五十五万石炎上!戦国地獄絵巻 序ノ章
 Unbelievable Tag Tournament V
 2007年5月4日・和歌山県立体育館補助館
 (有料入場者数26名)
 (DVD-R*2) 収録時間 disc-1:約1時間27分
 本作はDVDではなくってDVD−R。収録されているのは、大阪ディー
プ・サウスの羽曳野市から和歌山県に掛けて独自の基盤を築きつつあ
るFU★CKプロモーションが、2007年の黄金週間に和歌山県立体育
館の補助館を舞台にブッ放した怒涛の2Days興行の初日分の映像。
5月4日開催の定期興行『五十五万石炎上!戦国地獄絵巻 序ノ章 Un
believable Tag Tournament V』の全容がDVD−R×2枚に渡ってギチ
ギチに収められておりますんや。
ではでは、団体のオフィシャルHPによると、有料入場者数が26名であ
った本定期興行。実際に現地で生観戦したこのワシが本DVD−Rをテ
キストに、当日の細かなネタも振り返りつつ、微に入り細に入り突っ込
みまくってみたいと思います。
【追記】尚、本DVD−Rは通信販売で送料別5,000円(税込み)にて
どちらさんでも購入可能。米国の独立系団体に興味をお持ちの方や、
日本国のプロレス界の最深部に興味をお持ちの方は是非購入してみ
て下さいな。もしもDVD−Rが思いのほか多数売れたなら、多分当団
体を切り盛りされている某氏(この業界の“極一部”で非常に高名なお
方です)は、ワシらすれっからしの汚れファンの琴線を更に刺激する新
たな興行を企画してくれるはずやから...。
あ、これがFU★CKプロモーションのオフィシャルHPです。

○まずは道頓堀さん、会場入り...
  実は和歌山での2Days興行の前日である5月3日、大阪のIMPホ
 ールで開催された大日本プロレスとエルドラドの合同興行(?)『プロ
 レス大感謝祭 2007』 へ、ネクロ・ブッチャーただ1人だけを目当てに
 生観戦に出掛けていたワシ。当日のネクロさん絡みのカードは当初
 発表されていたタッグ戦ではなく、ネクロさんとポンドとマサダによる
 3WAY戦に急遽変更となったんですワ。で、そこで繰り広げられたの
 は、IMPホール自体が余り無茶の出来ない非常にお上品な場所で、
 加えて共同開催となったエルドラド所属の各選手目当てのお客さん
 方を“引かし”てはアカンと誰ぞから厳しい指示でも出ていたのか、こ
 っちの事前の予想以上に、流血や過剰な暴力表現を徹底排除した、
 言葉は悪いけど非常にヌルい試合に終始...。ま、それでもネクロ
 さんは外人サイドの“顔役”であるポンドが訳知りのファイト振り(←実
 際、日本人客のさばき方がイヤに上手いねェ)に終始し、若手のマサ
 ダがポンドとネクロさんの板挟み状態となって“窒息死寸前”の状況
 下、随所に売り物のハード・バンプを披露してくれましたが...。
 って事で、不発に終わった『プロレス大感謝祭 2007』の厄払いを兼ね
 て翌日の5月4日、ワシとは20年弱の腐れ縁であるN氏(IMPホール
 にも一緒に行った)と2人、JR阪和線に乗って一路和歌山県へ。そし
 て現地に着き、いい加減朽ちかけている和歌山県立体育館の本館
 (旗揚げ直後のFMWを観に来て以来やな)に併設されている、本興
 行の舞台となる“補助館”を見た瞬間、申し訳ないけどワシは腰が抜
 けるかと思いましたデ。「これが補助館?、これってただの物置小屋
 やないの?」。いやまあ、詳細は下に掲載した写真を見て下さいな。
 ワシが書いている事って、まんざら嘘でもないでしょ(苦笑)。そして
 次にワシの頭を過ぎったのは、「こんなにプリティ・グッドなロケーショ
 ンで我が愛しのネクロさんを観れるなんて、これって好き者にとっては
 最上級の贅沢やないの?」って事。勿論当所には、IMPホールの様
 な小うるさい規制などもないはず。さぁ、『Summers is God』及び『#1
 Necro Mania』と書いたお手製のサイン・ボードも準備したし、あとは
 当団体が追って制作するであろうオフィシャルDVD−R(=本DVD−
 R)に、ECWアリーナ座付きの“麦わら親父”&“サングラス親父”の
 如くバッチリと映り込むため、向う正面最前列中央の席を確保せんと。
 開場と共に当日券を購入し、他のお客に遅れを取ってはアカンと勢い
 良く場内に飛び込んだワシ。けど、そんなにキバって良席確保に精を
 出したのは恥ずかしながらこのワシだけ(苦笑)。他のお客さん達(こ
 の時点ではまだ20名弱)は、のんびりと、まったりと、めいめい思い
 思いに適当な席を確保されました...。
 【追記】『Foley is God』のパロディである『Summers is God』。ここにあ
 る“Summers”とはネクロさんの本名なんや。ネクロさん、ホンマは“D
 ylan Keith Summers”ってお名前だそうです
   
○“Unbelievable Tag Tournament V”について...
  読んでお分かりのように“ホンマかいな?”、“信じられヘン!”って
 形容詞が冠せられたタッグ・トーナメントの第3回目。そう、第3回目
 って事は、第1回目と第2回目がこれまでにおましたんや。ここで歴
 史の紐を解くと、第1回目は2005年5月29日に羽曳野のJ2K道
 場に有料入場者15人を集めて、第2回目は2006年4月30日に和
 歌山県立体育館補助館に有料入場者38人を集めて開催されており
 ます。尚、第1回目のトーナメント覇者はマッドマン・ポンドとネクロさ
 ん、第2回目の覇者はマッドマン・ポンドとトビー・“狂気人間”・クレイ
 ンでして、3度目の開催となる本トーナメントには、ポンドは自身3連
 続、ネクロさんは自身2度目のトーナメント制覇って大偉業が掛かっ
 ており、ワシが察するに両選手共に密かに期する所があっての参戦
 であったのではないか、と...(苦笑)。 
 【追記】過去のトーナメントについても、通信販売で購入可能。詳しく
 は、FU★CKプロモーションのオフィシャルHPを参照して下さいな。

★★DISC−1★★

○全選手参加の入場式は、やっぱり一波乱...
  今回の“ホンマかいな?”、“信じられヘン!”タッグ・トーナメントに
 参加した命知らずは計8チームの総勢16名。まずは全選手参加の
 入場式が粛々と始まりました。あ、最後に堂々と登場したポンドとネ
 クロさん、ワシが頭上に掲げる『Summers is God』のサイン・ボードを
 指差して、こんな素敵な笑顔を見せてくれましたデ。ちなみにこの後、
 ネクロさんは照れたのか、頭を抱え込んでおりました(ウーン、シャイ
 なお方)。尚、全選手を代表して、なんて大それた事でもないんでしょ
 うが、ポンドがマイクを握ってなにやらご挨拶(アジテーション?)。そ
 してそのままネクロさんと一緒に、誰彼かまわずの突然の無差別攻
 撃を...(お約束の展開やね)。
   
@Unbelievable Tag Tournament V
 一回戦 第一試合=30/1
 ○ネクロ・ブッチャー/マッドマン・ポンド(8:15 体固め)
 ドラゴンソルジャーLAW/虎龍鬼●
  って事で晴れの入場式をブチ壊し、自分勝手にトーナメント一回戦
 のリング・ベルを鳴らしたポンドとネクロさん。対するは重量感溢れる
 (特に腹回りが...)ルチャ・ドーラの虎龍鬼と、FU★CKプロ認定の
 LOL王者であるドラゴン・ソルジャーLAW(通称DSL)や。あ、ちなみ
 にこの聴き慣れぬLOL王座とは【FUCK! World Loser of Loser Clas
 s Title 】の略であり、タイトル戦で負け続ける限り永久に王者の腰か
 らベルトが落ちぬ、言わば悪性の憑依霊の如き団体最弱の証。ウー
 ン、なんとも嫌みったらしいタイトルではありますが、ここらをニヤリと
 許容出来るか否かがFU★CKプロを楽しめる、楽しめないの分水嶺
 となるのかもね。試合は虎龍鬼の放つ重苦しいロー・キック(←単に
 足が高く上がらなかっただけ?)や、DSLの挙動不審な猛攻(←なに
 やら「イナバウワー!」などと叫んでおりますワ)にポンド&ネクロさん
 も一瞬面食らったみたいですが、そこはやっぱり第1回のトーナメント
 覇者組。ネクロさんのタイガー・ボムがやや唐突気味に火を噴き、虎
 龍鬼が撃沈されてしまいました。何時もとは毛色の違う異色コンビと
 の一戦に戸惑いもあったでしょうが、とりあえずトーナメント制覇に向
 けてポンドとネクロさんは好発進。控え室に戻っても(キチンとDVD−
 Rに収録されとります)2人の勢いは止まりまへん。
   
AUnbelievable Tag Tournament V
 一回戦 第二試合=30/1
 ○泉州力/健心(6:02 片エビ固め)
 キラーマスター/マグナム大江戸●
  トーナメントの一回戦第二試合は大江戸(漫才のメッセンジャーの
 “パラ”に何処となく似とるなァ)と小兵のキラーが、泉州(ワシ、今回
 初めて生で見たけど、リング上のちょっとした仕草まで本家そっくりで
 心底感心)&健心にチャレンジするって図式の試合。泉州&健心によ
 る本家張りの全力で叩き潰しに来るプロレスに、大江戸&キラーも
 常に遠慮気味に(苦笑)逆襲を試みましたが、ここはやっぱり泉州&
 健心のワン・サイド・ゲーム。楽勝で大江戸をフォールした泉州、だら
 しなかった(ワシはそんなにだらしなかったとは感じんかったけどね)
 キラーを試合後に制裁ですワ。あ、この時のキラーの目には、明らか
 に“恐怖”の二文字が涙と共に浮かんでおりましたデ...。
   
BUnbelievable Tag Tournament V
 一回戦 第三試合=30/1
 ○藤原卓也/安部健治(11:05 RO勝ち)
 MASADA/JET嶋村●
  マサダ&嶋村(←中京格闘技連盟の所属だそう。そうか、CMAな
 らあの塚田敬と同門やね。塚田、好きやったなァ...)の越境コンビ
 と藤原&安部の若手組が激突する一回戦第三試合は不測の事態が
 勃発。なんと試合の中盤にマンボ慎太郎が無法乱入を仕掛け、これ
 に足元をすくわれた格好となった嶋村、無念のリンク・アウト負けとな
 ってしまいました。さぁ、これでは納得出来ぬ嶋村。リング上から憤怒
 の表情でマンボに乱入の真意を問っていると、「嶋村対マンボの特別
 試合が決定いたしました!」とのアナウンスが...。
 【追記】4選手の熱い戦いを注視していたのでマンボが一体何時場内
 に現れたのか分からなかったワシなんやけど、このDVD−Rにはマ
 ンボが観客達の後方から息を潜めて忍び寄る様子がバッチリと収め
 られておりますんや。あれあれ、ハンディ・カメラを操作していた白◎
 翼さん(当団体のオーナーさん)、丸でマンボの無法介入を最初から
 見抜いていたみたいなカメラさばきですな...(苦笑)。
   
CUnbelievable Tag Tournament V
 一回戦 第四試合=30/1
 ○吹本賢児/角英輝(7:23 片エビ固め)
 メキシカン69/ザ"F`N"コンビクト●
  トーナメントの一回戦ラストは優勝候補の一角である吹本&角のコ
 ンビが、69&コンビクトを迎え撃つって図式の試合。各選手共に身体
 も十分にデカく、これは迫力ある手合わせが見られると期待していた
 んやけど、過去に何か遺恨でもあったのか、試合が中盤に差し掛か
 った頃、コンビクトと角が突然“キナ臭く”なってしもて...。最後には
 黒星まで喫したコンビクト、アホらしくてもうやってられぬとマスクを脱
 ぎ捨て、実はシュート・ファイターであった事をカミング・アウトや...。
 【追記】衆人の面前で囚人ギミックを解いた事で興奮したか、コンビク
 トの正体(ごめんなさい、名前が分かりません)は控え室に戻っても、
 一向にクール・ダウンいたしまへん。それどころか、これまで自身を
 文字通り囚人のごとく縛り付けていたマスクを指差し猛アピールや。
   
DUnbelievable Tag Tournament V
 準決勝戦 第一試合=30/1
 ○健心/泉州力(3:52 片エビ固め)
 藤原卓也/安部健治●
  準決勝戦の第一試合は泉州&健心と藤原&安部の対決。藤原&
 安部も随所に光るところを見せつつ、強敵である泉州&健心と互角
 に渡り合ったものの、最後はやっぱり泉州&健心に凱歌が...。
 「バカ外人、(優勝戦に)上がって来いよ!」と、控え室に戻った泉州
 &健心の気持ちは早くも優勝戦に向いている様子でっせ。
   
EUnbelievable Tag Tournament V
 準決勝戦 第二試合=30/1
 ○マッドマン・ポンド/ネクロ・ブッチャー(8:15 片エビ固め)
 吹本賢児/角英輝●
  ワシは未見なんやけど、米国で行われたネクロさんとロー・キィとの
 一騎討ちは名勝負やったそう。フーン、ワシも一度は見てみたいもの
 やなァ、なんて思っておりましたが、準決勝戦の第二試合で顔を合わ
 せたネクロさんと角との正面衝突、その(未見ではあるんやけど)vs.
 ロー・キィを一瞬想起させる場面がおました。尚、本試合で“タクト”を
 終始振っていたのはマッドマン・ポンド。守護神である蛮刀で一切の
 遠慮なく吹本の額に切り付け、それでもまだ生温いと思ったのやろか
 ね、ワシが掲げる『#1 Necro Mania』のサイン・ボードをちょっとよこせ
 とのご指示。で、はいはい一体何事ですかいなとワシがサイン・ボー
 ドをポンドに手渡したところ、ポンドはそのサイン・ボードを大流血を強
 いられあの世へと昇天寸前の吹本の額へ、工業用大型ホチキスにて
 ブチ込む大暴走。ご覧の通り、サイン・ボードは吹本の鮮血で真っ赤
 に染め上がってしまいましたんや。いやしかし、これは嬉しかったなァ。
 ワシ、米国から取り寄せたデス・マッチのDVD−Rを観ては、常々一
 度でエエから工業用大型ホチキスでのスポットに“加担”してみたいと
 願っていたんやモン。って事で米国の各独立団体で行われているデス
 ・マッチと比べても何ら遜色なく、加えてネクロさんvs.ロー・キィってアク
 セントもあって、非常に楽しめる仕上がりとなった本試合。最後はポン
 ドの十八番であるパイプ椅子&進入禁止標識での即席トラップの下敷
 きとなって角が悶絶死し、熱戦に幕が降ろされました。
 【追記】顔面を鮮血で真っ赤に染めた吹本。所謂“デス・マッチ・ハイ”
 の状態へと突入したのやろか、試合後にはマイクを握ってネクロさん
 相手に「デス・マッチで戦え!」と口走ってしまいます。で、これを聞い
 たポンド、「デス・マッチ?。一体ワシらを誰やと思っているんや。ワシ
 は03年度の、ネクロは02年度と05年度の、IWA−Midsouth認定
 のデス・マッチ王者やデ。よっしゃ分かった、明日ネクロと戦ってみろ。
 その結果が良ければ、今年のIWA−Midsouth認定のデス・マッチ
 ・トーナメントに出場させたるワ!」、ってな感じで応戦。おぉ、吹本の
 周辺が一気に風雲急を告げて来ましたデ。
   
   
   
   


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