Hostile City Showdown 1995
 South Philadelphia, PA - ECW Arena 1995-4-15
 (VHS-Tape)
 収録時間:約1時間58分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』って少
々怪しいプロレス・グッズの通販屋が1本10ドル(在庫処分なのか、
2008年3月期より20ドルから10ドルに大幅値下げされた)で発売
している、ECWによる1995年4月15日開催のフィラデルフィアは
ECWアリーナでの定期興行『Hostile City Showdown 1995』の全
容が納められた代物ですんや。さてさてこのテープ、『Rf-Video』の
商品紹介によると当時興行会場にて販売されていた“オリジナル”
だそうでして、それが証拠にテープは白箱に収められ、トミー・ドリ
ーマーのサインまでが入っているって逸品。なるほど映像は無法ダ
ヴィング・テープに比べると少々マシに感じられるし、サインを書い
たのがドリーマー本人であると信じ、そろそろレビューでもしたため
てみましょか...。

@Stevie Richards (with Raven) vs.
 Mikey Whipwreck (with Hack Myers)
  ヘタレ同士の迷勝負数え唄(失礼)。リング・ベル早々のレイヴェ
 ンによる介入にマイキーがブチ切れ。それならワシもと控え室にと
 って返し、“シャー”ハック・マイヤーズを連れて戻って来よりました
 んや。試合はマイキーのフランケンで決着したけど、例によって後
 見人同士のイザコザが勃発し、最後はピットブルズ(レイヴェン派)
 やパブリック・エネミー(ピットブルズと反目)までが絡んでめちゃく
 ちゃになってしまいました。ま、これはメインで行われるピットブル
 ズとパブリック・エネミーとのタッグ王座戦への煽りってとこやな。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『Mental !』
 にも収録されております。
ATony Stetson vs. Tsubo-Genjin
  一週間前、4月8日開催の定期興行『Three Way Dance 1995』
 にてレイヴェン一家からホットボディと共にお払い箱となったステ
 ットソンと、つぼ原人(←当時は藤原組所属でOK?。ワシはここ
 ら辺りには全く興味がなく、つぼ原人って選手もこの映像で初め
 て動くところを見ました)の一騎討ち。麦わら親父のヒートをキチ
 ンと買い、つぼ原人がステットソンを下しております。
 【追記】つぼ原人ってマレンコ道場に留学していたらしいから、そ
 のラインで参戦したのか、はたまた今回の参戦をキッカケにマレ
 ンコ道場とコンタクトしたのか。とにかく当時、マレンコ道場って言
 ったらひとつの確立された“ブランド”でしたよなァ...。
BBad Breed Death Match :
 Axl Rotten vs. Ian Rotten
  95年1月7日開催の定期興行にて勃発したアクセルとイアンの
 骨肉の争いは何度戦ってみても一向に決着されず(ま、そやから
 プロレスは面白いんやけどね)、ちょうど一週間前、4月8日開催
 の定期興行『Three Way Dance 1995』ではヘア・カット戦に敗れ
 たイアン・ロットンがつるっパゲにされたばかり。で、やっぱり今宵
 も組まれた一騎討ち。まずは試合前、勢いに乗るアクセルがゴミ
 箱の中からあれこれと凶器を取り出し、「お前等、今夜はどの凶
 器が見たいんや?。皮紐か?、バットか?、それとも有刺鉄線バ
 ットか?」などとお客を煽っていると、背後からイアンが急襲。虚を
 突かれたアクセル、自ら取り出した革紐、バット、有刺鉄線バット
 のフル・コースをこってりと味わう羽目に。あ、試合はテンコ盛りの
 凶器とテンコ盛りの流血の末、イアンがアクセルを撃破。アクセル
 に切り落とされた髪の毛の恨みをちょっとだけ晴らしております。
○場面は変わって...
  レイヴェンやビューラ嬢、コメンテイターのジョーイ・スタイルスに
 囲まれてスティーヴィ・リチャーズがトミー・ドリーマーを堂々挑発。
 曰く、「3月18日の定期興行でも、4月8日の定期興行でもレイヴ
 ェンに負けたのに、まだ戦いたいってか?。ホンマ、キチガイ沙汰
 やなァ。今夜もレイヴェンはお前を再び磔に処すデ!」
CRaven (w/Beulah McGillicutty & Steve Richards)
 vs. Tommy Dreamer
  そこまでヘタレのリチャーズに言われてしもてはドリーマーも黙っ
 ておれまへん。お客のサポートと燃える復讐心を糧に、一直線に
 レイヴェンに飛び掛り試合は幕開き。ただ場外乱闘を優位に進め
 たドリーマーですが、やっと今夜こそレイヴェンを打ち破るかと思っ
 ていたのやけど、どうにも決定打が出まへん。で、そうこうする内
 にリチャーズの介入で冷静さを欠いた(笑)ドリーマー、あろう事か
 レフェリーにDDTを見舞って反則負けに...。あ、破れかぶれの
 ドリーマー、試合後にリング上に出て来たビューラ嬢(←皆さん既
 にご存知でしょうが、現在はドリーマーの本当の奥さんになっとり
 ます)を純白のパンツ丸出し状態で墓石式のパイル・ドライバー葬
 にして鬱憤晴らしを。以降、ECWマットにおいて何度も再演され
 る名物エロ・スポットの、多分これが第1回目やと思いますワ。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『Mental !』
 にも収録されております。
DECW World Television Championship :
 Eddy Guerrero vs. Dean Malenko
  2005年11月13日、帰らぬ人となってしもたエディ・ゲレロ。そ
 の芸歴は長く、しかもあちこちの団体を渡り歩いた事もあって、名
 勝負ってのもこれまた数え切れぬ程あるやろ。けど、そんな彼が
 僅かばかり在籍したECWにおいて、ディーン・マレンコ相手に繰
 り広げた連戦ってのが、バーン・ガニアvs.ビル・ロビンソン、ドリー
 ・ファンク・ジュニアvs.ジャック・ブリスコ、リック・フレアーvs.リッキ
 ー・スティムボートらの名勝負数え歌と同等以上に並び賞されて
 いるのを、皆様はご存知であったでしょうか。さてさて、ここに収め
 られたのはその連戦の初戦。一週間前、4月8日開催の定期興
 行『Three Way Dance 1995』にてスコーピオを破りTV王座を手に
 したエディに、“シューター”ディーン・マレンコが挑むって構図や。
 で、その試合内容なんやけど、マレンコによるリバースのインディ
 アン・デス・ロックから入る変形の逆さ波乗り固め、エディによる超
 変形逆エビ固め〜STF、マレンコ十八番のテキサス式四葉固め
 に、ゲレロ家伝統のゴリー・スペシャルを巡る攻防と、規定の25
 分間はアッという間に過ぎて(多分、予定通りの)時間切れの引き
 分け。エディは勿論、客席からの「頼むから、5分延長してや!」
 ールを完全無視し、表情ひとつ変えず(あ、何時ものことか)リング
 を下りるマレンコは何て渋いんやろね。ウンウン、伝説の連戦の
 初戦に相応しいグッド・マッチでしたな。
 【追記】さすがにこの名勝負はアチコチのDVD等に収録されとりま
 すが、ECWマットでのエディ対マレンコの名勝負数え歌の全容を
 手早く知りたいのなら、『RF-VIDEO』が編集した『The Super New
 Malenko vs. Guerrero Classic』ってVHSテープがお勧め。4時間
 以上に渡っても詰め込まれたプロレス絵巻、ご賞味あれ。
EECW World Heavyweight Championship :
 Sandman vs. Shane Douglas (w/Woman)
  一週間前、4月8日開催の定期興行『Three Way Dance 1995』
 でも組まれていたサンドマンとダグラス師匠の世界王座戦やけど、
 その試合の土壇場で起こったウーマン女史のダブル・クロス劇に
 より、ベルトはサンドマンからダグラス師匠へ。加えてウーマン女
 史のご主人様もベルト同様、サンドマンからダグラス師匠へ変更
 となっているところが本試合のミソ。って事で始まった、サンドマン
 による復讐戦ですが、試合はやっぱり上り調子のダグラス師匠の
 ペースで進み、スタンディングのチキン・ウィングをダグラス師匠が
 サンドマンにガッチリと決めた事で、あァこれにて終わりやなと誰も
 が思ったはず。けど、なんとまたまたここでウーマン女史がダブル
 ・クロスを敢行!。いきなりダグラス師匠にリング下から竹刀攻撃
 を見舞い、これによってダグラス師匠の腰からベルトがスルっと落
 ちてしまいましたんや。また、やけにさばさばした表情のダグラス
 師匠には、“裏事情”に通じたファンから、『マンデー・ナイト・ロウ』
 のTシャツが手渡され、ダグラス師匠も少しも悪びれる事なく手渡
 されたこのTシャツを着用。そう、この頃ダグラス師匠はWWF(当
 時)から誘われてたんですな。なるほど、よってウーマン女史のダ
 ブル・クロス劇を仕込んで、ベルトをサンドマンに返した、と。会場
 からは『♪ナナナナ、ナナナナ、ヘイ、ヘイ、ヘイ、グッド・バイ♪』
 の大合唱が巻き起こり、ダグラスは恥ずかしそうな表情を浮かべ
 て(よっ、この大物役者)一目散に裏口へと逃走。いやはや、なん
 とも『大人のプロレス劇場』ですな、ECWって。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『Mental !』
 にも収録されております。
FECW World Tag Championship :
 Peblic Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
 vs. Pitbulls
  一週間前、4月8日開催の定期興行『Three Way Dance 1995』
 においてタッグ王座へと返り咲いたパブリック・エネミーに、レイヴ
 ェン一家に草鞋を脱いでいるピットブルズが挑むって構図の試合。
 ただ、@の絡みで皆さん疲れたのでもないのでしょうが、どうにも
 締まらぬ印象となってしもたのは残念。また何度も試合に介入す
 るリチャーズですが、こちらもどうにもピン・ボケ気味。しかもフィニ
 ッシュが逆さ押さえ込みを用いてのパブリック・エネミーの王座防
 衛ではなァ...。遺恨劇を次回興行に引っ張りたいのは分かるん
 やけど、両チームの持ち味がとことん抑えられてしもてたワ。正直
 な話、これは失敗マッチでっせ。   
GRon Simmons vs. 911 (w/Paul E.Dangerously)
  一週間前、4月8日開催の定期興行『Three Way Dance 1995』
 においてシモンズ(←後にWWFに転じファルークに)に大恥をか
 かされた911が一念発起。シモンズを雪崩式のチョーク・スラムで
 撃沈しました。しかしいくら仕事とは言え、911相手に負けてやら
 んとアカンとは、シモンズさんも物分りが良過ぎまっせ
HTerry Funk vs. Cactus Jack
  2月25日開催の定期興行『Return Of The Funker』において組
 まれたカクタス対DCドレイクの一戦にて(驚きのイリュージョンまで
 用いて)華々しくECWマットに復帰したテリー御大。続く3月15日
 開催の定期興行ではサンドマンを従えてカクタス&ダグラスと一戦
 交え、カクタスの顔面を焼きゴテで炙るって大凶行や。って事でこう
 までやられてはもう我慢の限界とカクタスも決起。遂にテリー御大
 との直接対決となりました。さてさて試合なんやけど『CACTUS M
 Y ASS !』と背中にマジックで(多分、御大自身が)殴り書きしたTシ
 ャツを粋に羽織ったテリー御大が、首から便座をブラ下げて悶絶
 て見せるなどと、随所で持てるチャームを速射砲の如く連発!。対
 するカクタスも十八番の自爆スポットを披露し、御大の振り下ろす
 ビール瓶に自ら頭部を捧げ、御大の暴走気味の割れたビール瓶
 での刺突攻撃にも自ら腕や胸を捧げるなど、最大限の“歪んだ愛
 情”で応えてやって...。結局サンドマンの乱入で試合は御大の
 反則負けとなるんやけど、まだやり足りない御大の思いと、まだ
 られ足りないカクタスの思いがピタリと合わせ重なり、御大による
 火炎噴射攻撃までがカクタスの顔面を襲って......(絶句)。
 【追記】3月15日開催の定期興行での御大&サンドマンvs.カクタ
 ス&ダグラスについては米国で発売されたDVD『DEEP INPACT』
 に完全版が、英国で発売されたPAL方式のDVD『RATTED !』には
 ダイジェスト版が収録されております


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