King Of The Death Matches 2006 1st Night
 (DVD-R*2)
 収録時間
 disc-1:約1時間49分 disc-2:約1時間57分
 本作はDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既にお馴染みの米国
独立団体映像通販ショップ『SmartMarkVideo』から5枚組で送料別40ド
ルにて発売されている団体公認の代物ですんや。
さて今回ご紹介するのは、イアン・ロットン総帥率いるIWA−Midsouth
2006年6月2日と3日の両日に渡ってインディアナ州はプレイン・フィ
ールドってところで開催した毎年恒例のデス・マッチ・トーナメント『King
Of The Death Matches 2006』の全容を納めたものなんですワ。
あ、我が国で唯一『SmartMarkVideo』のオフィシャル・ショップをされてい
た大阪梅田のイグニッション・レコードさんが閉店となったため、一時期
『SmartMarkVideo』を入手するにはこれからどうしたら良いか、なんて悲
痛な問い合わせがネット上で多数見掛けられたんやけど、皆さん覚悟を
決めて個人輸入って道(引き返せんよ、この道は)に向かわれた模様。
それどころか、最近はIWA−Midsouthって言えば『King Of The Deat
h Matches』と、打てば響く様な方もアチコチに増えて来て...。
ウンウン。これまでずっとデス・マッチって芸の素晴らしさを啓蒙し続けて
来た(嘘)ワシとしては、この状況は何とも嬉しい限りや。さぁ、イアン総
帥監督総指揮による年に一度の狂宴『King Of The Death Matches』、
心行くまでタップリと楽しみましょ。

★★DISC-1★★

○オープニング・プロモ
  MidsouthやCZW、EastcoastにDeepsouthと、過去に『SmartM
 arkVideo』が発表し続けて来た各団体の試合映像より選出されたデン
 ジャラス・スポットに、スラッシュ・メタル風の楽曲を被せたプロモ。
@IWA-MS Heavyweight Championship Match :
 Darin Corbin vs. "The Anarchist" Arik Cannon
  今宵のオープニング・マッチはトーナメントとは別枠仕立て。モヒカン・
 ヘアーでピストルズの『アナーキー・イン・ザ・UK』をテーマに入場する
 って、とことん70年代UKパンクをリスペクトするキャノンが、自身の手
 からMidsouth認定の世界ヘビー級のベルトを奪ったコービンに復讐
 を誓って挑むって図式や。試合は客イジリも含めてオールド・スクール
 ・スタイルの芸風を持つコービン(エエ選手やな)が、マネージャーを絡
 ませてズル勝ちをまんまとゲット。あ、マネ介入を見逃せぬと、リング
 にトリック・デイヴィスも姿を見せたんやけど、これがほんの些細な誤
 解からキャノンとの大喧嘩に発展(よ、両人とも役者や)。で、そこまで
 揉めるのなら仕方がないと、リング・サイドにイアン総帥がお出まし。
 明日改めて3WAY方式で世界ヘビー級のベルトを懸け、コービン、キ
 ャノン、デイヴィスの3者で戦えとの大岡裁きが...。ウーン、やっぱり
 一番の『大物役者』はイアン総帥やね(苦笑)。
○デス・マッチ・トーナメントの開会セレモニー
  今年のトーナメントにノミネートされた総勢28名の命知らずが揃って
 リングに上がり、和気藹々と一枚の記念写真に納まっております。
 普通ならこれから戦う相手を目の当たりにしてアチコチで局地戦が勃
 発するところなんですが、元々Midsouthの提供するデス・マッチって
 のはプロレス・ビジネスに付き物の『捏造された各種遺恨』を発端にす
 るなんて事ではなく、単に『デス・マッチをやりたい奴、この指にとまれ』
 って乗りから始まっているからね。このシーン、違和感を抱かれる方も
 多分居られるでしょうが、道頓堀次郎といたしましては何の問題もなく
 OK、ですワ。
AKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #1
 Steel Cage Match :
 Drake Younger vs. Diehard
  ここからがトーナメント枠の試合。まず予選第1試合は豪華に金網が
 用意されて、ドレイクと今夜がMidsouthマットのデビューとなったダイ
 ハードが激突。ドレイクのスープレックスによって何度も蛍光灯に頭か
 ら落とされたダイハードやけど、通天閣スペシャル(with蛍光灯)をドレ
 イクに見舞うなど、やられてばかりではおまへん。最後は金網際で縺
 れてそのまま蛍光灯トラップへ落下したダイハードに、ドレイクがコップ
 ・キラーをエゲツない角度で決まめて幕。けどダイハードの受けっ振り
 の良さはしっかりとMidsouthファンのハートを掴んだみたいでっせ。
BKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #2
 Thumbtack Death Match :
 Flash Flanagan vs. Billy Black
  画鋲をリング上にバラ撒き、予選第2試合の舞台はお手軽に完成。
 ブラックによる画鋲の海への月面水爆の自爆、フラナガンがブラックに
 2度続けて見舞った画鋲の山へ向けての顔面踏み付け、ブラックがフ
 ラナガンに見舞ったパイプ椅子(with画鋲)へ向けてのDDT、大熱戦
 にピリオドを打ったフラナガンによる飛び付き式ネック・ブレーカー(wit
 h画鋲)と、どれもこれもお手軽な舞台装置を目一杯に使った、費用対
 効果の面で賞賛すべき試合でした。ウン、グッド・マッチや。
CKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #3
 4 Corners Of Pain :
 Dysfunction vs. Dinn T. Moore
  4種類の凶器トラップがエプロン下に設置され、予選第3試合が始ま
 りました。試合はディスファンクションがムーアーを有刺鉄線テーブル
 にデッドリー・ドライヴ(←正に死のドライヴや)で叩き込み、そこにレッ
 グ・ドロップ(withパイプ椅子)で舞い降り勝利をゲット。これ、ディスファ
 ンクションのセンスの良さが光っていたね。
DKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #4
 Barbed Wire Ropes & Barbed Wire Boards Match :
 Deranged vs. Spidar Boodrow
  予選第4試合はサイコ系の表情作りに余念のない(失礼)スパイダ
 ーがデランジドと一戦交えるって図式。デランジド、余程スパイダーの
 表情がお気に召さぬか、「辛気臭い顔をすな!」って感じ(そう、あくま
 で感じよ、感じ)で頭突きの雨を降らし、パイプ椅子を持って手加減抜
 きでド突き回しよりますんや。で、ワシが胸糞悪くなる程に驚かされた
 のが、デランジドが場外でスパイダーに放ったスープレックス。なんと
 スパイダーの頭頂部が鉄柱にモロに激突ですワ!!。
 多分、デランジドは肩口か背中を当てるつもりやったやろし、スパイダ
 ーも肩口か背中で受けるつもりやったんやろけど、ホンマに下手した
 らアレは即死もののムーヴやったデ。あ、試合はデランジドが有刺鉄
 線ボードを活用して月面水爆によりスパイダーを葬り去っております。
 【補記@】
  このDVD−R、試合決着後には控え室での選手のコメントや、別ア
 ングルで撮影されたデンジャラス・スポットが盛り込まれておるんやけ
 ど、上記したスパイダーの頭頂部が鉄柱にモロに激突する場面の別
 アングルの映像、鈍い衝撃音も録音されており、ホンマにエゲつなか
 ったワ。スパイダーの頭蓋骨、よく割れんかったモンやね...
 【補記A】
  あ、もしも上記したムーヴが両者合意、もしくはどちらか片方のみの
 勝手な思いの産物なのなら、なんぼワシでも許さんからな!。
EKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #5
 Barbed Wire Ropes, Tabasco, Salt and
 Lemon Juice Death Match :
 "Mean" Mitch Page vs. J-Boy
  予選第5試合は、有刺鉄線によって切り刻まれパックリと大きく開い
 た傷口に染み込ませるためのタバスコ、塩、レモンなどが公認凶器。
 圧倒的な体格差と実力差をバックに、ペイジが一方的にボーイを退け
 ておりますワ。ウーン、ちょっとコメディ・タッチなこの形式、ワシは余り
 好きではおまへんな。

★★DISC-2★★

@King of the Death Matches 2006 tournament 1st round #6
 Taipei Death Match :
 "Mr. Insanity" Toby Klein vs. Jacob Ladder
  イアン総帥(と、総帥の元相棒アクセル・ロットン)の専売特許とも言
 える、バンテージにガラスの破片を付けて殴り合う『タイペイ・マッチ』
 が予選第6試合にブック。今宵この激戦を志願したのは、“狂気人間”
 クレインと、全身イレズミが入ったジェイコブ。両者、微妙に急所を外し
 た弛めのタイペイ・パンチを繰り出しながら試合は続き、最後はクレイ
 ンによるタイペイ式のアイアン・クローによってジェイコブが悶絶死や。
 しかし何やね。モロに相手の急所を全力でタイペイ・パンチで殴れば、
 即刻試合(で、相手の人生も?)は終わってしまうけど、だからと言っ
 て今回みたいに緊張感に欠けるのもなァ...。ほらほら、デス・マッチ
 なんて誰でも出来るなんて外野の方々はかしましいけど、実は非常
 に奥深い、繊細なモノなんでっせ。
AKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #7
 Unlucky 13 Staple Gun Match :
 Brain Damage vs. Darin Childs
  予選道中も後半となって、第7試合は“脳挫傷”ブレイン・ダメージと
 今夜がMidsouthマットのデビューとなったチャイルズとの一騎討ち。
 試合形式は13枚用意された1ドル紙幣の内、過半数以上となる7枚
 を先に相手の身体に工業用大型ホチキスで打ち込んだら勝ちってル
 ールでっせ。さてさてHHHのTシャツを着用し、不気味なガス・マスク
 を装着して現れた“脳挫傷”。いよいよ健常者としての生活を見限った
 様(失礼)ですが、それでも6−0とチャイルズに先行され、もう後がな
 いと悟った瞬間猛烈に反撃に打って出て、なんと一気に7枚の1ドル
 紙幣を続けてチャイルズの身体に打ち込む事に成功。それにしても
 血まみれの顔面に1ドル紙幣が打ち込まれたままの試合後のチャイ
 ルズの表情は悲惨の一言でしたな。
BKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #8
 Fans Bring The Weapons Match :
 Ian Rotten vs. Brandon Prophet vs. Insane Lane
  ワシらの世代で愛すべきデス・マッチって表現方法を終わらせてはア
 カンと、柄にもなくこの業界の行く末を案じたのか、予選第8試合では
 イアン総帥が直々に後進2人に胸を貸す3WAY戦を志願。晴れてイア
 ン総帥の相手を務める事となったのは、Deepsouthマットなどで活躍
 するプロフェットとレインや。イアン総帥、試合前に何やらプロフェットに
 諭したと思ったらいきなり臨戦態勢に突入。フォークで2人を突きまくっ
 て、画鋲付きの大型ポリ・タンクの空き瓶に棒を差し込んだ特製バット
 をブン回しレフェリーともども2人をボコ殴り。その後プロフェットには蛍
 光灯の大束が、レインには頭突きの雨が降り注がれ、最後は問答無
 用のパイプ椅子攻撃によってキッチリと2人を撲殺。ジメジメと脳味噌
 に巣食う『暴力のミューズ』に導かれた“暴力大将”イアン総帥、97年、
 01年に続いてのトーナメント制覇に向け視界も良好でっせ。
 【補記】
  実はこの試合の前日、6月1日はイアン総帥の何度目かの誕生日
 試合後、客席からは誕生日を祝う歌の合唱があったし、なにより試合
 前にリング・サイドにイアン総帥が姿を見せただけで、お客は全員が
 スタンディング・オベーションや。Midsouthマットにおけるイアン総帥
 の絶対的な存在感ってのが痛感出来る場面でしたワ。しかも熱狂す
 るお客の表情を見ていると、それが気持ち悪いカルト的な崇拝の念で
 はなく、正に文字通り身を削ってローカル団体を切り盛りしているイア
 ン・ロットンって人間への尊敬と感謝の念なんやなって...。
CKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #9
 Fans Bring The Weapons Match :
 Corporal Robinson vs. Juggulator (w/Woody Numbers)
  優勝候補の一角であり、Midsouthマットの大番頭でもある好漢コ
 ーポが予選第9試合にお出まし。Eastcoastマットからの刺客である
 ジュガレイターの繰り出す攻撃を適当に受けてやり、最後は十八番の
 河津落しでジュガレイターを蛍光灯の束に叩き込み完勝ですワ。
DKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #10
 Fans Bring the Weapons Match :
 Mad Man Pondo vs. WHACKS
  01年以降のトーナメントには皆勤で出場していた我等がネクロ・ブッ
 チャーの姿が今年のトーナメントには見当たりまへん。あれ、どないし
 たんやろかって皆様思われるでしょうが、なんと当HPにもよく遊びに
 来てくれている『レーブ・デーブル通信員さん』が運営されるブログ『米
 インディー系BLOG』によると、ネクロはCZW主催のバーベキュー大
 会に出席していたんやて(ホンマかいな?)。で、駒不足を補わんと白
 羽の矢が立ったのは、フィラデルフィアにて土着の独立団体の試合写
 真を撮影し続けている、少々倒錯系(あのザンディグ氏も常連?)のお
 店でもあるらしいお馴染『WHACKS』のオーナー、WHACKS氏...。
 さてさてレスラーでもないWHACKS氏やけど、膨大な数の試合をレフェ
 リーの次に間近で見続けて来たって財産は伊達やおまへんでした。
 有刺鉄線竹刀をポンドによって肛門に突っ込まれるってハード・ゲイ・
 ネタ(自虐ネタなんやろね)などを機軸に、実にワシらお客の痒い所に
 手が届く試合運びを披露してくれ、最後はポンドのスーパー・プレックス
 によって凶器テンコ盛りのパイプ椅子へと叩き込まれて壮絶死ですワ。
 お疲れ様、WHACKSさん。けど早く身支度せんと、次の試合の写真が
 撮影出来んようになりまっせ(苦笑)。
 【追記】
  ネクロがCZW主催のバーベキュー大会に出席したとの件、『レーブ
 ・デーブル通信員さん』より詳細情報をいただきました。
 それによると、CZWの公式HPに掲載されるメイベン・ベントリー手記
 にも当時の記述がありそう。で、下に無断転載させていただいたのが、
 バーベキュー大会の際の画像。ネクロさん、ただでさえ細い目を更に
 細くさせ、ご機嫌な感じでグラスを揚げておりますな。
 
EKing of the Death Matches 2006 tournament 1st round #11
 Barbed Wire Dog Collar Match :
 Tank vs. Bull Pain
  Deepsouthが昨年12月3日に開催したデス・マッチ・トーナメントに
 おいて、いくら若手底上げのためとは言え、イアン総帥とネクロを連破
 してのトーナメント制覇なんて恐れ多い経歴を持ってしまった、とことん
 出来損ない野郎の巨漢タンク。今宵はMidsouthマットでの芸歴も長
 い凶悪極まるペインとの一騎討ちが組まれました。さてこの試合、有
 刺鉄線の巻かれたチェーンの両端に犬の首輪を付け、それを両者が
 首に巻いて戦うって『犬の首輪戦』に、相手を動けなくして先に4つの
 コーナー・ポストにタッチした方が勝ちってルールの所謂『ブル・ロープ
 戦』を付加した、戦う選手にとっては動きに制約のある、観る方にとっ
 てはちょっとゲーム性の高い形式が導入。で、各種の公認凶器でド突
 き合った両者、ふと気が付けば各々3つのコーナーをタッチしており、
 最後は縺れ合って同時に4つ目のコーナーへ...。当然ワシが勝っ
 た、いやワシの方が早かったなんて収拾の付かぬ事態へと発展して、
 ここにオープニング・マッチのタイトル戦同様、イアン総帥が堂々の御
 出馬。明日、改めて2人で一騎討ちをやって雌雄を決しろとの大岡裁
 きですワ。ウーン、駒不足は分かるけど、タンクなんてボンクラ、予選
 道中で消してしもても良かったんやないの?。それともイアン総帥、タ
 ンクに小銭でも借りてるの......(苦笑)。


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