニー・グランジが狙い澄ましたパウダー攻撃を一閃。死中に
 活を求めるとは正にこの事で、この夜はパブリック・エネミー側の姦計
 がブルース兄弟のバイオレンスを上回った形となっております。
 【追記】ちなみにこの夜のメインはテリーとサブゥとシェーン・ダグラスに
 よる、今や伝説の3WAYダンスのファースト・マッチでした。
ABaseball Bat Match :
 Bad Breed vs. Public Enemy
 1994-09-30,Fieldhouse, Hamburg, PA 
  続いてはバッド・ブリードとパブリック・エネミーとの激突。多分、94年
 9月30日にペンシルベニア州はハンブルグのフィールド・ハウスにて開
 催されたドサ巡業からの映像のはずで、序盤はこの両チームの絡みに
 しては大人しい内容でしたが、バッド・ブリードの合体技にパブリック・エ
 ネミー側のロッコー・ロックが10カウントを取られたところで、どうやら
 ットの使用と場外での闘いが認められた様でして、ここから一気に血の
 気の多い内容へとシフト・チェンジ。バッド・ブリード側の金属バットでの
 殴打に、「もうこれ以上殴られては堪らん」とパブリック・エネミー側も金
 属バットを振り上げて応戦開始。最後はバッド・ブリード側のイアン・ロッ
 トンがフォールされて幕となりました。
BBad Breed vs. Pitbulls
 "November to Remember 1994"
 1994-11-05, ECW Arena, South Philadelphia, PA
  今度はバッド・ブリードとピットブルズとの闘い模様。多分94年11月
 5日にECWアリーナで開催された定期興行『November To Remembe
 r 1994』から選出された映像のはずで、わりと短時間でイアンがピット
 ブルズのフィニッシュ・ムーヴであるスーパー・ボムを受けて轟沈。尚、
 「血を見せろ!」の非情なるチャントが渦巻く当夜のECWアリーナ。お
 客さんがそこまでおっしゃるならと、試合決着後に負けたはずのバッド
 ・ブリード側がブッとい鎖の付いた首輪を持ち出してピットブルズの2人
 を急襲。額を大きく割られ、文字通りボトボトと大量の血を垂れ流すア
 ンソニー・デュランテ(通称:ピットブル2号)の艶姿、実にプリティ・グッ
 ドでしたワ。
CDouble Dog Collar Match :
 Bad Breed vs. Pitbulls (w/Jason)
 1994-11-19, ECW Arena, South Philadelphia, PA
  Bの試合での血塗られた惨劇の元凶となった首輪付きの鎖。ならば
 これを2本用意し、イアン・ロットンとゲイリー・ウルフ(通称:ピットブル1
 号)、アクセル・ロットンとアンソニー・デュランテ(通称:ピットブル2号)
 をそれぞれ繋いでタッグ形式で『犬の首輪戦』をやってみよかとなった
 みたい。試合は例によって「血を見せろ!」チャントが渦巻く中(あ、
 れに即応してサクッと流血してみせるイアンには拍手!)、“地球一セ
 クシーな両刀使い”のジェイソンが試合に介入し、これを起点に爆裂し
 たピットブルズの合体雪崩式ブレーン・バスターで、イアンがやけにあ
 っ気なく沈んでおります。尚、これは多分94年11月19日にECWア
 リーナで開催された定期興行から選出された映像やと考えます。
DSabu & The Tazmaniac (w/Paul E. Dangerously & 911)
 vs. Joe Malenko & Dean Malenko (w/Jason)
 1994-11-19, ECW Arena, South Philadelphia, PA
  「世界に名立たるマレンコ兄弟!」。またもや実況席でジョーイ・スタ
 イルス氏が絶叫しておりますが、サブゥ&タズマニアック(現タズ)とジ
 ョー&ディーンのマレンコ兄弟がリングの上で戦っているんやから、そ
 の気持ちも分からんでもおまへんな。試合はサブゥの十八番芸である
 場外ダイヴの自爆、サブゥとタズマニアックの合体技(今となっては貴
 重でっせ)などの見せ場があって、最後はタズマニアックの余りに危険
 過ぎる垂直落下タズプレックスが火を噴き、ディーン・マレンコが敗退。
 尚、試合決着後にはCで戦っていたピットブルズやパブリック・エネミ
 ー、911にポール・E(得意のセル・フォン攻撃を披露するも、ロッコー
 ・ロックによって月面水爆テーブル葬を喰らって絶命)などが延々と番
 外戦を繰り広げ...。ちなみにこれも、多分94年11月19日にECW
 アリーナで開催された定期興行から選出された映像のはずですワ。
 【追記】94年11月5日にECWアリーナで開催された定期興行『Nove
 mber To Remember 1994』において、サブゥはクリス・ベノワの放った
 スープレックを受け損ねて首を負傷するのですが、実はこの試合中に
 サブゥは再度パブリック・エネミーから合体パイル・ドライバーをモロに
 喰らって再び首を痛めるって場面がおました。
EECW World Tag Team Championship :
 Public Enemy vs. Cactus Jack & Kevin Sullivan
 1994-11-19, ECW Arena, South Philadelphia, PA
  これもCやDと同様、94年11月19日にECWアリーナで開催され
 た定期興行から選出された映像のはず。試合そのもの(ここではバッ
 サリとカット)はパブリック・エネミーの保持するタッグ王座にカクタス・
 ジャック&ケヴィン・サリバン(←おぉ、何気にドリーム・チームやね)が
 挑むって構図で、どうやらカクタスとサリバンは仲間割れを起して自滅
 となったみたい。で、棚ボタ式でタイトルを防衛したパブリック・エネミー
 にいきなり襲い掛かったのが、Dで記したようにパブリック・エネミーに
 首を負傷させられたサブゥと、そのパートナーのタズマニアック。さっき
 のお返しやと、サブゥはジョニー・グランジをアラビア式のレッグ・ドロッ
 プにてテーブル葬とし、束の間ですが溜飲を下げた格好となっており
 まっせ。
 【追記】ちなみにパブリック・エネミーのベスト盤DVD−R『Best of Pub
 lic Enemy』(既にレビューもアップ済)には、ダイジェスト収録ながらもこ
 の試合が収録されており、そこでは試合中サリバンの持ち出したベル
 ト(ECWのもの?、それともWCWのもの?)にカクタスが唾を吐き掛
 け、これが原因で両者が仲間割れを起こすって場面も確認出来ます。


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