Extreme Hardcore Tag Teams Vol. 1
 (DVD-R*2)
 収録時間
 disc-1:約2時間3分
 disc-2:約1時間28分 
 幾多の名タッグ・チームを輩出したECW。しかし人気、実力、団体へ
の貢献度って3項目で評価するなら、これはやっぱりダッドリーズがダ
ントツでしょうな。って事で、ECW存命時に地方でのドサ回り興行を含
め、その興行の大半をビデオ収録したと伝えられる米国のプロレス・グ
ッズ屋『RF-VIDEO』が、ダッドリーズ絡みの試合を鋭意(いやいや、適
当に?)抽出して再編集。堂々2枚組のDVD−Rとして発表したのが
本作なんですワ。ではでは早速DVD−Rを鑑賞してみましょうか。

★★DISC-1★★

@97.3.1 Scranton, PA
 The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
 vs. Sandman & Tommy Dreamer (w/Beulah)
  97年の2月末から3月上旬頃のドサ巡業での定番試合。それでも
 当時のECWは初のPPV『Barely Legal』を4月13日と定めて勢いが
 付いており、ドサだからと言って“流す”様な事はいたしまへん(?)。
 この夜もダッドリーズとドリーマー&サンドマンが真っ向勝負ですワ。
 ま、最後こそサンドマンのパウダー攻撃を喰らって視界を奪われたバ
 バ・レイが、怨敵ドリーマーと2人して本来の相方であるD−ボンを3
 D葬してしまうなんて大チョンボをしでかしてしまいましたが、直後の
 ガートナーとビューラ嬢の絡み、ギャングスターズの乱入(血海に沈
 むニュー・ジャック親分の姿は必見)、アクセル・ロットンの追撃と、見
 所満載でっせ。
A97.5.24 Monaca, PA
 ECW World Tag Team Championship :
 Weapons Match :
 The Eliminators (Perry Saturn & John Kronus)
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Joel Gertner)
  今度はギャングスターズやイリミネーターズと三つ巴で抗争劇を繰
 り広げていた頃のお話でして、この夜のダッドリーズは武器使用可能
 戦にて宿敵イリミネーターズ(タッグのベルトを腰に巻き、ハーレー・ダ
 ヴッドソンに跨り入場!)と激突や。まずは武芸の達人であるのがギ
 ミックのイリミネーターズにヌンチャクでのポージング合戦を仕掛けて
 (D−ボンは己の顔面に、ババ・レイは己の股間に各々自爆...)客
 席を和ませ、そこから荒れに荒れた試合へと突入。あ、それでも乱戦
 の中、高難度のムーヴを連発するイリミネーターズと、それを十二分
 に引き立ててやっているダッドリーズには脱帽。最後はイリミネーター
 ズ必殺のトータル・イリミネーション(完全殺戮)が、ババ・レイとD−ボ
 ンに同時に炸裂してジ・エンドか。ウン、これは“乱”と“巧”が上手く融
 合された好試合でしたな。
B98.10.17 Birmingham, AL
 Balls Mahoney & Masato Tanaka
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
  さてさて、ダッドリーズと言えば試合前の執拗な客煽りが付き物でし
 て、加えて客席全体ではなく、ピン・ポイントでこいつと目を付けた客を
 挑発しまくり、結果客席全体のヒートをかうのが常套手段や。当然、こ
 の夜もこれが功を奏し、対戦相手のマホーニー&田中がパイプ椅子
 片手に現れる頃には、客席は完全に“出来上がって”おります。けど、
 ここですぐに試合へと入らないのがダッドリーズの憎いところ。血気に
 はやるマホーニー&田中に対し、「そんなモン(←パイプ椅子)使わず、
 レスリングで勝負しようやないか」と、嫌らし過ぎる提案。ウーン、ここ
 らのお客や対戦相手のさばき方、レスラーを志す人には勉強になるん
 やないでしょうか。で、提案通り試合の終盤までレスリングで覇を競っ
 た両軍やけど、ガートナー&ビッグ・ディック(←直訳するならデカチン)
 の無法乱入を合図に、パイプ椅子チャンバラへと突入し、田中の痛烈
 な一発を喰らったバハ・レイが見事に昇天。ババ、お疲れさんでした。
C99.6.13 Winston-Salem, NC
 ECW World Tag Team Championship :
 Falls Count Anywhere Match :
 The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
 vs. Balls Mahoney & Roadkill (w/Danny Doring)
  ここではダッドリーズの腰巾着であるジョエル・ガートナーが、まるで
 ミイラ男のごとく顔面を包帯&絆創膏でグルグル巻きにしているのに
 まずは注目。これ、5月16日に放映されたPPV『Hardcore Heaven'9
 9』においてマホーニーの火炎攻撃を顔面に受けたためでして、本当
 に怪我をしているのか、はたまたこれさえも『ネタ』なのかは分かりま
 せんが、こうしてドサ巡業でもこれまでの物語に忠実であろうとするガ
 ートナーのプロ根性(←そんな大袈裟な事でもないか)に脱帽ですワ。
 で、試合なんやけど、これって元々はダッドリーズとロードキル&クリ
 ス・チェッティの対戦でしたんや。けど、どうもチェッティは負傷している
 様子で、これでは試合にならないと控え室より呼び出されたのが、暴
 れん坊のマホーニー。これにはダッドリーズ側も、さすがに驚きの色を
 隠せまへん(よ、役者やのゥ)。しかもマホーニー、自分勝手にこの試
 合をエニイ・ウェア式に変更してしまい、ババ・レイをスタンド席最上段
 まで追い詰めてタコ殴り。そしてリングへ取って返すと、口の中に油を
 タップリと含んでババ・レイ目掛けて火炎噴射!。ま、これは寸でのと
 ころでババ・レイも回避しましたが、このままでは試合云々より命その
 ものが危ういと悟った(苦笑)ダッドリーズ、一致結束してマホーニー
 を火炎&画鋲テーブルの刑に処し、残るロードキルには3Dを決めて、
 なんとかリング上より生還...。それにしてもドサ巡業でこれだけや
 るとはねェ。ライヴのお客さんも大満足やったでしょうな。

★★DISC-2★★

@98.10.22 Buffalo, NY
 ECW World Tag Team Championship :
 Sabu & Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
  さてさてこのDVD−Rのような、所謂ファン・カム(現場生撮り)もの
 の場合、実況や解説などは当然入っておりません。まぁ、その分だけ
 収録された会場内の臨場感は生々しいんやけど、実況や解説が入っ
 ていない映像に違和感を持たれる方が居られても不思議やおまへん。
 で、それならこのワシが即席で1人実況&解説をやってやる、なんて
 思ったのか、サブゥのセコンドに付いたアルフォンソがハンディ・ビデオ
 ・カメラを懸命に回す『RF-VIDEO』の撮影者の横に常に陣取り、カメラ
 に搭載された内臓マイクに向けて独特のしゃがれ声でお喋り(笑)。
 あ、少々脱線が過ぎましたな。肝心の本試合ですが、サブゥとRVDが
 保持するタッグ王座(ちなみにRVDはTV王座との二冠を保持)にダッ
 ドリーズが挑むって図式でして、両軍の持ちネタが随所に散りばめら
 れたロング・マッチ。一応試合はRVDのヴァン・ダミネーター⇒サブゥ
 のアラビアン・プレスとフィニッシュ・ムーヴが連発で決まって、惜しくも
 ダッドリーズが敗退となるんやけど、試合の後がこれまた大混乱や。
 突如現れたシェーン・ダグラス&クリス・キャンディードがダッドリーズ
 と結託し、サブゥとRVDを急襲。ダグラスさん、マイクを握ってサブゥ
 に向け、「明日のピッツバーグ(←ちなみにダグラスさんの地元です)
 での一騎討ち、覚悟しておけ!」と、ちゃっかり宣伝を行っていると、
 今度はタズまでがダグラスさん追撃に御出馬!!。
 【追記@】この試合、単体でも楽しめますが、disc-1のBや『Best of
 the Extreme Fancam Vol. 1』ってDVD−Rに収録されたピッツバー
 グでのダグラスとサブゥとの一騎討ち(10月23日)、『Hardcore Tric
 ks, Extreme Treats』ってDVD−Rに収録されたオハイオ州はクリー
 ヴランドでの定期興行(10月24日)、11月1日放送のPPV『Novem
 ber to Remember '98』と順序だてて鑑賞すると、複雑怪奇な各自の
 人間模様も分かって非常に興味深いです。お金と暇のある方、是非
 お試しあれ。
 【追記A】この試合、本DVD−Rの中では10月23日のニュー・ヨー
 クでの定期興行からの収録とありますが、これは『RF-VIDEO』のチョ
 ンボ(苦笑)。10月23日は上記した様にシェーン・ダグラスさんのお
 膝元、ピッツバーグでの定期興行であり、ニュー・ヨークでの定期興
 行はその前日、10月22日の開催でっせ!。
A98.2.6 Ft. Lauderdale, FL
 New Jack & Spike Dudley & Kronus
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley
 & Big Dick Dudley)(w/Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
  バック・ステージまで雪崩れ込んでの大激戦が繰り広げられたのは、
 98年2月6日のフロリダ州はフォート・ローダーデルでの定期興行。
 こんな乱戦になると、大きく重いテレビ・カメラより、『RF-VIDEO』が回
 す小さく軽いハンディ・カムの方がフット・ワークが良く適しているよな、
 なんて思っていたけど、そのカメラ・マンが乱戦に巻き込まれたか、は
 たまた映像のデジタル化の際に『RF-VIDEO』が下手を打ったか、本
 試合はブロック・ノイズが乗る上に、音声まで途切れる箇所も。ま、所
 詮は海賊商品なので、余り細かくケチを付けても仕方がないんやけど
 ね...。尚、試合はニュー・ジャック親分が3D葬(顔面からモロに落
 ちていて、非常に痛そうでした)されて幕となっております。
B99.3.26 Binghampton, NY
 Cage Match :
 Mustafa & The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
 vs. New Jack & Balls Mahoney & Axl Rotten
  時間差入場式の金網戦でして、ここではダッドリーズよりも、ギャン
 グスターズのお2方、そう、ニュー・ジャック親分とムスタファが敵対し
 ているところに注目。実は99年2月12日に開催された定期興行『Cl
 ossing the Line '99』にて久々に戦線復帰(←ムショにでも入っていた
 ?)のムスタファが親分をダブル・クロスして宿敵ダッドリーズとまさか
 のシェイク・ハンド。これに怒った親分、3月21日放送のPPV『Living
 Dangerously '99』にて、凶器の使用OK戦でムスタファを完全KOや。
 で、改めてダッドリーズを絡めて組まれたのが本試合って寸法。ちな
 みにこの一週間後、4月3日のECWアリーナでの定期興行『Cybers
 lam '99』でも同一メンバーによる時間差入場式の金網戦が組まれて
 おり、少々意地悪な見方をするなら、本試合はその『舞台稽古』って
 ところやろかね。ただし只の『舞台稽古』で終わらせないのが、ECW
 って団体(いや、この場合は6人の演者か)の凄いところ。安全な“竹
 光”ではなく、危険な“真剣”を使って『舞台稽古』をやるモンやから、
 当然血もドクドクと流れますし、緊張感も違います。そして最後はニュ
 ー・ジャック親分の金網頂部からの自殺ダイヴ!。ま、この夜の親分
 は少々距離感を誤った様ですが、多分それは定期興行『Cyberslam 
 '99』ではキチンと軌道修正されて放たれるはず。ウーン、これはいよ
 いよ一週間後の試合がクローズ・アップされて来ましたな。


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