Double Death Tag Team Tournament 2006
 Nov 4th 2006 - Plainfield, IN 
 (DVD-R*2)
 収録時間
 disc-1:約1時間47分 disc-2:約1時間18分
 本作はDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既にお馴染みの米国
独立団体映像通販ショップ『SmartMarkVideo』から、2枚組で送料別20
ドルにて発売されている団体公認の代物です。
さて今回ご紹介するのは、イアン・ロットン総帥率いるIWA−Midsouth
が2006年11月4日にイリノイ州はプレインフィールドってところにて開
催した、史上初のタッグ・チーム版デス・マッチ・トーナメント『Double De
ath Tag Team Tournament 2006』の全容を納めたもの。さてさて実はこ
の前日の11月3日なんですが、IWA−Midsouthは同会場にてこれま
た史上初の開催となった女子選手のみによるデス・マッチ・トーナメント
『Queen Of The Death Matches 2006』をプロデュースしておるんです。
そう、二夜連続で女子版及びタッグ・チーム版のデス・マッチ・トーナメン
トをブッ放しよったんですワ!。ただ、しまった、そんな美味しい企画が
あると知っていたら、現地まで出掛けて行ったのに、なんて豪傑も居ら
れるでしょうが、そうそうおいそれとワシら極東の島国に住む平民のデ
ス・マッチ・ファンはイリノイ州までは出向けまへん(涙)。って事で、お出
ましとなるのがこのDVD−R。さあさあ早速、全世界のデス・マッチ・マ
ニア注目の本興行、隅々までコッテリと振り返ってみましょ。

★★DISC-1★★

@Sexxxy Eddy & Jagged vs. Mitch Ryder & Chuck Taylor
  まずは昨夜の女子版トーナメントにて“裏主役”を張ったセクシー・エ
 ディが、ジャグドを伴ってリングに登場。対するはIWA−Midsouth認
 定のヘビー級王座に就くチャック・タイラーなんですが、何故かタイラ
 ーには相方が居りまへん。あれあれ、これでは試合にならんやないの
 なんて思っていたら、何処からともなく現れたのがミッチ・ライダー。
 ライダーの仲間であるらしきプロフェットの制止も振り切り、急遽タイラ
 ーの相方に納まって試合は開始。ま、試合内容は各選手には悪いけ
 ど平々凡々としたもの(エディも昨夜の疲れが出たか、エロ・ネタは封
 印)で、ライダーがエディにフォールされてジ・エンド。で、試合後、役に
 立てずにスマンと素直にタイラーに詫びたライダーなんやけど、これが
 狡猾な罠。プロフェットを呼び込み、タイラーをボコボコにしてしまいま
 した...。どうやらライダーの狙いはタイラーのベルトみたいですな。
○入場式〜記念集合写真撮影
  トーナメントに参加する全8チーム、総勢16名の選手達が次々と入
 場。女性客の掲げる『Pondo Killed My Father And Raped My Mather
 He's Hardcore!』なんてサイン・ボードを見つけた当のポンド、嬉しそう
 にそれを手にして、全選手集合の記念写真のド真ん中に位置取りま
 した...(苦笑)。それにしても、これから血で血を洗う激戦をやるって
 言うのに、こうして全員笑顔で一枚の記念写真に納まれるってのは実
 に清々しいね。そうそう、みんなデス・マッチって“表現方法”が単に好
 きなだけで、別に対戦相手を試合に託けて半殺しにしてやりたいなん
 て心底憎んでいる訳やないんやもんな。
ADouble Death Tag Team Tournament 1st round #1
 Tables, Ladders, Chairs & Lighttubes Steel Cage Match :
 Old & Young (Drake Younger & Ian Rotten)
 vs. Diehard Dustin Lee & Vortekz
  さて、ここからがトーナメントの予選。まずその第1試合に神々しいお
 姿をお見せになったのは、IWA−Midsouthを仕切る“暴力大将”イア
 ン・ロットン総帥や。で、注目の総帥の相方なんやけど、CZW認定の
 UVU王者であるドレイク・ヤンガー。彼のリング・ネームにちなんでや
 ろね、オールド(←勿論総帥の事)&ヤンガーとお茶目過ぎるなチーム
 名まで用意して、若手のダイハード&ヴォルテクス(←今夜がMidsou
 thマットでのデビュー)討伐に出陣でっせ。試合は蛍光灯でのシバき
 合いから始まり、総帥が大型の脚立の先端で若手2人の額を力任せ
 に打ち抜く大暴走。それでも金網(そう、この試合は金網戦なんです)
 の頂部よりフット・スタンプでテーブルごとヤンガーを踏み潰したダイハ
 ードに代表される様に、若手2人も黙ってやられてはおりまへんワ。
 しかしこれが“暴力大将”の破壊衝動にスイッチを入れてしもたんやろ
 な、総帥は変形スープレックス(←総帥、こんな技もやけに上手いな)
 から手加減抜きのパイプ椅子攻撃にて若手2人を完全KO。そこにヤ
 ンガーが止めとばかりにジャーマンを放ち、ダイハードをクリーン・フォ
 ールや。ウン、オールド&ヤンガーが予想通りの予選突破、なんて思
 っていたらまだ試合は続く模様。そう、本トーナメントでは相手チーム
 を2人ともフォールしないと勝ちとならない、完全決着ルールが導入さ
 れているんですワ。けどチーム・リーダーであるダイハードを失っては、
 もうヴォルテクスに打つ手は残っておりまへん。ヤンガーが金網頂部
 からエルボーを投下し、コップ・キラーにて完璧に幕を引きよりました。
 ※なんか上の駄文を読むと、若手2人が一方的にボコられたみたい
 になっとるけど、実はダイハード(まだ線は細いけど、エエ選手や)の
 活躍もあって、非常に熱い試合内容となっております。お勧め!
BDouble Death Tag Team Tournament 1st round #2
 Barbed Wire Boards & Bar Room Brawl Match :
 Tough Crazy Bastards (Necro Butcher & Toby Klein)
 vs. Hugh Rogue & Chuey Martinez
  ジョニー・キャッシュの『When The Man Comes Around』を鳴らしなが
 ら現れたのは、我等が“デス・マッチ・ジーザス”ネクロ・ブッチャー。イ
 ーグルスの珠玉のキラー・バラード『ならず者』がテリー・ファンク翁の
 テーマとして使われた時もビックリし、それ以上にこれ程“ハマる”人
 は居ないと感心もさせられたけど、なかなかジョニー・キャッシュの歌
 がピッタリと“ハマる”レスラーなんてのも居りまへんデ!。で、今宵は
 タッグでの出場って事で、ネクロさんの横に控えるのはご存知トビー・
 “狂気人間”・クレイン。2人してタフ・クレイジー・バスターズを名乗り、
 CZW認定のタッグ王座を強奪したなんて前歴(苦笑)もおましたな。
 さてさて注目の試合は、ログ&マルチネス(←いかにも丈夫なだけが
 取得のかませ犬風)との激突でして、まずはネクロさんがログを相手
 にビール瓶でのド突き合いを仕掛け、見事に(?)自身の脳天でビー
 ル瓶をカチ割る事に成功(ネクロさん、大丈夫かいな?)。その後、ネ
 クロさんはログを有刺鉄線ボードに磔に処し、無防備となったログの
 背中にダーツを数本投げ付けるお戯れ(メチャクチャや!)。続いてリ
 ングの中央に椅子を4脚並べ、相方クレインを含め全員に着座を指示。
 そう、今やネクロ・スペシャル(←実況者も言ってました)として定着し
 たゲンコツ合戦を、折角今宵はタッグ戦なんやから、4人でやってみよ
 うやないか、なんて粋な思い付きです。で、余裕でログ&マルチネス
 をノック・アウトしたネクロさんとクレイン、2人掛かりでマルチネスを有
 刺鉄線ボードに投げ込んでフォールし、簡単に負けてなるかと粘るロ
 グさえ、クレインが旋回式のデス・バレーで見事に沈めて見せました。
 よっしゃ、優勝候補の一角であるタフ・クレイジー・バスターズもトーナ
 メント制覇に向けて好発進や。
CDouble Death Tag Team Tournament 1st round #3
 Taipei Death & Shit That Hurts
 When You Get It In Your Cuts Match :
 Six Feet Under (Insane Lane & Freakshow)
 vs. Dysfunction & Corporal Robinson
  予選第3試合はタイペイ式(バンテージにビール瓶の破片を付けて
 武装し、それで殴り合う)が導入されておりまして、このルールに打っ
 て付けの人選が否が応でもこっちの観戦意欲をかき立てます。そう、
 “魂拳”コーポの出番でっせ。さてさてコーポ、2本のベルトを携えての
 入場で、これらはどうやらPWU【Pro Wrestling Unplugged】認定のハ
 ードコア王座のベルトと、JCW【Juggalo Championshit Wrestling】認
 定の世界王座のベルトみたいや。加えてコーポはIWA−Midsouth
 認定の2000年のデス・マッチ王やし、今宵コーポの脇を固めるディス
 ファンクションにしても、2006年のIWA−Midsouth主催のデス・マッ
 チ・トーナメントのファイナリスト。対戦チームのインセイン・レインとフリ
 ークショーがいくら売り出し中のデス・マッチャーでも、これはやっぱり
 勢いのあるコーポ組に分のある勝負。で、いよいよ試合開始となった
 んやけど、やはりコーポ組の猛攻にレインもフリークショーも青息吐息
 状態。そして中盤、笑えぬアクシデントが発生!。なんとコーポの“魂
 拳”を喰らったのが響いたのか、はたまた賞味期限の切れた缶詰で
 も喰って気分が悪くなったのか、突如レインがリング上で大量のゲロ
 を吐きよりましたんや(苦笑)。いやはや、“事前の打ち合わせ”に従っ
 てレインにフォールされたディスファンクションですが、まだ湯気が上が
 っている様な大量のゲロ(←『SmartMarkVideo』のカメラ・マンも、止せ
 ばエエのに、ゲロをアップで撮影して...)のすぐ傍で3カウントを聞く
 羽目となって、さぞや辛かったやろと思いますな(苦笑)。さてさてレイ
 ンの思わぬゲロ攻撃(?)に相方を失った“魂拳”コーポ、怒りの反撃
 でフリークショーをチョーク・アウトし、ゲロを吐くだけ吐いてやけにスッ
 キリした表情のレインと改めてタイマン勝負。十八番の河津落しにて
 レインをパイプ椅子&蛍光灯のトラップに叩き込み、キッチリと相方デ
 ィスファンクションの仇討ちも達成ですワ。しかし試合のルールと人選
 から、コーポによる壮絶なるタイペイ式の“魂拳”が見れるはずと期待
 していたのに、リング上で実際に披露されたのはレインによる生ゲロ・
 ショーか...。ウーン、これはちょっと残念やったかも。
DDouble Death Tag Team Tournament 1st round #4
 Electrified Lighttubes Match :
 Baka Gaijin (Mad Man Pondo & 2 Tuff Tony)
 vs. Children Of Pain (Jacob Ladder & Darin Childs)
  レインのゲロのお陰で、まだリング周辺には酸っぱい臭いが漂って
 いた事と思いますが、それでもさっさと予選第4試合を始めないとあき
 まへん。で、現れ出たのは、大日本プロでもお馴染みのバカ・ガイジン
 こと、マッド・マン・ポンドと2・タフ・トニー。ジェイコブ・ラダー&ダーリン
 ・チャイルズを相手に、点灯させた蛍光灯を公認凶器とする一戦が火
 蓋を切りました。で、注目の試合内容なんやけど、やっぱり“この手”の
 ルールに精通するバカ・ガイジンの独壇場でして、2人して点灯した蛍
 光灯を掲げ、クローズ・ライン風に相手の顔面にブチ込んで見せるなど
 と、タッグ方式ならではのスポットも構築や。そしてここで先の試合同
 様、またもアクシデントが勃発!。そう、押され気味の展開を挽回せん
 と、チャイルズがフード付きのトレーナーに油を染み込ませ、そこに火
 を点けて火炎ダイヴ攻撃を決行しよったんです。けどこれが目測を誤
 ったか、トニーの身体を捕らえ切れず、そればかりか油を染み込ませ
 過ぎたんやろね、全くトレーナーから火が消えまへんのや!!。慌て
 たスタッフが消火器を撒いてなんとか火を消し止めましたが、もうちょ
 っとでも救いの手が遅れたらと思うと、ホンマにゾッとさせられる場面
 でしたワ。あ、チャイルズはこのアクシデントにてフォールを取られ、残
 ったジェイコブもトニーの十八番の2・タフ・ドライバー(on蛍光灯)をモ
 ロに喰らって(非常に説得力あるフィニッシュやった)昇天しとります。

★★DISC-2★★

@Double Death Tag Team Tournament Semifinals #1
 Fans Bring The Weapons Match :
 Old & Young (Drake Younger & Ian Rotten)
 vs. Tough Crazy Bastards (Necro Butcher & Toby Klein)
  ここからがトーナメントの準決勝戦となりまして、まずその第1試合で
 は“暴力大将”イアン・ロットンと“デス・マッチ・ジーザス”ネクロ・ブッチ
 ャーがタッグながら激突!。いやはやこの両人がリングで対峙すると、
 何処からどう見てもゴジラとキングギドラが睨み合っている様にしか思
 えんし、しかも今回はタッグって事でラドン的なポジションのトビー・“狂
 気人間”・クレイン、モスラ的なポジションのドレイク・ヤンガーまで居て
 まして、さながらリング上は『怪獣大戦争』って感じ。で、試合開始とな
 ったんやけど、序盤はロットン総帥が手にした画鋲付きの軍手が大活
 躍。総帥、その軍手で船木誠勝の如くクレインの額に掌打を連続して
 叩き込み、フリッツ・フォン・エリックの如くネクロさんの額にアイアン・ク
 ローをお見舞いや。これでペースを握った総帥、ネクロさん相手にリン
 グ中央で両膝をついての頭突き合戦をブチかまし、ネクロさんは顔面
 を真っ赤に染める大量出血状態に。しかし己の血を見てネクロさんは
 ガチ・トリップでもなされたか、突如憤怒の反撃を開始。総帥&ヤンガ
 ーの連携攻撃も跳ね返して、そのままの勢いでイアンを得意のエイジ
 アン・スパイク(チョーク・スリーパー)にて締め落としてしまいよった!。
  って感じでここまで書いたんやけど、ここまではあくまでも本試合の
 “序章”でしかおまへん。そう、総帥が試合の権利を失った事で、ひと
 りリングに取り残された格好のドレイク・ヤンガーが、ここから正に獅
 子奮迅の闘いっ振りを披露しよったんや。ネクロさんとクレインの集中
 放火を全身に浴びても徹底してフォール負けを拒否!。ウン、この時
 のヤンガーには、絶対に“デス・マッチの神”が降りてまっせ!!
 最後こそネクロさんのエイジアン・スパイクに屈したヤンガーでしたが、 
 これは本トーナメント一番の熱い熱い好試合。気になる方、絶対に損
 はさせんので、一度映像を観ていただきたいですワ。
ADouble Death Tag Team Tournament Semifinals #2
 Fans Bring The Weapons Match :
 Baka Gaijin (Mad Man Pondo & 2 Tuff Tony)
 vs. Dysfunction & Corporal Robinson
  両軍の全4選手が揃って客席にハンド・クラッピングを要求。これに
 即座に客席も応え、明るく楽しく始まった準決勝戦第2試合。ここでは
 ポンドの試合の大きな特徴のひとつである、やっている事は非常にエ
 ゲツないんやけど、端々に“アメ・コミ風のバカバカしさ”が顕著となる
 展開が。さてさて、“バカ・ガイジン”とは誰が何時言い出したのかワシ
 には分からんのですが、多分さっきワシが書いた“アメ・コミ風のバカ
 バカしさ”ってのとも相通ずるところがあるんやないかと思うんですワ。
 で、この“アメ・コミ風のバカバカしさ”ってのをどう受け取るかでポンド
 ってレスラーの評価も分かれるのではと考えるのやけど、ワシの場合
 は残念ながらどうも居心地悪く感じられてしもて、それがイアン総帥や
 ネクロさんらから比べると、ポンドを一段も二段も低くランク付けしてし
 まう要因となって...(セルの下手糞さ、って言うかこの人の場合は
 セルそのものを殆ど拒否?する試合運びもどうにも好きになれんな)
 なんか試合のレビューやなしに、マッド・マン・ポンドってレスラーの悪
 口大会となってしもたけど、取りあえず試合はポンド率いるバカ・ガイ
 ジン側の勝利で終止符。ウーン、本トーナメントでは“魂拳”コーポが
 丸っきり泣かず飛ばず状態やったなァ。この点、残念で仕方ないワ。
BDouble Death Tag Team Tournament Final
 No Rope Barbed Wire, Caribbean Spider Web Death Match :
 Baka Gaijin (Mad Man Pondo & 2 Tuff Tony)
 vs. Tough Crazy Bastards (Necro Butcher & Toby Klein)
  さてさて、これから始まるのが、IWA−Midsouthのプロデュースに
 よる、史上初のタッグ・チーム版デス・マッチ・トーナメント『Double Dea
 th Tag Team Tournament 2006』の優勝決定戦。ここで再度、優勝決
 定戦に駒を進めた両軍を紹介すると、“デス・マッチ・ジーザス”ネクロ
 ・ブッチャー&トビー・“狂気人間”・クレインによるタフ・クレイジー・バス
 ターズと、2・タフ・トニー&マッド・マン・ポンドによるバカ・ガイジン。
 リングからロープを全て撤去し、二面には有刺鉄線を巻き、残った二
 面には有刺鉄線さえ巻かず、代わりにエプロン下に有刺鉄線&蛍光
 灯(または有刺鉄線&サボテン)にて作った蜘蛛の巣トラップを設置
 するって、大仁田時代の後期FMWで頻繁に行われていた、所謂“ダ
 ブル・ヘル”方式ってやつを導入し、いよいよ決戦のゴングですワ。
 ただ、予選〜準決勝と楽勝ペース(←ホンマは辛かったのかも知れま
 へんが、前述した様にポンドの芸風では辛さがこっちに伝わって来な
 いんですワ)で勝ち上がって来たバカ・ガイジン側に比べ、熾烈極まる
 激戦の連続を戦い抜いて来たタフ・クレイジー・バスターズ側はどう贔
 屓目に見てもガス欠直前。ネクロさんなんて額から流れる血を拭き取
 る事さえも辛そうで、ようやく立っているって感じや。けど、いざ試合と
 なれば、またもや傷だらけの全身を使って過剰な被虐表現を行ってし
 まうのも、我等がネクロさんの持って生まれた悲し過ぎる性...
 裸足の足の裏にポンドによって工業用の大型ホチキスを打ち込まれ、
 ポンドによって川津落しで蜘蛛の巣トラップへとブチ込まれと、全編“ら
 しさ”満開の試合運び。しかしここでワシには予想しなかった展開が。
 そう、なんとネクロさんがポンドのSTOP標識攻撃を喰らって、そのま
 まトニーによってフォールされ、続いて今度はポンドがクレインの旋回
 式デス・バレーによって敗退。試合は一気にクレインとトニーによる一
 騎討ちへとシフト・チェンジされてしまいましたんや。それでもこれで試
 合がショボくなってしまったかと言うと、これが実は正反対の超ヒート・
 アップ。試合の権利を失ったネクロさんやポンドが見守るなか、クレイ
 ン相手に2・タフ・トニーが驚異の活躍を見せよったんですワ。クレイン
 の旋回式デス・バレーによって蜘蛛の巣トラップへと投げ込まれてもフ
 ォールを拒否し、それどころか最後は2・タフ・ドライバーにてクレインを
 トラップの残骸へと叩き付け、これはクレインもなんとか返したものの、
 しからばとサボテンの上でトニーはクレインを逆さ押さえ込みに捕らえ
 て大番狂わせの勝ち星をゲット!。いやはや、それにしてもクレインと
 トニーとの一騎討ちから試合決着までの数分間は、ホンマに濃密で手
 に汗握る展開でして、今宵の興行のハイライトとしても相応しいもの
 したデ。で、これでバカ・ガイジンが晴れて初代デス・マッチ版タッグ王
 となったのですが、それ以上に重要なのはトニーのポジション・アップ。
 なるほど、これが本試合(いや、本トーナメント)のメイン・テーマやった
 んですな。ウンウン、トニーの奮闘には素直に敬意を表したいし、多分
 この“絵図”を描いたのであろうポンドにも、芸風云々は別にして一票
 入れときまっさ。って事で、こうして血生臭くも、ハート・ウォームな、如
 何にもIWA−Midsouthらしいトーナメントは大団円となったんです。
 リング・サイドでは、昨夜の女子版のトーナメントと今夜のタッグ版のト
 ーナメントがどちらもヒット企画となった事に手応えを感じたんやろね、
 イアン・ロットン総帥がマイクを握り、「来年もこれらの企画をやるデ!」
 とホクホク顔でアナウンスしとります...(苦笑)。


トップへ
戻る