Extreme Hardcore Mayhem
 (DVD-R)
 収録時間:約2時間
 ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
怒涛のリリース・ラッシュでワシらECWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、『RF-VIDEO』から2006年1月に発売された
オムニバスもののDVD−R。『過激な暴力』ってテーマに沿って各年代
からチョイスされた以下の13試合(シーン)が収録されております。
尚、オムニバスものとは言え、どの試合も画質は安定していて、デジタ
ル・ノイズもなく、結構安心して観賞出来た事も付け加えておきますワ。
あと、あえて贅沢を言わせて貰うなら、チャプター・メニュー機能があった
ら良かったんですけどね。

@ECW World Tagteam Championship
 Barbed Wire Bat Match :
 Balls Mahoney & Axl Rotten
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Sign Guy Dudley)
 1998-12-6,Altoona, PA
  DVD−Rのオープニングを飾るのはタッグ王者ダッドリーズがアクセ
 ル&マホーニーの乱暴者コンビを迎えて行ったタイトル戦。ま、ドサで
 の試合なのでタイトルの行方云々なんて視点で観ても仕方なく、当然
 ここらは当の4選手も承知済み。公認凶器である有刺鉄線バットを使
 用しての血生臭いスポットを盛り込み、末席の方々にも生観戦の迫力
 を間近で観て貰おうと、ババとマホーニーがもつれ合いながらスタンド
 席最後列まで熱戦をデリバリー(笑)。フィニッシュは有刺鉄線バットの
 上へマホーニーがダッドリー・デス・ドロップで叩き込まれ...。
ARod Price vs. Chris Chetti
 1999-1-3,Lebanon, PA
  元々の試合はロッド・プライス対クリス・チェッティなんやけど、ここで
 は両者の試合の大半がバッサリとカット。終盤、プライスのヘルプにと
 ジャスティン・クレディブルとジェイソンが介入し、これを追撃する形で
 トミー・ドリーマーが梯子を持って現われるところから映像はスタート。
 ドリーマーはジャスティンをドツキながら会場内をくまなく回り、最後は
 プライスによる誤爆ネタを絡めてチェッティが勝利を収めての幕引き。
 これ、当時のドサでの『日常の風景』なんでしょうな。 
BWeapons Match :
 Sabu & Rob Van Dam (w/Bill Alfonso)
 vs. Taz & Chris Candido
 1997-6-14,Warwick, PA
  サブゥとタズ、当時ECWマットにおいて『世紀の遺恨戦』を繰り広げ
 ていた両者がタッグで激突。ただし今夜のタズ、珍しく右肩にデカいテ
 ーピングをしておりますんや。常に満身創痍状態のサブゥが身体の何
 処かにテーピングをしているのなら驚きはしないけど、あの頑丈そうな
 タズが、と少々驚き。で、実際タズは右肩が悪くて試合を満足にやれ
 る体調ではなかったのでしょうな、ビル・アルフォンソが試合に介入し
 てタズを手錠を使ってロープに拘束や。しかも通常ならば拘束したタズ
 へ攻撃が集中するはずなのに、サブゥとRVDから寄って集ってボコら
 れたのはタズのパートナーである故クリス・キャンディード...。
 尚、タズの不調を目くらましするためか、いきなりリング下ではダッドリ
 ーズやニュー・ジャック親分らが本戦とは無関係と思われる乱闘をお
 っ始め、続いてアルフォンソの天敵タッド・ゴードン元ECWオーナーが
 サブゥによってテーブル葬。最後はパウダー攻撃に視界を奪われたタ
 ズが相方キャンディードを誤って(←役者やのゥ)チョーク・アウト...。
 ま、看板役者であるタズを休演させる事が出来ず、ECW一座を上げ
 てタズの負担軽減のための小芝居を挙行したってとこやろやろか。
CBalls Mahoney vs. Masato Tanaka
 Chalmette, LA
  パイプ椅子で殴り合わせたら超一級の田中とマホーニー。誰にでも
 出来るけど、この2人以外にこの迫力はおいそれとは出せまへん。
 ここらは観客も分かっていて、田中のローリング・エルボーを巡るスポ
 ットの後、満を持して始まった椅子チャンバラにヤンヤの大歓声が。
 あ、椅子チャンバラのド迫力に比べると些細な事ですが、試合は田中
 の勝ちとなっております。
DNew Jack vs. Amish Roadkill
 1998-11-14,Fall River, MA
  キルの待ち受けるリングへ向け、ニュー・ジャック親分が颯爽登場。
 と、ここに突如悪者ロッド・プライスとスカル・フォン・エリックが姿を現し、
 キルとつるんで親分を流血へと追い込みますんや(ま、実際は親分の
 ブレード・ジョヴなんやけど、ね)。でもこれは親分による壮大なる復活
 劇のためのネタ振り。3対1で守勢に回っていた親分の援護にジョン・
 クローナス(元イリミネーターズ)が姿を見せ、悪者3人組を楽々蹴散
 らして、親分十八番のスタンド席からの自殺ダイヴ攻撃を好アシスト。
 哀れなのは、親分の自殺ダイヴ攻撃の餌食となったキル。虫の息状
 態でリング上に無理やり連れ戻され、親分のフィニッシュ・ムーヴであ
 るパイプ椅子爆撃まで喰らわされて轟沈させられとりますワ。 
ESuper Crazy vs. Yoshihiro Tajiri
 1999-2-13,Poughkeepsie, NY
  タジリのECWデビュー直後と思われる試合映像。この夜の一週間
 前、99年2月6日に収録されたクレイジーとの一戦は既に『Night Of
 Extreme Action』として発表済や。矢継ぎ早に繰り広げられる高難度
 の各スポットは2月6日の試合とほぼ同じ。で、フィニッシュは見事な
 人間橋を描いて放たれるタジリのジャーマンの3連発。タジリ自身、自
 伝本等で述懐している様に、こうしてクレイジーと連日連夜手合わせ
 する事でレスラーとしての腕をメキメキと上げて行ったんでしょうな。
 追記:この試合の前日、99年2月12日のニュー・ヨークはクイーンズ
 での定期興行におけるタジリ対クレイジーの模様はPAL版DVD『Clo
 ssing The Line 1999』にて観賞出来まっせ。
FTommy Dreamer (w/Beulah) & Spike Dudley
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Big Dick Dudley & Joel Gertner)
 1998-4-24,Woodbridge, NJ
  試合の途中からの収録。例によって例のごとく飽きもせず場外戦を
 繰り広げる両陣営。今夜の幕引きは、ババとDボンによる必殺ダッドリ
 ー・デス・ドロップで、土が付いたのはスパイク君でした。以上。
GChris Chetti & Roadkill vs. Skull Von Crush & Rhino
 1999-5-22,Detroit, MI
  当時の定番前座戦と思われるタッグ戦でして、試合自体は未収録。
 では一体何がここには収録されているのかと言うと、超大物(←いろ
 いろな意味で)シドの介入劇なんや。キルを場外テーブル葬に沈め、
 軽量のチェッティへ高角度のパワー・ボム(ま、所謂アホのひとつ覚え
 ってヤツですワ)を連射しとります。
HECW World Heavyweight Championship
 Falls Count Anywhere Match :
 Taz vs. Shane Douglas (w/Francine)
 1999-2-5,Columbia, SC
  99年1月10日のPPV『Guilty As Charged』においてタズにベルト
 を取られたばかりか、子分格のキャンディードとも袂を分かち、今まで
 の自信タップリの佇まいは何処へやら。すっかり傷心状態となってい
 た当時のシェーン・ダグラスさん。何時までもこのままへこんでいては
 アカンと悟ったか、エニイ・ウェア戦でのリ・マッチに御出馬や。タズと
 2人して場外戦を延々繰り広げ、タズの「殴れるモンやったら、殴って
 みィ!」との挑発を受けて、タズの額にモロにストレート・パンチをお見
 舞いするダグラス。しかし王者として堂々『男を張る』タズのド迫力
 前に、どうにも押され気味なんですワ。最後はコーナーに立て掛けら
 れたテーブルへタズ・プレックスにて叩き込まれ...。
 追記:リ・マッチでタズを倒せなかったダグラスなんですが、99年2月
 12日のニュー・ヨークはクイーンズでの定期興行『Clossing The Line
 1999』にて実に感傷的な『引退宣言』を行うんや(結局引退なんてしな
 かったけど)。この様子はPAL版DVD『Clossing The Line 1999』にて
 バッチリ確認出来まっせ。
IShane Douglas (w/Francine) vs.
 One Man Gang (w/Tammy Lynn Bytch)
 1998-12-27,Wilkes Barre, PA
  これまた本戦の様子は未収録。で、試合後に巻き起こった『過激女
 王』フランシーン嬢の大活躍シーンのみがバッチリと収録ですワ。
 ビッチ嬢(現ダーン・マリー嬢)をブラ・パン姿にヒン剥き、低い姿勢か
 ら繰り出されるスピアー(絶品!)をビッチ嬢にブチ込み、返す刀で巨
 漢のワン・マン・ギャングにもロー・ブローを見舞って軽ゥ〜く料理や。
JFalls Count Anywhere Match :
 Tommy Dreamer & Shane Douglas (w/Francine)
 vs. The Dudleys (Buh Buh Ray Dudley & D-Von Dudley)
 (w/Sign Guy Dudley & Joel Gertner)
 1999-2-18,Johnstown, PA
  Hでも触れた様に、ちょっと落ち目のダグラスさん。実は99年2月
 12日のニュー・ヨークはクイーンズでの定期興行『Clossing The Line
 1999』において、過去の恩讐を越えてドリーマーと結託しましたんや。
 で、今夜は新たな相棒ドリーマーと共にダッドリーズ討伐へと出陣。
 内容はこれまた例によって例のごとくドサでの定番のお手軽な(失礼)
 場外戦。で、終盤フランシーン嬢の持ち込んだ梯子を使用してのスポ
 ット回しがあり、フランシーン嬢による絶品のスタナー(餌食はサイン・
 ガイ)があって、最後はダグラス必殺のベリー・トゥ・ベリー・スープレッ
 クスがババに決まって幕。お手軽な場外戦なんて憎まれ口を叩いた
 けど、正直なところ生でこんな試合を体験したかったですワ。    
KGreat Sasuke & Gran Hamada & Gran Naniwa
 vs. Taka Michinoku & Dick Togo & Men's Teoh
 (Special Guest Referee : Ted Tanabe)
 1997-2-14,Webster, MA
  本DVD−Rの白眉。97年4月13日に開催されたECWの初PPV
 『Barely Legal』において一番大受けしたのは、みち・プロ勢が提供し
 た6人タッグ戦だったと伝えられます。で、そこから更に2ヶ月遡った
 2月14日(と翌日2月15日)のマサチューセッツ州大会ではこんなカ
 ードが組まれておりましたんや。多分『Barely Legal』に向けての試運
 転的な位置付けであったと思いますが、ヒール(ルード)のTAKAを大
 々的にプッシュした試合構成で、終盤のくどいまでのニア・フォールの
 連発に客席も大盛り上がり。勿論この様子を控え室で見ていたであろ
 うプロデューサーのポール・E、初PPV『Barely Legal』へのみち・プロ
 勢投入に確かな手応えを得た事やと想像いたします。
 追記:ここでは得意のロープ上でのカニ歩きにて2階席のお客達を沸
 かせた愚乱浪花でしたが、『Barely Legal』では彼に代わって薬師寺
 正人が出場しました。また『Barely Legal』を足がかりに、遂にはWW
 F(当時)との契約まで勝ち取るTAKAら海援隊のメンバー。「彼等が
 目立つようにとこっちは心掛けてやったのに...」なんてサスケが愚
 痴った事がおましたが、この試合なんて観ているとサスケの言い分に
 は嘘はないな、と。あ、試合中、何処かの調子乗り(何処にも居てるん
 やねェ)が「イノキ、ボン・バ・イエ!」なんて大声を出していて、ちょっと
 驚き、笑わされましたワ。
LWeapons Match :
 Tommy Dreamer & New Jack
 vs. Justin Credible (w/Jason) & Jack Victory
 1998-10-22,Buffalo, NY
  ハロウィンにはちょっとだけ早い気もするけど、やっぱりカボチャなん
 てのが凶器に使われるのを見ると微笑ましく思えますな。
 試合はこれまたお手軽な場外戦が大半を占め、終盤ワン・マン・ギャン
 グともう1人(多分、後のサル・E・グラジアーノ)が無法介入を強行。
 と、会場には突如AC/DCの名曲『地獄のハイ・ウェイ』がガンガンと
 流され、『巨漢殺しのスペシャリスト』スパイク・ダッドリーが登場や。
 当然ワン&オンリーの必殺技であるアシッド・ドロップが火を噴き、ワン
 ・マン・ギャングが轟沈(する役回りを好演)。ドリーマー、ニュー・ジャッ
 ク親分、スパイクの3人で一斉に巨漢ワン・マン・ギャングを押さえ込
 み、堂々勝鬨を上げての大団円で、この夜の興行も、本DVD−Rさえ
 をも見事に締めてくれよります。


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