Milwaukee, WI - Eagles Ballroom
 2000-06-23
 (DVD-R)
 収録時間:約2時間16分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。さてさて今回ご紹介するのは、20
08年4月期に発売された7タイトルの内の1タイトル。ウィスコンシン州
はミルウォーキーにあるイーグル・ボールルームってところで、2000年
6月23日に開催された定期興行の模様を収録したものですんや。

@EZ Money & Julion Dinero (w/Chris Hamrick)
 vs. Chris Chetti & Nova
  “金満軍”とチェッティ&ノヴァの顔合わせにて、今宵の定期興行はキ
 ック・オフ。まずは“金満軍”があれこれとマイクで喋りまくり、定石通り
 に客席のヒートを引き出す事に成功。リング・ベルが鳴れば、セコな介
 入をセコンドのハムリックが実行し、チェッティ&ノヴァ側もタッグ戦にお
 ける定番スポットの“ホット・タッグ”をやり遂げ(チェッティのローン・バト
 ル⇒ノヴァへのタッチって構図)、最後はチェッティ&ノヴァ組の合体技
 を喰らったマネーが敗退。ウンウン、ライヴのオープニングにピッタリの
 試合でしたな。
ASteve Corino (w/Jack Victory) vs. Kid Kash
  対戦相手のキャッシュを手玉に取り、観客席を手玉に取り、コリーノ
 がすいすいと余裕で試合構築。最後こそキャッシュの電光石火の逆さ
 押さえ込みに黒星となるフィニッシュでしたが、ドサ巡業でのキャッシュ
 相手のフォール負けにコリーノの値打ちが下がるでもなく...
○場面は変わって...
  今宵の定期興行、第3試合は“純血イタリア人軍”の軍団長で、かつ
 “シシリー島出身のシューター”であるリトル・グイドーと、日本国代表
 の我らがタジリの一騎討ち。先にリングに上がったグイドーが憎々しく
 花道のタジリを挑発し、タジリも表情を“作って”いると...
○TNN Opening
  「お取り込み中、すんまへんが...」と姿を現したのはお馴染みのジ
 ョーイ・スタイル&ジョエル・ガートナー。そう、タジリ対グイドーの一戦
 を差し置いて、今からTNN局による定期放送番組『ECW WRESTLING
 TNN』のネタ収録が行われるんです。で、今宵のネタは何かいなと注
 目していると、レフェリー用のストライプのシャツを着用し、TNNのロゴ
 が入ったマイクを持ったジェリー・リンがお出まし。TNN局の権力をバ
 ックに(当時、リンはTNN側に“限りなく”属しておりました)、正規のレ
 フェリーに変形パイルを見舞い、「この一戦、ワシが裁くワ」と発言や。 
BYoshihiro Tajiri vs.
 Little Guido (w/Tony Mamaluke & Sal E. Graziano)
 (Special Guest Referee : Jerry Lynn)
  って事で始まった、TNN側への寝返りが“濃厚”なリンを特別レフェリ
 ーに招いてのタジリ対グイドー。注目の試合は、まず両者共にグラウン
 ドで肩を極め合って火花を散らし、続いてタジリの振り下ろしたパイプ椅
 子をモロに喰らったグイドーが珍しくブレード・ジョヴ。勿論タジリは鮮血
 に染まるグイドーの頭部に丸ノコ蹴りを連発し、客席から“ECWチャン
 ト”を引き出す事に成功。ウンウン、やっぱりタジリとグイドーは手が合
 いますなァ。あ、試合はタジリの低空ドロップ・キックが不運にも(苦笑)
 リンの股間に誤爆。これを契機と巨漢のサルが介入し、これでタジリが
 惜敗するって形で幕となっております。
CDangerous Alliance (C.W.Anderson & Bill Wiles)
 (w/Lou.E.Dangerously & Elektra)
 vs. Simon Diamond & Swinger (w/Mitch & Prodigy
 & Prodigette & Musketeer)
 vs. Danny Doring & Roadkill
  どうやら正味で怪我をしているらしき、“アライアンス”所属のビル。後
 見人であるルー・E(←ポール・Eのコス・プレ野郎で、その正体は元ダ
 ッドリーズ専属太鼓持ちのサイン・ガイ・ダッドリー)も出来る事なら試合
 を免除して貰おうとでも思ったか、懸命の訴えをするのやけど、これは
 他のチームから全く受け入れて貰えず。さてさて、試合は一見するとタ
 ッグ方式の3WAYダンスに見えるのですが、その実態は大量のセコン
 ドも含め試合に絡む全員が全員、他人の足を引っ張りまくるって内容。
 なので高尚なスポットなんてのは期待してもダメでっせ。ただ、CW・ア
 ンダーソンが「何時までもこんな枠組みの中の一員ではやっとれん!」
 とでも言いだけに、怒りの表情で控え室に戻って行ったのが気になりま
 したな。ま、これはCWが“アライアンス”から抜け出し、“ピン芸人”へと
 向かう過渡状況って事なんでしょうな。
DGrudge Match : Francine vs. Jazz
  何時ものパンツ丸見えのミニ・スカ姿ではなく、エロいながらも一応は
 パンツ・ルックで“戦闘態勢”をとっているフランシーン嬢。そう、今宵は
 ジャズ姉さんとの一騎討ちらしいのですが、“プロレスIQ”は高いフラン
 シーン嬢も、ジャズ姉さん相手の実戦ではやっぱり及び腰。なのでここ
 はフランシーン側にジャスティン・クレディブル、ジャズ側にはトミー・ドリ
 ーマーを配し、男女混合タッグ戦でお茶を濁してみましたデ。あ、試合
 はジャズ姉さんがジャスティンに放った渾身のロー・ブローを上手く引き
 継ぎ、ドリーマーがジャスティンをフォール。しかし調子に乗ってジャズ
 姉さんに有刺鉄線を持って来いとドリーマーが指示を出したものの、こ
 れがとことん大誤算。突如姿を現したコリーノ&ヴィクトリーを始め、ジ
 ャスティンから竹刀と有刺鉄線を嫌になる程喰らい、哀れドリーマーは
 血の海に沈んでしまいました(ちょっとカミソリが深く入り過ぎましたな、
 ドリーマーさん...)。
EScotty Anton vs. Mikey Whipwreck
  5月14日放送のPPV『Hardcore Heaven 2000』ではRVDの復帰戦
 を、ダブル・クロスって最悪の形で彩ってみせたRVDの“大親友”スコッ
 ティ・アントン。当然これでRVDとの遺恨が勃発し、次回7月16日放送
 のPPV『Heat Wave 2000』で両者は一騎討ちをする事(注:この時点で
 正式にアナウンスされていたのかは不明)が決定や。で、行きがけの
 駄賃として今宵アントンに組まれたのがマイキーとの一騎討ち。黒人ら
 しからぬ固い身体と固い動きのアントン、観ている者に威力が全く伝わ
 って来ないサソリ固めでマイキーを下しておりますワ。
FChilly Willy vs. DeVito
 “暴走禿頭軍”のリーダー格(リーダー格って言っても、団員はエンジェ
 ルただ一人やけど)デヴィトが、最近ニュー・ジャック親分と歩調を合わ
 せてデカい態度をとっているチリーを撃沈。試合後にはエンジェルも出
 て来て、「ちょっとニュー・ジャックと仲がいいからって、調子に乗ってい
 たらアカンで!」とチリーを2人して蹂躙していると...。
GKing of the Streets Match :
 New Jack vs. Angel (w/Devito)
  突如場内には大音量で『ナチュラル・ボーン・キラーズ』がヒット!。そ
 う、皆様お待ちかねの“路上の王”ニュー・ジャック親分のお出ましでっ
 せ!。例によって例の如く、凶器でテンコ盛りのゴミ箱をリング内に投げ
 入れた親分。まずは工業用大型ホチキスとフォークにてエンジェルの額
 を真紅に染め、そのまま客席後方へとエンジェルを連れ出してタコ殴り。
 そして勿論最後は文字通り命懸けのバルコニーからのダイヴ特攻!
 【追記】親分の試合では珍しくないバルコニー・ダイヴなんやけど、今宵
 はちょっと打ち所が悪かったのか、親分もエンジェルもフラフラでリング
 に戻った後は自力では起き上がれぬ様子。控え室のモニターでこの状
 況を観ていたのか、慌ててポール・Eとスパイクも飛び出して来ました。
HECW World Television Championship :
 Rhino (w/Cyrus) vs. Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
  Eで触れた様に、目下のところスコッティ・アントンとの“物語り”が進
 行中であるRVD。けどライノの腰に巻かれているTV王者のベルトはR
 VDが長期間保持していたもの(負傷により返上)で、リング・アナから
 は“第1挑戦権保持者”と紹介されたところからも、RVDの最終目標が
 TV王座の奪回にある事は確か。で、ならば来るべき“本戦”に備えてド
 サで一度手合わせしてみよかと組まれた(多分)のがこの試合って寸
 法やろか。さてさて、パンテラの『ウォーク』をギンギンに鳴らして現れ
 たRVD。序盤はやや手探り状態であったものの、アルフォンソの投げ
 入れるパイプ椅子を使ってヴァン・ダミネーターを繰り出し、そろそろ試
 合も中盤の山場かな、なんて思っていたら、お邪魔虫のスコッティ・ア
 ントンの介入をキッカケ(試合はここでノー・コンテストに)に、コリーノ&
 ヴィクトリー、ジャスティン・クレディブルらがゾロゾロと現れて...。
○待ってました!、“ちょっと酒臭い桃太郎侍”
  竹刀を振りかざし大見得を切るジャスティンを笑って見過ごしてはお
 れぬと会場に現れ出たのは、“ちょっと酒臭い桃太郎侍”こと我等がサ
 ンドマン。ジャスティンを竹刀でボコボコに殴り倒し、早速缶ビールを持
 ち出して...。しかしサンドマンの酒宴が終わるまでリング上で伸びた
 振りをし続けなくてはならないジャスティンって、ちょっと哀れですな。


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