Hardcore Cup 2002
 (DVD-R*2)
 収録時間
 disc-1:約1時間53分
 disc-2:約1時間27分
 本作はDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既にお馴染みの米国
独立団体映像通販ショップ『SmartMarkVideo』から2枚組で送料別20ド
ルにて発売されている団体公認の代物ですんや。
さて本DVD−Rの内容ですが、2002年5月26日にウィスコンシン州は
ミルウォーキィーの『The Rave』って名のディスコにてMAW【Mid Americ
an Wrestling】が開催したデス・マッチ・トーナメント『Hardcore Cup 2002』
を収録したもの。あ、このMAWって団体なんやけど、ミルウォーキィーに
拠点を構える、十数年(旗揚げは93年)の活動期間を誇るそれなり以上
の老舗団体。では、MAWのデス・マッチ・トーナメント『Hardcore Cup 20
02』、じっくりと腰を据えてご紹介させていただきまっせ。

★★DISC-1★★
○今宵は生バンドも動員!
  なかなかエエ感じで客席が埋まった『The Rave』。年に一度の暴力
 の祭典って事でか、ステージ上には生バンド(グランジの波をモロに被
 ったって感じの奴ら)も動員され、否が応でも雰囲気は盛り上がって来
 ます。さぁ、いよいよ今宵の興行の幕開けや。
@Adrian Serrano vs. Barfly Mike
  最初はトーナメントとは別枠の試合。まずはシュート・ファイター・ギミ
 ックのセラーノがお客を煽り、続いてTシャツ&Gパン姿で現れたマイク
 を相手に、シュート系ファイトをお披露目。マウント・パンチから腕ひしぎ
 逆十字って教科書通りの定番コースで、マイクを切って捨てましたワ。
 尚、このセラーノなんやけど、sWo(Shoot World Order)なるユニットを
 結成している様で、仲間(名前が分からん)と2人してお揃いのsWoT
 シャツを着用し、リング上で伸びるマイクの背中にスプレーでsWoと殴
 り書きする大暴走(苦笑)。ただしsWoはお客には不人気な様で、お
 客からは「Shit World Order」と馬鹿にされ、いつまで経ってもステージ
 から降りそうもない彼等に苛立ったらしいマッド・マン・ポンドからは「S
 hort World Order !」と詰られ、進入禁止標識で一撃を喰らう羽目に。
 哀れなり、sWo...。けどワシは結構アンタらが気に入ったデ。
AHardcore Cup 2002 Tournament 1st Round #1
 Thumbtack Match :
 "Mean" Mitch Page vs. Dino Bambino (w/Holly Wood)
  ここからの4試合がトーナメントの予選。まずはミッチ・ペイジが“ハー
 ドコア・ルチャ・ドーラ”を名乗るバンビーノと画鋲マッチで対決や。試合
 は体格で勝るペイジが押せ押せ状態でバンビーノの身体を画鋲の海
 へと沈めまくり、ビンス御大やゴールダストが見ていないのをエエ事に、
 シャッタード・ドリームまでちゃっかりと無断借用ですワ。けどバンビー
 ノもやられてばかりでは終われまへん。なんとペイジに大量の画鋲を
 喰わせ、その状態でジョー・ブレイカー(顎砕き)を見舞うなど、懸命に
 反撃の糸口を求めます。ま、最後は力尽きてペイジに圧殺されたバン
 ビーノ。序盤ではペイジの巨体をもてあまし、ボディ・スラムを2度続け
 て失敗したりと、最初は一体どうなる事やらと案じさせられもしたもの
 の、終わってみれば大熱戦をキチンとディスプレイ。ウン、これは納得
 ものの一戦やった。
BHardcore Cup 2002 Tournament 1st Round #2
 Barbed Wire Boards & Electrified Light Tubes Match :
 2 Tuff Tony vs. Ian Rotten
  予選第2試合に神々しい姿をお見せになったのは、Midsouthマット
 を暴力統治するイアン・ロッン総帥。通電して点灯させた蛍光灯&有
 刺鉄線ボードを3枚使い、Midsouthマットで何度も激突してきた中堅
 のトニーを相手にした一騎討ちへと臨みましたんや。試合は有刺鉄線
 や蛍光灯の破片で両者が互いの身体を切り刻み合う陰惨なものでし
 て、イアン総帥はトニーから蛍光灯&有刺鉄線ボード上で必殺の2・タ
 フ・ドライバーを喰らい(Holy Shit !)、起死回生のバック・ドロップまでを
 返されて、再度蛍光灯&有刺鉄線ボードに沈むなどと、何度もあわや、
 って場面に直面。最後こそ投げっ放しのパワー・ボムでトニーを蛍光灯
 &有刺鉄線ボードへとブチ込み、辛うじてトニーを振り切ったけど、これ
 また実に熱く、激しい一戦でしたワ。
CHardcore Cup 2002 Tournament 1st Round #3
 Lucky 21 Staple Gun Match :
 Necro Butcher vs. Hardcore Craig
  21枚用意された1ドル紙幣の内、過半数以上となる11枚を相手の
 身体へ大型ホチキチで打ち付ければ勝ち、なんてムチャクチャなルー
 ルの試合が導入された予選第3試合。ここでは我等がネクロ・ブッチャ
 ーが、ハードコア・クレイグ相手に勇躍出陣や。ブッといチェーンをブン
 ブンと振り回し現れた今宵のネクロ、クレイグによって鼻っ柱や頭頂部
 や股間に1ドル紙幣を打ち込まれ、加えてパイプ椅子でド突き回される
 など、随所で“らしさ”を存分に披露。けどこれでは足らんと思ったか、
 はたまたデス・マッチ・ハイの境地へとナチュラル・トリップしたか、ネク
 ロは着用しているブラック・ジーンズにたんまりとオイルを染み込ませ、
 そこに火を点けて火炎式・レッグ・ドロップを敢行。しかし寸でのところ
 でこれをクレイグに回避され、一撃必殺の驚愕のデンジャラス・ムーヴ
 もあえなく自爆...。その上、余りに大量のオイルを染み込ませたた
 めか、全くブラック・ジーンズから火が消えまへんのや(Holy Shit !)
 冗談抜きで、一時は身体全体の1/4〜1/3が炎に包まれたネクロ、
 無茶をするのも程度ものでっせ。尚、試合はこの惨劇の直後、クレイグ
 がネクロの舌へ1ドル紙幣を打ち込み(Holy Shit !)、激戦に幕引き。
 ウーン、ネクロが予選道中で消えるのは寂しいけど、これまた非常に
 内容の濃い一戦やったな。ワシはとことん満足しとるデ!。
DHardcore Cup 2002 Tournament 1st Round #4
 Barbed Wire Tables, Barbed Wire Boards,
 Barbed Wire Bat & Pillar of Salt Match :
 Mad Man Pondo (w/"Spyder" Nate Webb)
 vs. Corporal Robinson
  ポンド相手に予選第4試合に臨むのは、Midsouthマットの大番頭
 である好漢コーポ。まずはポンドと2人、客席を戦場にしての殴り合い
 で試合をオッ始めましたデ。で、この荒れた展開はポンドもお手の物。
 隠し持ったハサミでコーポの額を切り裂く場面を上手く撮影しろと、『S
 martMarkVideo』のビデオ・クルーに指図し、そこから有刺鉄線バット
 と有刺鉄線ボードを存分に使用する攻防へと展開や。
 またポンドの当時の相棒であった“くも男”ウェヴが試合に介入し、コ
 ーナーに逆さ吊りとなったコーポに対し前転式のコースト・トゥ・コース
 ト・ヴァン・ダミネーター(Holy Shit !)を披露して見せ、続けてポンドに
 よるバルコニー席からの自殺ダイヴ攻撃をエスコートするなど、単調な
 デス・マッチに終わらせぬ細やかな気遣いも。最後はポンドとウェヴの
 同士討ちを誘ったコーポが逆転勝利を収めるんやけど、他の3つの予
 選同様(それ以上)に見どころタップリの試合やったな。

★★DISC-2★★
@Street Fight Match :
 "The Hustler" Carmine DeSpirito (w/Disfunction)
 vs. Jerry "The Mauler" Maywald
  どこの団体にも悪い奴は居るもので、MAWではカーマイン氏(悪人
 面が何ともプリティ・グッド。でもこの人、ホンマに当団体のオーナーさ
 んなんや)が子飼いのディスファンクションを操り、やりたい放題の悪さ
 をしとるみたいなんですワ。で、今宵は当団体のコミッショナー職を賭
 けた試合がマッチ・メーク。MAWの民主化を願い(?)悪党カーマイン
 氏に挑むのは、ジェリー“ザ・モウラー”メイワルドって、何処かで聞い
 た事のあるような、ないような微妙な名前のレスラー(なんやろ?)や。
 ただし試合開始早々はカーマイン氏を一方的に攻めまくったメイワルド
 も、要所要所でディスファンクションを効果的に介入させ、フォーク攻撃
 を見舞って来るカーマイン氏に徐々に形勢を逆転されてしまい、最後
 は文字通りリング上を血の海にし(ちょっと切り過ぎでっせ、メイワルド
 さん)て虫の息状態に...。しかしMAWの民主化もこれまでか、と誰
 もが目を塞いだ瞬間、現れましたんや正義の使者が。そう、自身の団
 体IWA−Midsouthでは極限の暴力で民意を押さえ込んでいる(大袈
 裟やな、今日のワシ)はずのイアン総帥が試合に介入し、ダブル・アー
 ム式のDDTをカーマイン氏に放って、メイワルドに勝ち星をプレゼント。
 なんやイアン総帥、言動不一致やな、なんて思うなかれ。多分、これま
 でMAWマットでさんざんカーマイン氏から煮え湯を飲まされていたん
 やと思いますワ。で、たまたま仕返ししたら、それが傍目からは善行に
 見えただけなんやから(苦笑)。
AHardcore Cup 2002 Tournament Semifinals #1
 Log Cabin of Glass Death Match :
 Ian Rotten vs. "Mean" Mitch Page
  上の試合では心ならず(?)もMAWの民主化に協力してしまったイ
 アン総帥。これでは“バイオレンス・アイコン”の名が廃ると危機意識を
 持ったか、準決勝第1試合ではペイジ相手に胸のすく様な蛍光灯マッ
 チを披露してくれましたデ。まずはイアン総帥、リングに現れるなり上
 半身裸(締まりのない白い脂身ばかり)となって、これから行う蛍光灯
 マッチに自らハイ・リスクを設定。で、相手のペイジも即座に呼応してこ
 れまた上半身裸となってのリング・ベル。序盤はイアン総帥の頭突き
 攻撃が火を噴き、そこから両者エプロン・サイドに降りての蛍光灯チャ
 ンバラへと移行や。けど四方のお客様に満遍なく見て貰おうと、エプロ
 ン・サイドをグルグルと徘徊しながら行われたこの蛍光灯チャンバラが
 底抜けに凄惨な代物。アクセント代わりに盛り込まれたイアン総帥の
 パイプ椅子攻撃と、ペイジによるイアン総帥の額への鉄拳の嵐以外、
 ずっとずっと淡々と淡々と相手を蛍光灯でシバくだけ(Holy Shit !)
 時間にすると5分以上。費やした蛍光灯は数知れずの状態で、混ざり
 ものがないって点で、これぞ純度100%のピュア蛍光灯マッチか。
 最後もリング上に設置された蛍光灯やぐらにイアン総帥が沈んで幕と
 なったんやけど、様々な公認凶器を、様々な使い方で披露し合うのが
 最近のデス・マッチ界のトレンドなら、この試合はそれとは正に正反対
 の逸品や。イアン総帥とペイジ、エエものを見せてくれてありがとうね。
 尚、試合決着後に、カーマイン氏とディスファンクションがペイジをけし
 掛け、3人で寄って集ってイアン総帥をボコるなんて場面もあったデ。
BHardcore Cup 2002 Tournament Semifinals #2
 Taipei Death Match :
 Hardcore Craig vs. Corporal Robinson
  予選でネクロを下したクレイグ、同じくポンドを下したコーポ。共に難
 敵を下した者同士が、バンテージにガラスの破片を付けて殴り合う『タ
 イペイ・デス・マッチ』って破天荒なルールで激突。勿論流血必至(他の
 試合も全部そうやけど)の一戦で、これが準決勝第2試合ですんや。
 で、注目の試合なんやけど、まずはコーポの持ち込んだバケツ一杯の
 ガラスを破片を奪い取ったクレイグが、「お前にエエ格好はさせん!」
 と自らリング上にガラスの破片をブチ撒け(このクレイグって奴も、なか
 なか根性が座っとるな)、これにて地獄の舞台装置は抜け目なく完成。
 リング・ベルが鳴ってからは、ガラスの破片の海を活かした各種スポッ
 トが構築され、コーポの渾身のパワー・ボムによってクレイグがガラス
 の破片の海へと叩き込まれる場面も。しかし何と言っても圧巻であっ
 たのはフィニッシュ・シーン。コーポのタイペイ・パンチ(前述した様に拳
 の部分にガラスの破片が)が唸りを上げてクレイグの左横面へとブチ
 込まれ、防御の術のなかったクレイグは完全憤死!!(Holy Shit !)
 ウーン、ワシも過去に複数の『タイペイ・デス・マッチ』の映像を観て来
 たけど、タイペイ・パンチで相手をKOしての勝利、なんて幕引きを観る
 のはこれが初めてや。しかも『タイペイ・デス・マッチ』ってくらいやから、
 ある意味このフィニッシュ・シーンほど説得力のある幕引きはないはず
 多分、『タイペイ・デス・マッチ』のオリジネーターの片割れであるイアン
 総帥(もう1人はアクセル・ロットン)もこの衝撃のシーンは会場の何処
 からか観ていたはずで、正直「ウワッ、やられてしもた!」って残念がっ
 ていたんやないやろかなァ。そう、そこまで説得力のあるフィニッシュ・
 シーンでしたワ。 
CMAW Heavyweight Championship :
 Dysfunction (w/"The Hustler" Carmine DeSpirito)
 vs. Frankie "The Thumper" DeFalco
  デェファルコなるレスラーが、悪党カーマイン氏子飼いの王者であるら
 しきディスファンクションの保持するMAW認定の世界ヘビーの王座
 挑戦。まず試合は虎の子のベルトを凶器に、ディスファンクションがデェ
 ファルコをジバき回して始まるのやけど、デェファルコもやられてばかり
 ではおまへん。ディスファンクションをひっつかまえ、パイプ椅子目掛け
 てパイル・ドライバーや投げっ放しのパワー・ボムで叩き付けて、十倍
 返しの反撃開始。で、遂にディスファンクションをサソリ固めに捕らえる
 と、逃げ道がないと悟ったディスファンクションは力尽きタップ・アウト。
 けど直前に不幸なレフリー誤爆(ヨッ、みんな役者さんや)があったた
 め、デェファルコの王座奪取は夢と消え、そこにカーマイン氏が追い撃
 ちのファイヤー・ボールをお見舞いや。終始攻め達磨と化していたデェ
 ファルコ、最後の最後で幸運の女神にソッポを向かれてしまいました。
DHardcore Cup 2002 Tournament Final
 4 Corners of Pain, Barbed Wire Ladder Match :
 Corporal Robinson vs. "Mean" Mitch Page
  後ろ盾であるカーマイン氏の影もチラつくペイジと、Midsouthマット
 の大番頭である好漢コーポ。2002年度のMAWによるデス・マッチ・
 トーナメント『Hardcore Cup 2002』の優勝決定戦はこの両者の一騎
 討ちとなりました。さて、ここまで予選、準決勝とどの試合も平均点以
 上の内容を披露して来た今回のトーナメントなんやけど、優勝決定戦
 についても団体側のセンスの良いルールが制定されてますんや。
 そう優勝トロフィーを天井から有刺鉄線を使ってブラ下げておき、これ
 を有刺鉄線が巻き付けられた梯子を使って先に奪い取った方が優勝
 って寸法の、ある意味非常に『練られた』舞台設定。さぁ、後は実際に
 試合を行うペイジとコーポがどこまで団体側の意向を汲んでくれるか、
 なんやけど、やっぱり両人とも期待以上の働きを見せてくれましたデ。
 蛍光灯、サボテン、有刺鉄線ボードに有刺鉄線バットが無造作に置か
 れたリング内で、両者は延々と相手の身体を切り刻み続け、途中コー
 ポが十八番の河津落しを、梯子を使ってペイジに見舞うなんて場面も
 挿入や。最後はコーポをサボテンの上にパワー・ボムで叩き付けたペ
 イジが、有刺鉄線の巻き付けられた梯子を一歩、また一歩と着実に登
 り、遂に優勝トロフィー(ちなみにこれにも有刺鉄線が巻き付けられて
 ます)を手中にする事に成功。
 こうしてペイジの優勝で幕となった『Hardcore Cup 2002』なんですが、
 水増し試合の全くない、実に細部まで良く考えられた、ワン・ナイト・ト
 ーナメントとしては結構上級の位置に属するものやったワ。Midsout
 hが提供してくれる、胸焼け寸前の重厚長大なデス・マッチ・トーナメン
 トに尻込みされているアナタ。まずはこのMAWのデス・マッチ・トーナ
 メントで『筆おろし』なんてされてみてはどないでっしゃろか。

【DVD特典映像】
  リングに上がり、Gパンをズリ下ろしてTバックパンツ姿となって生尻
 にマッド・マン・ポンドのサイン(イラスト付き)を書いて貰い、ウキウキ
 顔で客席最前列に戻ったお姉ちゃん。周囲の客達から囃し立てられ、
 今度はTシャツをめくり上げて生乳までをご開帳。デス・マッチの熱さに
 冷静さを失ったのか、はたまた仕込みのアルバイトか。いずれにして
 もこの様子が数分間ですが、特典映像として収められておりました。


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