Virginia Beach, VA
 2000-08-18
 (DVD-R)
 収録時間:約1時間45分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。さてさて今回ご紹介するのは、20
08年4月期に発売された7タイトルの内の1タイトル。ヴァージニア州は
ヴァージニア・ビーチにて、2000年8月18日に開催された定期興行
模様を収録したものですんや。

@Bilvis Wesley & Prodigy (w/Prodigette)
 vs. Nova & Chris Chetti
  “天才児”がギミックのプロディジー、切れ味鋭いスープレックスを披
 露したものの、ノヴァ&チェッティのフィニッシュ・ムーヴである合体技
 を喰らっては3カウントを聞くのみ...。
 【注意】ジャケット裏にも表記されておりますが、この試合の映像は不
 完全版でして、試合の後半3分程度が納められているだけです。
ABallz Mahoney vs. Redd Dogg
  ECWマットの“椅子大王”マホーニー、折角振り上げたパイプ椅子
 なんやけどレフェリーに使用を咎められて...。ま、それならと気持ち
 を切り替え、パイル・ドライバーでレッド・ドッグ(ロドニー・マック:ジャズ
 姉さんの旦那?)を楽々フォールです。
 【注意】ジャケット裏にも表記されておりますが、この試合の映像は不
 完全版でして、試合の後半5分程度が納められているだけです。
BFBI (Little Guido & Tony Mamaluke) (w/Sal E. Graziano)
 vs. Christian York & Joey Matthews
  さてさてこの時期のECWの一番の話題って言ったら、8月25日に
 ニュー・ヨークのハマースタイン・ボールルームにて開催される事がア
 ナウンスされているワン・ナイト・タッグ・トーナメント。これ、多分当時
 ジャスティン・クレディブルと共にタッグ王者に就いていたランス・スト
 ームがWCWへ転籍したためタッグ王座が空位となってしまい、新
 たにタッグ王者組を選定する必要があった事から企画されたトーナ
 メントなんやと思いますが、勿論我等が“純血イタリア人軍”もピタリ
 とこのトーナメントに照準を合わせ、ライバル・チームの一つであるヨ
 −ク&マシューズに少しでもダメージを与えんと(苦笑)奮闘。ただし
 対戦相手が格下となると、途端に“おとぼけファイト”に終始しまうの
 が“純血イタリア人軍”のウィーク・ポイント(まァ、そこが彼等のチャー
 ムなんやけどね)。一応ヨ−ク&マシューズを下した“純血イタリア人
 軍”やけど、トーナメント本番では気を抜いたらアカンよ。
 【注意】ジャケット裏にも表記されておりますが、この試合の映像は不
 完全版でして、試合の後半5分程度が納められているだけです。
CJerry Lynn (w/Jazz) vs. C.W. Anderson (w/Swinger)
  スゥインガーのセコな介入に、リンのセコンドに付いていたジャズ姉
 さんの表情が徐々に険しくなり...。ジャズ姉さん、最後はリングへ
 上がり、リンが変形パイルでCWを仕留めるのとタイミングを合わせ、
 スゥインガーに強烈な顔面砕きを叩き込んでおりまっせ。
 【注意】ジャケット裏にも表記されておりますが、この試合の映像は不
 完全版でして、試合の後半5分程度が納められているだけです。
DPsychosis vs. Yoshihiro Tajiri
  1995年の中頃、WCWにクリス・ベノワやエディ・ゲレロ、ディーン
 ・マレンコらをゴッソリと引き抜かれたECW(って言うか、ポール・E)
 は、それならとメキシコのAAAから本場のルチャ・リブレを直輸入す
 る事を考え付き、『Extreme Lucha Libre』なんて大袈裟な看板を掲げ
 てECWアリーナでお客達にディスプレイ。で、その際に人気が爆発し
 たレイ・ミステリオ・ジュニア(現在のミステリオ)を上手く引き立ててや
 っていたのが、フヴェントゥ・ゲレーラや本試合でタジリと戦った“狂人
 仮面”のシコシス。けどベノワら同様、ミステリオやフベントゥやシコシ
 スもWCWに引き抜かれ、ここで“贅沢の味”を覚えたのか、2000年
 になってECWへと戦場を戻した(WCWから解雇された)シコシスか
 らは、かつての“グッド・ワーカー”振りが消え去っていたのは事実。
 なので今宵のタジリとの一騎討ちも余り期待せずに鑑賞し始めたの
 やけど、これが予想外の出来に。ウン、実際この試合と、この翌日(
 8月19日)のECWアリーナでの、同じくタジリとの対戦(こちらは以
 前『Deep Inpact』のタイトルで米国にて発売されたDVDに収録)が
 2000年版シコシスのECWでのベスト・マッチやないやろか。
 【追記】シコシスについてしか触れんかったけど、選手紹介時に天に
 向けて吹き上げた緑の毒霧一発で、お客のハートをガッチリ持って
 行ったタジリ。その人心掌握術は特筆ものやね。
○場面は変わって...
  マイキーとシニスターがグッズ売り場でせっせとサイン会を。
EHot Commodity (EZ Money & Julio Dinero & Chris Hamrick)
 vs. Tommy Deramer & Danny Doring & Roadkill
  この試合、元々はEZ&フリオ対ドーイング&ロードキルの顔合わせ
 やったのですが、“金満軍”のセコンドであるハムリックが何度も介入
 して来るため、それならばとドーイング&ロードキルにトミー・ドリーマ
 ーが助っ人として加勢(当時の定番ネタですな)し、改めて6人タッグ
 戦となったって寸法。ドリーマーが曲者のハムリックを引き受け、ロー
 ドキルとの連携技にてドーイングがフリオをフォールしました。
FRob Van Dam (w/Bill Alfonso) & Kid Kash
 vs. Da Baldies (Tony DeVito & Angel)
  当時、ECWが団体あげてパワー・プッシュしていたのがキッド・キャ
 ッシュ。で、どうやらキャッシュへの更なる追加支援措置として考え出
 されたのが、前述した8月25日のワン・ナイト・タッグ・トーナメントでの
 RVDとのチーム・アップ。って事で、本番を一週間後に控え、今宵は
 “暴走禿頭軍”との激突でウォーミング・アップとなったみたいですワ。
 尚、注目の試合ですが、歌を忘れたカナリアならぬ、“暴走”を忘れた
 (封印した?)“暴走禿頭軍”相手にRVDとキャッシュが伸び伸びと戦
 い、最後はRVDが満を持して5★スプラッシュを投下。そうか、キャッ
 シュをプッシュせんとアカンとは分かっていても、そこはやっぱり生ま
 れついての天上天下唯我独尊野郎RVD。フォール役だけは譲れん
 って事なんやな、なんてある意味微笑ましくも思ったら、あらあらRVD
 はフォール役までキャッシュに譲ってやって...。ウーン、これってR
 VDに限っては“負けブック”を承諾させるよりも困難な事やと考えるの
 ですが、一体バック・ステージで何があったんやろか。気になるなァ。
GScotty Anton (w/Lou E.Dangerously)
 vs. Steve Corino (w/Jack Victory)
  8月11日のフロリダ州はフォート・ローダーデル大会でボンクラ野郎
 のアントンからダブル・クロスを喰らったコリーノ。これでTNN一派との
 決別確定となったようで、ルー・Eに対して「ネットワーク(TNN局)をブ
 ッ潰してやる!」と豪語。そのまま憎きアントン成敗へと乗り出し、アン
 トンに半ケツの辱めを与えたまでは良かったのですが、最後にアントン
 からセル・フォン・ショットを喰らってしまい...。
 【追記−@】今宵はアントンの成敗に失敗したコリーノなんやけど、翌
 日(8月19日)のECWアリーナでの定期興行では、晴れてアントンを
 倒した、との記録がネット上に残っておりました。
 【追記−A】試合前のルー・Eとコリーノとのディベート合戦(ここらがキ
 チンとヒアリング出来たらなァ...)のネタの一つが、米国ではトップ・
 クラスに位置するロック・バンドであるスマッシング・パンプキンズのビリ
 −・コーガン氏。彼について7月22日のイリノイ州はペオリア大会でも
 ルー・Eとひと悶着起こした(ちなみにその時は、コリーノもルー・Eと一
 緒にコーガン襲撃に加わっておりましたが...)って下地があって、こ
 れが8月25日〜26日にかけて開催される連日興行(勿論ワン・ナイト
 ・タッグ・トーナメントも含む)でのビッグ&ビューティフル・アングルへと
 繋がって行くんですワ...。
HJustin Credible (w/Francine) & Rhino
 vs. Sandman & Chilly Willy
  8月12日のフロリダ州はセント・ピーターズバーグ大会で組まれ(サ
 ンドマンが獅子奮迅の活躍で見事勝利)、8月25日のトーナメント本
 番では予選第5試合で組まれる事となるカード。世界王座に就くジャス
 ティンとTV王座に就くライノが手に手を取り合った所謂“最強チーム”
 をトーナメントの本命とするなら、その“最強チーム”をセント・ピーター
 ズバーグ大会で打ち破ったサンドマン&チリーは、赤丸付きで調子が
 上向きの対抗馬ってところやろか。で、トーナメント本番を一週間後に
 控えて行われた今宵の“舞台稽古”ですが、序盤ライノがジャスティン
 の“カマを掘る”なんてベタベタなゲイ・ネタもあったものの、サンドマン
 がテーブルを持ち出し、ジャスティンが梯子を持ち出し、元々両人とも
 に竹刀(シンガポール・ケイン)を持参していたものやから、何やらリン
 グ上は8月27日開催のWWF(当時)のPPV『Summerslam 2000』で
 のTLC(テーブル&梯子&椅子)戦に一歩先んじたTLC(テーブル&
 梯子&竹刀)戦の様相に。しかもこれだけでは足りないと、サンドマン
 は場外鉄柵までをリング上に投げ入れ、遂にはそこにライノを叩き込
 んで、セント・ピーターズバーグ大会に続いての勝ち星をゲット。おぉ、
 これではトーナメントの本命はジャスティン&ライノやなしに、サンドマ
 ン&チリーですな。


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