Hostile City Showdown 1994
 South Philadelphia, PA - ECW Arena 1994-6-24
 (VHS-Tape)
 収録時間:約1時間55分
 本作はDVDではなくって、VHSテープ。米国の『Rf-Video』ってちょっ
と怪しいプロレス・グッズの通販屋から1本12ドル(今回は定例の週末
セールに合わせてオーダーしたので2割引の9.6ドルやった)で発売さ
れている代物(著作権を無視した海賊コピー・テープ)です。で、その収
録内容はと言うと、まだECWが【Extreme Championship Wrestling】で
はなく、【Eastern Championship Wrestling】の略であった時代、1994
年6月24日にフィラデルフィアのECWアリーナにて開催された定期興
行『Hostile City Showdown 1994』の全容を納めたものなんですワ。

@Tommy Dreamer vs. Hack Meyers
  今宵のオープニング・マッチはドリーマーとハック・マイヤーズ(ハード
 ・ゲイ風のコスチュームが素敵!)による一騎討ち。まだまだ温まって
 おらぬ会場を何とかしようと、ドリーマーが地元フィリーのスポーツ・チ
 ーム(?)のユニフォームを踏み付けてみせるなど、涙ぐましい努力も。
 けど肝心の試合がちょっとダレダレ過ぎたな。最後はコーナーからの
 スプラッシュ一発でドリーマーが勝ち星を得たけど、後年拝命する事と
 なる“暴力の発明家”の片鱗などは微塵も感じられまへんでしたワ
ADon E. Allen vs. Chad Austin
  リング上に両選手が出揃い、さァこれから試合ってところで、巨漢91
 1を引き連れたポール・Eが颯爽登場。レフェリー、アレン、オースチン、
 タッド・ゴードン(初代ECWのオーナーで、“悪役”ポール・Eとは犬猿
 の仲って設定)、ドリーマー(止せばエエのに現れたんや)と、911に
 命じて全員を次々チョーク・スラム葬に処してしまう大暴走...。
BDog Collar Match :
 The Tazmaniac vs. The Pitbull#1 (w/Jason)
  まだまだ原人ギミックの名残を残すタズマニアック(現タズ)が“犬の
 首輪戦”で相対するのは、ピットブル1号(ゲイリー・ウルフ)。リングに
 登場するなり1号とマネージャーのジェイソンによる鎖でのクローズ・ラ
 インを喰らい、1号にしっかりペースを握られてしまったタズマニアック
 やったけど、場外に戦場を求めて、鎖で1号の首をグイグイ締め上げ
 て形勢逆転。最後も受身など全く不可能と思える、実に切れ味鋭い垂
 直落下式のスープレックス(1号の首がよく折れなかったものや)で粘
 る1号を完全抹殺や。しかしここに相方を救えと、ピットブル2号(アンソ
 ニー・デュランテ/故人)が現れ、1号やジェイソンと結託してタズマニ
 アックを無残にも絞首刑に。ウーン、これは次回7月16日の定期興行
 『Heatwave 1994』で決着を付けんとアカンな...。
CShane Douglas & Mr, Hughes
 vs. The Bruise Brothers
  腹心ミスター・ヒューズを従え、シェーン・ダグラスがブルース兄弟(ド
 ン・ハリス&ロン・ハリス/大柄の双子で、米国、日本、メジャー、イン
 ディと、実に多数の団体で主に悪役として活躍)と激突。ブルース兄
 弟の圧倒的な体格の前に押され気味となる場面も多々あったものの、
 あの大柄な身体を十八番のベリー・トゥ・ベリー・スープレックスで綺麗
 に投げきったダグラスには改めて感心させられたワ。あ、試合はダグ
 ラスの腹心ヒューズが、ブルース兄弟のちょっとだけズルい策略には
 まって敗退となっております。
DCane on a Pole Match :
 The Sandman (w/Woman)
 vs. "Ironman"Tommy Cairo (w/Miss Peaches)
  ニュートラル・コーナー上に吊るされた竹刀を公認凶器として、これを
 奪い合うってルールで、サンドマンとカイロ(←元ミスター・ニュー・ジャ
 ージーだそう)が対戦。まずは試合前、タバコの吸殻をカイロの胸に投
 げ付けてカイロを激高させるなど、サンドマンが巧妙に心理戦を仕掛け
 ます。で、試合となっても先手先手で攻め込むサンドマン。最後は反則
 負け覚悟で、マネージャーのウーマン女史がリング下からこっそり取り
 出した“非公認”の竹刀を振り上げ、カイロをボコボコに殴り倒してしま
 いよった!。しかもウーマン女史までが調子に乗って、カイロのマネー
 ジャーであるピーチス嬢に竹刀攻撃を見舞うとあっては、カイロ側の我
 慢も限界。けどここで再戦をやっても商売にはならん。申し訳ないけど
 カイロにはグッと堪えて貰いましょ。その代わり次回7月16日の定期
 興行『Heatwave 1994』では、両者の最終決着戦として“Dueling Cane
 s Match”をマッチ・メイクするから...。
○“荒馬兄弟”を巡る抗争プロモ
  憎き(勿論物語り上、ね)テリー・ファンクを潰さんと、ポール・Eは次
 々難敵強敵を投入。サブゥ、“ビューティフル”ボビー・イートン、アーン
 ・アンダーソン(発端はテリーの誤爆やけど、ダブル・クロス劇を敢行)、
 パブリック・エネミーと、日毎夜毎攻撃の手は勢いを増して...。
 詳しくは5月14日の定期興行『When Worlds Collide』を参照下さいな。
EPublic Enemy (Johnny Grunge & Rocco Rock)
 (w/Paul E.Dangerously & 911)
 vs. Dory Funk Jr & Terry Funk
  大切な弟であるテリーが狙われているとあっては、長兄ドリーも黙っ
 ておられまへん。って事で、パブリック・エネミーを相手に、“荒馬兄弟”
 が堂々ECWアリーナに出陣や。さてさて注目の一戦なんやけど、こち
 らの逸る心を見透かしてか、序盤はやけに静かな立ち上がり。それで
 もドリーの放つ、アッパー気味のエルボー・スマッシュのなんとも格好
 エエことよ。実際、序盤戦はドリーのエルボーだけでお腹一杯。やっぱ
 り銭の取れるネタを持つ人は凄いな、なんて思っていると、試合はジワ
 ジワとラフな展開へと移行。パイプ椅子が乱舞し、加えて911を帯同
 したポール・Eまでが試合に無法介入でっせ。で、例によって例の如く
 911のチョーク・スラム(←すんまへんな、この人はこれしかやれまへ
 んのや)が火を噴き、試合を裁くべきレフェリーが真っ先に昇天(笑)。
 多分試合はここで無効(もしくはパプリック・エネミー側の反則負け)と
 なったのやろけど、そんなモンでは誰一人として納得しまへん。特に
 額を大きく割られて流血を強いられたテリーなどは、パブリック・エネミ
 ーの片割れ“フライ・ボーイ”ロッコー・ロックを会場奥のバルコニー部
 にまで連れ出し、ロッコー・ロックの両足首をワイヤーで縛って、まるで
 バンジー・ジャンプの如くバルコニー部から一階席目掛けて突き落とし
 てしまいよった!!
FECW TV Championship :
 Mikey Whipwreck vs. Rockin' Rebel (w/Jason)
  “地球上で一番セクシーな両刀使い”を自認するジェイソンをセコンド
 に、今宵マイキー君の保持するTV王座に挑むはロッキン・レベル。
 で、そのロッキン・レベルなんやけど、貧相で色白の上半身をTシャツ
 で隠そうとするマイキー君のケチな性根がお気に召さぬか、マイキー
 君のTシャツを剥ぎ取り、か細い胸板に逆水平の連打をお見舞いや
 それどころか折角TV王座を獲れるチャンスなのに、ロッキン・レベルは
 ジェイソンと2人してマイキー君を苛める事に専念。と、「もゥ、そこらで
 止めてやれ!」とタズマニアックが現れ、それを追ってピットブル1号&
 2号までもがリング上に。すでにマイキー君はフレーム・アウト(苦笑)
 しており、ここからはタズマニアックへの執拗過ぎる蹂躙大会に...。
 【追記】
  ロッキン・レベルについてですが、選手紹介の際に彼の名前には枕
 詞として“アヤトーラ・オブ・ロックン・ローラー”ってのがあって。おや、
 これと酷似した“アヤトーラ・オブ・ロックン・ロール”ってのをWWF(当
 時)転出後のクリス・ジェリコが名乗りますやんか。ワシ、あれはジェリ
 コ一流の言葉遊びかと思っていたんやけど、まさかロッキン・レベルが
 一足先に使用していたとはね。些細な事やけど、ちょっとビックリや。
GSabu (w/Paul E.Dangerously & 911)
 vs. Cactus Jack
  さてさて今宵のメイン・エベントは、当時WCW認定のタッグ王者で
 もあったカクタス・ジャックをECWに招いての、サブゥとの一騎討ち!
 911に鎖で拘束されたままリング上に連れて来られた(所謂キチガイ
 ・ギミックです)サブゥ、ステッペン・ウルフの名曲『ワイルドで行こう!』
 をガンガン鳴らしてECWアリーナに姿を表したカクタスと、共に気力、
 体力、暴力が身体中から溢れ返っとるな(94年のサブゥとカクタスや
 ねんから、それも当然やけど)。で、注目の試合は一進一退の攻防が
 延々続き、その熱さに思わず実況のジョーイ・スタイルスも、「タイトル
 でも金でもなく、ただプライドのために!」と絶叫。けど終盤ちょっと残
 念なアクシデントが発生いたしました。なんと場外フェンス越えの月面
 水爆によるテーブル葬を狙ったサブゥ、カクタスの身体をキチンと捕ら
 える事には成功したものの、飛距離が少々足りなく、顔面をモロに場
 外フェンスにぶつけてしまいましたんや...。なんとかサブゥもリング
 上に戻ったものの、この事態を深刻に受け取ったポール・Eが十八番
 のセル・フォン・ショットをカクタスに突如見舞い、非常に強引にカクタス
 に土を付けて試合に幕を引いてしまいよった...。
  勿論これには一部観客から強硬なブーイング(あれだけの内容の試
 合やったのに、ちょっとフィニッシュを誤ると途端にこれですワ。それに
 しても、どいつもこいつも何処までも強欲やなァ)も飛ぶんやけど、この
 程度の観客の反応にたじろいでいてはプロレス・ビジネスなんてのは
 やっとれまへん。観客の目くらましにと、シェーン・ダグラス&ミスター・
 ヒューズ、ブルース兄弟らが続々と姿を現し、アチコチでちょっとした局
 地戦が勃発。そうこうする内にサブゥも息を吹き返し、怨敵カクタスとの
 番外戦が始まって...。ではここらで、全く収拾のつかぬカオス状態
 へと陥ったECWアリーナからの実況を終えます。皆さん、お元気で。
○カクタス・ジャックのアジテーション
  持参したWCWのタッグ王座の証であるベルトを手に、「今夜、俺は
 3つの肩書きを失った。最も自虐的で、最も醜く、一番殺してやりたい
 と思われるレスラーだったのに」と、サブゥへの呪詛の念を吐露。その
 上、大切なベルトに唾を吐きかける大暴走や。けどそんな事をやって、
 アトランタ(WCW)に戻って叱られるんやないの...(苦笑)。
○ポール・Eのアジテーション (w/911)
  途中、WCWへの怨みつらみで脱線気味(苦笑)のところもあります
 が、カクタス・ジャックを評して、「もっとくれと、痛みを楽しんでやがる。
 サブゥが全力でいたぶっているのに、ありがとう、もっと頼むと、性的
 興奮を楽しむようにな。そして今にも死にそうな顔でファンの方を向い
 て言いやがった。これがカクタス・ジャックなんだと。勝敗なんて関係
 ない。今度お前がここに顔を出す時、サブゥがお前の惨めな命を切り
 裂くんだ!」


トップへ
戻る