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Behind Closed Doors : Meet The Rottens Ian & Axl
(DVD-R)
収録時間:約1時間34分 |
ECW存命時に地方でのドサ回りを含め、その興行の大半をビデオ収
録したと伝えられる米国のプロレス・グッズ屋『RF-VIDEO』をご存知か。
その『RF-VIDEO』が2005年初頭より過去の貴重映像をDVD−R化し、
怒涛のリリース・ラッシュでワシらECWマニアの懐を直撃しているんや。
さて今回ご紹介するのは、『RF-VIDEO』が近頃新たに商品展開を行っ
ている『Behind Closed Doors』シリーズのなかの1タイトル。イアン・ロッ
トンとアクセル・ロットンよる過去の自らの各流血戦の回顧録です。
あ、『Behind Closed Doors』シリーズと言っても汚れマニア(誰の事?)
の方以外はチンプンカンプンでしょうから補足しますが、これまで『RF-VI
DEO』は各地のドサ興行をハンディ・カムでベタ録りした映像を納めた『E
xtreme Fan Cam』シリーズ、レスラーをスタジオに呼び好き勝手に過去
の出来事について喋らせ、その模様を収めた『Shoot Interview』シリー
ズの二大柱で海賊商売を行って来たのですが、『Behind Closed Doors
』シリーズは言わば『Extreme Fan Cam』シリーズと『Shoot Interview』シ
リーズの良いところを抽出したもの。具体的に説明するなら、過去に録り
溜めた映像(ハンディ・カムの生録り映像以外に、正規発売された映像
も含む)を『RF-VIDEO』の事務所で再生しながら、当事者であるレスラー
に当時を振り返って貰いコメントを被せるって寸法のブツなんですんや。
どない、これちょっと面白いアイデアやと思いまへん?。
では2005年5月23日、イアン・ロットンとアクセル・ロットンを『RF-VID
EO』の事務所に呼んで収録した『Behind Closed Doors : Meet The Rot
tens』について紹介させていただきますワ。
【追記】
今回収録されたのは計7試合。どれも過去に『ECW HOME VIDEO』
として米国で正規発売されたものが元ネタで、キチンとデジタル・コピ
ーされているので画質は良好。また試合も完全収録で、イアン&アク
セルのコメントとは別に元ネタに収録されていたジョーイ・スタイルスの
実況なども充分に聞き取れます(二重音声にして、任意で選択出来る
ともっと良かったけどね)。加えてイアン&アクセルのコメントしている
様子が適時試合映像にカット・インしてくるのですが、試合の膠着場面
などに何度かカット・インして来る程度なので、試合の映像を収集する
目的でこれを購入されても特に問題はないと思いますワ。
ただベタ褒めの本DVD−Rなんやけど、ワシが手にしたブツは第2試
合の途中で映像がフリーズする箇所が2分程度あって...。
同じブツを購入された他の方に伺うと同じ事象は起こらなかったみた
いやし、多分これはDVD−Rメディア自体に難があったんやろね(そ
れにしても、ワシってとことん運の悪いヤツやなァ)。
【言い訳】
いくら試合映像が完全収録されていても、折角イアン&アクセルが
『RF-VIDEO』事務所に足を運んで喋った内容が聞き取れない様では
本DVD−Rの本当の楽しみなんて分からないも同然。ワシも一生懸
命に聞き取ろうと努力はしたんやけど...。
両人が何を喋ったか、って皆さん一番気になるポイントをご報告出来
ないのは我ながら情けない限りですが、皆さん堪忍してや。
【訂正】
上に、『Behind Closed Doors』シリーズとは、過去の試合映像を『RF
-VIDEO』の事務所で再生し、そこに当事者であるレスラーに当時を振
り返って貰い収録したコメントを被せた企画ものである、と断定口調で
書きましたが、当HPによく遊びに来てくれている『キングコングニーさ
ん』によると、テリー・ファンク&シェーン・ダグラスのものには最後に元
祖3wayダンスが収録されているものの、その映像を観ながらの両者
の解説といったものはなし。またブレット・ハートやジェイク・ロバーツの
ものは延々と続くインタヴューのみで、試合の映像はおろかプロモの
類も一切収録されていないそうです。ただ『RF-VIDEO』のHPを見ると、
サンドマンやサブゥのものには結構多数の試合映像も収録されている
様に思え...(申し訳ない、実際のところは未確認です)。
とりあえず『Behind Closed Doors』シリーズが全て試合映像を収録し
ているのではない事だけは確かなようなので、これについて訂正させ
ていただきます。ゴメンなさい。
@Bad Breed Death Match :
Ian Rotten vs. Axl Rotten
ECW Arena "Double Tables" (February 4, 1995)
初期ECWマットを鮮血で真っ赤に染め上げた名ユニットの“バッド・
ブリード”(直訳すると劣性品種交配)。イアン・ロットンとアクセル・ロッ
トンの2人で成り立っていたのやけど、何が発端なのか(多分ここで両
者が喋っていると思うのですが...)95年2月からは各種のいかにも
血生臭さそうなデス・マッチで一騎討ちを繰り返しており、これがその
記念すべき第1戦。アクセルの早い仕掛けに、イアンも早い仕掛け(こ
の場合、ブレード・ジョヴを意味します)で呼応し、早速の流血模様。
試合は1−9でアクセルが押しまくり、短期決着かと思わせた途端、イ
アンのロープ悪用フォール(ちょっと下手くそでしたな)が大爆発!!。
当然イアンのズル勝ちで、両者の遺恨は更に根深いものとなり、次回
対決へと引き継がれます......。
【追記】
上で両者の抗争劇について何が発端なのか、なんてとぼけた事を
書いておりますが、正に灯台下暗し。過去にレビューしたECWのUK
ものDVD『Hardcore TV Series : EC DUB !』にその答えがおました。
詳しくはそのレビューをご覧いただきたいのですが、ピットブルズと揉
めた“バッド・ブリード”は95年1月7日のECWアリーナでの定期興行
においてピットブルズを相手に、“負けたチームが解散”ルールで試合
を行い、アクセルが最後の詰めを誤って呆気なく敗退。試合後にはイ
アンがアクセルに対して惜別(&遺恨劇勃発)のパイプ椅子攻撃を見
舞っておりました。そう、これが両者の抗争劇の発端ですんや。
ABarbed Wire Bat Match :
Ian Rotten vs. Axl Rotten
ECW Arena "Return of The Funker" (February 25, 1995)
@の結果を受け、早くも三週間後のECWアリーナ定期戦にて両者
が再度激突。今度は有刺鉄線を巻いたバット(何やらW★INGチック
ですな)を公認凶器としての一騎討ちで、試合開始早々アクセルによ
って頚椎部分を有刺鉄線バットでゴシゴシとシゴかれたイアンが無残
な大流血。こんな残酷な場面を振り返ると、イアンとアクセルは当時を
思い出して『RF-VIDEO』事務所で大喧嘩を始めるんやないかと心配
しましたが、場外フェンスを上手に越える事が出来ず場外フェンスに
跨ってバタバタしているイアンの姿を見て、二人揃って大笑い...。
ウーン、流石はこれまでのデス・マッチ人生で頭部に過度のダメージ
を喰らったご両人や(苦笑)。あ、試合はアクセルのフェイス・バスター
(何やらターザン後藤チック)がイアンにズバリと決まり、@で受けた
屈辱を晴らすことに成功しております。
BHair vs. Hair Match :
Ian Rotten vs. Axl Rotten
ECW Arena "Three Way Dance" (April 8, 1995)
『ホーガンみたいにつるっパゲにしたれ!』とのサインボードが掲げ
られたECWアリーナ。どうやらAの試合で両者の遺恨は清算されず、
髪の毛を賭けての激突が組まれる事になったみたい。試合はアクセ
ルが渾身の力を込めて振り下ろしたパイプ椅子がモロにイアンの頭
頂部にヒット。イアン、たまらず3カウントを奪われ、アクセルによって
残り少ない髪の毛をジョキジョキと切り落とされて...(涙)。
CTapai Death Match :
Ian Rotten vs. Axl Rotten
ECW Arena "Hardcore Heaven 1995" (July 1, 1995)
はい、どうやらこれが両者の一騎討ちの集大成。題して『タイペイ・
デス・マッチ』と申しまして、各々が割れたガラスをバンテージに付け
て武装し、ただただ殴り合うってムチャクチャなもの。多分、甲羅がデ
コボコになった『タイペイ亀』をイメージした試合形式であるのでしょう
な。勿論イアン&アクセルの切れ味鋭いブレード・ジョヴがとことん堪
能出来る逸品で、フィラデルフィア州公認レフリーとの『お墨付き』をギ
ミックにするアルフォンソと、タッド・ゴードン元ECWオーナーとの絶妙
なオトコ版キャット・ファイトまで盛り込まれておりますんや。
あ、この試合はNTSC方式で記録されたリージョン・フリーのDVD『P
ATH OF DESTRUCTION』やPAL方式で記録されたDVD『HARDCO
RE HEAVEN 1995』にも収録されとりまっせ。
【追記】
さっき急に思い出したんやけど、実はワシは95年6月4日、三重
県は伊賀上野市の体育館で開催されたIWAジャパンのドサ巡業に
てカクタス・ジャックと共に、このバッド・ブリードのお2人も生で観て
いるんです。確かターザン後藤&市原組との対戦であったはずで、
とても息の合ったチーム・プレーを披露していたように記憶しますん
や。ウーン、ECWマットでは『タイペイ・デス・マッチ』にてケリを付け
んとアカン犬猿の仲であったのに、IWAジャパンのマットでは仲良し
こよし。プロレス業界って、ホンマに複雑怪奇ですなァ...(苦笑)。
DBaseball Bat Match :
Bad Breed vs. Public Enemy
Fieldhouse - Hamburg, PA (Sep 30, 1994)
時間は更に遡り、まだ蜜月であったバッド・ブリード(イアン&アクセ
ルのユニット)と、パブリック・エネミー(ジョニー・グランジ&故ロッコー
・ロック)との激突が収録。序盤はこの両チームの絡みにしては大人し
い内容でしたが、バッド・ブリードの合体技に故ロッコー・ロックが10カ
ウントを取られたところで、どうやらバットの使用と場外での闘いが認
められた様でして、一気に血の気の多い内容へとシフト・チェンジや。
最後はイアンが故ロッコー・ロックにクルリと丸め込まれての敗退でし
たが、今度は『Behind Closed Doors』シリーズでパブリック・エネミー
の新作を作って欲しいなァ。
EBad Breed vs. Pitbulls
ECW Arena "November to Remember 1994"
(November 5, 1994)
今度はバッド・ブリードとピット・ブルズ(ゲイリー・ウルフ&故アンソ
ニー・デュランテ)との闘い模様。わりと短時間でイアンがピット・ブル
ズのフィニッシュ・ムーヴであるスーパー・ボムを受けて轟沈ですワ。
改めてこの結末を見て、余程悔しかったのやろね、「(ワシを一人にし
て)お前、どこに居てたんや?」なんてイアンがアクセルに問いただし
ておりますワ...(苦笑)。
尚、「血を見せろ!」のチャントが渦巻くECWアリーナ。お客さんがそ
こまでおっしゃるならと、試合決着後にバッド・ブリードはブッとい鎖の
付いた首輪を持ち出してピット・ブルズを急襲。額を大きく割られて文
字通りボトボトと血を垂れ流す故アンソニー・デュランテ(通称:ピット・
ブル2号)、実にプリティ・グッドでっせ。
FDouble Dog Collar Match :
Bad Breed vs. Pitbulls (w/Jason)
ECW Arena (Nov 19, 1994)
Eでの惨劇の元凶となった首輪付きの鎖。ならばこれを2本用意し、
イアンとゲイリー・ウルフ(通称:ピット・ブル1号)、アクセルと故アンソ
ニー・デュランテ(通称:ピット・ブル2号)をそれぞれ繋ぎ、タッグ形式
で『犬の首輪戦』をやってみよかとなったみたいやね。
で、『RF-VIDEO』の事務所で自分達の過去の名勝負を観賞し、好き
勝手にコメントを被せていたイアンとアクセルもとことん絶好調状態へ
突入された御様子。イアンなんていきなり横に座るアクセルの左頬に
鉄拳をブチ込み、アクセルを困惑させるお戯れや......(苦笑)。
試合はピット・ブルズの合体雪崩式ブレーン・バスターでイアンが沈み
ましたが、試合より何より『彼方』へと飛んで行かれたイアンの事が気
になってしもて、気になってしもて...(苦笑)。 |
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