Three Way Dance 1995
 South Philadelphia, PA - ECW Arena 1995-4-8
 (VHS-Tape)
 収録時間:約1時間50分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』って少
々怪しいプロレス・グッズの通販屋が1本10ドル(在庫処分なのか、
2008年3月期より20ドルから10ドルに大幅値下げされた)で発売
している、ECWによる1995年4月8日開催のフィラデルフィアはEC
Wアリーナでの定期興行『Three Way Dance 1995』の全容が納めら
れた代物ですんや。さてさてこのテープ、『Rf-Video』の商品紹介に
よると当時興行会場にて販売されていた“オリジナル”だそうでして、
それが証拠にテープは白箱に収められ、トミー・ドリーマーのサイン
までが入っているって逸品。なるほど映像は無法ダヴィング・テープ
に比べると少々マシに感じられるし、サインを書いたのがドリーマー
本人であると信じ、そろそろレビューでもしたためてみましょか...。

○開演に先立って...
  お馴染みジョーイ・スタイルスが見どころ紹介をしとります。
@Pitbulls vs. Johnny Hotbody & Tony Stetson
  憎きトミー・ドリーマー殺戮のため、レイヴェンの肝いり(?)にて3
 月18日の定期興行にて行なわれた『Generation-X Gauntlet Mat
 ch』。聴き慣れぬ試合形式ですが、実態は4対1(レイヴェン&リチ
 ャーズ&ホットボディ&ステットソン対ドリーマー)のハンディ戦でし
 て、とりあえず最後にはドリーマーをボコボコにし、『Generation-X 
 Gauntlet Match』の目的は果たせたはずなんやけど、どうもその試
 合中に余りに不甲斐なかったホットボディ&ステットソンに対してレ
 イヴェンらは不満を持っている様子で、まずリチャーズによる解雇
 宣言があって、そこから両名の始末屋としてリング上へと雪崩れ込
 んだのがピットブルズ。実に豪快なスーパー・ボムにてホットボディ
 &ステットソンを抹殺してしまいましたワ。あ、まだまだ暴れ足りな
 い様子のピットブルズ、レイヴェン&リチャーズに対しても不敵なポ
 ーズで注文を付けて...。
 【追記】上記した『Generation-X Gauntlet Match』ですが、英国で
 発売されたPAL方式のDVD『RATTED !』に収録されております。
○ビューラ嬢、初登場?
  ピットブルズが去ったリング・サイドに、今度はリチャーズの紹介に
 よってビューラ嬢が登場。どうやらレイヴェンに対して「エエ娘が居て
 まっせ」って感じてポン引きまがいの斡旋をやっとるみたいですワ。
 あ、多分これがビューラ嬢の初登場のシーンやと思われます。
ARaven (w/Beulah McGillicutty & Steve Richards)
 vs. Tommy Dreamer
  ポン引きのリチャーズ(失礼)にビューラ嬢を斡旋してもらい、まん
 ざらでもなさ気のレイヴェン。コーナーにドカンと座って、『Generatio
 n-X Gauntlet Match』で受けた凶行に対する報復に燃えるドリーマ
 ーを待ち受けましたが、やっぱりここはドリーマーの怒りの度合いが
 尋常ではおまへんでした。お客から手渡される各種凶器をガンガン
 使い、レイヴェンを大流血へと追い込むドリーマー。と、リング・サイ
 ドから突然女性の悲鳴が!。あれ、何かいなと見るとリチャーズが
 ビューラ嬢の唇を無理やり奪う大暴走(苦笑)。で、「こっちは真面目
 に試合をやっとるのに、お前は一体何をやっとるんや」とドリーマー
 がリチャーズに詰め寄った途端、ビューラ嬢が隠し持ったヘア・スプ
 レーをドリーマーの顔面に噴射。そう、先のリチャーズによるセク・ハ
 ラは、ドリーマーを陥れる巧妙な罠やったんです。ビューラ嬢のスプ
 レー攻撃⇒リチャーズのスーパー・キック⇒レイヴェンのDDTと、一
 気にたたみ掛けられたドリーマー、今夜も文字通り完敗ですワ。
 【追記】上記した『Generation-X Gauntlet Match』ですが、英国で
 発売されたPAL方式のDVD『RATTED !』に収録されております。
BMikey Whipwreck vs. Ron Simmons
  実にあっさりマイキー&レフェリーをチョーク・スラム葬としたシモン
 ズ(WWFに転じファルークに)、ECWで一番(?)のチョーク・スラム
 の使い手である911を挑発。当然911も現れてシモンズとの番外
 戦が勃発するんやけど、さすがに911とシモンズでは格も違い、こ
 れまたあっさりとシモンズが911をチョーク・スラム葬。大恥をかく格
 好となった911、若手連中を次々にチョーク・スラムにてブチのめし
 て鬱憤晴らしを。ウーン、これでは若手連中も堪りまへんなァ...。
○場面は変わって...
  実は今宵のメインはベノワ&マレンコの保持するタッグ王座に、上
 り調子のパブリック・エネミーと前王者チームのサブゥ&タズマニアッ
 クが3WAYダンス戦にて挑むって構図でしたんや。けどサブゥが日
 本への出稼ぎを優先し、あろう事かこの夜の興行をドタ・キャン!。
 さすがにこれでは他のレスラーへの示しがつかないと、ポール・Eが
 断腸の思いでこの夜の興行開始前にサブゥの解雇を発表するって
 場面がおました(このビデオでは残念ながらカット)。で、そんな前段
 を受け、ベノワがリング上から「相棒のサブゥが居なくって、一体どな
 いするんや」とタズマニアックを挑発。これにはタズマニアックも我慢
 ならんとスクランブル発進したものの、ベノワの相棒であるマレンコ
 までが現れてタズマニアックを蹂躙。あぁ、これではタズマニアックも
 タイトル戦どころやないなと思ったら、ここにリック・スタイナーが疾風
 登場。タズマニアックを助け、メインの3WAYダンス戦へ堂々参戦す
 る事となりました(ま、タズマニアックのパートナーとしてポール・Eか
 ら急遽お呼びが掛かったのでしょうな)。
 【追記】上記したポール・Eによるサブゥ解雇の周辺ですが、WWE
 が編集したECWのヒストリーものDVD『The Rise + Fall of ECW』
 に収録されております。
CECW World Television Championship :
 Eddy Guerrero vs. 2 Cold Scorpio
  実にプロレス的滋養に満ち満ちた一戦。エディの着用している米
 国旗を模したジャケットやタイツが若干道頓堀にある『食いだおれ』
 食堂の人形に似ていて苦笑させられるものの、試合の内容は絶品
 でっせ。ECWにおける隠れた実力者スコーピオの持ち味を十二分
 に引き出した上で、エディが電光石火の3カウントをゲットや。ちな
 みに本試合が多分エディ・ゲレロのECWマットでのデビュー戦
 それでいきなりこうして強豪スコーピオを破ってTV王座に就かせる
 んやから、プロデューサーのポール・Eもエディに全幅の信頼を寄せ
 ていたんでしょうな。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『RATTED !』
 にも収録されております。
DHair vs. Hair Match :
 Ian Rotten vs. Axl Rotten
  『ホーガンみたいにつるっパゲにしたれ!』とのサインボードが掲
 げられた今宵のECWアリーナ。どうやら95年1月7日のECWアリ
 ーナでの定期興行にて勃発したアクセルとイアンの骨肉の争いは
 何度戦ってみても一向に決着されず(ま、そやからプロレスは面白
 いんやけどね)、しからば今宵は髪の毛を賭けて激突してみよかと
 なったみたいですな。尚、試合ですがアクセルが渾身の力を込めて
 振り下ろしたパイプ椅子がモロにイアンの頭頂部にスパーンと炸裂。
 イアン、たまらず3カウントを奪われ、アクセルによってホンマに残り
 少ない貴重な髪の毛をジョキジョキと切り落とされて...(涙)。
 【追記】この試合は『RF-VIDEO』が編集したロットン兄弟の内ゲバ
 史回顧DVD−R『Behind Closed Doors : Meet The Rottens Ian &
  Axl』にも収録されております。
EHack Meyers vs. Dino Sandoff
  場外乱闘の際、クローズ・ラインを鉄柱に誤爆させて(よ、大物役
 者!)左腕を痛めたマイヤーズ。サンドーフにここを集中攻撃させる
 って昔ながらの手法で客席を沸かせ、最後はキッチリと勝ち星を。
FECW World Heavyweight Championship :
 Sandman (w/Woman) vs. Shane Douglas
  95年2月25日開催の定期興行『Return Of The Funker 1995』、
 95年3月18日開催の定期興行と、現在のご主人様サンドマンと
 シェーン・ダグラスとの間で揺れる女心を表現し続けて来たウーマ
 ン女史(ここらは英国で発売されたPAL方式のDVD『RATTED!』に
 詳しいです)。サンドマンの世界王座防衛が懸かった本試合におい
 ても、途中何度もサンドマンからダグラスの頬を張れと命令されな
 がら、これをなかなか実行出来まへん。で、大方の予想通り、土壇
 場でサンドマンの守護神であるシンガポール・ケインをダグラスに
 投げ渡すダブル・クロスを決行!。当然サンドマンにベットリと土が
 付き、してやったりのダグラスとウーマン女史は熱い抱擁へ突入。
 試合にも恋にも敗れたサンドマン、誰も居なくなったリングの上で哀
 愁を漂わしながら仕方なく煙草を一服...。
 【追記】この試合は英国で発売されたPAL方式のDVD『RATTED !』
 にも収録されております。
○場面は変わって...
  サンドマン、勿論復讐を誓っております。
○場面は変わって...
  こちらは我が世の春を謳歌するダグラス先生とウーマン女史。
GECW World Tag Championship :
 3 Way Dance :
 Chris Benoit & Dean Malenko
 vs. Peblic Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
 vs. Tazmaniac (w/Paul.E.Dangerously) & Rick Steiner
  前記した様に、サブゥのドタ・キャンによってタズマニアックのパー
 トナーがリック・スタイナーとなるってハプニングもあったものの、と
 りあえず始まった3WAYダンス戦。まずはタズマニアックとスタイナ
 ーが当たるを幸いに誰彼れなく得意のスープレックスを見舞って序
 盤戦を完全掌握(ただしスタイナーがロッコー・ロックに放った墓石
 式のパイル・ドライバーは最低最悪の代物。ホンマ、なんであんな
 に危険な落とし方をするんやろ。ま、こんな調子やからこやつは一
 流レスラーにはなれんのでしょうが...)。けどタズマニアック目掛
 けてベノワが早くもフィニッシュ・ムーヴのダイヴィング・ヘッドを放ち、
 これでなんとタズマニアックがフォールされてしまいますんや。でも
 不覚を取ったタズマニアックとスタイナーがなかなか引き下がらず、
 加えてまたまた他の2チームにやりたい放題のスープレックスを食
 らわし、リング上が混沌とした場面もあったものの、ここからはパブ
 リック・エネミー対ベノワ&マレンコの直接対決へと移行。けど、ロッ
 コー・ロックのダイヴを自爆させたまでは良かったものの、フォール
 役をベノワとマレンコが「どうぞ、どうぞ」と譲り合い。この余裕を持っ
 た試合運びが裏目に出て、マレンコがフォール負けする大波乱や。
 パブリック・エネミー、3度目のタッグ王座奪取の瞬間ですワ。
 尚、王座返り咲きに大喜びで客席と一体となって踊りまくるパブリッ
 ク・エネミーをピットブルズが襲撃。どうやらタッグ王座にピタリと照
 準を絞ったみたいでっせ。
 【追記】この試合は『RF-VIDEO』が編集した3WAYダンス戦史の
 回顧DVD−R『History of The Extreme 3-Way Dances』にも収録
 されております。
 【妄想】人気大爆発のパブリック・エネミーにタッグのベルトが渡るっ
 て結末となった本試合ですが、もしもサブゥがドタ・キャンなんてする
 事なくタズマニアックと2人して参戦していたなら、ポール・Eは果た
 してどんな結末を用意したんやろか。ポール・Eが当初描いていた
 “結末”ってのが非常に気になるなァ...。


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