TWA : Autumn Armegeda U
 (DVD-R*2)
 収録時間
 disc-1:約1時間19分 
 disc-2:約1時間22分
 本作はDVDではなくって、DVD−R。当HPでは既にお馴染みの米国
海賊プロレス映像通販ショップ『RF-VIDEO』から2枚組で送料別15ドル
(ワシは恒例の週末セール時にオーダーしたので、2割引の12ドルでし
た)にて発売されているちょっと(いや、非常に)怪しげな代物です。
で、今回ご紹介するのは、TWA【Tri-State Wrestling Alliance】なる団
体が1991年9月21日、ペンシルベニア州はフィラデルフィアのペン・ホ
ールに1,524人の観衆を動員して開催した定期興行『Autumn Armag
eddon II』の模様を収めたものなんや。さて、このTWAって団体なんや
けど、ジョエル・グッドハート(後にECWマットに参戦するイレズミ男のジ
ョエル・ハートグッドとは何か縁でもあるのやろか?)なる人物がプロモ
ートを行い、1990年1月27日に旗揚げ(多分)、1992年1月にクロー
ズと、実質2年間しか活動期間のなかったローカル団体。そやけどネッ
ト上の情報などを見ると、ビッグ・ネーム達の招聘の陰で、初代ECWオ
ーナーとなるタッド・ゴードンがスタッフに加わっていたり、それこそEC
Wマットで大きく開花する複数の『後のスーパー・スター』達が参戦して
いたりと、ちょっとマニア心をくすぐる団体でもあるんですワ。ではでは、
このプレ・ECWと評しても間違いではないであろうTWAの定期興行『A
utumn Armageddon II』、早速レビューしてみます。
※1992年1月に団体がクローズと書きましたが、この夜の興行以降、
新たな興行を打ったとの記録がなく、もしかするとこの夜の興行がTW
Aの最終興行であったのかも。それなら『Armageddon』って興行名も自
虐的なセルフ・パロディであるわけで...。

★★DISC-1★★
@Last Blood Battle Royal :
 Mr,Sandman(w/Peaches), Mr. Anthony, Ernesto Benefica,
 Michael Bruno, Cry Baby Waldo, Ghetto Blaster,
 Jimmy Jannetty, Johnny O, Glenn Osbourne,
 Rick Perez, Rockin' Rebel, Sabu, Tony Stetson
  女の子(やけに大人びた顔をしとるけど、もしやミゼットさん?)がリ
 ング上で“ゴッド・ブレス・アメリカ”を熱唱した後は、本日の第1試合。
 まずは『最後まで流血しなかった人が勝ちよ』ルールでバトル・ロイヤ
 ルをブッ放して今夜のお客様のご機嫌伺いや。試合は裸足のサブゥ
 がトリッキーな動きを披露したり、“ミスター”・サンドマンがテーブルを
 持ち出して若きロッキン・レベル軍曹とガンガンやり合ったりと、それ
 なりに見どころもありましたデ。最後はステトソンとサンドマンの2人残
 りとなって、ピーチス嬢のお色気作戦を絡ませたサンドマンがダーティ
 (苦笑)な勝ち星をステトソンからゲットですワ。
ATWA Heavyweight Championship :
 JT Smith vs. "Mad Dog"D.C.Drake (w/Woman & Donn E.Allen &
 Deviuos & Larry Winters)
  ECWマットに転じてからは『ヘタレのJT』で確固たる地位(失礼)を
 築くJTスミスなんですが、なんとTWAではヘビー級の王者なんや。
 で、JTのベルトに狙いを付けたのがDCドレイク。ウーマン女史、ドン・
 E・アレン、デヴィアス、負傷中のラリー・ウインターズら身内を総動員
 し、JTの腰からベルトをひっ剥がす事に専念。JTも劣勢を跳ね返せと
 コーナー・ポスト越えのダイヴィング・アタックを仕掛けるのですが、こ
 れがものの見事に自爆。JTの王座も今夜までかと思わせたけど、勝
 ちを焦ったドレイク側が連携ミスから痛恨(よっ、役者やのゥ)の誤爆。
 JT、薄氷のベルト防衛でしたな。
BGrudge Match :
 Tony"Hitman"Stetson vs. Sandman (w/Peaches)
  @の結果に納得出来ないとステトソンがサンドマンとの再戦を要求。
 サンドマンには全くその気がない様ですが、とりあえず『遺恨清算戦』
 の火蓋は無常にも切られてしまいました。で、サンドマンは額をステト
 ソンに割られ、最後はステトソンのダラダラとしたレッグ・ドロップを喰ら
 って見事に昇天や。しかしこのステトソンによるダラダラとした不恰好
 過ぎるレッグ・ドロップ、これがここからしっかりサンドマンの看板技と
 して引き継がれて行くのかと思うと複雑な思いではおます。
CTWA Tag Team Championship :
 The Blackhearts (w/Luna Vachon) vs.
 The Dog Pound (Johnny Hotbody & D.C.Drake)
 (w/Woman & Don E.Allen & Devious & Larry Winters)
  カードを見るとブラック・ハーツがホット・ボディ&ドレイクの保持する
 TWA認定のタッグ王座に挑んだ様に見えますが、実は王者コンビは
 ホット・ボディ&ラリー・ウインターズ。けど前述した様にウインターズ
 は負傷欠場中。ならば、と一味の親分格であるドレイクが代打出場
 なったみたい。試合は王者軍総出の攻撃に負けてはおれぬと、ルナ
 “奥様は狂犬”バションの積極的な参戦もあってはちゃめちゃな展開。
 しかも最後はウインターズがドレイクに松葉杖攻撃を見舞い、衝撃の
 ダブル・クロス劇を敢行。当然王座はブラック・ハーツへと流出ですワ。
 あれあれ、王座を手放すのを覚悟のダブル・クロスなんて何故やった
 んやろ。もしやTWAって団体に『次回』がないのを知っての暴走?。
 それにしては身内から寄って集ってリンチされるドレイクを救いにJTス
 ミスが駆け付け、ドレイクと恩讐を越えた急造コンビを結成し、『次回』
 以降に期待を持たす場面もあったし......。

★★DISC-2★★
@Goodhart Delivers :
 Owen Hart vs. Takayuki Iizuka
  TWAでは『グッドハートの贈り物』と題し、毎回ちょっと美味しいカー
 ドを組んでいる様で、今夜の興行では故オーエン・ハートと飯塚孝之
 の一騎討ちがブック。試合中にセカンド・ロープが外れてしまうアクシ
 デントもあったものの、サソリ固め、ローリング・ソバット、キャメル・ク
 ラッチ、弓矢固め、ダイヴィング・ヘッド、トペ、試合終盤のスープレック
 ス合戦、試合に終止符を打ったオーエンのジャーマンなど、佐山タイ
 ガー対ダイナマイト・キッドの名勝負を源流とする新日本流(嫌な言葉
 やなァ)のスポットを矢継ぎ早に披露。試合後、お客がスタンディング・
 オベーションで両者の健闘を讃える中に、「ニュー・ジャパン・プロレス
 リングのイーヅカ!」なんてリング・アナ(byタッド・ゴードンさん?)の
 粋な一言も。ま、新日本ブランドがそれなりに業界内で通用していた
 良き頃の昔話ってところですやろか。
ATerry Funk vs. Kevin Sullivan (w/Woman)
  まどろっこしい選手紹介なんて待っとれんワ、といきなり掴み合いを
 始めたのはテリー御大とサリバンさん。そろそろここら辺りから興行も
 フル・スロットル状態へと突入や。で、何がそこまで両者の遺恨を煽っ
 たか、サリバンさんは金槌まで振り上げてテリー御大を攻撃。ま、流
 石に頭部への直撃はせんかったけど、サリバンさんの底なしの恐ろし
 さが垣間見えた場面でした。その後もサリバンさん、サミング⇒ロー・
 ブロー⇒手首に巻いたテーピングを外してのチョークと、見事なまでに
 流れる様な反則攻撃のオン・パレードでっせ(これは絶品やった!)。
 テリー御大も負けじと十八番の左右の大振りパンチ⇒ロー・ブローと
 やり返し、俄然試合が白熱して来た所でアクシデント。サリバンさんの
 救援にウーマン女史が出撃し、これをテリー御大がスピニング・トゥ・
 ホールドにて迎撃。と、これを見たサリバンさん、「ワシの大事な嫁さ
 んに何ちゅう無茶な事をしよるんや!」と我を忘れて大激怒(苦笑)
 思わず仲裁に入ったレフリーに手を出してしまい、あえなく反則負けと
 なってしまいました...。 尚、常に押され気味であったテリー御大、
 これでは腹の虫が収まらないとカメラマンやお客さんに問答無用の八
 つ当たり。リングの周辺を戦場さながらの無秩序状態にと陥れてしま
 いよりましたワ(苦笑)。
BThe Beauties vs. The Beasts
 Mixed Tag Hair Match : 
 "Hot Stuff"Eddie Gilbert & Madusa Micelli
 vs. Cactus Jack & Luna Vachon
  故エディ・ギルバートを美男と称するのはいささか抵抗もありますが、
 とりあえず『美男美女組』にエディ&メデューサ、『野獣組』にカクタス
 &ルナ・バションが配置され、敗者は髪を切られるってルールで男女
 混合タッグ戦がスタート。ただゴングから10分近くを闘ったのはメデュ
 ーサとルナで、エディとカクタスはずっとコーナーで待機状態なんや。
 ま、メデューサもルナもそれなりの腕はあるし、メデューサは身体のラ
 インが強調されるコチスュームを、ルナは動く度に股間&臀部に生地
 がグイグイと食い込むコスチュームをそれぞれ着用していて、殿方の
 スケベな視線をがっちりと掴んでおりはしましたが。
 そしてもうそろそろ時合いとカクタスは思ったか、リング下よりメデュー
 サの足を引っ張り、これを合図にしてエディとの場外乱闘へ突入。
 当然観衆の目は全て場外戦へと向けられ、殆ど誰もが注意を注がな
 かったリング上では全女仕込みのジャーマンによりメデューサがルナ
 をフォール。これにより粛々とルナの丸刈りが始まり、メデューサがバ
 リカンでルナの側頭部を刈り込んだところ、「ワシの大事な嫁さんに何
 ちゅう無茶な事をしよるんや!」(あれ、さっきも書いた様な)とブラック
 ・ハーツが乱入し、リング上ではブラック・ハーツ対エディ&カクタスの
 番外戦まで始まって...。いやはや、もうめちゃくちゃですワ(苦笑)。
CBattle With Steel Cage Match :
 Abdullah The Butcher vs. The Original Sheik (w/Sabu)
  これまた日頃の因縁遺恨が積もり積もった御両人の激突。もしやお
 客様が巻き添えになっては、と団体側も心配したのか(笑)、金網の
 中に御両人に入っていただき、気の済むまで好きなだけ暴れていた
 だこうと粋なはからいですワ。で、サブゥを太刀持ちに、先に金網へと
 歩を進められたシーク爺、試合前には欠かさぬはずのアラーの神へ
 のお祈りなどそっちのけで、突然レフリーに襲い掛かり無抵抗なレフ
 リーを完全KO。ここにブッチャー御大が入り、決戦(&血戦)の始まり
 始まりや。試合はシーク爺、ブッチャー御大ともに十八番の凶器攻撃
 に終始し、僅かな時間でブッチャー御大が先に金網からの脱出に成
 功して勝ち星を掴みます。けどこの御両人、最初っから勝ち負けなど
 は全く度外視しての激突で、ここからも延々と場外乱闘が続きます。
 しかもシーク爺には甥のサブゥが加勢し、これを控え室で見ていたか、
 劣勢となったブッチャー御大の援護にサリバンさんが姿を現し、今度
 はそこにテリー御大までが緊急御出馬!。
 ここにブッチャー&サリバン対シーク&サブゥ&テリーの夢の全面対
 決が華々しく幕開けとなりました!!(苦笑)。
 いやー、こんな美味しい番外戦を生で体験出来た当夜のお客さんは
 一生TWAって団体に感謝し続けんとあきまへんデ。
 あ、混乱の極みに達した本興行のDVD−Rなんですが、ブッチャー御
 大の魔手の餌食となって意識混濁状態に陥ったスタッフの哀れな姿
 が大映しとなって、突如映像がブチ切れ。エンディング・テーマへと引
 き継がれました。ウーン、あのスタッフは大丈夫やったんやろか...。


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