Hardcore Homecoming
 November Reign Platinum Edition
 (DVD*2)
 収録時間
 disc-1:約1時間38分
 disc-2:約3時間
 2005年6月12日、WWEが直々に編集したECWのヒストリーもの
DVD『THE RISE + FALL OF ECW』が空前の大ヒットとなったお陰で、
WWEの肝煎りにより一夜限りのECW復活祭『One Night Stand』が開
催されました。けど今ならECWってものが『商い』になると目ざとく嗅ぎ
付けたか、『One Night Stand』の2日前の6月10日、(元)ECWアリー
ナを開催地として、主に『One Night Stand』に出場オファーのなかった
反主流派(発起人がシェーン・ダグラスなので、ダグラス一派やろか)が
中心となり、『Hardcore Homecoming』と名乗って、ECWならこっちこそ
が『元祖』で『本家』と、これまた一夜限りの復活祭を開催したのは皆様
ご存知でしたでしょうか。
 さて今回ご紹介いたしますのは、『一夜限りの復活』が大受けした事
に味をしめたと思われる『Hardcore Homecoming』が、2005年11月5
日に開催した再度の(元)ECWアリーナ大会の模様を収めたDVDなん
ですが、これには業界のセコなセクト意識や、権利関係が複雑に絡ん
でおりまして...。

★★DISC-1★★

 先ほど書きました、“業界のセコなセクト意識や、権利関係が複雑に
絡んで...”云々の影響をモロに受けているのがこのディスク1。なん
とこのDVDにはチーム3D(←元ダッドリーズ。2005年7月にWWEを
脱退したのですが、ダッドリーズの名前はWWEがパテントとして押さ
えているらしく、仕方がないのでチーム3Dを名乗る事とし、TNNへの
移籍を画策しているって微妙な状況にありました)がテリー・ファンク&
サブゥと激突した当夜のメイン・エベントがバッサリと切り捨てられとる
んですワ。ま、WWEからTNNへの移籍の過程って非常にデリケート
な時期であったので仕方がないかな、なんて思うものの、これは正味
で残念無念や...。
【追記@】残念無念と書きましたが、そこはやっぱり“蛇の道はヘビ”。
チーム3D対テリー&サブゥの試合も収めた“完全版”が、DVDではな
くDVD−Rとなるものの、『Hardcore Homecoming』のHPや『RF-Vide
o』などのアングラ・ショップ(苦笑)より発売されておりますんや。詳しく
は既に当HPにレビューをアップしているのでそちらを参照願いたいの
ですが、『生き仏』テリー・ファンク御大の『ハードコアの殿堂』入り祝賀
会とでも形容すべき試合は正味で必見でっせ。
【追記A】さてさてこの様に2つのバージョンのDVD(DVD−R)が存
在する、『Hardcore Homecoming』の2005年11月5日の興行。一番
簡単にどちらのバージョンなのかを見分けるには、まずはジャケットを
手に取りじっくりとご覧下さいな。チーム3D対テリー&サブゥの試合も
収めた“完全版”DVD−R(画像右下)には、ババ・レイやD−ボン(お
っと、この名前もパテント絡み。今はブラザー・レイ&ブラザー・デボン
やね)のイラストがあり、チーム3D対テリー&サブゥの試合がカットさ
れた本DVD(画像左下)には、ババ・レイやD−ボンの代わりにシェー
ン・ダグラスやアクセル・ロットンやジェリー・リンやジャスティン・クレデ
ィブルのイラストがあるはずですから。

  

★★DISC-2★★

 注目のチーム3D対テリー&サブゥのメイン・エベントが、権利関係に
絡んで収録出来なかった本DVD。ならばそんなものはわざわざ購入し
なくても良いのでは、なんて皆様は思われるでしょうが、確かにチーム
3D対テリー&サブゥこそ未収録なものの、本DVDには特典映像が満
載のボーナス・ディスク(DISC-2)が付いておりましてなァ...。以
下がその詳細なんですが...。

 上記した様に、2005年6月10日の『一夜限りの復活』が大受けした
事に味をしめたらしく、実は『Hardcore Homecoming』は11月5日の興
行を打つ前に、9月に『Reunion Tour』と謳ってドサ回り巡業を行いよっ
たんです。ただしWWEからの横槍が入ったらしく、当初アナウンスされ
たドサ巡業のクライマックスとなったであろうニュー・ヨーク大会はあえな
く頓挫し、僅かに9月16日開催のオハイオ州はクリーヴランド大会(『H
ardcore Homecoming Reunion Tour』としてDVD−Rも発売されており、
既に当HPでもレビュー済)と、9月17日のペンシルベニア州はピッツバ
ーグ大会(シェーン・ダグラス師匠のお膝元で、興行場所はモナカのゴ
ールデン・ドーム)が行われたのみ。って事で、ここには9月17日のピッ
ツバーグ大会から4試合分の映像が収録されております。 

@Tracy Smothers vs. Blue Meanie
  前日、9月16日のオハイオ州はクリーヴランドのアゴラ・シアターで
 も組まれていた試合でして、スマザーズの発案によってダンス・コンテ
 ストが繰り広げられるところなどもほぼ前日同様。ただ、フィニッシュの
 みが前日と違い、ミーニーの月面水爆を逃れたスマザーズが、チェー
 ンを使用した反則パンチにてセコく勝ち星をゲットですワ。
AChris Chetti & C.W. Anderson vs. Danny Doring & Roadkill
  前日のクリーヴランド大会ではドーイングに一騎討ちで敗れたチェッ
 ティ。今夜こそはとCWをパートナーに、ドーイング&ロードキルにネタ
 回しを挑むものの...。
BIan Rotten vs. Balls Mahoney vs. New Jack
  前日のクリーヴランド大会では徒党を組んでチーム3Dに挑み、あえ
 なく返り討ちにあったイアン・ロットンとボールズ・マホーニー。多分試
 合後にロッカー・ルームで「お前が悪い!」「いや、お前がアホなんや
 !」と内輪揉めでもしたのでしょうな、晴れて今宵は一騎討ちとなった
 みたいや(苦笑)。で、流血戦大好きのイアンとマホーニーが1ムーヴ
 こなしたところ、「おいおい、そんな血生臭い試合なら、このワシも是
 非1枚噛ませてくれや!」と、“路上の王”ニュー・ジャック親分までが
 御出馬。何やらマホーニーと歩調を合わせたらしき親分、イアンを血
 ダルマにして1ドル札を工業用大型ホチキスで頬に打ち込み、最後は
 待ってましたのバルコニー・ダイヴ葬や!。
 【追記】さてドロドロの大流血戦となった本試合ですが、情けない事に
 試合中にずっと会場内に流れていたはずのニュー・ジャック親分のテ
 ーマ曲“ナチュラル・ボーン・キラーズ”が、無粋な著作権絡みで別の
 曲に差し替え。ウーン、モニター画面の中ではイアンの血ダルマの顔
 面がアップとなっており、これで音声が差し替えられていなかったのな
 ら、道頓堀さんも諸手をあげて大喜びやったのですが...。
CJustin Credible vs. Jerry Lynn
  共に変形パイル・ドライバーをフィニッシュ・ムーヴに持つこの両者。
 当然試合の終盤には変形パイルを巡る攻防があって...。 
 【追記】以下に、9月17日のピッツバーグ大会で組まれた全カードを
 記しておきます。
 ・Smasher LeBlanc vs. Jermaine Jubilee 
 ・Tracy Smothers vs. The Blue Meanie 
 ・Danny Doring & Roadkill vs. 
  Chris Chetti & C.W. Anderson 
 ・Triple Threat Match : 
  New Jack vs. Balls Mahoney vs. Ian Rotten 
 ・Jerry Lynn vs. Justin Credible 
 ・Dog Collar Match : Shane Douglas vs. Pitbull #1 
 ・Stairway to Hell Match : Sabu vs. The Sandman
DSabu (w/Damien666) vs. Al Snow
  収録日時や団体名等は不明ながら(ここらはキチンとクレジットして
 欲しいなァ)、どうやら90年代前半のロス・アンジェルス地区での試合
 映像。物真似芸でFMWでも人気を博したダミアンを従えたサブゥが、
 アル・スノーと力の入った一騎討ちを行っております。で、サブゥの場
 外自殺ダイヴ、アルのスーパー・プレックス、ダミアンの献身的な介入
 (テーブル・クラッシュを失敗したサブゥをフォローせんと、自らテーブル
 へと沈んでみせるところなんて涙々)など、各自が持ちネタを存分に披
 露したロング・マッチは、パイプ椅子を絞首刑台に見立てたサブゥがア
 ル目掛けてレッグ・ドロップを放ち(結構エゲつない攻撃でしたワ)、粘
 るアルを振り切っての激勝。しかも、なかなか見応えのある試合であっ
 たな、なんて思っていたら、いきなり普段着姿のテリー・ファンク御大が
 姿を見せ、サブゥ&ダミアンを急襲。加えて当初はアルと共闘していた
 テリー御大ですが、アルがサブゥに向けて振り下ろしたパイプ椅子が
 あろう事か自身の頭頂部へとめり込んだため、プッツンとブチ切れ。サ
 ブゥやアルどころか、勢い余ってレフェリーや観客さえも巻き込み駐車
 場へまで繰り出す大暴れですワ...。
EPsicosis vs. Juventud Guerrera vs. Jerry Lynn
  ECWの“劣勢遺伝子”を有する、ロブ・“AV会社のオーナー”・ブラ
 ック氏率いるXPW。2008年の現時点でXPWは絶賛空中分解中な
 んですが、これはそのXPWが存命中に行なわれた3WAY戦の試合
 映像(例によって収録日時等は不明)ですんや。あ、芸達者な3選手
 が絡んだ折角の映像なれど、何故かほとんど会場内の音声が収録
 されておらず、臨場感に欠ける事この上なしですワ。
FRey Misterio Jr. vs. Juventud Guerrera
  今度は90年代前半のメキシコ・マットと思われる試合映像。メキシ
 コ語の実況で“アレナ・メヒコ”なんて語句も飛び交っておる中、レイ・
 ミステリオ・ジュニア(現ミステリオ)とフヴェントゥ・ゲレーラが、各々
 のセコンド陣も巻き込んでの3本勝負を行っております。
GChris Benoit vs. 2 Cold Scorpio
  DやFと同様、本ボーナス・ディスクの目玉。Dと試合会場は異な
 るものの、どうやらこれも90年代前半のロス・アンジェルス地区での
 試合映像らしく、クリス“ワイルド・ペガサス”・ベノワが、2・コールド・
 スコーピオと一騎討ち。さてさて共に新日本プロへの留学経験もある
 2人の手合わせは、小さな会場で手持ちカメラを使って収録したため
 か、両選手の息づかいまで聞こえて来そうな生々しさ。試合はスコー
 ピオの電光石火の逆さ押さえ込みにて一応決するのやけど、試合結
 果云々やなくって、正にリング・サイドの特等席に座って試合を観てい
 るって感じさせる迫力ある映像にちょっくら痺れさせられましたワ。
HXPW World Heavyweight Championship :
 Shane Douglas vs. Vic Grimes
  E同様、これもXPWの試合映像。どうやら団体末期にXPWアリー
 ナ(元ECWアリーナ)で行なわれた試合の映像らしく、“フランチャイ
 ズ”シェーン・ダグラス師匠がXPW認定の世界王座を懸け、巨漢の
 グライムスと激突や。ただしファン・サービスに徹したつもりなのか、
 ダグラス師匠はグライムスからオモチャの七面鳥の人形をお尻に突
 き立てられてみたり、そのお返しにと1ドル札を工業用大型ホチキス
 を使ってグライムスの舌に打ち込んでみたり(!)と、らしくないファイ
 ト振りを披露。そこまで身を落として(失礼)XPWなんて糞団体を盛
 り上げたかったのかと思うと、何やらこっちは寂しい気分になってしも
 て...。


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