|
Explosion Match
Asbury Park, NJ - Convention Park
2000-3-3
(DVD-R)
収録時間:約2時間14分 |
ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
【Extreme Fan Cam Series】と称して怒涛のリリース・ラッシュでワシらE
CWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、2006年4月期に発売された5タイトルの内
の1タイトル。ニュー・ジャージー州はアズベリー・パークのコンヴェンシ
ョン・パークにて2000年3月3日に開催された定期興行の模様を収録
したものですワ。
@Tajiri vs. Kid Kash
キャッシュ相手に今宵のオープニング・マッチを行うのはタジリ。ワン・
ムーヴこなした直後、突然赤い毒霧を口から吹き上げ、文字通り一気
に会場内をタジリ色に染め上げる事に成功や。以降、定番ムーヴを繰
り広げ、お客相手に怪しの表情を作って見せ、最後は旋回式垂直落
下ブレーン・バスターでキャッシュをキック・アウトしてくれよりましたデ。
AThe Impact Players [Justin Credible(w/Jason)
& Lance Strom(w/Dawn Marie)]
vs. Nova & Chris Chetti
ベーシックなムーヴで構築された序盤〜中盤。ノヴァのダイヴ特攻を
起点に、マリー嬢の介入⇒これは見逃せんとジャズ姉さんが怒りの御
出馬⇒“二刀流”を自認するジェイソンの迎撃⇒ダーティ過ぎる(苦笑)
インパクト・プレイヤーズ側のインサイド・ワークによりノヴァ&チェッティ
が無念の敗退、と毎度毎度の小ネタの波状攻撃で盛り上げる終盤と、
これもこの当時の定番中の定番マッチ。ウン、今夜も楽しめましたワ。
BSuper Crazy vs. Little Guido (w/Sal Graziano)
場外フェンスを足場に、満員の客席へ月面水爆で舞い降りるクレイ
ジー。フジワラ式のアーム・バーなどをビシバシと極めまくるグイドー。
これ、9日後に迫ったPPV『Living Dangerously 2000』での一騎討ちに
向けた最終調整とも取れるし、逆にこの程度の内容は常にキープして
いるの両者なので、PPVだからと特段慌てふためく事もなかったので
はと言われると、それもまた納得もの。とにかく今夜もグッド・マッチを
繰り広げてくれた両者(あ、試合はクレイジーの勝ちや)なのでした。
CC.W. Anderson (w/Bill Wiles & Lou E.Dangerously)
vs. Kintaro Kanemura
ポール・Eのコス・プレ野郎、ルー・E率いるニュー・デンジャラス・アラ
イアンスの片割れCWと一戦行うのは、FMWチャントで迎えられた(な
んでみんな、こんな奴を歓迎するんや!)金村キンタロウ。しかもこの
金村、厚かましくもルー・Eのセル・フォン・ショット(元ネタはポール・E
の十八番)を喰らっての敗退なんて美味しい役を貰いやがって。あぁ、
嫌な奴の顔を見て、ホンマに気分が悪いワ。アカン、お酒でも呑もう。
DDanny Doring (w/Elektra) & Roadkill
vs. Jado & Gedo
お酒で金村を見てしまった憂さ晴らしでもしようかと思ったけど、悪
酔いするのも困りものやな、なんて思っていたら口直しにピッタリの邪
道・外道(←金村と正反対で、ワシのお気に入り)が登場。序盤、中盤
とドーイングにピタリと照準を合わせ早いタッチ・ワークでロードキルに
試合をさせず、最後の最後にロードキルの重爆〜ドーイングとの合体
フィニッシュ技を喰らって外道が沈んでしまう(さすがジョヴ・マニア!)。
そう、いかにも彼等らしい試合運びで、ぶっちゃけ邪外の本来の持ち
味が全開とはならんかったけど、決して悪くもない一戦でしたデ。
【補足】今回の邪道・外道や金村らのECW参戦について、当時の週
刊プロレスに日記形式での記事が掲載されとります。ご覧になりた
い方、プロレス・ショップや古本屋さんでも漁ってみられては?。
○TNN Opening
ECWの定期放送番組『ECW WRESTLING TNN』のネタ収録のため、
ジョーイ・スタイルスとジョエル・ガートナーがリングに。と、絶妙のタイミ
ングで客席からは『ガートナーはゲイ!』なんてサイン・ボードも上がり
まして、これをネタに2人は丁々発止のやりとりを。するとここに、頭に
包帯を巻いて痛々しい格好のスティーヴ・コリーノが相棒ジャック・ビク
トリーを従えリング・イン。スタイルスらからマイクを奪い、「テーブル攻
撃も、イス攻撃も、流血戦ももう御免だ」と泣き言を...。
ENew Jack vs. Steve Corino (w/Jack Victory)
コリーノの泣き言に客席が同情した(←嘘)途端、会場内には大音量
で『ナチュラル・ボーン・キラーズ』が。そう、ニュー・ジャック親分の登場
でっせ。親分、だらしなく命乞いするコリーノに各種凶器を見舞い、ビク
トリーにはフォーク攻撃で血だるまにした挙句、バルコニー・ダイブによ
るテーブル葬まで喰らわすなど、縦横無尽の大暴れ。けど、リングに戻
った親分を待っていたのは、コリーノ一派に属すタジリとライノの不意
討ち。やるだけやって、いつもやけにあっさりと敗退する親分。今夜も
これだけ暴れたんやから、そこそこスッキリとしたでしょ?(苦笑)。
あ、さっき「流血戦なんてもう御免だ!」とホザいたはずのコリーノさん。
アンタ確か、親分の大暴れの陰で、こそこそとブレードなんてかまして
まへんでした?。嫌や、嫌やと言いながら、アンタもとことん好きなクチ
なんやねェ(苦笑)。
FECW World Heavyweight Championship :
Mike Awesome (w/Judge Jeff Jones) vs. Masato Tanaka
オーサムの保持するECW認定の世界王座へ田中が挑むって図式
の試合は、例によって例のごとく両者の骨の軋む音が聞こえて来る様
な内容。両者一度づつテーブルへと叩き込まれた後、田中のローリン
グ・エルボーが的確にオーサムの顔面をとらえ、これで田中が王座を
奪取かと思われた瞬間、レイヴェンが疾走乱入。何と田中にDDTを見
舞い、オーサムに指示して田中を場外テーブルへの投げっ放しパワー
・ボム葬と処させるなど大暴走。しかもそれどころか、遅れて駆け付け
たかつての僚友トミー・ドリーマーまでを、オーサムを焚き付けて完全
粉砕に...。実はこれ、ドリーマー&レイヴェンの仲違い⇒タッグ王座
からの転落(新王者コンビはジャスティン&ストーム)⇒ドリーマーと田
中の即席チームが王座を奪取⇒今宵のイザコザ劇⇒翌日のECWア
リーナでレイヴェン&オーサムがタイトルを奪取⇒9日後のPPV『Livin
g Dangerously 2000』でレイヴェン&オーサム、ドリーマー&田中、ジ
ャスティン&ストームの3WAY方式でのタッグ王座戦、と発展していく
大ネタの一部なんや。ただし再度書くけど、オーサムと田中の絡みは
壮絶な代物で、ネタ収録云々なんてのを抜きにして楽しむべきかもね。
GSandman vs. Angel (w/DeVito)
『暴走禿頭軍』のエンジェルとデヴィトがリングで待ち受ける中、会場
内に流れて来たのはメタリカの『エンター・サンドマン』。缶ビール片手
に、サンドマンが堂々の入場ですワ。試合は『暴走禿頭軍』に適当に
反撃する場面をこしらえてやりつつ、最後は竹刀でボコ殴りにしての
圧勝で、特筆すべきところもないのやけど、『エンター・サンドマン』をフ
ル・コーラス使用しての入場シーンだけはホンマ何時見ても鳥肌もの。
皆さんも出来る事ならDVDプレイヤーをステレオに接続し、大音量で
観賞されては?。サビの部分でのお客達の大合唱がリアルで、まる
で自分自身が当夜の会場で観戦しているみたいや!。
HExplosion Match :
Balls Mahoney vs. Vic Grimes (w/Angel & Devito)
さあさあお立会い。今宵これから始めますは『米国初の爆破マッチ』。
演じますは、『デッカイ金玉』の持ち主マホーニーと、『暴走禿頭軍』の
グライムスでっせ。有刺鉄線ボードに小型爆弾(ってより、只の大型花
火。どうやら無線を使って起爆装置を駆動させるシステムみたい)が4
個設置されたトラップが搬入されただけで、会場内は早くも興奮の坩
堝状態へと突入。グライムスの繰り出すピザ・カッター攻撃、マホーニ
ーの繰り出すフォーク攻撃で両者ともにエエ感じで顔面も朱に染まり、
いよいよ『その時』を迎えます。で、まず被弾を志願したのはマホーニ
ー。リングの中央に引っ張り上げられたトラップの中央にグライムスに
よって投げ込まれ、ベストのタイミングで爆破(大型花火に着火)も起
こり、立ち上った火炎と爆音もそれなりだった事から(選手へのダメー
ジは殆どないと思われるものの)客席は大興奮。『爆破マッチ』の先進
国であるワシら日本の汚れファンが見ると、余り大した事のない爆破
なんやけど、とにもかくにもこれが米国マットでは初の爆破ですんや。
で、これを受け切ったマホーニー(←そやから爆破自体では選手にダ
メージはないんやって)、反撃とばかり今度はグライムスを別のトラッ
プに叩き込んだところで痛恨のアクシデントが発生。なんと無線を使っ
た起爆装置に不具合が発生したか、肝心の爆破が起こりません!。
勿論客席からは一斉に『You Fuck Up !』チャントが巻き起こり、これは
アカンと咄嗟に判断したマホーニー、レッグ・ドロップ(withパイプ椅子)
をグライムスに見舞い、非常に強引に試合に幕を降ろしてしまいより
ました...。
←これが衝撃の瞬間や
【追記@】ECWでの『爆破マッチ』って言ったら、サンドマンとの対戦を
下ネゴ(?)し、パテントを有する大仁田厚が98年6月27日にECW
アリーナで大暴れしたって件をどうしても思い出しますな。その時は
何が原因なのか結局は開催にまで至らず、うやむやのままとなって
しまったのやけど、こうしてセコいながらも『仕切り直し』が行われて
おり、それが21世紀の今になって我が家で観賞出来るとは...。
爆破に絡む不手際もあり、ECWとしては正直歴史から削除したい
であろう珍品のはずで、今回の映像発掘については『RF-VIDEO』の
グッド・ジョヴに感謝感謝ですな。
【追記A】その『RF-VIDEO』のカメラ・マン。いつもはリング周辺で軽い
フット・ワークを駆使してハンディ・カムにて試合映像を収録している
のですが、こいつも初めて体験する爆破がどんなものなのか分から
なかった(当然FMW級の超大型爆弾をイメージした?)ので恐怖を
感じたらしく、そろそろ爆破かなと思われた時点でさっさと花道の奥
へと撮影場所を変更...。ま、ワシも鬼やないからこれを持ってチキ
ン野郎(苦笑)なんて言いまへん。それにズーム機能を使って、爆破
シーン自体は上手に撮影されていたし、当然カメラ・マンも危険手当
なんて貰ってないやろからね。カメラ・マンさん、ご苦労様でした。 |
|