Hardcore In The Heartland
 Kansas City, MO 2000-6-30
 (DVD-R)
 収録時間:約2時間1分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2007年3月期に発売された4タイトルの内
の1タイトル。ミズーリ州はカンサス・シティ(ちなみにカンサス・シティは
カンサス州とミズーリ州にまたがっていて、それでも町の中心はミズー
リ州側にあるので“Kansas City, MO”と言うんやて。また本DVD−Rの
タイトルとなった“Heartland”とは、ミズーリ州がアメリカって国のド真ん
中に位置するので冠されたらしく、合わせて“一切、エキゾチックな部分
がない保守的な土地”であるとの意味も持つそう。勉強になるなァ)に
て、ECWが2000年6月30日に開催した定期興行の模様を収録した
ものですワ。

【注意!】
 本DVD−Rのジャケットや映像の一番最初には、本興行が行われた
のは6月3日とありますが、これは『RF-VIDEO』の十八番である大チョ
ンボ(苦笑)。実際は上記したように、6月30日が正解です。尚、6月3
日のフロリダはペンサコーラでの興行は、『Sandman Get's Naked !』と
して既に発売済み。しっかりしてや、『RF-VIDEO』さん。あ、『Sandman 
Get's Naked !』では泥酔(?)したサンドマンがリング上でフリチンとなる
大失態がおまして、これはこれで非常に楽しいDVD−Rでしたワ。

@Kid Kash vs. Redd Dogg
  のっけから“You Fuck Up !”チャント連呼の試合。ま、キャッシュとド
 ッグ(ロドニー・マック/ジャズ姉さんの旦那?)なら致し方ないかとも
 思うのやけど、お客さんももうちょっと温かい目で見てやっても...。
ALittle Guido (w/Tony Mamaluke & Sal.E.Graziano)
 vs. Chilly Willy
  いきなり低レベルな試合で幕開けとなった今宵の興行やけど、第2
 試合には我等が『純血イタリア人軍』のリーダーであられるリトル・グ
 イドーが御出馬。リズムに乗ってお尻を振り振りし、その身体全体で
 気高き『純血イタリア人軍』を小馬鹿にするウィリーを相手に、セコな
 セコンド介入なども盛り込みつつ、最後はキッチリと勝利を手中にして
 見せましたデ。よ、この千両役者!
BTajiri vs. EZ Money (w/Chris Hamrick)
  選手紹介の際にいきなり赤の毒霧を吹き上げて、お客のハートを早
 くも掴んだタジリ。で、今宵そんなタジリと対するは、こちらはいきなり
 お客から“イージー・ホモ!”チャントを食らったイージー・マネー...。
 ウーン、これだけお客からはっきりと明暗付けられると、やっている演
 者は頭の中では“分かっていても”、そら堪らんやろね。試合はうるさ
 く介入するハムリックにタジリの緑の毒霧が吹き掛けられ、マネーは
 半ケツの恥辱を味あわされた挙句に、日本製丸ノコ蹴り〜垂直落下
 式のブレイン・バスターを喰らわされて轟沈。ま、勝敗、試合内容とも
 どもタジリの完勝でしたな。あ、でも徹底して間抜けな道化を演じてく
 れたマネー&ハムリック、アンタらにも感謝感謝ですワ
CDangerous Alliance (C.W.Anderson & Bill Wiles)
 (w/Lou.E.Dangerously & Elektra)
 vs. Danny Doring & Roadkill
 vs. Nova & Chris Chetti
 vs. Simon Diamond & Swinger (w/Mitch & Prodigy &
 Prodigette & Musketeer)
  怪しさ満点の多数のセコンド陣も投入された、なんとも言えぬ胡散
 臭さに満ち満ちた負け抜け方式の4コーナー・タッグ戦。そのルール
 から、誰も率先して戦おうとはせず、隙あらば他チームに無理やりタ
 ッチして消耗戦から逃避しようと躍起に。ま、最後はドーイング&キル
 の連携プレーが決まって試合にはピリオドが。あ、試合後にはCWと
 ビルがちょっとした仲違い。ウーン、ルー・E(←ポール・Eのコス・プレ
 野郎で、その正体は元ダッドリーズ専属太鼓持ちのサイン・ガイ・ダッ
 ドリー)が精魂込めて作り上げたアライアンス、空中分解寸前ですな。
DBalls Mahoney & Mikey Whipwreck (w/Sinister Minister)
 vs. Da Baldies (Angel & DeVito)
  今宵の定期興行も中盤となって、そろそろ誰もが血を見たくなる頃
 で、ならばとマッチ・メイクされたのがこの試合。『暴走禿頭軍』のエン
 ジェル&デヴィトと、“ECWの椅子大王”マホーニーが激突でっせ!。
 ただしこの試合、上記した3名は流血ジョヴを披露してくれるものの、
 残ったマイキー君が例によって例の如くの中途半端な戦い振り...。
 中盤ローン・バトルをやって、そこからやっとの思いでマホーニーに引
 き継ぐってタッグ戦の定石スポットをマイキー君は演じてはくれるもの
 の、これでは折角序盤繰り広げた大乱闘によって得た客席の『熱』が
 ブチ切れやんか...。アカン、これではアカンで。マイキー君。
○場面は変わって...
  トイレ休憩中のグッズ売り場ではダーン・マリー嬢がせっせとサイン
 の真っ最中...。
EECW World Television Championship :
 Rhino vs. Jerry Lynn
  “剛”のライノと“巧”のリンがTV王座を巡って一騎討ち。これはタイ
 トルの行方云々ではなく、じっくりと観戦してみたい好カードやないか
 と思うけど、果たして試合早々両者に浴びせられたのは、“テーブル
 を使ったれや!”チャント...。どうも今宵のお客さんは我慢の足らな
 い方ばかりですなァ(苦笑)。あ、試合はスゥイングDDTでライノを追い
 詰める場面をリンも作りはしたものの、ライノの強烈なゴア⇒パイル・ド
 ライバーをモロに喰らってはリンにはもう成す術もなし。これ、ライノ強
 しを印象付けた一戦でしたワ。
FRob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. Scotty Anton
  5月14日放送のPPV『Hardcore Heaven '00』でのRVDの復帰戦
 を、ダブル・クロスって最悪の形で彩ってみせたRVDの“大親友”スコ
 ッティ・アントン。当然これでRVDとの遺恨が勃発し、次回7月16日
 放送のPPV『Heat Wave '00』では両者は一騎討ちをする事に(注:こ
 の時点で正式にアナウンスされていたのかは不明)。で、腕の悪いア
 ントン相手ではぶっつけ本番は心配やと、今宵ここで『予行演習』が組
 まれたみたい。しかしそれにしてもこのアントンって奴の不出来な事と
 言ったら、ホンマに尋常やおまへんな。ヌルい攻撃しか出来んし、試
 合は常に一本調子(加えて試合のリズムそのものもメリハリのない、
 ベタッとしたもの)で、意識して作ったキャラなのか、はたまた正味でド
 アホなのか、試合中ずっと緊張感の欠片もない間抜け面のまま...。
 もしもこの試合をプロデューサーのポール・Eが見ていたのなら、即刻
 今回の遺恨劇は今宵ここまでとし、7月16日放送のPPV『Heat Wav
 e '00』用に、新たなRVD絡みのアングル創出に走った事と思うな。
 【追記】RVDのコースト・トゥ・コースト・ダァン・ダミネーターをアシスト
 したアルフォンソ、どうやら左腕をマジで負傷したみたいですワ。
GJustin Credible (w/Francine) & Steve Corino, & Jack Victory
 vs. Tommy Dreamer & Raven & Sandman
  Fで書けば良かったんやけど、あの試合の終盤にはスティーヴ・コ
 リーノとジャック・ヴィクトリーが不法介入。試合自体を不成立としてし
 まいましたんや。で、してやったりとマイクを握って悪態を付くコリーノ。
 と、突如場内には『エンター・サンドマン』が鳴り響きます。そう、今宵
 の定期興行もいよいよ大詰め。サンドマン、ドリーマー、レイヴェンらの
 大御所が大挙お出ましとなって、ダラダラしたとネタ合戦の始まり始
 まりや...。あ、こんな試合(失礼)の結果などわざわざ書く必要もな
 いのでしょうが、フランシーン嬢の悪行を見逃してはおけぬとジャズ姉
 さんがスクランブル出撃!(苦笑)。ジャスティンの股間にキツいロー・
 ブローを叩き込み、ドリーマーの逆転勝ちをアシストしてくれましたデ。
 【追記】まァ、正直なところこれはドサ巡業での息抜きみたいな内容の
 一戦でして、今となっては先鋭的であったとばかり語られるECWって
 団体の、これも所謂ひとつの『真実』ってやつなんでしょうな...。


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