Barbed Wire, Hoodies and Chokeslams
 South Philadelphia, PA - ECW Arena 1995-6-17
 (VHS-Tape)
 収録時間:約1時間49分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょ
っと怪しいプロレス・グッズの通販屋が1本20ドルで発売している、E
CWによる1995年6月17日開催のフィラデルフィアはECWアリーナ
での定期興行『Barbed Wire, Hoodies, & Chokeslams』の全容が納め
られた代物ですんや。さてさてこのテープ、『Rf-Video』の商品紹介に
よると当時興行会場にて販売されていた“オリジナル”だそうで、それ
が証拠にテープは白箱に収められ、トミー・ドリーマーのサインまでが
入っているって逸品。なるほど確かにトミー・ドリーマーと思われるサ
インはあるものの、これがホンマものなのかは疑わしい限り(苦笑)。
しかもそれで通常の無法ダヴィング・テープより8ドルも高い(今回は
定例の週末セールに合わせてオーダーしたので、3割引の14ドルや
ったけど)とあってはねェ...。ま、映像は無法ダヴィング・テープに
比べると少々マシに感じられるし、サインを書いたのがドリーマー本
人であると信じて、そろそろレビューでもしたためてみましょか...。

@Broad Street Billy (Tony Stetson) vs.
 The New Jersey Devil
  ご当地ネタ(いや、地域差別ネタ?)が随所に盛り込まれた前座
 戦ですが、巨漢の下僕911を引き連れたポール・Eがズカズカと試
 合に介入。後は皆さんもお分かりでしょ?。911によるバカの一つ
 覚えのチョークスラム大会へ突入ですワ。
AMikey Whipwreck vs. Val Puccio
  ECW初登場のヴァル(背丈はマイキーと変わらんけど、体重はマ
 イキーの2倍以上?)をマイキーが客席からの声援(←その大半は
 茶化し?)を背に、ロー・ブロー連発で沈めた試合。尚、ヴァルはニ
 ュー・ヨークはブロンクスのタフ・マン・コンテストの優勝者なんやて。
 なるほどそんな経歴の持ち主やからECWアリーナ(←アンチNY派
 の巣窟)では目の敵にされるんでしょうな。
BVampire Warrior vs. Hack Myers
  これまたECW初登場のヴァンパイヤ・ウォリアー(全日本やIWA
 なんかに来ていたので、日本のファンにも顔馴染みでしょ?。ちな
 みにWWFではガングリルを名乗り、エッジやクリスチャンを従えて
 ブルードってユニットをやる事に)がお出まし。さて彼の場合、チィー
 ッ!って奇声が売りなんやけど、今夜相対するハック・マイヤーズも
 何か攻撃を繰り出す度にシャーッ!って声が客席から掛かるのが
 お約束。って事で、客席も一体となってチィーッ!対シャーッ!の掛
 け声合戦が始まった本試合、ウォリアーの電光石火のDDTがズバ
 リと決まり、マイヤーズに土が付いて幕となりました。 
CTommy Dreamer (w/Luna Vachon)
 vs. Vampire Warrior (w/Steve Richards)
  ジョーイ・スタイルス氏を間に、ディベート合戦を行っているドリーマ
 ー&ルナ(実はヴァンパイア・ウォリアーの奥方)とリチャーズ&ウォ
 リアー。勿論口喧嘩だけで収まるはずもなく、ウォリアーがルナ(繰
 り返けど実はウォリアーの奥方)に拳を振り上げたのを合図に、ドリ
 ーマー対ウォリアーの番外戦が勃発や。あ、ドリーマーのフライパン
 攻撃が決まった瞬間、実況のスタイルス氏が「ようこそECWへ!」
 ってコメントするところと、ウォリアーの額から血を拭って自身の顔面
 になすり付け、恍惚の表情を浮かべて見せるルナ(しつこいようやけ
 ど、実はヴァンパイア・ウォリアーの奥方)のプロ根性には要チェック
 ですな。尚、試合はドリーマーのパイプ椅子を踏み台にしての顔面
 砕きがウォリアーに炸裂してジ・エンド。ドリーマーには客席から「He
 is Hardcore !」チャントも掛かっております。
D場面は変わって...
  当時険悪であった(あ、何時もの事か)タッド・ゴードン(初代ECW
 オーナー)とビル・アルフォンソ、リング上で大いに揉めております。
E場面は変わって...
  インチキ臭いバロック音楽に乗せて、“エクストリーム”選手紹介。
F911 (w/Paul E.Dangerously)
 vs. "Jungle"Jim Steele
  WCWで冷遇されたのをグジグジと根に持つポール・E、下僕の9
 11に命じてジム・スティールをチョークスラム葬し得意満面の笑顔。
 しかし、「とっととジョージアはアトランタ(←WCWの本拠地)へ帰り
 やがれ!」って暴言をポール・Eから浴びせられるためだけに雇わ
 れたジム・スティール、お仕事とは言え辛い役回りでしたなァ。
GBeulah (w/Raven & Steve Richards)
 vs. Luna Vachon
  5月13日開催の定期興行『Enter the Sandman 1995』ではルナ
 の要らぬお節介のため、ドリーマーの手によって真っ黒のパンツ姿
 をスケベ客に晒された上で墓石式パイルまで喰らったビューラ。ア
 ンタさえ居なければと、恐れ多くもルナに一騎討ちを申し込んだ模
 様。ただしルナと違ってプロレスが全く出来ないのがビューラ。しか
 らばとリング・ベルが鳴った途端、リチャーズがルナを背後からパイ
 プ椅子で一撃や。勿論これで易々とビューラがルナをフォールいた
 しますが、ここに怒り心頭で駆け付けたのがトミー・ドリーマー。しか
 しこれはレイヴェン一派も予想していたと見え、ドリーマーはレイヴ
 ェンによって指裂きの刑(ヴィジュアル的にとても残酷に映りました)
 に処され、ルナもロープに磔にされて...。
HHandicap Match :
 2 Cold Scorpio & Taz (w/Paul E.Dangerously)
 vs. The Pitbulls & Raven
 (w/Steve Richards & Beulah)
  もともとはタズ&スコーピオ&ハック・マスヤーズ対レイヴェン&ピ
 ットブルズの6人タッグ戦であったはずの本試合なんやけど、何やら
 ビル・アルフォンソが難癖を付けたためマイヤーズは試合には絡め
 ず、結果としてハンディ戦となってしまいました。ただそんな逆境に
 もタズはビクともせず、切れ味鋭いスープレックスで相手チームをガ
 ンガンと投げ飛ばします。で、タズの勢いにやる気を失ったか、レイ
 ヴェン一派が試合の途中なのに控え室へと姿を消してしまい...。
 さぁこれで2対2のタッグ戦。タズの餌食となるのはピットブルの1号
 なのか、はたまた2号なのか...(追伸:2号でした)。
 【注目】
  乱戦の最中、客席最前列から『I Love U , Steve Richards』(Love
 はハート・マークで記してありました)ってサイン・ボードを出している
 のは、後に“過激女王”の称号を欲しいままにするフランシーン嬢。
 おぉ、これがフランシーン嬢のECWマット初登場の瞬間か?!
 【追記】
  ついついフランシーン嬢のデビューに力が入ってしまいましたが、
 実はこの試合、これまでの“原人ギミック”であるタズマニアックから
 新たに“シュート・ファイター・ギミック”のタズへとギミック・チェンジ
 が行われた記念すべき一戦なんや。タズのファンならマスト!。
IPublic Enemy vs. Axl Rotten & Ian Rotten
  “公衆の敵”パブリック・エネミーの前に立ちはだかったのは、有刺
 鉄線バットを手にしたアクセル・ロットン。で、花道から姿を現したの
 がアクセルの相棒であったイアン・ロットン!。おぉ、さてはこれから
 “公衆の敵”パブリック・エネミーと“劣性品種交配” バッド・ブリード
 の激突かと期待したら、またまたおじゃま虫のビル・アルフォンソが
 現れ、「何を勝手な事をやっとるんや?。お前等、1月7日の定期興
 行でピットブルズを相手に“負けたチームが解散”マッチをやって、コ
 ロッと負けたやないか。しかもそれを引き金に、先日まで2人して大
 喧嘩しとったやろ。アカンアカン、再結成なんて認めんデ!」と宣言。
 ウーン、悔しいけどこれはアルフォンソの言う事の方がスジが通って
 ますな。で、バッド・ブリード再結成が果たせなかったアクセル、突如
 イアンに鉄拳を放って客席に転がり込み大立ち回り。やっぱり覆水
 は盆には帰らんって事でしょうか。あ、ちなみにこれが引き金となっ
 て、次回7月1日の定期興行『Hardcore Heaven 1995』では今や伝
 説と化したアクセル対イアンの『タイペイ・デス・マッチ』が華々しく挙
 行されるんですワ。
 【第2幕】
  バッド・ブリードの空中分解を確かめ、客席と一体となってダンスを
 決めているパブリック・エネミー。今夜は楽なお仕事でしたな、なん
 てこっちも油断しておったのですが、彼等の背後に怪しい2人組が
 忽然と登場。そう、誰あろうSMW【Smorky Montain Wrestling】から
 流れ着いた極悪コンビのギャングスターズや!。完全にパブリック・
 エネミーの虚を突いたギャングスターズ、文字通りのやりたい放題。
 パブリック・エネミーを一方的にボコボコにして、最後は警備員に後
 手で拘束されての強制退場ですワ。ウーン、実に“らしい”デビュー
 っ振りでしたな、ニュー・ジャック親分&ムスタファさん。
JECW World Heavyweight Championship :
 Barbed Wire Match :
 Sandman (w/Woman) vs. Cactus Jack
  5月13日開催の定期興行『Enter the Sandman 1995』に引き続
 きサンドマンの保持する世界王者のベルトにカクタス・ジャックが挑
 むって構図で、しかも舞台は有刺鉄線マッチ。こうなると、いくら場
 を和ませようと(?)カクタスがお手製のTシャツ(ハンセン&ブロデ
 ィのイラスト入り)を着用して現れても、サンドマンによる有刺鉄線
 でのチョーク・アウトって衝撃のフィニッシュまで、試合の全編に渡っ
 て血生臭い臭いが充満...。幾多の残酷な試合が行なわれたE
 CWマットですが、残酷さ具合では上位にランクされる内容でした。


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