Enter the Sandman 1995
 South Philadelphia, PA - ECW Arena 1995-5-13
 (VHS-Tape)
 収録時間:約2時間7分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』って少
々怪しいプロレス・グッズの通販屋が1本10ドル(在庫処分なのか、
2008年3月期より20ドルから10ドルに大幅値下げされた)で発売
している、ECWによる1995年5月13日開催のフィラデルフィアは
ECWアリーナでの定期興行『Enter the Sandman 1995』の全容が
納められた代物ですんや。さてさてこのテープ、『Rf-Video』の商品
紹介によると当時興行会場にて販売されていた“オリジナル”だそ
うでして、それが証拠にテープは白箱に収められ、あのトミー・ドリ
ーマーのサインまでが入っているって逸品。なるほど映像は無法ダ
ヴィング・テープに比べると少々マシに感じられるし、サインを書い
たのがドリーマー本人であると信じ、そろそろレビューでもしたため
てみましょか...。

@Tony Stetson vs. Hack Myers
  4月8日開催の定期興行『Three Way Dance 1995』にてレイヴ
 ェン一家からホットボディと共にお払い箱となったステットソンと、
 前座の人気者ハック・マイヤーズの顔合わせで今宵の定期興行
 はキック・オフ。さてマイヤーズと言えば、何か攻撃を繰り出す度
 に会場から“シャー!”の掛け声が掛かるのがお決まりで、加え
 て悪乗りした客席からはステットソンの攻撃の際には“シェー!”
 なんて掛け声も掛かって...(苦笑)。尚、試合は“シェー!”で
 はなく、“シャー!”の方に凱歌が上がって幕となっております。
ATazmaniac & 911 (w/Paul E.Dangerously)
 vs. The Oriental Connection
 (Tsubo-Genjin & Hiroyoshi Iekuda)
  オリエンタル・コネクション(つぼ原人は分かるけど、パートナー
 の“Hiroyoshi Iekuda”って一体誰やろ?。詳しい方、お教えいた
 だけないでしょうか)をタズマニアックがスープレックスで、911が
 チョーク・スラムで楽々粉砕。ま、ただそれだけの試合ですワ。
 【追記】確かにただそれだけの試合なんやけど、これがタズマニ
 アックって“原人ギミック”での最後の試合となると、ちょっと値打
 ちも違って来るやろか。あ、タズが“原人ギミック”を止めた理由っ
 て、つぼ原人を見て「アカン、ネタが被っているやんけ!」なんて
 思ったためやないやろね(苦笑)。
BBarbed Wire Baseball Bat & Barbed Wire Chair Match :
 Axl Rotten vs. Ian Rotten
  95年1月7日開催の定期興行にて勃発したアクセルとイアンの
 骨肉の争いは何度戦ってみても一向に決着されず(ま、そやから
 プロレスは面白いんやけどね)、今宵もアクセルとイアンが激突す
 るってカードがマッチ・メイク。で、まずは試合に先立ちアクセルが
 マイクを握って一席。お題はどうやらイアンとの血塗られた連戦が
 TVの倫理規定に抵触するって事と、フロリダでのドサ巡業が楽し
 くなかった事のようですワ。すると、「何時までも何をボヤいとるん
 じゃ!」とイアンがいきなりアクセルに仕掛け、今宵のご両人の一
 騎討ちは華々しく幕開け。試合は有刺鉄線バットと有刺鉄線パイ
 プ椅子が飛び交う物騒な代物で(またもやTVの倫理規定に抵触
 するのは確実...)、例によって例の如くアクセルもイアンも大流
 血。最後はフィニッシュを狙って繰り出したイアンのヒップ・ドロップ
 をアクセルが有刺鉄線バットで迎撃し、イアンが股間&肛門付近
 を手で押さえつつ悶絶死...(悲惨で、加えて間抜けですなァ)。
○フランチャイズさんのお出ましです
  4月15日開催の定期興行『Hostile City Showdown 1995』では
 純白のパンツ丸出し状態でドリーマーによって墓石式のパイル・
 ドライバー葬にされたビューラ嬢。まだその時の痛みがひかない
 ためか、ご丁寧に首にギプスを巻いてレイヴェンやリチャーズにく
 っ付いて登場。で、これからレイヴェン&リチャーズ対ドリーマー&
 マイキーのタッグ戦が始まるかと思ったら、ここに“フランチャイズ”
 ・シェーン・ダグラス師匠がお出まし。ダグラス師匠、4月15日開
 催の定期興行『Hostile City Showdown 1995』ではサンドマン相
 手に世界王座の防衛戦を行い、ウーマン女史のダブル・クロスを
 喰らって見事に王座から転落し、直後に“裏事情”に通じたファン
 から『マンデー・ナイト・ロウ』のTシャツを手渡され、少しも悪びれ
 る事なくそのTシャツを着用。これでWWF(当時)から誘われてい
 るってトップ・シークレットが公然の事実となったばかり。勿論客席
 からは非難の声も上がるんやけど、ダグラス師匠はそんなものは
 全く意に介さず、得意のマイク・パフォーマンスを披露(ここら辺り、
 ヒアリングが出来たなら、本ビデオが100倍楽しめるんやけど)。
 またそこに“特権執行&上級”レフェリーのビル・アルフォンソや、
 “ECW初代オーナー”タッド・ゴードンまでが絡んで...。
 【追記】これがどうやらビル・アルフォンソのECW初登場のシー
 ンだそうです。
CRaven (w/Beulah McGillicutty) & Steve Richards
 vs. Tommy Dreamer & Mikey Whipwreck
  ダグラス師匠が喋るだけ喋った後にドリーマー&マイキーが出
 て来て、遺恨深まるレイヴェン一派とドリーマー組のタッグ戦がや
 っとこさで開始。ただ4月15日開催の定期興行『Hostile City Sh
 owdown 1995』では頭に血が上ったドリーマーがレフェリーにDD
 Tを見舞うって暴走行為を行っており、これがイン・プットされてい
 るのやろね、今宵の“特権執行&上級”レフェリーのビル・アルフ
 ォンソはやけにルールに厳格(笑)。レイヴェン1本狙いで仕掛け
 るドリーマーの気勢を都度削ぎ、最後もワシの静止を振り切って
 レイヴェン鉄拳に見舞ったと、ドリーマーに反則負けを宣告や。
 当然ドリーマーは文句を付けるんやけど、アルフォンソはまたもや
 厳格な態度(笑)でこれを却下。するとこの様子を見ていたダグラ
 ス師匠が現れ、八方塞り状態のドリーマーを小馬鹿にし始めて。
 けど今度はここに、そんなアルフォンソ&ダグラス師匠の言動を
 快く思えぬカクタス・ジャックまでが一枚噛んで...。
DECW World Television Championship :
 Eddy Guerrero vs. Dean Malenko
  4月15日開催の定期興行『Hostile City Showdown 1995』に
 てECWアリーナの常連客を熱狂の坩堝へ叩き込んだエディとマ
 レンコの一騎討ち。多分お客達からのリクエストもあったのやろう
 し、何よりもまずプロデューサーのポール・E自身がもう一度2人
 の手合わせを観たかったのでしょうな、TV王座を懸けた激突が
 再度ブックされました。さてさて、マスクを脱いだ“暗闇の虎”(←
 コスチュームはまんま、2代目ブラック・タイガーやんか)って井出
 達が涙を誘う今宵のエディ。序盤は打投極とU・イズムで攻め込
 むマレンコに青息吐息やったけど、極上品のクローズ・ライン相討
 ちスポットを経た頃から、そろそろペースもエディの側へ。で、エデ
 ィ渾身の足四の字(これまた泣ける展開や)がガッチリとマレンコ
 の足を捕らえたところで、今回も当初の規定時間(30分)はあっ
 さりオーバー(この映像は数箇所カットのある約15分の編集版)
 となり、辛くもTV王座のベルトはエディが防衛ですワ。
 尚、ネット上の記録によるとこの夜、エディはマーティ・ジャネッテ
 ィ(ショーン・マイケルズのかつての相棒)相手に、再度TV王座
 戦を行い、ジャネッティをも撃破したらしいんやけど、本VHSテー
 プにはその試合は未収録。ウーン、ホンマにそんな試合が当日
 行われたのやろか?。ぶっちゃけ、疑わしい限りやなァ...。
 【追記】ECWマットでのエディとマレンコの名勝負数え歌の全容を
 手早く知りたいのなら、『RF-VIDEO』が編集した『The Super New
 Malenko vs. Guerrero Classic』ってVHSテープがお勧め。4時間
 以上に渡っても詰め込まれたプロレス絵巻、ご賞味あれ。
○タズのギミック・チェンジ記念プロモ
  ちなみに今宵の興行ではまだタズマニアックと呼ばれておりまし
 たが、多分この直後に“原人ギミック”のダスマニアックから、“シ
 ュート・ファイター・ギミック”のタズへとモデル・チェンジが図られる
 んです。って事で、ここにはギミック・チェンジの記念プロモが。
EECW World Heavyweight Championship :
 Sandman (w/Woman) vs. Cactus Jack
  4月15日開催の定期興行『Hostile City Showdown 1995』にて
 ダグラス師匠を撃破し世界王者に返り咲いたサンドマン、カクタス
 ・ジャックを相手に防衛戦に打って出る事に。さてこの両者、今回
 のECWアリーナでのタイトル戦に至るまでに、フロリダ巡業でも
 血生臭い一騎討ち(詳しくは英国で発売されたPAL方式のDVD
 『Mental !』を参照下さい)を行っており、言わば共に「掛かって来
 んかい、何時でもやってやる!」状態。よってリング・ベル早々、ド
 突き合い、蹴り合いとなっても仕方のないところ。で、カクタスが有
 刺鉄線を自らの腕に巻き、これをサンドマンにガンガンと叩き付け
 フォールの体勢へ。すると何処からともなく現れたダグラス師匠が
 ダウンするサンドマンの足をサードロープに乗せてしまって。さぁ、
 十中八九手にした世界王座が、ダグラス師匠の悪行によってスル
 ッと掌から零れたカクタス。猛然とダグラス師匠に食って掛かるも
 背後が無防備となり、そこにサンドマンのロー・ブローが...。   
FECW World Heavyweight Championship :
 Sandman (w/Woman) vs. Shane Douglas
  カクタスの王座奪取を阻んだダグラス師匠、何故か今度は自ら
 がサンドマンの王座に挑む事に(多分、先のマイク・アピール等に
 ここに繋がるヒントもあったのやろけど...)。さてサンドマンとダ
 グラス師匠ですが、4月8日開催の定期興行『Three Way Dance
 1995』、一週間後4月15日開催の定期興行『Hostile City Showd
 own 1995』と連続して世界王座戦を行い、二度ともウーマン女史
 のダブル・クロスってネタを仕込んで、その度にベルトの持ち主と
 ウーマン女史のご主人様がコロコロ変わるって、まァ何とも困った
 戦い模様を繰り広げて参りました。で、三度目の正直となった今
 宵の対戦。まさかまたまたウーマン女史がダブル・クロスをしよる
 んやないやろなって思っていましたが、ダグラス師匠は随所に“フ
 ランチャイズ”って肩書きが伊達ではない戦い振りを披露し、本日
 2戦目となるサンドマンを攻め立てて、遂にフィニッシュ狙いのベリ
 ー・トゥ・ベリー・スープレックスを投入。ただサンドマンもこれを掟
 破り(←なんや知らん、新日みたいやなァ)のベリー・トゥ・ベリー・
 スープレックスで返してダグラス師匠をフォール。しかしダグラス
 師匠、余裕を持って自らの足をサード・ロープに...。と、何処か
 らともなく現れたカクタス・ジャックが、ダグラス師匠の足をサード・
 ロープから外してしまって...。ウーン、因果応報とはよく言った
 もので、ダグラス師匠はカクタスにEでのシッペ返しを喰らってし
 もたみたいですな。尚、「アカンアカン、ワシはカクタスのズルをこ
 の目で見たデ!」と“特権執行&上級”レフェリーのビル・アルフ
 ォンソがクレームを付けるも、ジョン・フィネガン主審はアルフォン
 ソの試合続行要求を自信を持って却下。追ってマレンコ、ドリーマ
 ー、レイヴェン&リチャーズもリング上に出て来て各々勝手にド突
 き合いをおっ始め......。
GDouble Dog Collar Match :
 ECW World Tag Championship :
 Peblic Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
 vs. Pitbulls (w/Steve Richards)
  4月15日開催の定期興行『Hostile City Showdown 1995』にて
 行われたタッグ王座戦のリ・マッチ。“ECW初代オーナー”タッド・
 ゴードンの発案により今宵は犬の首輪戦や。ピットブルの1号とジ
 ョニー・グランジが、ピットブルの2号とロッコー・ロックが、各々犬
 の首を装着して太い鎖で繋がれたところでリング・ベル。その形
 式からどうしても動きに制約がある犬の首輪戦やけど、両チーム
 共にそんなモノは気にせんと場外戦はやるし、テーブルはドンドン
 破壊するし、挙句の果てには会場奥の機材置き場に雪崩込んで
 高所落下スポットの競演までを披露してくれました。で、最後は1
 号がスーパー・プレックスでグランジを、2号の放った雪崩式のベ
 リー・トゥ・ベリー・スープレックスを咄嗟に切り替えしたロッコーが
 2号を、各々同時にフォール(おぉ、なかなか高尚なスポットや)。
 しかしレフェリーはロッコーが2号をフォールするところだけしか見
 ておらず...。
○またもやビューラ嬢が赤っ恥...
  「おいおい、お前は何処を見とるんじゃ!」とピットブルズの飼い
 主であるレイヴェン&リチャーズがリング・イン。しかし懸命の訴え
 も届かぬと分かると、今度はピットブルズとツルんでパブリック・エ
 ネミーをタコ殴り。と、レイヴェン憎しとドリーマーまでが姿を見せ、
 レイヴェン一派に一直線。けどこれはやっぱり多勢に無勢。ドリー
 マー、レイヴェン一派に軽々返り討ちを喰らい、その様子を見て満
 足気にしているのがビューラ嬢。4月15日開催の定期興行『Hos
 tile City Showdown 1995』では純白のパンツ丸出し状態でドリー
 マーによって墓石式のパイル・ドライバー葬をされたんやからそれ
 も当然なんやけど、ここに蹂躙されるドリーマーを見捨てておられ
 ぬと現れたのがルナ・バション姉さん!。由緒正しき狂犬一家の
 血筋全開でレイヴェン&リチャーズを蹴り飛ばしてしまいましたワ。
 で、ふと気が付くと、一人リング・サイドに取り残されたのはビュー
 ラ嬢。こうなれば、次の展開は皆さんもお分かりになるでしょ?。
 ビューラ嬢、ドリーマーによって前回とは真逆の真っ黒なパンツを
 四方のお客に晒された上で、またもや墓石式のパイル・ドライバ
 ーをガツンと一発...


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