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Hartford, CT 1999-6-24
(DVD-R)
収録時間:約2時間41分 |
ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2007年2月期に発売されたタイトルです。
【注意!】
本DVD−Rのジャケットには『Crime Spree in Alexandria 7/24/99 Al
exandria, LA』と記載されてあるのですが、実際にDVD−Rに収録され
ているのは99年6月24日のコネティカット州はハートフォード大会。
ジャケット裏に記載されているカードもこれまたメチャクチャで、ホンマは
下記のカードが正解ですんや。ちなみに『Alexandria』ならばバージニア
州の都市で、州表記するなら『LA』ではなく『VA』。ホンマ、いくら海賊商
売とは言え『RF-VIDEO』は仕事が荒過ぎますなァ...。
@Skull Von Krush vs. C.W.Anderson (w/Jack Victory)
今夜のハートフォードでの定期興行、まずはスカル・フォン・クラッシ
ュ(後にVito "The Skull" Lograssoとして暴走禿頭軍に加入し、WW
EではBig Vitoを名乗る事に)とCWとの激突でキック・オフ!。スカル
がお客に唾を吐き掛けるなど、いきなり場内は少々騒然といたしまし
たが、スカルはCWのDDTを跳ね返し、旋回式の顔面砕きにてCWを
キチンと料理。あ、負けたCWにはジャック・ヴィクトリーの叱責も。
ASimon Diamond vs. Roadkill (w/Danny Doring)
「つまらんのゥ!」なんてチャントも一部にあったものの、キルのセコ
ンドに付いたドーイングのセコな介入、それをテキバキとさばくサイモ
ン、試合にピリオドを打ったキルの重爆攻撃と、楽しめる場面もあり。
BSuper Crazy vs. Little Guido (w/Big Sal E. Grizziano)
クレイジーの繰り出す派手な飛び技に見事な吊り天井。これを受け
るグイドーも、得意のオトボケ風味のシュート・スタイルで試合を構築。
サルの介入何するものぞと、最後はクレイジーが勝ち星をゲットいた
しましたが、さすがにこの両人の手合わせやと、見所一杯の好試合
となりますな。あ、クレイジーの入場テーマが、ドアーズの『Roadhous
e Blues』であったので、これまたワシには高ポイントでしたワ。
※さっき調べたところ、クレイジーの入場テーマはJohnny Viciousなる
人が『Roadhouse Blues』をリミックスした『Blue Roads』って曲でした。
CJerry Lynn vs. Lance Storm (w/Dawn Marrie)
マリー嬢への遠慮のない「オッパイ見せろ!」チャントに挫けてはお
られぬと、リンもストームも序盤からフォール合戦を披露し、中盤〜終
盤とスポット回しの連射。失礼ながら地味な風体のリンとストーム、そ
れでも実力でお客の視線をマリー嬢のオッパイからリング上の試合へ
と変えてみせたのは立派でしたな。最後はストームのメリケン攻撃を
見切ったリンが、電光石火でストームを丸め込んで勝ち名乗りでっせ。
DECW World Tag Team Title Match :
The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
(w/Joel Gertner & Sign Guy Dudley)
vs. Nova & Chris Chetti
ここではダッドリーズの腰巾着であるジョエル・ガートナーが、まるで
ミイラ男のごとく顔面を包帯&絆創膏でグルグル巻きにしているのに
まずは注目。これ、5月16日に放映されたPPV『Hardcore Heaven'9
9』においてマホーニーの火炎攻撃を顔面に受けたためでして、本当
に怪我をしているのか、はたまたこれさえも『ネタ』なのかは分かりま
せんが、こうしてドサ巡業でもこれまでの物語に忠実であろうとするガ
ートナーのプロ根性(←そんな大袈裟な事でもないか)に脱帽ですワ。
さてさて試合なんやけど、ダッドリーズの合体技が少々タイミングがズ
レたみたいでして、ノヴァが頭頂部よりリングに落ちて負傷退場(ババ
のしまった、って表情が印象的)。で、このまま試合をハンディ戦には
しておれぬと、急遽代打でリングに上がったのがマホーニー。自ら用
意した画鋲テーブルに沈んで見せるなど、とても突然の救援を命じら
れた者とは思えぬグッド・ワーカー振りを披露や。結局最後はチェッテ
ィが敗退となって試合に幕が下りるんやけど、突然のアクシデントによ
る試合のクオリティ低下など、微塵も感じさせなかった4選手にはただ
ただ感謝するだけ。ウン、こうして不測の事態に対する咄嗟の対処方
法をライヴで勉強しつつ、レスラーは腕を磨いて行くんですな。
○トイレ休憩の時間となりました
今宵の興行も前半を終え、ここらで一度トイレ休憩など。で、この時
間を利用してグッズを売りさばくのは、日本の各団体もECWも一緒。
会場の隅に設営されたグッズ売り場では、トミー・ドリーマーとフラン
シーン嬢がせっせとお客達の購入したTシャツにサインを書き入れて
おります。
○やって来ました、お邪魔虫(苦笑)
と、まだ休憩時間なのに、スティーヴ・コリーノがリング・イン。やおら
マイクを握って、グッズ売り場で精を出すドリーマーとフランシーン嬢を
憎々しく罵倒し始めましたで...。
ESteve Corino vs. Tommy Dreamer (w/Francine)
何時までもコリーノに好き勝手に喋らせてはおけぬと、ドリーマーが
フランシーンを引き連れてリング上に。で、3者それぞれにマイクを回
しつつ、あれこれと悪口合戦。そして遂にドリーマーの鉄拳がコリーノ
の左頬にブチ込まれ、当初予定されていなかったはずの番外戦が文
字通り勃発や!(...苦笑)。あ、でも試合自体はフランシーン嬢が
コリーノにDDTを放って極々短時間にてお開きに。やれやれ、コリー
ノさんにはホンマにお疲れ様でしたな...。
FEl Mosco vs. Yoshihiro Tajiri
出ました、『ザ・蚊男』ことエル・モスコ。巧妙に蚊をデフォルメしたマ
スクを被り、好調タジリのパンチ&キック〜垂直落下式のブレーン・バ
スターを喰らって轟沈するって役どころを好演してくれましたデ。
GECW World Heavyweight Title Match :
Taz vs. Yoshihiro Tajiri
『ザ・蚊男』を軽く撃退し、意気上がるタジリ。と、ここで突然場内にタ
ズのテーマ曲が鳴り響き、ECW認定の世界王者のベルトを手にした
タズが威風堂々のお出まし。どうやらタジリに対してこのベルトが欲し
ければ自力で獲ってみろとの、タジリにとっては思ってもみなかった申
し出みたいや。勿論当のタジリにも異論などあるはずもなく、ここにE
に引き続いてまたまた当初予定されていなかったはずの番外戦(しか
も世界タイトル戦)が文字通り勃発や!。ただし試合内容はやっぱり
王者タズのワン・サイド・ゲーム。場外戦でタジリをド突き回し、リング
に戻ってもタジリの放つ日本製の丸ノコ蹴りを、そのブ厚い胸板でしっ
かり受け止め、蹴り足を捕らえて切れ味の鋭いスープレックスへと持ち
込み、最後も粘るタジリを一瞬でチョーク・アウト。この時点での両者の
力量の差が残酷な程に露呈いたしました。けど試合後のタズの様子
を見ていると、なにやらタジリの健闘を讃える仕草。そうか、どうやらタ
ズはタジリを自身の新たな好敵手として認めたみたいでっせ。
HJustin Credible (w/Jason) vs. Sabu (w/Bill Alfonso)
さてさてこのDVD−Rのような、所謂ファン・カム(現場生撮り)もの
の場合、実況や解説などは当然入っておりません。まぁ、その分だけ
収録された会場内の臨場感は生々しいんやけど、実況や解説が入っ
ていない映像に違和感を持たれる方が居られても不思議やおまへん。
で、それならこのワシが即席で1人実況&解説をやってやる、なんて
思ったのか、サブゥのセコンドに付いたアルフォンソがハンディ・ビデオ
・カメラを懸命に回す『RF-VIDEO』の撮影者の横に常に陣取り、カメラ
に搭載された内臓マイクに向けて独特のしゃがれ声でお喋り(笑)。
不幸にしてワシには殆ど聞き取れまへんが、ヒアリングの出来る方な
ら楽しみは百万倍になるはずでっせ。あ、試合はサブゥのアラビア殺
法にジャスティンが沈んでおりますが、両者ともに巡業疲れか少々覇
気ってものが感じられぬ戦いっ振りでしたワ。
IECW World Television Title Match :
Rob Van Dam (w/Bill Alfonso) vs. Spike Dudley
RVDの保持するTV王座を巡る、これまたアルフォンソのありがたい
1人実況&解説付きの試合(苦笑)。で、今宵のRVDの対戦相手なん
ですが、小兵のスパイク・ダッドリー君。これでは勝負の行方なんて見
え見えですが、加えて試合前にはスパイクもお客と一緒になってRVD
チャントに参加し、アルフォンソと固い握手までする始末...。スパイ
クの小さな小さな身体の何処にも、隙あらば王座を奪ってやろう、なん
て野心など見つかりまへん。で、RVD十八番のヴァン・ダミネーターな
ど厳しい攻撃も随所にあるものの、トータルとしてはほのぼのとした印
象の本タイトル戦は、スパイクのハリケーン・ラナ失敗(自身の後頭部
をリングにぶつけ、即刻“You Fuck Up !”チャントの餌食に)なんてズッ
コケを経てRVDが余裕の5☆スプラッシュで締め。ま、これはこれでE
CWって団体のドサ回り巡業での貴重なひとコマなんでしょうな...。 |
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