History of SMW Vol. 1
 (VHS-Tape)
 収録時間:約1時間52分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょっ
と怪しいプロレス・グッズの通販屋から、1本12ドル(今回は新年特売
セールに合わせてオーダーしたので3割5分引の7.8ドルやった)で発
売されている代物(著作権を無視し、TV放送や市販ビデオ等を素材に
編集した海賊テープ)です。で、その収録内容なんやけど、策士ジム・コ
ルネットがテネシー州はノックスヴィルを根拠地に、1991年の10月か
ら1995年の12月まで切り盛りしていたSMW【Smoky Mountain Wre
stling】の名場面集。では当時“米国のFMW”とも称された同団体の名
場面、じっくりと楽しませていただきましょか!。

@The Heavenly Bodies (Stan Lane & Tom Pritchard)
 (w/Jim Cornette)
 vs. The Fantastics (Tommy Rogers & Bobby Fulton)
  ボディーズとファンタスティックスの会場裏での揉め事。角材にコン・
 パネにテーブルにゴミ箱に、コルネットの代名詞であるテニス・ラケット
 までが乱舞するって内容でして、戦場は会場裏から駐車場へと移行。
 やるだけやったボディーズ、コルネットの自家用車(ファンタスティック
 スにリア・ウインドを叩き割られた)で、すたこらさっさと逃走ですワ。
ASMW Tag Team Championship Barbed Wire Cage Match :
 The Heavenly Bodies (Stan Lane & Tom Pritchard)
 (w/Jim Cornette)
 vs. The Fantastics (Tommy Rogers & Bobby Fulton)
 August 8, 1992 "Fire on the Mountain 1992"
 Johnson City, Tennessee, Freedom Hall
  @の流れを引き継ぎ、タッグ王座まで絡めてボディーズとファンタス
 ティックスが激突。決戦の舞台は木材の支柱であしらえられた有刺
 鉄線付きの檻でして、当然血はタップリと見るものの、それでもまず
 プロレスありきってところが、最近のデス・マッチ団体とSMWが一線
 を画すところやろかね。試合はコルネットの凶器ラケットの投げ込み
 が空回り。これでファンタスティックスが新王者コンビとなりました。
BBrian Lee vs. The Night Stalker
  ブライアン・リーとナイト・ストーカー(←後年、WWFに転じてアダム
 ・ボムを名乗る事に)の一騎討ち。さてさて試合前、誰が置いたのか
 リングの上にはリーの墓標が。で、どうやらこの笑えぬ悪戯はジ・マス
 ター(ケヴィン・サリバン)の仕掛けたもののようで、マスターはリーと
 ストーカーの試合にも介入。ただしストーカーのラリアットがマスター
 に誤爆してしまい、これで焦ったストーカーはリーに綺麗にピン・フォ
 ールを奪われて...。
CBrian Lee vs. The Master (Kevin Sullivan)
  子飼いのストーカーをフォールされ、遂にマスターがリーとの一騎討
 ちへと出陣。試合開始を告げるリング・ベルなど待てぬとリーがマスタ
 ーに突っ掛けたものの、リーを待っていたのはマスターのファイアー・
 ボール!。続いてマスターはトランクスから金属製の“シノ”を取り出し
 てリーの額を全く遠慮なく突きまくり!。マスター(ケヴィン・サリバン)
 の恐ろしさが垣間見えたこの試合、『Rf-Video』の商品紹介欄による
 と1992年11月の収録みたいですワ。
DSMW Tag Team Championship Street Fight Match :
 The Heavenly Bodies (Stan Lane & Tom Pritchard)
 (w/Jim Cornette)
 vs. The Rock'n Roll Express (Ricky Morton & Robert Gibson)
 November 28, 1992 Johnson City, Tennessee, Freedom Hall
  “なんでもあり”のストリート・ファイト戦にてボディーズとRR超特急
 が激突。まるで酒場の大喧嘩のごとき一戦で、そんな中にタイミング
 良くビッグ・バンプを取りまくるコルネットは実にお茶目。またRR側の
 モートンなどは額を大きく割られてサード・ロープに首を括り付けられ
 るなど大活躍や。最後は凶器装着の無法キックにて、プリチャードが 
 ギブソンをフォール。タッグ・タイトルがボディーズへと渡りましたデ。
EKevin Sullivan vs. Kanemura (w/Yamaguchi)
  今では想像出来んけど、まだプロレスって芸が羽振り良かった頃は、
 日本人選手の海外遠征ってのも珍しい話やおまへんでした。特に若
 手選手なんて、海外修行に出してもらってやっと一人前って見なされ
 たモンですワ。また主力選手も率先して海外の提携団体へと出向き、
 そこで外国人選手との間に抗争アングルを作り、それを“手土産”とし
 て自団体に持ち帰えって来ておりました。さてさて海外遠征にて勃発
 した抗争アングルと言えば、やはり一番有名なのは1990年8月29
 日、大仁田厚がプエルトリコで仕掛けたブルーザー・ブロディ刺殺犯
 としても名高い(?)ホセ・ゴンザレスとの大ネタ。ま、この場合はブロ
 ディが日本で余りに人気者であったため、その殺害事件を“商売”の
 ネタにするとは何事かと一部プロレス・マスコミが騒ぎ(なんとも無粋
 な事をしよるなァ)、実にあっさり“お蔵入り”となってしまいましたが。
 けどいくらプロレス・マスコミが騒ごうとも、“仕掛けの連鎖”は一向に
 止まりまへん。今度はFMWとは敵対関係にあったW★INGにて、同
 様の抗争アングルが勃発します。そう、SMWに遠征に出た金村ゆき
 ひろをケヴィン・サリバンが襲い、金村の左腕に大怪我を負わせたっ
 てヤツでして、当時各プロレス雑誌では『ケンタッキーの惨劇』として
 大きく扱われたものです。ただ大仁田の場合(ちなみに大仁田に対し
 て、ゴンザレスに刺された腹の傷を見せてくれって頼むのはタブー)
 と同じく、こちらもホンマは大した事のない怪我を必要以上に大袈裟
 に“吹いて”いるんやって当時のワシは思っておりました。「信じて欲
 しいのなら、せめて映像か写真の一枚でも見せてみろ」、なんてね。
 あぁ、でもまさかあれから15年も経った今、『ケンタッキーの惨劇』の
 一部始終が我が家のモニター画面で確認出来る事になろうとは!!。
 いやはや、ずっとプロレスを観続けて来て、海外通販でブート映像を
 集め始めて、ホンマに良かったですワ。
 【これが惨劇の一部始終】
  カリビアン・ヘビー級王座なる正体不明(失礼)のベルトを腰に巻き、
 会場片隅のインタビュー・スペースに立った金村。さてこれからインタ
 ビューでも始めましょうかと、金村もカメラ目線をバッチリと合わせたと
 ころで、いきなりサリバンが画面左より現れ、金村を襲撃。で、そのま
 ま両者は縺れてリングの方へと雪崩れ込むんやけど、ここからはまさ
 に惨劇そのもの。鉄柱攻撃(と、自身のブレード)で大きく額を割って
 顔面を真っ赤に染めた金村を、サリバンがリング〜場外と好き放題に
 引き摺り回して殴る蹴るのやりたい放題。そして金村が反撃に出たそ
 の瞬間、サリバンはトランクスから取り出した金属製の“シノ”で金村
 の左上腕部をグサリと一撃。勿論試合はこれでサリバンの反則負け
 となるんやけど、一度歯車の狂ったサリバンは簡単に獲物を放そうと
 はいたしません。それどころか、金村の左上腕部を執拗に“シノ”で突
 き、そしてグリグリと抉る大暴走でっせ!。これ、多分ケーブルTV等
 でも流されたのでしょうが、残酷過ぎるって事で『Censored』の文字が
 大映しとなる場面も多数...。ウーン、“惨劇”ってのは作り話ではな
 かったんやなァ......。
     
     
 【実はテネシーの惨劇?】
  さっき押し入れからW★INGのパンフレット『ウイング・マガジンVol.2
 1993』を引っ張り出したところ、そこには『爆弾男、4年目の決意』とタ
 イトルの付いた金村のインタビューが載っておりまして、そこでこれま
 でずっとケンタッキー州で起こった惨劇だと思っていた本件が、実は
 993年3月1日のテネシー州はセイバーヒルってところでの出来事で
 あった事が判明。なんや、それやったら『ケンタッキーの惨劇』ではな
 くって、『テネシーの惨劇』やないの。おかしいなァ、このパンフレットも
 当時何度も読み返したはずやのに、なんでケンタッキーやなんて思い
 込んでしもたんやろ?。
 【惨劇、その後...】
  こうしてサリバンとの抗争アングルを“手土産”に日本へと帰国した
 金村。当然金村を追ってサリバンもW★INGマットへと姿を現し、19
 93年5月27日の後楽園ホールにて両者は激突。そしてここでもサリ
 バンは常軌を逸した攻撃で金村に襲い掛かり、例の金属製の“シノ”
 を今度は金村の目の付近に突き立てる残虐行為を披露。この余りに
 ショッキングなシーン、今でもVHSテープ『デスマッチの帝王の座を奪
 取せよ!』にて確認可能なので、良かったら皆さんもどうぞ。 
FTriangular Street Fight Match :
 The Heavenly Bodies (Stan Lane & Tom Pritchard)
 (w/Jim Cornette) & Bobby Eaton vs.  
 The Rock"n Roll Express (Ricky Morton & Robert Gibson)
 & Arn Anderson vs.
 Team Mantell (Dutch Mantell & Jimmy Golden & Robert Fuller)
 April 2, 1993 "Bluegrass Brawl I"
 Pikeville, Kentucky, The College Gym
  Dに引き続き、こちらも酒場の大喧嘩。しかも3人1組のチームが3
 つも集まり、合計9選手がリング内所狭しと絡み合うんやから、収拾
 など付くはずもおまへん(苦笑)。それでも当たるを幸いに、バッタバッ
 タと得意のDDTで相手を沈めるダブルAことアーン・アンダーソンなど
 は、存在感を出しまくり!(格好エエなァ)。あ、試合は最初にマンテ
 ル軍が戦線離脱となり、ボディーズ対RR超特急の定番対決へと移
 行。最後はボディーズに凱歌が上がっております。
GRage in a Cage Match :
 The Rock'n Roll Express (Ricky Morton & Robert Gibson)
 & Bob Armstrong & Steve Armstrong & Scott Armstrong
 vs. The Heavenly Bodies (Jimmy Del Ray & Tom Pritchard)
 & The Bruise Brothers (Ron & Don Harris) & Jim Cornette
 August 14, 1993 "Fire on the Mountain 1993"
 Johnson City, Tennessee, Freedom Hall
  ボス・マンを特別レフェリーに、遺恨渦巻くボディーズとRR超特急が
 時間差入場式のウォー・ゲームにて全面対決。ボディーズ側には巨
 漢双子のブルース兄弟とコルネットが、RR超特急側には“南部の由
 緒正しきプロレス一家”であるアンダーソンズがそれぞれ助っ人として
 加わっておりますんや。試合はコルネットのプロデュース力が十二分
 に発揮されたと思われる、山あり谷ありの見どころタップリのロング・
 マッチとなり、最後はコルネット自身がボブ・アームストロングからキツ
 く絞り上げられてのフォール負け。ウンウン、ビッグ・マッチの幕引きは
 やっぱりベビー側が勝たないとお客も納得せん。それならヒール側で
 一番の嫌われ者であるコルネットが、“テネシーのヒーロー”であるボ
 ブ・アームストロングにお灸を据えられるのが最も効果的やモンな。
 とことん楽しませて貰ったデ、ありがとうコルネットさん。
HThe Heavenly Bodies (Stan Lane & Tom Pritchard)
 (w/Jim Cornette)
 vs. The Steiner Brothers (Scott Steiner & Rick Steiner)
  今にも噛み付かんばかりのピット・ブルを引き連れ、悪党ボディーズ
 退治に現れたのはスタイナー兄弟。ウーン、どうもSMWの雰囲気に
 馴染まぬ感じの人選やなァ。試合はコルネットのセコな介入によって
 ボディーズがズル勝ちしジ・エンド。映像には一部カットもあったけど、
 ワシにはこれで十分でした。尚、この試合は『Rf-Video』の商品紹介
 欄によると1993年10月9日のケンタッキーでの収録みたいですワ。
ISMW Heavyweight Championship Match :
 Brian Lee (Tammy Lynn Fytch) vs. Dirty White Boy
  リーの保持するSMW認定の世界王座にホワイト・ボーイが挑戦。
 リーのセコンドに付いたタミー嬢がスプレー攻撃でリーを援護したた
 め、余裕でリーがホワイト・ボーイを一蹴しております。尚、この試合
 は『Rf-Video』の商品紹介欄によると1993年10月の収録みたい。
JBrian Lee (Tammy Lynn Fytch) vs. Dirty White Boy
  腕を負傷したので試合をやりたくないと駄々をこねるリー。けどこれ
 に構わずホワイト・ボーイが無理やり仕掛けたところ、またもタミー嬢
 が試合に我が物顔で介入。おいおいまたこの展開かいな、なんて思
 っていると、タミー嬢追撃にダーティ・ホワイト・ガール(DWG:Kim A
 nthony)までが登場や...。あ、この試合は『Rf-Video』の商品紹介
 欄によると1993年11月の収録みたいですな。


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