Hardcore Homecoming Reunion Tour
 September 16th 2005 Cleveland, OH Agora Theatre
 (DVD-R*2) 
 収録時間
 disc-1:約1時間4分
 disc-2:約49分
 2005年6月12日、WWEが直々に編集したECWのヒストリーものD
VD『THE RISE + FALL OF ECW』が空前の大ヒットとなったお陰で、W
WEの肝煎りによって一夜限りのECW復活祭『One Night Stand』が開
催されました。
けど、今ならECWってものが『商い』になると目ざとく嗅ぎ付けたか、『O
ne Night Stand』の2日前の6月10日、(元)ECWアリーナを開催地とし
て、主に『One Night Stand』に出場オファーのなかった反主流派(発起
人がシェーン・ダグラスなので、ダグラス一派やろか)が中心となり、『Ha
rdcore Homecoming』と名乗って、ECWならこっちこそが『元祖』で『本
家』と、これまた一夜限りの復活祭を開催したのは皆様ご存知でしたで
しょうか。さて今回ご紹介いたしますのは、『一夜限りの復活』が大受け
した事に味をしめたと思われる、『Hardcore Homecoming』のドサ回り興
行の模様を完全収録した2枚組のDVD−Rですんや。ワシはこのDVD
−R、当HPでは既にお馴染みの米国海賊プロレス映像通販ショップ『R
F-VIDEO』から送料別17ドル(恒例の週末セール時にオーダーしたの
で、定価20ドルの15%オフでした)で購入いたしました。
では早速、2005年9月16日、オハイオ州はクリーヴランドのアゴラ・シ
アター(Agora Theatre)にて開催された『Hardcore Homecoming』のドサ
回り興行の詳細をご報告いたしますワ。

 追記:本DVD−R、単純に試合の映像を収録するのではなく、各試合
の冒頭に参加選手のコメント等が挿入されていて、ちょっとしたドキュメ
ンタリー風の作りとなっております。ま、当然字幕なんてないのでヒアリ
ングに難のあるワシには辛いものがあるのですが、多分選手各自この
復活祭〜ドサ回りに臨む意気込みや、当時のECWの思い出などを語っ
ているのやと思います。

★★DISC-1★★
○これで掴みはOK...?
  初代のECWオーナー、タッド・ゴードン氏(日本国内ではトッドと表記
 されるのが通例やけど、ワシにはタッドと聞こえるのでずっとタッドと表
 記しておりますんや)がリングに上がってお客さんに感謝の言葉を伝え
 ていると、ゴードン氏とは犬猿の仲(ネタよ、ネタ)のフォンジーことビル
 ・アルフォンソが出て来て、当然お約束の『オトコ版キャット・ファイト』
 と突入。ま、いわゆる定番中の定番、ってヤツですな。
○場面は変わって...
  ECW時代はレイヴェンの取り巻きであり、盟友ステーィヴィ・リチャー
 ズと一緒になって名(迷?)ユニットbWoを立ち上げたブルー・ミーニー
 のコメント。 
@Blue Meanie vs. Tracy Smothers
  6月10日の『復活祭』でもブックされていた一戦が今夜のオープニン
 グ・マッチ。レフェリーのフィネガンが大いに試合に絡み、途中“曲者”
 スマザーズの発案によってダンス・コンテストが繰り広げられるところな
 どもほぼ前回同様。スマザーズのセコな(←褒めているんやデ)チョー
 ク攻撃や、ミーニーによる『人民式』のレッグ・ドロップも盛り込まれたド
 タバタ劇は、ミーニーが上手くスマザーズを丸め込んで幕となりました。
AChris Chetti vs. Danny Doring
  試合開始早々、“つまらんなァ”チャントを浴びたのはチェッティとドー
 イング。けどそれ位でたじろいでいてはプロでは務まらないと叩き込ま
 れたのも、これまた在りし日のECWマット。なので、巻き投げなんて初
 歩中の初歩のムーヴをしくじって満場の“You Fuck Up !!”チャントを喰
 らっても、チェッティもドーイングも全く動揺するところがおまへん。
 いやー、あんたらも図太くなったね。もしや先のミス・ムーヴ、お客さん
 に“You Fuck Up !!”チャントをさせてあげたくて、わざとしくじったんやな
 いの、なんて一瞬思ったモンな。あ、試合はドーイングの十八番、変形
 顎砕きでチェッティが敗退となっておりますワ。 
○場面は変わって...
  ピット・ブル1号(ゲイリー・ウルフ : 故アンソニー・デュランテと2人で
 ピット・ブルズを結成)のコメント。
○場面は変わって...
  ピット・ブル1号(ゲイリー・ウルフ)とジョニー・グランジ(2006年2月
 16日没 : 故ロッコー・ロックと2人でパブリック・エネミーを結成)がか
 つて同じ釜の飯を食い、先にあの世に召された仲間への思いをリング
 の上から述べております。これも6月10日の『復活祭』と同じ光景や。
○場面は変わって...
  ルイ・スピコーリ、ホーク・ウォリアー、ビッグ・ディック・ダッドリー、エ
 ディ・“ホット・スタッフ”・ギルバート、ブライアン・“鎖を解かれた砲弾”
 ・ピルマン、ロッコー・ロック(テッド・ペリー)、ピット・ブル2号(アンソニ
 ー・デュランテ)、クリス・キャンディードらECWと縁があり、不幸にして
 天に召された選手の雄姿が収められたプロモ。これも6月10日の『復
 活祭』と同じですな。
BRoadkill vs. New Jack
  ニュー・ジャック親分が巨漢ロード・キルを血祭りに上げる試合、のは
 ずなんですが、これがとことん期待外れのダメ具合。親分の『公認凶
 器』である鎖鎌の使用を咎めたレフェリー(Mike Kehner)に対し、親分
 &キルが各々一発喰らわし、最後は親分&キルの好連携にて、何故
 かレフェリーが沈没ですワ。ウーン、全く意味不明の一戦やな。しかも
 著作権に触れるからやろね、試合中ずっと会場に流されていたはずの
 親分のテーマ『ナチュラル・ボーン・キラーズ』をカットしたので、映像は
 見えるものの、聞こえて来るのは変な雑音だけ。最低やな、これ。
○場面は変わって...
  レイヴェンのコメントをどうぞ。 
CRhino vs. Raven
  「オマエ、昨晩ジェフ・ジャレットに負けたやろ」なんて、試合前にライ
 ノがマイクを握って一席。どうやらBCW【Border City Wrestling : ミシ
 ガン州とカナダのオンタリオとの境目が活動拠点で、プロモーターは
 Scott D'Amore】が2005年9月15日、オンタリオの“Windsor”って所
 でTNAと合同開催した興行において、NWA認定の世界ヘビー級王
 者のベルトを保持していたレイヴェンが、“レイヴェンズ・ルール”って
 試合形式でジェフ・ジャレットを迎え撃ち、見事にベルトを手放した事を
 からかっているみたいやね(ちなみにライノも別の試合に出場)。
 で、これにカチンと来たレイヴェン、ライノを場外戦で痛め付け、昏睡性
 の液体を染み込ませた靴下(ご丁寧に、HEEL SOCKと命名済)を使っ
 てライノを一蹴ですワ。
 尚、ネットで調べたところ、BCWのプロモーターであるScott D'Amore、
 98年にはECWのトライアウトを受け、TNAではチーム・カナダのマネ
 ージャー役に納まっている人物だそうです。
○場面は変わって...
  ジェリー・リンのコメントをどうぞ。
○場面は変わって...
  シェーン・ダグラスのコメントをどうぞ。
○場面は変わって...
  サブゥのコメントをどうぞ。
DShane Douglas (w/Francine) vs. Jerry Lynn
 vs. Sabu (w/Bill Alfonso)
  6月10日の『復活祭』では、ECWが94年2月5日の定期興行『The 
 Night The Line Was Crossed : 一線を越えた夜』で初披露したテリー
 御大とサブゥとダグラスによる3WAYダンスの21世紀版リメイクって
 のが大きなテーマであって、当然それが一番の売りでもありました。
 で、それが大受け(観る側の過剰な思い入れもあるんやけど)したた
 めか、今夜も3WAYダンスがブック。前回と違って大看板であるテリー
 ・“生き仏”・ファンク御大は居ないものの、地味ながら腕だけは一級の
 リンが絡み、これはこれでなかなかエエ試合になるんやないか、なん
 て期待していたのですが...。どうやらダグラスが体調不良の様で、
 全く試合に絡んで行けまへん。ウーン、これでは3WAYではないやん
 か、なんてボヤこうとしたら、フランシーン嬢とフォンジー(アルフォンソ)
 が文字通り身体を張って穴埋め。結局、僅か10分程度でサブゥがアラ
 ビアン・フェイス・バスター(on テーブル)をリンに放ち、ここに拳にチェー
 ンを巻いたダグラスが現れサブゥを一撃。ダウンしているリンから、フォ
 ールだけをズル賢く奪ってしまいました。あ、この試合を3WAYダンス
 と書いたワシですが、ならばここからはリンが敗退し、ダグラスとサブゥ
 の一騎討ちへと移行するのが決まり。なのに試合にはあっさりとピリオ
 ドが打たれたみたいで...。あぁ、いくらダグラスが不調でも、もうちょ
 っとピリッとした試合をやれんかったかなァ......。なにもムーヴや
 スポット回しだけでなく、頭脳明晰なダグラスなら、ネタだけでワシらを
 ニヤリと喜ばす事くらいは朝飯前やと思うけど......。

★★DISC-2★★
@Tables Match :
 Team 3-D (Brother Ray & Brother Devon)
 vs. Ian Rotten & Balls Mahoney
  6月の時点ではWWEに属していたダッドリーズ。当然、6月10日の
 ダグラス派の『復活祭』ではなく、6月12日に行われたWWEによるP
 PV『One Night Stand』に出場しておりました。けどWWEでの扱いに
 不満を持ったか、彼等はこの『One Night Stand』を置き土産に、WWE
 から退団してしまいます。で、タレント不足のダグラス派から、ドサ回り
 の目玉として早速声が掛かった、と
 ただしWWEも簡単に彼等を自由にはしてくれまへん。『ダッドリーズ』
 って名称にプロテクトが施され、仕方なく彼等はブラザー・レイ&デボン
 からなる『チーム3D』としての再出発を余儀なくされとりますんや。
 さて、リングに上がり、ここら辺りの心情をマイクを握って吐露したブラ
 ザー・レイ(元ババ)らの前に現れたのが、ECW時代には『ダッドリー
 ズ』との抗争歴もあるバッド・ブリードの片割れにして、現在はIWA−
 Midsouthを暴力統治しているイアン・ロットン総帥。血生臭い生き様
 ならこっちも負けておらぬとマイクを握ってやり返し、そこからいきなり
 場外戦主体の試合へと突入いたしましたデ!。
 で、遅れて参戦したマホーニーともども流血を強いられたイアン総帥で
 すが、マホーニーに「テーブルを出したれや!」と命令し、ちゃっかりと
 『ダッドリーズ』の十八番のネタを借用。けど最後にテーブルに沈んだ
 のは、やはりやはり『名ジョバー』マホーニーなのでした。
 あ、このマホーニー、見た感じといい、『ジョバー』としての使い勝手の
 良さといい、何処となくあの矢口壹琅に似てますなァ。
 【道頓堀次郎のボヤキ】
  この夜の興行なんですが、観客動員数は極僅か。なので客席の空
 き具合を知られぬ様にと団体側が画策したか、客席後方の照明は殆
 ど落とされていたんや。従って場外戦が中心となると、固定カメラでは
 全く選手の姿が撮影出来ないし、頼みの綱であるハンディ・カメラも操
 作者の腕が悪いのか、そもそも撮影に対する意欲がないのか、これ
 また全く選手の姿を追いきれておらず...。おいおい、ちょっとはハン
 ディ・カメラ一台で興行全体を完璧に撮影する『RF-VIDEO』の連中を
 見習って欲しいものですな。
○場面は変わって...
  サンドマンのコメントをどうぞ。 
ASingapore Cane Match :
 Justin Credible vs. The Sandman
  サンドマンがECW〜WCW〜ECWって小旅行(約1年程度やった
 かなァ)に出ている間に、シンガポール・ケイン(竹刀)をすっかり自身
 のギミックとして定着させていたジャスティン。サンドマンのご帰還後、
 ECW崩壊までをバチバチと火花を散らして抗争したものですが、ここ
 ではその当時を懐かしんでの一騎討ちがメイン・エベントとしてブック
 勿論この試合のキー・ワードはシンガポール・ケイン(竹刀)なんやけ
 ど、ジャスティンから「レスリング・マッチをやろうや!」との提案があり、
 これをサンドマンもあっさりと了承。さて暫くはダラダラと両者がレスリ
 ングもどき(←失礼)を披露したものの、やはり途中からはシンガポー
 ル・ケイン(竹刀)や大型梯子が随所に活用される、手垢まみれのス
 ポット(←ホンマに失礼)へとジワジワと移行。で、最後はサンドマンが
 お客を煽ってリング内にパイプ椅子を投げ込ませ(これまたECW名物
 やね)、そこにジャスティンをDDTで叩き込んで見事に勝利をゲット!。
 ダレダレのメインを、パイプ椅子投入って『飛び道具』を使い、沈没寸
 前であったお客の気持ちをお手軽に高めさせて楽々幕引き、か。
 サンドマンも世渡り上手になったなァ...。

【DVD−R特典映像】
○The Sandman's post show speach
  Aの試合終了後、梯子に登ってサンドマンが一席。
○Fancam : Shane vs. Sabu vs. Lyne
○Fancam : Raven vs. Rhino
  場外戦をFancamとして捉えた映像。時間はほんのちょっとだけや。
○HH in Philly : Funk in the wire
  6月10日の『Hardcore Homecoming』の様子を収めたDVDのプロモ
 でして、テリー御大が有刺鉄線に絡まっている姿などが入ってます。
○Forever Hardcore : Terry Funk
○Forever Hardcore : The Sandman
○Forever Hardcore : Francine
  『Hardcore Homecoming』を側面から捉えたドキュメンタリー作品『Fo
 rever Hardcore : The Documentary DVD』からチョイスされた、テリー
 御大、サンドマン、フランシーンちゃんのコメント集。これまた収録時間
 は極僅かですワ。
○Team 3D in Australia :
 Team 3D (Bubba & D-Von) vs. Lobo & Aaron Aguilera
 Vodafone Arena Melboune Australia  
  2005年10月5日から8日に渡ってオーストラリアで開催された【Wo
 rld Series Wrestling】からの映像。チーム3Dがロボ(あのCZWなどを
 主戦場にしていたロボと同一人物なんやろか?)を画鋲付きのテーブ
 ル葬に処している場面が、ちらっとだけ収録されとります。

【最後になりましたが...】
  元々、今回のドサ回り巡業は本DVD−Rに収録された9月16日の
 オハイオ州はクリーヴランド大会、17日のペンシルベニア州はピッツ
 バーグ(ダグラスさんのお膝元やね)大会、18日のニュー・ヨーク州は
 バッファロー大会が予定されていたそうなんやけど、『ECW』って名称
 をネタに食い詰め芸人達(失礼)が日銭稼ぎをする事をこころよく思わ
 ぬWWEから横槍が入り、バッファロー大会は中止に追い込まれたそ
 うなんや。ま、事の真偽はワシには分からんけど、今回出場した選手
 の大半が過去ECWに席を置き、今はWWE追撃の旗頭的ポジション
 にあるTNAを主戦場としている事が、余計にWWEを刺激したんやな
 いかな、とも想像いたします。
 で、そう考えるなら、全体に低調の極みであった本興行も、元『ECW』
 の連中ではなくって、現在TNAの連中のデキが悪かったから、などと
 も思えて...。ま、こんなアホな『ECW崇拝者』が居てるから、何時ま
 でも『ECW』って名称をネタにしたモンキー・ビジネスがあとを絶たんの
 でしょうが、逆にそうでも思わないとやっとれん位に面白くないDVD−
 Rであった事だけは確か。皆さんも購入される時は十分注意してや。  


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