Halloween Hell 1997
 Stamford, CT - Twin Rinks 1997-10-31
 (DVD-R*2) 
 収録時間
 disc-1:約1時間44分
 disc-2:約1時間22分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2006年6月期に発売された5タイトルの内
の1タイトル。コネチカット州はスタンフォード(WWEの本拠地やね)に
あるトゥイン・リンクスってアイス・ホッケー場にて、1997年10月31日
に開催された定期興行の模様を収録したものですワ。
 あ、10月31日っていうと米国では『ハロウィーン』。カボチャの提灯を
飾り付け、仮装した子供達が近所の家々からお菓子を貰って回る日で
すやんか。で、我等が旅劇団ECW一座も、この夜はちょっとした洒落を
アチコチに仕掛けて、お客さんはもとより劇団上げて折角の『ハロウィー
ン』を楽しもうって思い立ったみたいでして...。

★★DISC-1★★

@ECW World Tag Team Title Match :
 The FBI (Little Guido & Tracey Smothers)(w/Tommy Rich)
 vs. Mikey Whipwreck & Chris Chetti
  客席からは【Fat Boring Idiots】なるトンチの利いたサイン・ボード
 上がる中、今夜も後見人にして元NWA王者でもあるトミー・リッチを
 従え『純血イタリア人軍/Full Blooded Italians』がお出まし。グイドー
 やスマザーズの腰にはタッグ王者のベルトが燦然と光り輝いており、
 目下絶好調って感じですワ。なので若手のチェッティをリードしつつの
 戦いとなるマイキー君では勝負もやる前から決まっている様なもの。
 で、ここらは『純血イタリア人軍』も先刻承知。ヒール色(極悪やなくっ
 て、ちょいワルってさじ加減が憎いな)をチラチラさせ、入場⇒試合開
 始⇒リッチの姑息な介入から勝利⇒退場と、随所にボケ倒しての試
 合運びや。ウンウン、今夜も対戦相手やなしに、キッチリと“お客さん
 に勝った”ね。何時見ても『純血イタリア人軍』は素晴らしいワ。
AAl Snow vs. Paul Diamond (w/Chastity)
  マネキンの首『HEAD』を唯一の理解者とする、孤独な都会の青年っ
 てギミックを行っていた当時のアル。プロディジーのヒット曲『Breathe』
 を流して『HEAD』を振り回しながら踊るってのが大受けで、この夜も当
 然『HEAD』を手にしての登場、と思ったらどうも少々様子が違います。
 今夜のアル、WWF時代のギミックである『Avatar』のマスクを、自身も
 『HEAD』にも装着しての入場なんや(苦笑)。この『ハロウィーン』バー
 ジョンのアル、お客さんにもなかなか好評でして、折角やからそのまま
 のマスク姿で試合をすれば良いのに、アルは『HEAD』ともども素顔に
 戻っての試合開始...(残念や)。あ、肝心の試合ですが、試合にチ
 ョコマカと顔を突っ込んでくるチャスティティ嬢をスノー・プレックスから
 STFで締め上げたところで、ポール・ダイアモンドのDDTを喰らっての
 敗退。ま、勝ち負けやなしに、『Avatar』の一夜限りの復活にこそ、こ
 の試合の値打ちはある訳でして、ワシは何の問題もなくOKですワ。
BTommy Rogers vs. Roadkill
  アーミッシュ・キャラも使っておらず、鬚も短いままで身体も現在と比
 べるとまだまだ細いロード・キルが登場。『ファンタステックス』の片割
 れトミー・ロジャースとの一騎討ちですワ。試合は序盤ロード・キルが
 攻め込む場面もあったものの、ロープ悪用のフォールをレフェリーに咎
 められて失速。ロジャースによって顔面砕き葬とされてしまいました。
CMr, JL vs. Justin Credible (w/Jason)
  Aでのアルによる『Avatar』に続いて、今度はあの堅物(実際はどう
 なのか知らんよ、あくまでワシのイメージやから)ジェリー・リンが洒落
 心を発揮。WCW時代の『Mr, JL』のマスクを被っての入場や。しかし
 リンがここまでやってくれたんやから、なんで対戦相手のジャスティン
 もWWF時代のギミックである“ポルトガルの兵士”アルド・モントーヤ
 で出て来てくれへんかったんやろか。試合はレフェリーがジャスティン
 側の買収を受けていたってネタを仕込み、ジャスティンによる旋回式
 墓石パイルを受けた『Mr, JL』(←正式にこの様に紹介されていた)が
 無念の敗退。ま、負けたのは『Mr, JL』であって、ジェリー・リンではな
 いって考え方も出来んではないか...(苦笑)。
DECW World Heavyweight Title Match :
 Bam Bam Bigelow vs. Spike Dudley
  10月16日の定期興行において極悪ユニット“トリプル・スレット”か
 らの足抜けを行い、かつての盟友シェーン・ダグラスの腰から世界王
 者のベルトを引っ剥がした“イレズミ獣”ビガロ。今夜は小兵のスパイ
 クを相手の防衛戦ですワ。さて、ビガロ対スパイクとなると、ビガロが
 スパイクの身体を抱え上げてリング内から客席へと投げ捨てるってス
 ポットが有名で、今夜も客席からは【We Want Spike】なんてサイン・ボ
 ードが上がり、アチラコチラから「こっちへ投げてくれ!」チャントも聞こ
 えて来ます。けど今夜はスパイクの方に、余程投げられたくないって
 事情でもあったのか、ビガロの着座式パイル一発で伸ばされたスパ
 イクを、レフェリーがあっと言う間に控え室へと搬送。なんや、お前な
 んて客席に投げられてナンボの選手やないか。あれだけお客さんが
 求めているんやから、ここはビガロに頭を下げて、「頼むから俺の身
 体を客席に投げてんか」って頼むべきやろ。
EShane Douglas (w/Francine) & Chris Candido
 vs. Doug Furnas & Phil Lafon
  前述した様に、ビガロに世界王座を明け渡してしまったシェーン・ダ
 グラス。内心はヘコんでいるのでしょうが、そんな気弱なところを少し
 でも隠したかったのか、はたまたこれも『ハロウィーン』ネタの一環な
 のか(←あ、勿論後者やデ)、腹心キャンディードともどもお揃いの青
 のアマレス・タイツに身を包み、顔には仮面舞踏会風のアイ・マスクを
 付けての登場(フランシーンちゃんもアイ・マスクを付けていたら、もっ
 と足並みが揃ったのに)や。と、ここに本来の対戦相手ではない、珍
 妙キテレツな一団が。そう、テーマ曲も含め、HBKに成り切ったブル
 ー・ミーニーと、ノヴァのお出ましや。ま、いくら落ち目であってもこん
 な奴らにしてやられるダグラス&キャンディードではなく、軽くミーニー
 をKO。追って現れた、全日本マット等でもお馴染みのカンナム特急の
 ファーナスとラファン(ダニー・クロファット)とのタッグ戦となりました。
 試合はフランシーン嬢が股間に強烈なアトミック・ドロップを喰らうなん
 て場面もあったものの、基本的には各自の特色を上手くディスプレイ
 した、ちょっと地味渋な展開で、最後はやっぱりダグラス組に凱歌。
 試合前に繰り広げられたダグラスによるマイク演説が分かればもっと
 愉快なんやろうけれど、試合だけでもワシは結構楽しめましたデ。

★★DISC-2★★

@ECW World Television Title Gruge Match :
 Taz vs. Sabu (w/Bill Alfonso)
  さてさて『ハロウィーン』って事でお客さんも、ECW一座の面々も、
 誰も彼もが浮かれ加減である今夜の興行。けどここに、「お前等、一
 体全体何がそんなに楽しいんや!」、なんて不機嫌極まりない表情
 の男が1人。そう、誰あろうTV王座に就くタズその人ですワ
 で、今夜のタズの対戦相手ってのが、これまで何度も『遺恨戦』を行っ
 て来た宿命のライバルであるサブゥ。でもまたまたここでタズの神経
 を逆撫でする出来事が。そう、サブゥの相方であるRVDが、サブゥの
 コス・プレでリングに現れよったんですワ。しかし執拗にサブゥのマネ
 をして天井を指差すポーズを取るRVDに、タズは表情一つ変えずに
 悠然と対峙(格好エエな)。「お前相手にボケたら、こっちがアホをみ
 るワ」とRVDもタズへの挑発を止めて控え室へと戻り、改めてタズ対
 サブゥによるECWマット最大の『遺恨戦』が始まりました。
 そしてワシが驚かされたのが、本試合の内容。両人ともにこのカード
 は『安売り』出来ない大切なモノであるとの認識は持っていて当然な
 んやけど、PPVでもなく、定期放送用のTVカメラさえも入っていない
 (あ、RFのカメラは別ね)ドサ興行で、しかも周囲は『ハロウィーン』や
 と浮かれている中で、一切手抜きなしの30分間ドローを披露してくれ
 よったんでっせ!。各種アラビア殺法を繰り出すサブゥと、それこそ何
 発スープレックスを放ったか分からぬタズ。そうか、こんなに熱い試合
 を彼等はドサでもやっていたんか。
○ネタ振りの時間です
  当時ECWとWWFは摩訶不思議な業務提携関係にあり、ダグ・フ
 ァーナス&フィル・ラファンがWWFから出向形式で参戦しており、R
 VDやサブゥを操るビル・アルフォンソと結託したため、ECWって団体
 の中にWWF派閥が出来ていたんです。で、ここでWWF派閥のコー
 ディネーター役であるランス・ライトがリングに上がり、トミー・ドリーマ
 ーの紹介で姿を見せたジョーイ“ECWの良心”スタイルスと、オトコ版
 のキャット・ファイトを展開ですワ。
AFlag Match :
 Tommy Dreamer (w/Beulah)
 vs. Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
  上記した様に、WWF派閥に属するRVD。WWFに断りを入れたの
 かどうかは知りませんが、WWFの看板番組『マンデー・ナイト・ロー』
 (現在のRAW)をもじってRVDは『ミスター・マンデー・ナイト』を名乗っ
 おり、ここにドリーマー相手の『フラッグ・マッチ』がブック。これ、相手を
 倒し、RVDならWWFの社旗を、ドリーマーならECWの社旗を、各々
 先に掲げた方が勝ちってルールの試合なんや。ま、ぶっちゃけ、この
 約一ヵ月後のPPV『November to Remember 1997』でも全く同じカー
 ドが組まれるため、その予行演習であると受け取っていただいても、
 全く問題はおまへんワ。試合は得意の5☆スプラッシュでドリーマーを
 KOしたRVDがWWFの社旗を拡げた、と思ったらなんとそれはWW
 Fの社旗ではなく、真ん中にデカくトミー・リッチの肖像画が描かれてい
 る『純血イタリア人軍』の軍団旗であったなんてベタベタなネタを経由
 し、アルフォンソ対ビューラの掴み合いを配置し、最後はドリーマーの
 DDTでRVDが昇天や。尚、ワシには大受けした『純血イタリア人軍』
 の軍団旗のネタですが、余りにベタやと判断されたのか、本番のPP
 V『November to Remember 1997』ではお蔵入りとなっておりました。
BThree Way Dance Tag Team War :
 The Dudleys(Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Big Dick Dudley & Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
 vs. Balls Mahoney vs. Axl Rotten
 vs. The Gangstanators (New Jack & Kronus)
  ガチガチのお堅い試合から、ベタベタのネタ合戦まで、通常以上に
 練り込まれた構成であった今夜の『ハロウィーン』興行もいよいよメイ
 ンとなり、ダッドリーズとマホーニー&アクセルとギャングスタネーター
 ズとの3WAYが火蓋を切って落としました。試合はまずダッドリーズ
 とマホーニー&アクセルが一戦交え、頃合を見計らって『ナチュラル・
 ボーン・キラーズ』に乗り颯爽とニュー・ジャック親分&クローナスが現
 れるって毎度毎度の展開。試合は額をカチ割られながらもクローナス
 が迫力満点の450スプラッシュでD−ボンを下しての激勝でっせ。


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