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The Super New Malenko vs. Guerrero Classic
(VHS-TAPE)
収録時間:約4時間6分 |
2005年11月13日、僅か38歳の若さで実に呆気なくあの世へと旅
立ってしまった『ラテンの情熱』こと故エディ・ゲレロ。日本のマット界とも
深い関わりのあった彼だけに、その喪失感はWWEなんてちっぽけな
範疇には収まらぬ影響を今もって各方面に与えておりますな。
さてさてこのエディ・ゲレロ、芸歴も長く、あちこちの団体を渡り歩いた
事もあって、名勝負ってのもこれまた数え切れぬ程あると思いますワ。
けど、そんな彼が僅かばかり在籍したECWにおいて、ディーン・マレン
コ相手に繰り広げた連戦ってのが、バーン・ガニアvs.ビル・ロビンソン、
ドリー・ファンク・ジュニアvs.ジャック・ブリスコ、リック・フレアーvs.リッキ
ー・スティムボートらの名勝負数え歌と同等以上に並び賞されているの
を、皆様はご存知であったでしょうか。
ただワシら日本のファンからすると、これらの映像ってそうそう簡単に手
に出来なかったのも事実。確かにいくつかの映像はDVDとなって正式
流通した事もあった(現在廃盤のものが大半)けど、お手軽にエディ・ゲ
レロvs.ディーン・マレンコの名勝負の全体像を掴む事なんてままならな
かったんや。けどそんなファンの底なしの欲望を手っ取り早く満たして上
げんと、当HPではお馴染みの『RF-VIDEO』が暗躍(苦笑)。著作権や
肖像権なんてのを根底から無視(?)し、VHSテープに2倍速なんて変
なフォーマットを使用して、VHSテープの容量ギチギチの4時間に渡っ
て今や伝説の名勝負数え歌を収録して堂々発売や!!。
当然これって海賊商品であるので、幾らブツが売れようとエディの遺族
やマレンコの懐にはロイヤリティなどは一銭も入らぬはずで、そんなブ
ツを紹介するのもどうやろか、なんて思ったものの、やっぱり内容が素
晴らしいので紹介せぬ訳にも行かず...。
さぁ、『RF-VIDEO』から送料別12ドルで発売されている、ECWマットに
おけるエディ・ゲレロvs.ディーン・マレンコの名勝負集。早速内容をご報
告させていただきまっせ。
※これ、収録された映像はジョーイ・スタイルスによる実況の入った、米
国でかつて正規発売されたブツからの(無断?)借用に、定期放送番組
『Hardcore TV』からの(無断?)借用。そして『RF-VIDEO』の十八番で
ある、試合会場での生撮り映像(当然実況はなし)から成っております。
以下、生撮り映像については【Fan-Cam】と表記しておきますな。
※エディ・ゲレロの英表記についてですが、Eddie GuerreroとEddy Gue
rreroの両方が確認可能。けど、どうやらECW時代はEddy Guerreroと
表記する事が通例であった様なので、以下はEddy Guerreroで統一す
る様にいたしますワ。
※ECWマットにおけるエディのキャリアは、1995年4月8日にECWア
リーナにおいて開催された定期興行『Three Way Dance 1995』よりスタ
ートしたみたい。エディ、初登場で2・コールド・スコーピオを下し、堂々と
TV王座を獲得(vs.マレンコではないけど、これも収録して欲しかった)し
とります。尚、ディーン・マレンコはクリス・ベノワと歩調を合わし、エディ
より一足先の、1994年11月にはECWマットへ上がっておりました。
@Dean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-4-15, South Philadelphia, PA - ECW Arena
"Hostile City Showdown 1995"
ECWマット初登場にして難敵2・コールド・スコーピオを下し、TV王
者となったエディ。一週間後の定期興行『Hostile City Showdown 199
5』において、ディーン・マレンコ相手に早くも初防衛戦に打って出ます。
両者非常に手の合う、流れる様な攻防を見せ、規定の試合時間はあ
っと言う間に過ぎ、エディの王座防衛成功。しかし結果ではなく、そこ
までに至る攻防のレベルの高さに対してECWアリーナの常連達も大
熱狂。これが両者による名勝負数え歌の、記念すべき緒戦となりまし
たんや。あ、この映像はイギリスで発売されたPAL版DVD『Hardcore
TV Series : MENTAL !』(レビューはアップ済/現在、絶賛廃盤中!)
にも収録されとります。
ARematch For The ECW TV Title :
Dean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-5-13, South Philadelphia, PA - ECW Arena
"Enter the Sandman 1995"
マスクを脱いだ『暗闇の虎』(←コスチュームはまんま、2代目ブラッ
ク・タイガーやんか)って井出達が涙を誘う、今宵のエディ・ゲレロ。
@が好評であったためか、またもやディーン・マレンコとの一騎討ちが
ブックされました。序盤は打投極とU・イズムで攻め込むマレンコに青
息吐息のエディやったけど、極上品のクローズ・ライン相討ちスポット
を経てから、そろそろペースもエディの側へ。で、エディ渾身の足四の
字(これまた泣ける展開や)がガッチリとマレンコの足を捕らえたところ
で、今回も当初の規定時間(30分)はオーバー(この映像は数箇所カ
ットのある編集版)となり、辛くもTV王座のベルトはエディが防衛です。
あ、記録によるとこの夜、エディはマーティ・ジャネッティ(ショーン・マイ
ケルズのかつての相棒)相手に、再度TV王座戦を行い、ジャネッティ
をも撃破したみたいでっせ。
B1st match from 3 day tournament :
Dean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-5-19, Hazzelton, PA - St. Joe High School 【Fan-Cam】
C2nd match from 3 day tournament
Dean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-5-20, Jim Thorpe, PA - The Flagstaff 【Fan-Cam】
D3rd match from 3 day tournament
Dean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-5-20, Langhorne, PA - Neshaminy High School 【Fan-Cam】
エディ・ゲレロvs.ディーン・マレンコって『旬のネタ』を手にしたECW。
何やら『3 day tournament』と銘打ってペンシルベニア州の各地を巡
業して回った様で、ここには『RF-VIDEO』のカメラ・マンが撮影した貴
重な生撮り映像が収録されとります。
あ、この『3 day tournament』の実体がいまいち不明であり、しかも『3
day tournament』とは言うものの、どうやら5月20日はかつての全女
もどきに、同日で異なる場所による昼夜(?)興行みたいや。
※どちらさんか、この『3 day tournament』の詳細をご存知の方、ワ
シにご教授いただけると幸いです。
ちなみにBは一瞬の丸め込みでエディに凱歌。エディによる親父譲り
のゴリー・スペシャルが冴え渡るCでは最後にマレンコがエディをフォ
ールしたものの、何故かベルトは団体預かり。で、注目のDではマレ
ンコがエディの左腕に理詰めの集中攻撃(フジワラ式アーム・バーや、
チキン・ウィング)を仕掛け、これをエディが耐え抜き30分の勝負タイ
ムはまたまたオーバー......。
EDean Malenko & 2 Cold Scorpio
vs. Eddy Guerrero & Taz (w/Paul.E.Dangerously)
1995-7-15, South Philadelphia, PA - ECW Arena
"Heat Wave 1995"
95年7月15日のECWアリーナにおける定期興行『Heat Wave 199
5』より。毎回毎回エディとマレンコの一騎討ちでは、ネタ切れも早いと
考えたか、今宵はエディ側にタズ(マレンコやベノワと抗争歴あり)、マ
レンコ側に2・コールド(エディにTV王座を奪われた過去があり)って、
実に豪華絢爛な助演陣を配してのタッグ戦をプレゼンテーション。
試合は勿論高レベルで、最後はタズが2・コールドをフォールし、エデ
ィにも、マレンコにも、土を付けたくない団体側の思惑もチラホラと。
で、試合決着後にハプニングが勃発、なんとあの『RF-VIDEO』の主宰
者にして少年愛嗜好者(失礼)でもあるロブ・フェインシュタインが突如
リングに上がり、ポール・Eとの抗争プロモを敢行。ポール・Eに胸を突
かれたロブ君、逆切れしてポール・Eに鉄拳を食らわし、それでも飽き
足らぬとストンピングの嵐を見舞うなどの大暴走や。けどロブ君、最後
には『紛争処理係』がギミックの巨漢レスラー911により特大チョーク・
スラムを喰らって見事な昇天。ウン、これはロブ・マニア(←居るのか、
そんな奴?)も必見の映像(編集によるカットあり)でっせ!!!。
FDean Malenko & 2 Cold Scorpio
vs. Eddy Guerrero & Taz (w/Paul.E.Dangerously)
1995-7-20, Ft. Lauderdale, FL - War Memorial Auditorium
フロリダ巡業にてEのリ・マッチ(編集によるカットあり)。ここでは2・
コールドのバック・ドロップ〜2・コールド&マレンコの合体パイルを喰
らったタズが首を負傷し、エディ・ゲレロが孤軍奮闘する様に大注目。
電光石火の丸め込みで、エディがマレンコをフォールしとりまっせ。
しかし何やね。如何なるアクシデントが起ころうと、予め用意されてい
たであろう『ブッカーのしたためた幕引き』へと試合を帰結させるエディ
やマレンコ(勿論2・コールドやタズも)のプロ意識には脱帽ですな。
【追記】この夜の試合については、WWEが編集したECWのヒストリ
ーものDVD『隆盛と没落』(レビューは既にアップ済)においても触れ
られております。タズはこの試合で首の骨を折って9ヶ月の休業に。
タズにとっては何とも辛いフロリダ巡業であったみたいですな。
GDean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-7-21, Tampa, FL - Expo Park
アート・バー(ラヴ・マシン:94年11月23日没)は生きている、なん
てサイン・ボードも上げられたフロリダ州はタンパ大会の試合会場。
上掲したB〜Dの流れの中で『宙に浮いた』ままのTV王座を巡って
またもエディとマレンコの一騎討ちがブック。ここではマレンコがエデ
ィを丸め込んで新王者となっております。尚、試合決着後に潔くベルト
を差し出し、マレンコに握手を求めたエディやけど、マレンコが気を許
したその瞬間、強烈なクローズ・ラインをマレンコに叩き込み...。
これまでどちらかと言うとベビー側に位置していたエディ、王座陥落と
ともに、ヒール側へとポジション・チェンジしたみたいでっせ。
HRematch For The ECW TV Title :
Dean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-7-28, Middletown, NY - Orange County Fairgrounds
『シューター』の異名を取るマレンコの胃袋破り攻撃が余りに厳し過
ぎる、ニュー・ヨークでの定期興行。けどエディ、マレンコによるこの猛
攻を耐え抜き、フランケンシュタイナーからフォール合戦へと持ち込ん
で、僅か一週間でマレンコよりTV王座を奪回ですワ。
IDean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-8-4, Jim Thorpe, PA - The Flagstaff 【Fan-Cam】
実に見事な低空ドロップ・キックをマレンコがエディにブチ込み、また
もエディのTV王座は風前の灯状態に。で、ここを勝機を悟ったマレン
コ、テキサス四葉固め(低空ドップ・キックを前振りにするところが憎い
なァ)をエディにガッチリと決めて、グイグイとエディを絞り上げます。
ま、最後は竜巻式DDT一発でマレンコを振り切ったエディですが、こ
れまた非常に見どころの多い一戦でしたワ。
JDean Malenko & Cactus Jack & 2 Cold Scorpio
vs. s & Eddy Guerrero (w/Taz) & The Steinter Brothers
1995-8-5, South Philadelphia, PA - ECW Arena
"Wrestlepalooza 1995"
定期興行『Wrestlepalooza 1995』よりチョイス。レイヴェンの紹介で
マレンコ&スコーピオ組の助っ人として現れたのはカクタス・ジャック。
ECWアリーナ初見参となったスタイナー兄弟を従えたエディ(Fで首
を負傷したタズもギプスを付けてセコンドに)との6人タッグ戦が始まり
ましたデ。ま、6選手中カクタスを除く5選手が新日プロと何らかの関
わりを持っているためか、ロング・マッチとなった試合の全体に非常に
新日臭が漂う展開となってしまい、『RF-VIDEO』の商品紹介欄では大
絶賛されていたものの、正直ワシには「そんなに大騒ぎする内容かい
な?」ってところ。ただ、カクタスが自虐スポットを披露し、高濃度の新
日臭の中に独自の世界を強引に構築してみせたのは見事でしたな。
あ、試合はスタイナー兄弟を上手に使ってマレンコを追い込んだエデ
ィが、最後の最後でマレンコにクルっと丸められて敗退となってます。
K2 out of 3 Falls Match :
Dean Malenko vs. Eddy Guerrero
1995-8-26, South Philadelphia, PA - ECW Arena
ECWマットでの名勝負集がチェックされたのか、WCW(当時)へジ
ャンプ・アップする事となったエディとマレンコ。まずは『業界の不文律』
に沿って8月25日のヘンシルベニア州はジム・ソープのフラッグスタッ
フ大会においてエディがTV王座って『聖火』を2・コールドに引継ぎ。
晴れて腰の辺りが軽くなったエディ、翌8月26日のECWアリーナで
のマレンコとの(ECWマットでの)一騎討ちを迎えましたんや。
さてさて、客席にはエディとマレンコをWCWに引き抜いた(?)張本
人エリック・ビショフを糾弾する『ビショッフの糞ったれ』なんて馬鹿デカ
い横断幕も上がる中、まずはジョーイ・スタイルスがマイクを握り、「エ
ディとマレンコはWCWと契約しました」と公式にアナウンス。
ここら辺り、情報通の集まりであるらしいECWアリーナの常連客相手
に姑息な嘘を言っても仕方ないとの団体側のスタンスには感心させら
れますな。で、客席からの絶え間ない『頼むから出て行かんといて!』
チャントの中、エディとマレンコによる3本勝負は始まり、1本目を逆さ
押さえ込みでエディがゲット。続く2本目はマレンコがテキサス四葉固
めでエディの口から「参った」の言葉を引き出す事に成功や。
そして注目の3本目の幕の引き方が絶品の一言。なんとフォール合
戦の末の、タブル・フォールでっせ!!。どないでっか。純格闘技の世
界では決して味わえぬ、プロレスって表現フィールドのみに許されるこ
のハッピー・エンディングは!!。エディ、マレンコ、そして試合を裁い
たレフェリーのジョン・フィネガンに今はただただ感謝感謝やね。
あ、この映像はDVD『Path Of Destraction』(レビューはアップ済/現
在、絶賛廃盤中!)にも収録されとります。ただし画像はDVDには劣
るものの、こちらのVHSテープには試合前のスタイルスのアナウンス
や、試合決着後に首脳陣(ポール・Eやタッド・ゴードン、ドリーマー、ピ
ット・ブルズ、ハック・マイヤーズ)らに両者が肩車される姿もバッチリと
収録されております。
尚、ワシは未見ながらWWEが編纂したDVD『Cheating Death, Steal
ing Life : The Eddie Guerrero Story』に収録されているのは、このV
HSテープに近いバージョンみたいですワ。
【特典映像??】
テープの最後の最後にちょこっとだけですが、94年11月4日の定
期興行においてマレンコが2・コールドを下してTV王者となる様子、9
5年3月18日の定期興行において2・コールドがズル(苦笑)をしてマ
レンコからTV王座を取り返す様子、95年4月8日の定期興行『Three
Way Dance 1995』においてECW初登場となったエディが2・コールド
を下してTV王座を手中にする様子なども収められておりました。 |
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