The Blood Runs Again
 Jim Thorpe, PA - The Flagstaff 1996-12-6
 (DVD-R)
 収録時間:約2時間2分
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2006年6月期に発売された5タイトルの内
の1タイトル。ペンシルベニア州はジム・ソープのジ・フラッグスタッフって
ところにて1996年12月6日に開催された定期興行の模様を収録した
ものですワ。

○波乱の幕開け...?
  リング・アナによる挨拶も済まぬ内に会場内に流されたのはタズの
 テーマ曲。アルフォンソを従えてリングに上がったタズは、仇敵サブゥ
 をマイクを握って挑発しまくりや。 
@Axl Rotten vs. GQ
  通販で手軽に購入したかの様なチープなマスクを被ったGQに対す
 るは、チンピラって風情が泣かせるアクセル・ロットン。得意の椅子攻
 撃はレフェリーに制止されたものの、軽くGQを一蹴してしまいました。
ASpike Dudley vs. Little Guido
  黒のショート・タイツでバッチリと決めた、『純血イタリア人軍』のグイ
 ドーが、スパイク・ダッドリーと対戦。ハリケーン・ラナをしくじって『You
 Fuck Up !』チャントの餌食となったスパイクをリードしてやり、最後はス
 パイクのアシッド・ドロップ一発でフォールまでされてやって...。
BBubba Ray Dudley (w/Sign Guy Dudley)
 vs. "Dangerous"Devon Storm
  まだまだユーモラスなキャラを残していたババ・レイが、“危険な男”
 デボン・ストームと対戦。パワー・ボムから必殺のババ・カッターの連
 発で、ババ・レイがストームを沈めてしまいました。あ、ババ・カッター
 の連発と書いたけど、実は一発目は失敗ムーヴ。これを誤魔化すた
 め、再度のババ・カッター発射となったのが真相ですワ。
CBig Stevie Cool (Steve Richards)
 (w/bWo : Da Blue Guy & Hollywood Nova)
 vs. David Morton Tyler Jericho
  はい出ました、究極のおちゃらけユニット“bWo”。スティービィ君扮
 するビッグ・スティービィ・クール、ブルー・ミーニー扮するブルー・ガイ、
 スーパー・ノヴァ扮するハリウッド・ノヴァ。bWoが何のパロディで、各
 自がそれぞれ誰のマネをしているのかは、ここで改めて書く必要もお
 まへんやろ(爆笑)。またスティービィ君の対戦相手となったデヴッド・
 モートン・タイラー・ジェリコって胡散臭そうな名前のレスラーにも注目
 でっせ。彼氏、後にライノを破ってTV王座を獲得し、今ではTNAなど
 の団体で活躍するキッド・キャッシュ、その人ですんや。試合はスティ
 ービィ君の十八番である“盗作版スィート・チン・ミュージック”こそ空振
 りとなったものの、本家“ビッグ・ダディ・クール”もビックリのジャック・
 ナイフ・パワー・ボムでデヴッド・モートン・タイラー・ジェリコを抹殺!。
 圧勝に気を良くしたか、スティーヴィ君は“bWo”シャツを着用した女
 性客をリング・サイドからリング上へと招き入れ、一緒に勝鬨を上げる
 などと大はしゃぎですワ。
DSpecial Atraction Match :
 Brian Lee vs. Louie Spicolli
  ECWで暴れまわる賞金稼ぎのブライアン・リー(WWF在籍時はニ
 セの墓堀人役を好演)と、永遠の名曲『Louie, Louie』(←故ジョン・ベ
 ルーシ版との情報あり)をテーマとする故ルイ・スピコーリとの対戦。
 試合はスピコーリのフィニッシュ・ムーヴであるスピコーリ・ドライバー
 (元は三田のえっちゃんのデス・バレー・ボム。スピコーリの遺志を引
 き継いだドリーマーがドリーマー・ドライバーとして使用中)が火を噴い
 てブライアン・リーがまさかの敗退かと思わせたものの、これはレフェ
 リーの失神中の出来事で、公式にはなかった事に。命拾いしたリー、
 高角度チョーク・スラムでスコピーリを撃沈や。
 【ちょっと脱線】
  この試合が始まる前に、例によって客席の様子が映し出されるんや
 けど、最前列に青の“bWo”シャツを着用した、あのLOBOにそっくり
 のお客が居てるんですワ。ネットで調べてみるとLOBO(←念のため
 に書くけど、初期CZWの功労者。非常に偉い人)は99年のデビュー
 だそうで、それなら96年末はまだ一人のファンとしてECWを生観戦し
 ていても少しも不思議ではないはず。体格も、あの独特の鼻の形もそ
 っくりなんやけど、詳しい事をご存知な方はいらっしゃいまへんか?。 
ESpecial Challenge Match :
 Pit Bull #2 vs. D-Von Dudley (w/Joel Gertner)
  肌の色が原因なのか、他のダッドリー一族と絶賛抗争中であったD
 −ボンと、相方の1号が負傷欠場中(96年7月13日の定期興行にて
 ダグラス大先生と絡み負傷)のため一人ぼっちとなったピットブル2号
 (アンソニー・デュランテ/03年9月24日、オーバー・ドーズのため3
 6歳にて没)との一騎討ち。試合は流血を強いられながらも2号がD−
 ボンをフォールしたものの、D−ボンのお抱えリング・アナであったガ
 ートナーがD−ボンの勝ちだとコールするってお馴染みの展開へ。
 ここにD−ボンの当時の相棒であったアクセル・ロットンまでが絡み、
 遺恨劇はこのまま明日以降へズルズルと続くって感じでして...。
FECW World Television Title Match :
 Shane Douglas (w/Francine)
 vs. Tommy Dreamer (w/Beulah)
  こちらも長きに渡って抗争中のご両人の対戦。一応ダグラス大先生
 の保持するTV王座も懸かってはいるものの、勿論ドサでベルトが移
 動する確率は非常に低く、注目すべきはご両人の芸心ってとこやね。
 で、そんなこっちの腹の中を見透かしてか、ドリーマーの左膝を理詰め
 で攻めるダグラス大先生も、試合に介入したフランシーン嬢の股間を
 背後から鷲掴み(Holy Shit !)するドリーマーも、場外でキャット・ファイ
 トを繰り広げる女性マネ陣も、各自持ち味大爆発の熱演。終盤、ダグ
 ラス大先生がくどいまでのニア・フォールをドリーマーに与えたために
 試合は熱を帯びて、最後はダグラス大先生のDDT一発で幕引き。
 ウーン、ダグラス大先生か。所謂『NWAベルトのポイ捨て』アングル
 の主犯格ですが、ECWにあってこの人ほどいにしえのNWA王者達
 の芸風を引き継いでいる選手って居てないよな。この逆説的なポジシ
 ョンがダグラス大先生の魅力や。よ、今夜も楽しませて貰ったデ。
GAnything Goes Tornado Match :
 Rave & The Eliminators
 vs. The Sandman & The Gangstas
  今夜のメインはサンドマンの保持する世界王者のベルトに照準を合
 わせるレイヴェンと、ギャングスターズの保持するタッグ王者のベルト
 に照準を合わせるイリミネーターズが手に手を取り合って、王者側チ
 ームと一戦交えるって図式や。ニュー・ジャック親分がガッチリと一枚
 噛んでいるため、試合は最初から大荒れの展開に。けど親分の試合
 では必須のはずの『ナチュラル・ボーン・キラーズ』が突然途絶えてし
 まい、これを契機に王者チームは目に見えて失速。サンドマンが相手
 チームの的となってボコボコにされてしまい、ギャング・スターズの面
 々は何処に行ったのか、完全にフレーム・アウト(苦笑)。最後こそサ
 ンドマンが死力を振り絞ってレイヴェンをDDTに葬ったけど、これでは
 王者チームの腰から3本のベルトが落ちてしまう日も、そう遠くはない
 なと思わせる内容でした。


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