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Suicidal in the Midwest
Dayton, OH - Hara Arena
1999-10-30
(DVD-R)
収録時間:約2時間10分 |
ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2006年6月期に発売された5タイトルの内
の1タイトル。オハイオ州はデイトンのハラ・アリーナにて、1999年10
月30日に開催された定期興行の模様を収録したものですワ。
@Simon Diamond (w/Dick Hertz) vs. Nova
ECWマットにおいては芸歴だけはそこそこに長いノヴァなんですが、
このノヴァがスワン・ダイヴ式の飛び技をミスってマットに落下してしま
うなんて大チョンボを犯してしまい、さァ大変。なんとか失態を挽回しよ
うと奮起し、“いつも問題を抱える男”サイモン・ダイアモンドを攻め立て
るものの、どうにも空回り状態。それでも白々しいレフェリー誤爆スポッ
トを使ってハーツへ乱入の機会を作ってやり、それを起点にしてサイモ
ンにより土を付けられる役回りだけは何とか最後まで演じきりました。
A3 Way Dance :
Danny Doring & Roadkill
vs. Axl Rotten & Balls Mahoney
vs. C.W. Anderson & Bill Wiles
かつての名タッグ・チーム『ミネソタ・レッキング・クリュー』を少しだけ
やけど彷彿とさせるCWとビル。各々ホット・パンツ姿の女の子を2名
づつ連れてリングに現れたドーイングとロードキル。そしていかにも喧
嘩が大好きって感じのアクセルとマホーニー。どれもタッグ・チームとし
ての色を明確に打ち出してのタッグでの3WAY戦。試合は客席からの
声援を糧としアクセル&マホーニーが暴れまくるものの、突如控え室
より『暴走禿頭軍』の4名(デヴィト&エンジェル&ビィトー&ニュース)
が現れて無差別テロを強行。お、これはニュー・ジャック親分登場の序
章かと思ったんやけど、残念ながら今夜は親分はお休み。これにより
心置きなく好きなだけ暴れた、今夜の『暴走禿頭軍』なのでした。
BJerry Lynn vs. Steve Corino(w/Jack Victory)
リンの負傷中の脇腹(包帯が巻いてある)を、パイプ椅子やパンチや
キックで的確に打ち抜くコリーノ。卑劣な手段なんやけど、これが観て
いるお客には感情移入し易く、試合はヒート・アップ。わりと短時間でリ
ンの必殺の変形墓石パイルによってコリーノが敗れたけど、キチンとツ
ボを押さえた両者の試合運びには感心させられました。あ、試合後に
は当時コリーノ一派に属していたタジリが乱入し、リンの顔面に向けて
緑の毒霧を噴き掛ける場面もありましたデ。
CChris Candido (w/Tammy Lynn Sytch)
vs. Spike Dudley
タミー嬢の介入によりキャンディードが易々とスパイクを下した試合。
あ、試合後にはタミー嬢、ダーン・マリー嬢、フランシーン嬢が絡むキ
ャット・ファイトがあり、フランシーン嬢がミニ・スカを捲くり上げられ、マ
リー嬢からお尻に強烈なスパンキングを受けるって場面がおましたデ。
これ、この当時ちょっと流行したネタで、ヴィンス・マクマホンの伝記本
『WWEの独裁者』によると、ポール・Eはタミー嬢のドラッグ服用を咎
めて、この屈辱的な仕打ちを強要した挙句にお払い箱としたそう。
※なるほど、お払い箱ってのは定かではないけど、定期番組『ECW
WRESTLING TNN』では、この伝記本に記載されている通り、タミー
嬢が荒んだ私生活を涙ながらに語る場面や、マリー嬢からお尻にス
パンキングを受けるって場面も確かにありましたワ。
尚、客席最前列にはスパイクそっくりの衣装に身を包んだ女の子が。
彼女、後日マイク・オーサムに突っ掛かってボコられ、これが遺恨とな
ってスパイクとオーサムが雌雄を決する(←結果は見えてるやろ)って
ストーリーに絡んで来る、ちょこっとだけやけど重要な人物でっせ。
DYoshihiro Tajiri vs. Super Crazy
スタンド席の手摺りから月面水爆を見舞うクレイジーに、複雑なムー
ヴを経てクレイジーを看板技のタランチュラで捕獲するタジリ。どちらも
毎度毎度の事ながら芸達者なところを披露。あ、試合は終盤、Bでの
仕返しだとリンが乱入するも、これを上手くしのいだタジリが棚ボタ式
で勝利をゲットするんやけど、この時のタジリの表情の作り方が何とも
最高。こんな芸当、教わったからって誰にでもやれるモンではないデ。
ESabu (w/Bill Alfonso) vs. Tracy Smothers
お、ワシの大好きな“南部の仕事人”、トレーシー・スマザーズがサ
ブゥと一騎討ちか。ま、多分僅かな勝負時間でサブゥに負けるやろう
けど、何処かでちょっと曲者振りをチラリと見せてくれたら納得モノや。
などとモニター画面を注視したワシなんやけど、どうしてどうしてスマ
ザーズは大奮闘。序盤ベース・ボール・スライド・キックをしくじって客
席から野次られる場面もあったけど、このオッサン(失礼、ワシの方が
年上や)はその程度の野次など、屁でもないと涼しい顔。過剰なまで
のサブゥの攻撃を何度も跳ね返し、それどころかサブゥを3カウント寸
前まで追い込む場面さえも幾度となく構築。予想以上のロング・マッチ
の末に、最後こそサブゥによってテーブルに深く沈められてしまったス
マザーズやけど、改めてこの人の奥深いところを見せ付けられた思い
ですワ。ウン、これは意地でも今夜一番の熱戦や。
【追記】スマザーズって言うと、『純血イタリア人軍』の参謀格としてグ
イドーを側面から盛り立てて来たんやけど、この時点ではもう『純血イ
タリア人軍』から離れていたんやろか?。軍団色のイタリア国旗をイメ
ージしたコスチュームも、軍団のロゴの入ったTシャツも着ていなかっ
たし、第一軍団に属していたのなら、グイドーらがセコンドに付いたは
ずやんか。どちら様か、ここら辺りの詳しい情報をご存知ないでっか。
FECW World Television Title Match :
Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
vs. Little Guido (w/Sal Graziano)
第7試合には、その『純血イタリア人軍』からグイドーが登場。RVD
の保持するTV王座へチャレンジって構図で、このタイトルがどうしても
欲しかった(ならばブッカー殿にお願いするしかないなァ)のか、グイド
ーは日頃のボケを封印し、随所に『シシリー島出身のシューター』なる
ギミックが、実は実力に裏打ちされたものである事をチラつかせながら
RVDと同等の戦いっ振りを披露。勿論最後はRVDによるヴァン・ダミ
ネーター⇒5★スプラッシュを喰らい敗退となったけど、これもEに続く
熱戦でしたデ。やっぱり『純血イタリア人軍』はやりよるな。
GSandman vs. Rhino (w/Steve Corino & Jack Victory)
この夜のちょうど一週間前、99年10月23日のECWアリーナ大会
においてWCWより御帰還(WCWからお払い箱?)したサンドマン。
メタリカの『エンター・サンドマン』をフル・コーラス使って堂々のお出ま
しですワ。あ、試合は缶ビールのプル・トップを勿体振って開けていた
サンドマンのドテっ腹にライノがゴアをブチ込んで幕開き。けどサンドマ
ンも客席からの“よく帰って来てくれた!”チャントを背に、ライノに竹刀
の雨を降らせて形勢を逆転。しかしここにジャスティン&ジェイソン、ド
リーマー&レイヴェンが現れ、試合はあっと言う間に不透明決着に。
ま、これは一週間後に迫ったPPV『November To Remember 1999』
にて予定されている、ドリーマー&レイヴェン&サンドマン対ジャスティ
ン&ストーム&ライノへ向けてのネタ振りってところなんでしょうな。
HECW World Heavyweight Title Match :
Mike Awesome (w/Judge Jeff Jones) vs. Taz
ダッドリーズのWWF(当時)へのジャンプ・アップ(8月26日がラスト
・マッチ)に伴い、主を失ったジョエル・ガートナーがリングに上がって
マイク・アピール。と、これを遮ってリングに現れたのは、これまたWW
F(当時)へのジャンプ・アップを控え、99年9月19日のPPV『Anarch
y Rulz 1999』にて、ECWでの『残務整理』として腰に巻いていたECW
認定の世界王座のベルトを後任のマイク・オーサムにバトン・タッチし、
腰の辺りが身軽となったタズ。タズはいきなりガートナーをチョーク・ア
ウトし、一度はベルトを預けたはずのマイク・オーサムに対し、今すぐ
ここに出て来てワシと勝負せいやと迫力満点の呼び出しですワ。
で、突如始まった世界王座戦なんやけど、勿論ここで再度タズの手に
ベルトが戻って来るはずなんておまへん。それでもオーサムをロビー
まで連れ出して殴りまくり、得意の切れ味鋭いスープレックスで投げま
くるタズの姿は圧巻。最後も『業界の不文律』に沿ってオーサムに負
けてはやったものの、オーサムがレフェリーから勝ち名乗りを受けてい
るその時には、オーサムの攻撃など少しも効かなかったと、その広い
背中で雄弁に語りながら、タズはスタスタと花道を控え室へ...。
格好エエ、格好良過ぎるデ。これでこそ漢、これでこそタズや!。 |
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