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Road Wars Vol.3 : The Illinois Invasion
(VHS-TAPE)
収録時間:約3時間45分 |
本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょ
っと怪しいプロレス・グッズの通販屋から1本12ドル(ワシは今回、某
国内個人商店より無償で借用)で発売されている『ECW Road Wars V
ol.3 : The Illinois Invasion』ってタイトルのブツですんや。で、その収録
内容なんですが、タイトルからもお分かりになる様にECWがドサ巡業
でイリノイ州へ出掛けた際の名場面&珍場面が、2倍速なんてワシら
に日本人には余り馴染みのないフォーマットを使ってVHSテープに丸
々4時間弱に渡ってランダムに詰め込まれているんです。では早速、
テープを再生してみましょか...。
○仲良し2人組の前説から...
テープを再生するといきなり画面に現れたのは『Rf-Video』と書か
れた社旗(?)を背にした2人組のオトコ。そう、この2人こそが『Rf-
Video』の悪の首謀者。向かって右側がワシの永遠のライバル、ロ
ブ・“少年の菊門が好物”・フェインシュタインで、左側がゲイブ・サポ
ルスキー(現ROHのオーナー&ブッカー)。2人して仲良く、本テー
プの見どころなどを説明しております。
@EZ Money (w/Chris Hamrick)
vs. Chilly Willy 6/24/00 Chicago
イリノイ州はシカゴ出身のご当地レスラーであるチリー。例によって
例の如くセコく試合に介入して来るハムリックをブッ飛ばし、EZをフォ
ール。ま、特段どうって事のない試合内容なんやけど、それでも大い
に盛り上がってくれる地元のファンはありがたいものですなァ。
ASuper Crazy vs.
Christopher Daniels 6/17/99 Chicago
クリストファー・“カレーマン”・ダニエルズのECWマットでの試合映
像。ネットで調べたところ、どうもダニエルズ(ノース・キャロライナ出
身)はイリノイ州シカゴに居を構えていた時期(今でも?)があって、
地元団体のWCPW(Windy City Pro Wrestling)に属していた事も。
で、何かの縁があってシカゴへドサに回って来たECWのマットに上
がったんでしょうな。注目の試合は名勝負製造マシンのクレイジーと
の一騎討ちで、クレイジーの万華鏡ファイトに翻弄されつつも、最後
は一瞬の逆さ押さえ込みでクレイジーから勝ち星をゲット。『Rf-Vide
o』のカメラ・マンに対し、「ワシ、なかなかエエ仕事をしたやろ?」っ
て感じで目線を寄せているクレイジーが何ともプリィ・グッドですワ。
ちなみにダニエルズ、この翌日である6月18日にはイリノイ州の東
隣に位置するインディアナ州はサウス・ベンドってところでの興行に
も出演。サイモン・ダイアモンドと組み、ダニー・ドーイング&ロードキ
ルと戦っているみたいでっせ。
BLou E. Dangerously & The Network confront
Billy Corgan of The Smashing Pumpkins 7/22/00 Peoria
当時のECWの定期放送番組であった『ECW WRESTLING TNN』
のネタ収録のコーナー。で、何時もならジョーイ・スタイルスが仕切
る本コーナーなんやけど、何と今宵花道に姿を見せたのは生ギタ
ーを抱えたスマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン。やおらリ
ングへと上がり、椅子に腰掛けて一曲歌おうとしたところ、やっぱり
出て来ましたデ、お邪魔虫が。そう、スティーヴ・コリーノ、ジャック・
ヴィクトリー、スコッティ・アントンを従えたルー・E・デンジャラスリー
(←ポール・Eのコス・プレ野郎で、その正体は元ダッドリーズ専属
太鼓持ちのサイン・ガイ・ダッドリー)でして、ルー・Eはマイクを握る
と憎々しくコーガンに詰め寄り、「お前の音楽なんてクソだ、とっとと
ここから出て行け!」とケチを付け出す始末。当然ルー・Eの頭には
コーガンの振り下ろす生ギターがガツンとメリ込むんやけど、それを
黙って見逃すコリーノらやおまへん。で、早速コリーノとアントンがコ
ーガンを取り囲むと、これは一大事とトミー・ドリーマーとジェリー・リ
ンもリング・イン。即刻両軍はキナ臭くなり、ドリーマーの発案にて、
今宵のメインで両軍がエニイウェア・ルールのデス・マッチで激突す
る事が決定や!。
CGorgeous George debuts in ECW 6/24/00 Chicago
ゴージャス・ジョージ嬢(イリノイ州ロック・フォードの出身なんやて)
のECWマット初登場の映像。リングに上がった途端、フランシーン
嬢にシバき回されております。
DECW World Heavyweight Championship :
Justin Credible (w/Francine)
vs. Kid Kash 7/21/00 Decatur
リングに上がるなり、罵詈雑言を浴びたジャスティンとフランシーン
嬢。これではやっとれまへんと控え室に引き返す素振りを見せ、更
にお客を煽ります。で、試合になればテーブル・クラッシュやフランシ
ーン嬢の黒T・バック姿も盛り込んで、ふと気が付けばキチンとベル
トだけは防衛。はいはい、これぞ水も漏らさぬ王者像ですな。
EECW World Heavyweight Championship :
Taz vs. Rhino (w/Steve Corino) 6/17/99 Chicago
「殺れるモンなら殺ってみい。絶対に死ねへんデ!」と得意の台詞
を吐いたタズ。ライノのパワー・ボムを受けてもスクッと立ち上がって
中指を突き立て、T・ボン・タズ・プレックス(恐ろしい切れ味)、コーナ
ーに立て掛けたテーブルへ向けてのジャーマン・スープレックスと続
けてライノに喰らわせて、あっさりとタズ・ミッションにてチョーク・アウ
ト。いやはやこの頃のタズの強さ、半端やおまへんな。
FECW World Television Title Match :
Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
vs. C.W. Anderson 6/24/00 Chicago
地味で渋いCWを相手にTV王座防衛戦に臨んだRVD。CWの見
せ場もそれなりに設けて、最後はヴァン・ダミネーターから5☆スプラ
ッシュで完勝。RVD、得意のポーズで勝ち鬨を上げていると...。
GECW World Television Title Match :
Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
vs. Sabu (w/Bill Alfonso) 6/24/00 Chicago
突如リングに上がって来たのはサブゥ。どうやらRVDに対し、試合
をせんかいとゴネているようでして、これがアッサリと認められ、番外
戦が突如開始。さてさて試合ですが、共に持ちネタは全部披露した
いタイプであり、相手の事などは少しも考えず、我先にとネタ合戦。
無法介入して来たライノとクリス・キャンディードのお陰でどうやら無
効試合となってしまいましたが、サブゥとRVDが絡むと何時もこんな
調子ですなァ。尚、試合中にパイプ椅子を踏み抜き右足を痛めたサ
ブゥに対し、RVDは執拗な右足攻撃。ウワッ、結構RVDって残酷な
奴やないの、なんて思っていたら、RVDは頭に血が上ったのか、一
瞬右足ではなく、サブゥの左足を攻める場面がありました。で、モニ
ター画面の前でワシが苦笑していると、まさかその笑い声がサブゥ
に届いたのでもないやろけど(苦笑)、サブゥはRVDに攻められつつ
も、「違う違う!、反対側の足を攻めんかいな」と冷静に指示...。
ウンウン、なかなかハート・ウォームな場面を見せて貰ったデ。
HJerry Lynn vs. Tajiri 6/24/00 Chicago
TNN局差し向けの番組検閲員ギミックを熱演中のサイラスに緑の
毒霧を吹き、その余勢を駆って難敵リンまで撃沈。タジリ、絶好調。
IFalls Count Anywhere Death Match :
Tommy Dreamer & Jerry Lynn
vs. Steve Corino (w/Jack Victory)
& Scotty Anton 7/22/00 Peoria
上記したBでのドタバタ騒動が発端となって急遽(苦笑)組まれた
エニイウェア方式のタッグ・デス・マッチ。まずはドリーマーとアントン、
リンとコリーノの組み合わせでいきなり客席の奥へと分け入ってド突
き合いを演じ、お客のハートをガッチリと鷲掴み。また、ここでは珠玉
のブレード・ジョヴを見せてくれるコリーノにも要チェックでっせ。試合
は中盤、ドリーマーが自ら控え室より持ち込んだ大型の梯子を使い、
そこに自身の額や股間を打ち付け、『暴力の発明家』の由縁をほん
の少しだけやけど披露。そしていよいよ試合も終盤。自軍の劣勢を
悟ったヴィクトリーがカウ・ベル(あのダスティ・ローデスが元々の所
有者で、今は理由あってコリーノが所有)を手にリングに上がったと
ころ、その背後に現れたのは、Bのドタバタ劇の主人公であったビ
リー・コーガン。コーガン(コーガン、コーガンと何度も書くと、どうして
も睾丸を思い出してしまうなァ...)、身を挺してヴィクトリーの介入
を阻止し、これがドリーマー&リンの逆転勝利へと直結や。ま、正直
なところ、若干ですがこれがデス・マッチかいな、なんて憎まれ口を
叩きたくなる場面もあったものの、リングの真ん中に立てた大型梯
子にドリーマー、リン、コーガンの三人が登って堂々勝ち鬨を上げて
いる様子を見ると、やっぱりドサ巡業の締めはハッピー・エンドに限
るな、なんて呟くワシが居て...。
JECW World Tag Team Title Match :
The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
(w/Joel Gertner & Sign Guy Dudley)
vs. Balls Mahoney & Spike Dudley 6/17/99 Chicago
無闇な大流血に、ニュー・ジャック親分顔負けのスパイクによるバ
ルコニー・ダイヴ。締めはマホーニーを火炎画鋲テーブル葬と、ドサ
でもやる時はとことんやるのもECWか。尚、ダッドリーズの腰巾着
であるジョエル・ガートナーが、まるでミイラ男のごとく顔面を包帯&
絆創膏でグルグル巻きにしているのは、5月16日に放映されたPP
V『Hardcore Heaven 1999』においてマホーニーの火炎攻撃を顔面
に受けたためでして、今宵マホーニーはその報復を受けたってとこ
ろでしょうな。
KECW World Heavyweight Championship :
The Sandman vs. Justin Credible (w/Francine) 6/24/00
上記したCでのドタバタ騒動が下地にあっての世界王座戦。マリ
ー嬢、ダスティ・ローデス、コリーノ&ヴィクトリー、ゴージャス・ジョー
ジ嬢、スコッティ・アントン、レイヴェン、ライノ、ドリーマーと、豪華絢
爛な客演陣がガンガン介入して来る試合構成で、観ている者を飽き
させまへん。
LECW World Tag Team Title Match :
Mike Awesome (w/Judge Jeff Jones)
vs. Spike Dudley 11/18/99 Chicago
小柄なスパイクをどれだけボコボコに出来るか。それだけがテー
マである世界王座戦。ま、やる側のオーサムも、やられる側のスパ
イクも、そこら辺りは勿論先刻承知。序盤からテーブルが破壊され、
最後も雪崩式のアッサム・ボムでスパイクがテーブルに沈んで文字
通りの玉砕。スパイク、お疲れさん。早く控え室に戻って、ご禁制の
鎮痛剤でもキメて下さいな。
MRob Van Dam vs. Little Guido (w/Tony Mamaluke
& Sal E. Graziano) 6/24/00 Chicago
グイドー・ファンのワシには嬉しい顔合わせの一戦。グイドー、RV
Dを相手に、何時もの“おとぼけファイト”は極力廃し、“シシリー島出
身のシューター”ギミックを節目でチラつかせて、最後はRVDの必殺
フル・コースをキッチリと喰らって敗退や。ウンウン、相変わらずのグ
ッド・ワーカー振りですな。
NTommy Dreamer & Danny Doring & Road Kill
vs. C.W. Anderson & Simon Diamond & Swinger
7/21/00 Decatur
ぶっちゃけ、ドサ巡業のカーテン・コールにありがちな6人タッグ。ド
リーマーとサイモンなんて、広い会場の一番奥まで雪崩込んでの大
サービス振りでっせ。そうそう、ドサでお客を満足させるには、これが
一番手っ取り早くて効果的やモンね。
OSteve Corino crashes a Limp Bizkit concert
in Peoria 11/20/99
掛け値なしで本テープの白眉。ここには99年11月20日にイリノ
イ州はペオリアってところで開催されたリンプ・ビスキットのコンサー
トをスティーヴ・コリーノが襲撃した際の一部始終を撮影した、所謂
“素材テープ”が収められておりますんや。さてさてこの襲撃事件、
当時TNN局が放送していたECWの定期番組『ECW WRESTLING
TNN』の第15週目放送分用のネタとして編集された映像が、99年
12月3日に全国放送もされておるんやけど、多分『Rf-Video』側が
撮影したのやと思われるこの“素材テープ”は、正直確かに冗長な
箇所もあるものの、なんとなんと30分にも渡るフル・ボリューム!。
コンサートの真っ最中なのに堂々とステージに上がり、リンプのメン
バー(ごめん、このバンドの事は詳しくないんです...)に難癖を付
け、追ってステージに現れたニュー・ジャック親分、アクセル・ロット
ン、ボールズ・マホーニーから一撃を喰らい、大観衆が見守る他人
様のステージ上で珠玉のブレード・ジョヴを決めるコリーノの雄姿は
勿論、ちょっとしたプロモを撮り終えて素に戻る瞬間のコリーノの横
顔なんて堪らんものがおまっせ。しかしいくらビジネスとして話が付
いていようと、ブート音源やブート映像には厳しいはずの米国音楽
業界を相手に回して、よくもこんな映像が発売できたよなァ...。
とりあえず、これぞブートもの鑑賞の醍醐味と感謝すると共に、改
めてブート屋『Rf-Video』の怖い物知らずさには脱帽ですワ。
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